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エネルギーを作る解糖系とミトコンドリア系を使い分けて長命を By 豊岡倫郎 氏 2021-2-27

1.解糖系とミトコンドリア系とは

我々が毎日口から摂取した食べ物は体内で消化分解され、各細胞に吸収されて、エネルギーとなって、生命活動を維持しているが、このエネルギーを生産する経路には、二通りあることをご存知だろうか。それが解糖系とミトコンドリア系(別名クエン酸回路・電子伝達系)である。この二つの経路を理解し、使い分けることによって、無病長生を計る一助としたい。

2.解糖系とミトコンドリア系の機能と役割

解糖系とは、細胞の細胞膜でエネルギーを生成している経路のことを言う。その特徴は酸素を使わないで、短時間でエネルギーを生成する。エネルギーとして使われる栄養素はご飯、パン、イモ類や砂糖などの糖質である。

一方ミトコンドリア系とは、細胞の中のミトコンドリアと云う器官でエネギーを生成していて、酸素を必要とし、即効性はないが、持続性があり、解糖系に比べて18倍のエネルギーを生成すことが出来るのが大きな違いである。

3.加齢と共にこの二つのエネルギー生成経路の分担が変わる

赤ちゃんの時から20歳頃までの体の成長期には、ものすごい勢いで日々細胞が増殖して、体を完成させてゆくが、そのエネルギーの基はもっぱら解糖系で生成している。無酸素で、迅速に、瞬発力で、低体温でもどんどんエネルギーが作られてゆく。ところが成長が完了した頃からは、エネルギーを作る主役はミトコンドリア系に、徐々に役割チェンジが起きて、低体温ではなく、有酸素の条件下で、持続力のあるエネルギーを作り出す。

従って高齢になると、体の摂理が自然と変わってゆき、ミトコンドリア系では、解糖系の18倍もの多くのエネルギーを作り出すから、大食しなくてもよいようになる。

4.ミトコンドリアとは

ミトコンドリアとは細胞内にある小器官で、細胞内で、栄養素からエネルギーを生成するだけでなく、傷ついた細胞を消滅させるアポートシス、神経伝達などにも関与している。体のひとつの細胞の中には平均では300から400個のミトコンドリアが存在するが、肝臓、腎臓、筋肉、脳、神経組織などの代謝の活発な細胞に数千個のミトコンドリアが存在し、全身の体重の10%を占めている。特徴的なことは、細胞核にあるDNA遺伝子とは別に独自のDNA遺伝子を持っていることである。そして親から子へ遺伝するのは、母親の持つミトコンドリア遺伝子に限られているから、 話が複雑になる。遺伝子解析が進歩した現在では、先祖を遡るとミトコンドリア・イブのことやら、日本人はどこからやって来たかとか、話題は尽きない。

5.赤筋と白筋の話

魚を例にとると、あまり動き回らないヒラメなどの魚の身は白いが、カツオやブリ、マグロのような動き回る魚の身には赤身が多い。スポーツでいえば、瞬発力が必要な短距離選手は白筋、持続力の必要なマラソン選手には赤筋が必要となるのも、ミトコンドリアで説明がつくのである。

6. 40歳からは生き方、食べ方を変えよう

  • 解糖系からミトコンドリア系への経路転換に対応して生活習慣を変える必要がある。それにはどうしたらよいのか。  先ずミトコンドリアを増やし、元気にするには、健康体操をして体温をアップし、有酸素にして、少食にする。またストレスを少なくする生活にする。血管系疾患や糖尿病も発症し、免疫力も低下し、ガンにも罹り易くなるのもミトコンドリアが活性化していないからである。
  • 食生活では、3分づき玄米、生野菜ジュース、大豆製品、ゴマ、小魚類、海藻、キノコ類、緑黄色野菜、発酵食品を中心とした少食にする。食事には時間をかけて、一口30から50回咀嚼する。間食をせず空腹時間をつくると、ミトコンドリアも増えるし、長寿遺伝子のスイッチもオンになる。
  • 体を動かすことも必須で、自彊術が理想的である。何故なら有酸素運動、自律神経平衡化、体に必要な筋肉を補強、血流促進で体温アップできる。家で毎日15分間で済み、毎日継続できる。
  • ストレスを解消して、心の安寧を計ることも必須である。前向きに生きがい、楽しい趣味を見つける。頑張り過ぎない、気の合う仲間を見つける、十分な睡眠と、生活にゆとりを持つ。健康体操をして、筋肉の緊張を取り、骨格の歪みや自律神経のバランスを整えると、精神的なストレスも解消するし、穏やかなすがすがしい気分になる。
  • 避けるべき悪い生活習慣を列挙すると、先ず大食、糖質の多い白米、パンやうどんなどの小麦製品、甘いお菓子類と飲み物、お酒、肉類、乳製品なとの摂取。活性酸素が発生する様な激しい運動、直射日光、便秘、ストレス、農薬や食品添加物、服薬を避ける。

7.自然の摂理、体の摂理には逆らえない

人間は数万年の歴史を経て、自然環境に適応して、体が作られている。自然の摂理から乖離した歪んだ生活を送っている人が病に侵される。

それを経験的に戒めているのが、42歳の厄年の習わしである。日本医大出身の病理学者である金子仁(かねこまさし)著「厄年の科学」という本がある。厄年は昔の人の生活の知恵であり、一種の健康法として根拠のない事ではない。昭和51年発行の古い本であり、ミトコンドリアのことはまだ書かれてないが、40歳を過ぎれば、この二つのエネルギー生成経路の理論を活かして生きることが賢明ではなかろうか。

事実40歳を過ぎた頃から、大食できなくなったとか、食べ物の好みが変わったとか、自覚する人も大勢いる。しかし若い頃の食欲旺盛な時の事が念頭にあるため、体がだるいのも、疲れるのも、栄養分が足りないのではないかと、勘違いして、焦って高蛋白、高脂肪のいわゆる欧米食を大食していけない。加齢と共に食が細くなり、嗜好が変わるのも自然な体の摂理なのである。

8.まとめ

1)いつも書いているが、いくら体に良いことを実行していても、一方で悪い事
を止めない限り、病気は減らない、治らない。病気になるのには必ず原因が
ある。悪事は良事を駆逐する。

2)ガンを防ぐには、低体温や無酸素にならない体づくりをし、脳卒中や心臓
疾患を予防するには、少食にして、腸内環境を整えて、綺麗な血液が滞り
もなく、全身を巡る体作りを心がける。ストレスは血管を収縮させて、
低体温、低酸素、低免疫力の三低のもとになるから要注意。

3)この記事を書くにあたって、納得させられたことは、無病長生を達成する
には、体をよく動かして、食事にも気を配り、また精神の安寧を計ること
の重要さだった。テレビでは相変わらず、これでもかと、毎日グルメだ、
スイーツだと浮かれている。身の回りの人達に体操を進めても、食事が大事
だと悪食を戒めても、どこ吹く風とばかり、ただ笑って実行せず。
これでは病人は増加しても、減るとは思われない気がする。
おわり


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