今年の夏は一段と暑い。
暑中見舞いは少々早いかも知れないが・・・。
NPO法人健康を考えるつどい 絵手紙教室の作品
井上 杏那さん
絵も字もうまい! 文言も!
1.脂肪肝の人が増加
いま脂肪肝の人が3000万人もいるという。どうしてこんなに増加したのだろうか。肝臓は沈黙の臓器と云われていて、病状が悪化するまで、病気に気が付かずに、手遅れになることが多い。
しかも肝腎要と云う言葉が有るように、全身に種々の影響を及ぼすから怖い病気である。
2.脂肪肝とは
肝臓の病気といえば、アルコール性の肝炎、ウイルス性のB型やC型肝炎、肝硬変や肝臓ガンを思い起こすが、あまり馴染みのない脂肪肝とはどんな病気なのだろうか。
脂肪肝とは、中性脂肪の合成が促進されることなどによって、肝臓に脂肪が過剰に溜まった状態をいう。即ち肝臓の細胞の30%以上が中性脂肪が溜まった状態で、いわぱフォアグラ状態になっている日本人が3人に1人いると云われているから怖い。その原因として、アルコール性でないものを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ぶ。更にNAFLDには、症状が軽く、改善しやすい単純性脂肪肝(NAFL)と重傷タイプの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2種類がある。NASHは放置すると、肝硬変、肝臓がんへ進行する。NAFLがNASHに進行することも。
3.脂肪肝の原因
何故こんなに脂肪肝の人が増えてきたのだろうか。お酒の飲み過ぎが肝臓に悪いことは、常識となっているが、その原因が食べ過ぎにあることを知ってほしい。
その原因は、
■ 消費エネルギー以上に摂取エネルギーかオーバーすると、脂肪酸やブドウ糖が
中性脂肪として肝臓に蓄えられてしまう。要するに食べ過ぎ。
■ 運動不足で摂り入れたエネルギーの消費量が少ない。
■ お酒の飲み過ぎで、肝臓に脂肪が溜まりやすくなる。
4.肝臓の主な働き
口から摂取した栄養分は胃腸で消化吸収されて、門脈を通して肝臓に行き、そこでブドウ糖はグリコーゲンに、蛋白質はアミノ酸に分解され、体に適合した形の蛋白質に作り替えられる。一部の栄養素は肝臓に蓄えられていて、必要に応じて、放出される。さらに脂肪からコレステロールを作ったり、化学反応によって500種類の物質に作り替えている。腸内の消化吸収を助ける胆汁の生産も行っている。
もう一つの大きな働きは解毒である。体の外からくる有害物質、例えばアルコール、二コチン、薬物、食品添加物、体内で発生するアンモニア、その他毒素類を解毒している。余談だがコレステロールを下げる薬に肝機能が悪化する副作用が出ることがある。コレステロールは肝臓で作られているから、制御する薬が仇となるらしい。
5.肝機能の診断
肝臓は少しくらい悪くなっていても、痛くもならないし、症状が出にくいため、手遅れになり易い。一般的な検査としては、自治体や企業体で行われている年一回の健康診断の肝機能検査項目にあるAST、ALT、γ―GTの数値、これらは肝臓から血中に出ている酵素の量によって、肝機能をチェックする。
その外、超音波エコー検査、CT検査、肝生検で細胞組織を調べるなどを必要に応じて行う。
6.肝障害によって発生する症状
●体がだるい。
●すぐ疲れる。
●肩がこる。
●頭がボーっとしている。
●いつもイライラしている。
●記憶力が悪くなる。
●取り越し苦労をする。
●夏バテする。
●よく風邪を引く。
●食欲が低下する。
●吐き気がする。
●手のひらが黄色くなる。
●尿の色が番茶色。
●昼食後眠くなる。
●熟睡できない。
●便秘ぎみである。
●腹部膨満感。
●よくガスが出る。
●首や顔その他にクモの巣状血腫が出る。
●胸椎の4~8に痛みが出る。
●手足が冷える。寒がり。
●体のむくみ。
7.鈍重肝臓とは
大阪大学の医学部に在学中に自ら慢性肝炎で苦しんだ甲田光雄博士は、後に八尾市で甲田医院を開業して、多くの難病で苦しむ患者を治療して、名声を博した医師であるが、その治療体験から「鈍重肝臓」と命名して、多くの肝臓疾患の患者を治療してきた経緯を持つ。
鈍重肝臓は前述したNASHに相当するのではないかとも言われているが、その違いは肝機能の数値が基準内に入っていても、肝機能が正常に働いていない為に、病状に苦しんでいるという。
疲れやすく、記憶力が低下し、イライラし、首や肩が凝り、疲労感が付きまとうなどの症状が出る。診察しても、よく自律神経失調症、うつ病、慢性疲労症候群、ビタミン欠乏症等と間違われるという。便秘、ストレス、飲酒、食べ過ぎ、運動不足、胃腸虚弱、長期の服薬などで、肝臓がヘトヘトに弱ってしまった状態になったものを鈍重肝臓と名づけた。
8脂肪肝および鈍重肝臓の治療法
現代医学が進歩したといっても、根治させるのが難しいのが、肝臓疾患である。今回のテーマである脂肪肝についても然りである。
ここでは前出の甲田光雄著「肝臓病克服のキメテ」および「奇跡が起こる半日断食」と云う本によれば、ヘトヘトになった肝臓の疲れを取るには、断食をして、宿便を排泄させる。一方肝臓の強化のためには生野菜ジュースを摂取する。日常生活で継続的に実行することは、玄米少食、生野菜、大豆製品、ゴマ、海藻、小魚などの摂取である。避けるべき食品は肉類、脂っこい物、冷たい物、甘い物、酒類、食品添加物の多い加工食品、冷たい清涼飲料水、ビールである。肝臓の血流を良くするために、温冷浴、裸療法で静脈怒張防止する。一連の西式健康体操も行う。本には体験談も掲載。留意すべきことは以上のこれら治療法はあくまでも甲田式療法であって、現代医学の標準的な治療法と異なることを付け加えておく。いずれにしも、どんな肝臓疾患であれ、早期発見、早期治療が重要である。国民の2人に1人が肝臓が弱っているというから、日頃の生活習慣を見直さねばならない。人生100歳時代到来と、浮かれている場合じゃない。
9.まとめ
1)肝臓疾患を治す妙薬はない。だからこんなに患者数が多いのである事を直視すべきである。
2)肝臓疾患は他の臓器にも影響を及ぼす。肝臓が悪くなると、腎臓にも、膵臓にも、心臓にも、その他いろいろ影響を与える。例えば漢方では、肝の疲れは眼に現れて、目が疲れる、ぼやける、叉筋肉にも現れて、足が引きつる、肩がこる、爪ももろくなる。特筆すべきは、肝臓は膵臓の働きを制御していて、糖尿病になる人は先ず肝臓の強化を図らねばならないという説もある。
3)肝臓病で思い起こすことは、坂口安吾著「肝臓先生」という短編小説がある。映画化もされた。
小説のモデルは、佐藤精一医師で、1991年に95歳で逝去、東北大学医学部卒、静岡県伊東市で開業し、著書「あなたも肝臓病人だ」、―日本人の8割が慢性肝炎―(実日新書出版)がある。
おわり
1.意外と知られていない慢性腎臓病
慢性腎臓病(CKDと称す)の人が日本では8人に1人が患っている国民病で、1330万人いるといわれている。腎臓の働きの悪い状態が、その原因が何であれ、3カ月以上続くと、慢性腎臓病と診断される。悪化するまで自覚症状がないため、手遅れとなる恐ろしい病気である。
2.腎臓の構造と働き
腎臓は、握り拳くらいの大きさの臓器で、体の左右に1つずつあり、糸球体と尿細管からなるネフロンがひとつの腎臓に約100万個、ふたつで約200万個で、構成されている。動脈から腎臓に流れ込んだ血液から余分な水分、塩分、老廃物を濾過して、尿として体外に排泄している。
また水分や塩分の調節し、きれいになった血液は腎臓から静脈を通じて、体内に還流される。
一日に腎臓に流れ込む血液は180リットルで、その内1.8リットルが尿として排泄されるが、血液内に戻すか、尿として捨てるかの判断は尿細管が行っている。戻す成分としては、水分、糖、ナトリュウム、カリュウム、カルシュウム、リンなどは戻して再利用される。
腎臓はこれ以外に、血液の酸とアルカリの調節、体内の水分量のコントロール,赤血球を作る造血ホルモンや血圧調整ホルモンを作り出す、ビタミンDを活性化させ、カルシュウムの吸収をよくさせるなど、多岐にわたる機能を持つ。
3.慢性腎臓病の診断基準
ひとつは、蛋白尿がでるなど腎機能に異常がある。または、腎機能を示eGFR(糸球体濾過量) が60ml/分/1.73m2未満に低下している。このいずれか、または両方に該当する状態が3カ月以上持続している場合、慢性腎臓病と診断される。
4.健康診断での腎臓機能検査
毎年5月から開始される地方自治体の健康診断表によると、血液の検査によって、クレアチニン 男は~1.20mg/dl、女は~1.00までeGFR 60.0~ml/min/1.73m2以上 が正常範囲となっている。
なおクレアチニン値とは血中に一種の老廃物が多いかどうかを、またGFRはクレアチニン値と年齢、性別から算出した腎機能の推定値のことである。
最終的な慢性腎臓病の重症度は招いた原因疾患、腎臓の機能、蛋白尿、アルブミン尿によって、ステージ1から5までに区分されいて、治療法が決められる。
5.慢性腎臓病の主な原因
慢性腎臓病とは、ひとつの病気を示すものではなく、慢性的に腎臓が障害されたり、腎臓の働きが低下している状態の総称である。慢性腎臓病の原因には、大きく分けて3つある。
1).原因その1
糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、メタボ、喫煙などの生活習慣病によって、長い時間をかけて、血管や組織が侵されているもので、特に毛細血管の劣化や動脈硬化が進行しているためにおきる。糸球体は血管の塊みたいなものだから、血管の良否が大きな原因となっている。
2).原因その2
一般的に腎臓病と称するなかには、急性腎炎、慢性腎炎、ネフローゼ、腎盂腎炎、腎臓結石、腎結核、腎腫瘍などの疾患があるが、中でも多いのが、慢性腎炎である。
3).原因その3
一般の成人は上述した様に左右の腎臓で、約200万個のネフロンがあるが、加齢と共に、60から70代になると、半分の100万個に減ってしまう。それに加えて、最近の食生活が変化して、リンの摂り過ぎが、体内のリンの血中濃度を高めて、慢性腎臓病だけでなく、色々な生活習慣病を招くという。最近出版された、東京大学医学部卒業、現在自治医学大学医学部の教授をしている黒尾誠著「腎臓が寿命を決める」幻冬舎新書によると、血中リン濃度と人間も含み動物の寿命には、相関関係があって、リン濃度の低い人は長寿命であるという。
更に著者は骨粗鬆症などで骨量が減ると、カルシュウムやリンが血中に溶け出してくるし、リンの多く含まれている加工食品、例えば食品添加物の多いハム、ソーセージ、かまぼこ、インスタント食品、レトルト食品、ファーストフードなどの多食はリン濃度が高くなり、カルシュウムと結合して、リン酸カルシュウムをつくる。さらにそれがタンパク質と結合して、コロイド状のCPPとなって、血中を移動して、血管壁に石灰化して沈着する。それが脳卒中や心臓疾患の原因にもなってしまう。また慢性炎症をも引き起こす。結局老化をも促進することになる。盲点はリンは無臭、無味で、どんな食品にどれだけ入っているか、判断が付かない事である。
その他の原因では、骨格の歪みが腎臓疾患に大きな影響を及ぼしていると、主張している医者がいる。西式甲田療法で有名な故甲田光雄博士の著書「腎臓病と甲田療法」創元社発行、によると、足の故障と腎機能の関連性を重視している。イギリスのツルーエタ博士も第二次世界大戦の時に、爆撃で足を怪我した人達は皆腎臓疾患に侵されている事に気が付いて、その後ウサギの実験で、腎臓と足の故障との関連性を解明した。
前出の著書の中で、足の故障→感冒、扁桃腺炎→腎炎・ネフローゼへと発展してゆくという。また砂糖の多い食品の過食が足首の故障の原因となっていて、腎臓病の予備軍となってゆく。足首に故障のある人が医者に勧められるままに、毎日散歩をすれば、ますます足首を悪くすることも多いというから、足首の故障を治してから運動することが肝要である。盲点は足首の故障は痛みがない場合も多く、本人が気付いていないことが多いという事。
もうひとつ、腎臓の働きは、胸椎の10番から出ている脊髄神経に支配されているから、この骨の狂いが腎臓の働きを悪くする。
更にもうひとつ、アメリカの自然食療法の父と言われたǸ・ウオーカー博士の著書「食事を正しくすれば、老化は防げる」によれば、すべての薬とアルコール飲料は、腎臓には非常に有害です。体内に入る液体として、最も有害なのは、おそらくビールでしょう。ビールは非常に速いスピードで腎臓を破壊すると、書いてある。
6.腎臓病の初期症状を見つけるには
先ずは年に一度の健康診断は欠かせないが、腎臓の働きが弱った時に現れる次のような東洋医学的に見た症状がないだろうか。、
●夕方になると、足がだるくなり、疲れる。
●腰に鈍痛が有り、嫌なだるさがある。
●朝起きた時に、顔や手が腫れぼったい。夕方になると足がむくむ。
●目がすぐ疲れる。
●朝早く起きられない。
●昼間の尿量が少ないのに、夜中に二回も、三回も小用に起きる。
●夜中にうつ伏せに寝る習慣のある。
●顔の色が黒ずんでいる。
●夜分就寝中にやけに足の裏が温かく、布団の外に出す。
●よく風邪を引き、熱を出し、のどの痛みがなかなか治らない。
●耳鳴り、難聴がある。
●靴の底のかがとの外側が減っている。
●足首が歪んだり、痛い。
●体を左右に振って、ヨタヨタ歩く。
●薄毛、若白髪である。
●目にクマがある。下瞼がふくらんでいる。
●顔が下膨れ。
●尿酸値が高い。
7.慢性腎臓病の予防と治療法
1)前出の黒尾誠著「腎臓が寿命を決める」によれば、リンの摂取量を減らし、血中リン濃度を上げないようにする。我々の食生活では体の必要量の約3倍も多く、リンを摂り過ぎている。リンには、有機リンと無機リンが有り、有機リンには肉類、魚介類、卵、乳製品、野菜、穀類などに含まれ、概してタンパク質も同時に含まれていることも多い。無機リンには食品添加物に含まれているリンで、ハム・ソーセージなどの加工肉、干物、練り物、スナック菓子、インスタント食品、レトルト食品などの加工食品、スーパーやコンビニで売られているお惣菜や弁当にも、腐敗防止剤として含まれている。無機リンは有機よりも体内への吸収率が高い。ただし大豆に含まれているリンは吸収されにくい。従って加工食品の購入を減らして、家で手作りしたものを食べることである。
2)西式甲田療法で多くの腎臓病患者を治してきたことが前出の「腎臓病と甲田療法」に書かれてあるが、それによると、足首に故障があると、腎臓の機能低下につながっていることを、多くの臨床経験から説明している。足首故障の治療法としては、毛管運動、足首に芋湿布、足首の温冷交互浴、脚絆療法、平床、金魚運動、合掌合蹠法、足先の上下運動と扇形運動がある。詳細は本に書かれてあるので参照。
食事療法としては、甘いお菓子の過食、肉や卵の偏食、加工食品の添加物、飲酒を慎む。またタンパク質、塩分、カリュウム等の摂取は、腎臓疾患の程度によって、厳しくコントロールする必要があるので、注意しないといけない。基本的には玄米、生野菜ジュース、小魚、海藻、キノコ、ゴマ、大豆製品などの少食である。血液を酸性化にしないことである。
黒い食品の黒豆、黒ゴマ、昆布を東洋医学では推奨している。そして水分は生水とビタミンCの多い柿茶をチビリ、チビリと補給する。朝食抜きの2食が良い。体の摂理は、午前中は排泄の時間帯であるから、腎臓は毒素を尿として排泄しようとしている時に、朝食を摂るのは生理に反する行為である事が実際に実験で証明されている。朝食抜きの人は腎臓が働いて、尿量も、毒素の量も多く出たのである。以上が甲田療法であるが、決め手として数日間の断食を実行して、治癒した例も掲載されている。
そもそも足の弱い人は腎臓が弱い。何故ならヘソから下の臓器や器官は足の血流によって、新陳代謝が行われているからである。特に加齢と共に太腿の内転筋が委縮してくると、泌尿器、生殖器、腎臓、副腎が弱ってくる。そこで太腿の内転筋を鍛えるスクワット体操が良いと云われる由縁である。更に毛管運動をして、毛細血管を増強すれば、下半身の血流もよくなる。
3)他にも、肥満にならない。肥満になると、足首を痛める人が多い。また腎臓についた脂肪層の膜が腹膜との間の栄養移動に支障を来し、炎症や委縮を起こす。
腎臓のミトコンドリアを元気にして、腎臓の萎縮をストップさせるには、亜鉛の多い食品や硫黄化合物の多いニンニク、玉ねぎ、ニラを摂取。さらに抗酸化食品の摂取で活性酸素の害からミトコンドリアの減少を防ぐ。有酸素運動をする。体を冷やさない。腸内環境を整えて、悪玉菌を増やさない。
4)東洋医学の経絡の理論
ご存知のように、東洋医学では、体内に気血が流れていて、それが滞ると病が発生する。体内には14種類の経絡の流れがある。そのひとつに腎経がある。その出発点は足の裏の湧泉と云うツボから踝の周りを通り、更に三陰交から膝を通り、上半身の胸に行き着く経絡であるが、その経路にある一連のツボを指圧することで、腎臓の働きを活発にする。腎経の経絡で特に有効なツボを上げると。
湧泉(ゆうせん)・・・足の指を裏の方に曲げると、窪みのできるところにある。
太谿(たいけい)・・・内踝の内側のアキレス腱との間の窪みのところにある。
三陰交(さんいんこう)・・・内踝から4横指上の頚骨の後ろきわにある。
陰谷(いんこく)・・・膝を内側に曲げると出るシワの親指側の端にある。
腎兪(じんゆ)・・・背中の腰椎の2番と3番の間のところから左右3cm離れたところにある。
8.まとめ
1)どうして私がこんな腎臓疾患になるのだろうかと、この病気になった人はつぶやく。無知ほど恐ろしいことは無い。人生最低限の健康常識は身に着けておきたいものである。
2)腎臓疾患を薬で治すのは非常に難しい。現代医学が進歩したとはいえ、今でも難治である。いま最終的な治療法である人工透析を受けている人が33万人いる。
しかし、 少食や断食、玄米食、骨格の矯正、生野菜汁、毛管運動、無添加食品、これらは現代医学では理解を得られてないが、これらの療法を実行して、快癒して、患者に感謝されている医者も存在するのである。そして快癒した患者が異口同音に発する言葉がある。その言葉とは、「何故この療法が一般の病院で実行されないのだろうか」と。医療制度は複雑である。我々にできることは、病気を治してくれる医者を探し回って、見つけ出すことしか、できないのだろうか。
おわり
第156号 心と体の健康生活:令和 4年 3月 15日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
今回の見開きページの話題は「姿勢と体貌(その1)」
西式健康法を考案した西 勝造先生の学説によると「良い姿勢を保とうなどと意識せずに、自分の功まぬ自然の姿勢が優良姿勢であるように自分の生態を作り上げること。そこに西式健康法の六大法則の目的の一つが置かれている」と述べている。
1.日本は糖尿列島化
今糖尿病になる人が急増していて、40歳以上の4人に1人がなっていると云われている。糖尿病が疑われる人が1200万人、その予備軍が1100万人、合計2300万人になる。どんどん増える糖尿病に歯止めがかからないのは、何故か。100歳時代到来と浮かれている時ではない。
2.糖尿病の判定基準
毎年、5月から健康診断が開始されるが、血液を採取して、糖質検査が行われる。空腹時血糖値が99までが正常。ヘモグロビンエーワンシー (HbA1c)が5.5までが正常となっている。しかしこれ等の基準値は協会や医師によって若干異なることがある。なお血糖値は採血時の血中の血糖値を示すが、ヘモグロビンA1cは過去2~3カ月間の平均的な血中タンパク質に含まれる血糖値を現わしているので、比較的長期的な血糖値の状況が掴める。
3.糖尿病とは
糖尿病とは、食事の後や空腹時にも、一定量以上の血糖値の高い状態が続くことを言う。普通食事をすると、栄養素が消化、吸収されて血液中の血糖値が上がるが、それと同時に、膵臓からインスリンが分泌されて、その糖分を細胞が取り込んで、エネルギーとして、利用できるようにしてくれるので、血糖値は自然に下がる仕組みになっている。
インスリンは膵臓のランゲルハンス島で作られて、分泌されるが、このインスリンが正常に分泌されない場合、或は血中の糖分(ブドウ糖)を細胞内に取り込みできない場合は、糖分が血中に溢れた状態になってしまう。これが糖尿病と云われる病態である。
では何故糖尿病となるのか。糖尿病には1型と2型があり、1型というのは、自己免疫反応やウイルス感染などによって、膵臓のランゲルハンス島が破壊されて、インスリンが作られなくなるために起こる。若年で発症することが多く、治療法はインシュリン注射することになる。糖尿病全体の患者数の数パーセントといわれている。
それに対して2型は遺伝的要素もあるが、多くは生活習慣の不摂生などで起こる。中年以降に発症することが多く、全体の9割以上がこのタイプである。従ってこの稿では2型を対象にして述べる。この2型の発症には二つの原因が考えられる。ひとつは、長年の大食でだんだん膵臓が疲弊してしまい、インスリンの分泌量が減少するタイプである。もうひとつは、インスリンは分泌されているが、何らかの原因で、ブドウ糖を細胞内に取り込めないために、血中に溢れるタイプである。これをインスリン抵抗性という。尚溢れた糖は脂肪に代わり動脈硬化を招く。
4.糖尿病の初期症状とは
検診で前述の糖質検査で異常値があれば当然糖尿病の判定が下されるが、それ以外にも、次のような症状が有れば、糖尿病が疑われる。
●夜中にこむら返りがよく起きる。●ひげそり負けし、かゆい。●虫や蚊に刺されて、その痕が残る。
●頭の後ろのうなじに赤い斑点が出ている。●のどかよく渇く。●最近体が痩せてきた。●体がだるい。
●水を沢山飲み、尿がよく出る等の症状があれば、検診を受けた方が良い。
5.恐ろしいのは糖尿病の合併症
ひとつは、糖尿性の網膜症である。網膜の毛細血管に微小血管瘤が出来て、眼底出血や網膜剥離、飛蚊症の原因となる。白内障や緑内障のリスクも高くなる。
つぎは糖尿病性腎性である。腎臓に起こる病変は、腎臓の糸球体という血液の濾過装置の毛細血管がやられて、蛋白が漏れるようになる。3番目は高血糖が続くと神経細胞を傷つけて、神経線維や周りの毛細血管も傷つき、手足がピリピリするなどの知覚障害、しびれや痛みも感じなくなる知覚異常が起きる。更に進むと、自律神経失調し、立ちくらみ、発汗異常、下痢、便秘の症状が出て来る。そして動脈硬化も進み、脳梗塞、心筋梗塞、壊疽(えそ)になる。
6.糖尿病予防のキーポイント
1)大食しない。食べ過ぎが糖を体内に溢れさせる原因である。
2)急激に血糖値を上げるGI値の高い食品を摂らない。GI値とは色々な食品の食後2~3時間後の血糖値の上がり具合を数値化したもので、
この値が高いほど血糖値が直ぐ上がることを示す。
例えば砂糖や果糖類の含まれたお菓子、飲料水は最悪の食べもの。次に菓子パン類。白米、うどん、ラーメン、パスタ、イモ類が
血糖値を上げる。
3)肥満、特に内臓肥満は肥満細胞から分泌される生理活性物質の働きを弱めて、糖の代謝を低下させるだけでなく、インシュリン抵抗性
を高めて、インシュリンの働きを止めてしまう。
4)体内に溢れた糖がタンパク質と結合して、終末糖化産物(AGE)が産出される。最近ではこの物質が糖尿病の一番の難敵と云われている。
毛細血管を詰まらせるし、太い血管の動脈硬化を促進するし、AGEを産出する時に大量の活性酸素も発生させて、体内の脂肪分を
過酸化脂質に変質させる。この糖化と酸化が万病の元となっている。
7.糖尿病の治療法
現代医学の治療法では食事療法と運動療法を基本的には採用しているが、最終的にはインシュリン注射や経口薬に頼ることになる。糖尿病の人は普通の人よりも10年平均寿命が短いというが、根治の決め手がないから、病人が減らないのである。
8.もうひとつの糖尿病治療法
こんな本がある。渡辺昌著「糖尿病は薬なしで治せる」角川書店発行の新書版。著者は1941年生まれ、慶応大学医学部卒、もと国立がんセンター研究所疫学部長。著者本人が重度の糖尿病を薬なしで治した体験と治療法が書かれてある。もう一冊は森田トミオ著「糖尿病に薬はいらない」宝島新書発行。著者は1958年生まれ、出版社勤務を経て、フリージャーナリスト。渡辺正、森下敬一、甲田光雄、新田幸作の4人の医師の効果ある糖尿病の治療法を解説している。
9.まとめ
上述の二冊の本から得た結論は、少食にして、血糖値が上がらない3分つき玄米、生野菜ジュース、大豆製品、海藻、キノコなどをよく咀嚼して食すれば、食物繊維、ビタミン、ミネラルもあり、血糖値も下がる。運動は自彊術のような有酸素運動、全身の筋肉補強、骨格矯正を伴うものと、毛細血管の強化のために、西式健康法の毛管運動、裸療法がおすすめである。腸内環境も良くなり、免疫力も高まる。厳密な少食にして、体操をして、ストレスを溜めない生活を心がければ、糖尿病にはならない。治療に必要な事は、強靭な精神力で、キッパリと今までの悪習と決別することである。病気には自分で治す病気と医者に治してもらう病気とがある。異常な食へのこだわりを捨てない限り、自分で治すことは無理。これ位なら大丈夫だろうという、甘いものに、つい手を出す人には、至難の業かもしれないが、命には代えられない筈。
おわり
1.食は健康の要
体は毎日食べている食べ物によって作られている。中国には「医食同源」と云う言葉が有る、即ち「食誤れば病生じ,食正しければ病癒える、もって医食同源なり」と。食事療法の健康書を読むと、どの本にも出て来る記述がある。それは「マクガバンリポート」のことである。
2.マクガバンリポートとは
1970年代までのアメリカでは、ガン、心臓病、糖尿病等の生活習慣病が増え続け、止めることが出来ず、国民医療費は増加の一途だった。これではいかんと、当時の大統領フォード氏は上院議員のマクガバン氏を委員長として、栄養問題特別委員会が設置された。そして3000人の専門家と7年の歳月をかけて作成されたのが、5000ページに及ぶ通称「マクガバンリポート」と呼ばれている報告書である。1977年のことである。
その内容は、ガンや心臓病などの種々の慢性病は、肉食中心の誤った食生活が生み出した「食原病」であり、薬では治らないと断じ、私たちはこの事実を率直に認め、ただちに食生活を改善する必要があると。この時マクガバン氏は我々の肉食中心の食事がガン、心臓病、脳卒中、その他慢性病等の元凶だったとは、気付かなかった、我々はバカだった、あき盲だったと、涙ながらに語った話は有名である。
これを受けて、1979年、米国食品医薬品局は健康・医療・食事に関する対策を立て、実行に移した。また1990年には、米国ガン研究所は、デザイナーフーズプロジェクトと称して、ガン予防に有効な植物性食品の野菜、果物、穀類、香料等の摂取を呼びかけた。
3.その後のアメリカの食事療法の経緯
1)アメリカでは、2009年に、コーネル大学のT・コリン・キャンベル博士によって、「The China Study」、和書名「葬られた第二のマクガバン報告」翻訳者は松田麻美子女史、が出版された。その内容は 世界中の膨大な研究資料や、中国の農村地域と都市地域の大規模な疫学調査に基づく、研究成果によって、動物性蛋白質に発ガン性がある事が示されている。
しかしこの「The China Study」の和書名「葬られた第二のマクガバン報告」が示すように、一部の人には理解されたが、反動も大きかった。その訳は肉、牛乳、卵等の動物食品を断ち、植物性食品に替えることで、病気が治るという事から、食品業界、医学界、製薬業界からの嫌がらせがあった。だが多くの圧力や妨害を受けながらも、事実は事実として認められて、2011年に、キャンベル博士のこの著書は地球環境のノーベル賞と称せられるカターブァ賞に選ばれた。
2)ナチュラル・ハイジーン健康法とは
アメリカで1830年頃医師たちによって、自然と生命の法則を基にした医学理論による健康法で、世界中で知られるようになったのは、これを解説した「Fit for Life」という本が、1985年に出版された時からである。日本には2000年過ぎアメリカ在住の松田麻美子女史の著書によって知られるようになった。松田麻美子女史は翻訳だけでなく、自らも「常識破りの超健康革命」などいくつものこの方面の著書がある。
そして2013年頃からナチュラル・ハイジーンに賛同する医師や代替医療家が増加して、2017年には、医師約600人を含む900人が参加して会議が開かれている。
3)別に2013年にサンディエゴで第一回植物性食品による国際医療会議が開かれた。225名の医療関係者が出席した。更に翌年2014年の時には、400名の医師や医療関係者が世界15国から参加した。この時日本から初めて、医師の真柄俊一氏が出席した。
4)大ヒットした映画「フォークス・オーバー・ナイブス」の話
タイトルの意味は、正しい食事は手術に勝る、という意味である。2011年アメリカとカナダで公開されて、ドュメンタリ映画として、異例のヒットをした。その内容は、現代人が苦しんでいるガンや慢性疾患、心臓病、糖尿病等が動物性食品を排除することらよって、改善が可能であることを、科学的、客観的に解説している。この映画の日本版DVD「フォークス・オーバー・ナイブス、いのちを救う食卓革命」も発売されている。この映画の解説書も「フォークス・オーバー・ナイブスに学ぶ超医療革命」という表題で刊行されている。
5)ベジタリアンとビーガンについて
ベジタリアンとは肉や魚類を食べず、野菜、豆類、穀物などの植物性食品を主に食する人達の事。
またビーガンとはあらゆる動物性食品を厳格に避けて、卵、乳製品も摂らない菜食主義者の事。
アメリカでは人口の7%以上が、イギリスでは5%以上がベジタリアンだと云われている。だからこれらの国では、街中のレストランを始めとして、大学の学生食堂、飛行機の機内食でもベジタリアンの為の食事が可能となっている。
4.食は現代医療を超えた
「食は現代医療を超えた」この言葉は、前述した医師の真柄俊一氏の2015年に発行の著書の表題である。外にも「遺伝子群の働きを正常化すれば、ガンは治せる」など多数の著書がある。真柄俊一氏は新潟大学医学部卒業し、素門(そもん)八王子クリニックの院長で、食事療法と刺絡(ハリ治療の一種で、自律神経を調節して、免疫力を上げる)、及びメンタル面の指導で、遺伝子をコントロールする療法の三本柱で、がん治療を行って、効果を上げている医師である。
彼の食事療法は栄養学のアインシユタインと称されるT・コリン・キャンベル博士の前出の「葬られた第二のマクガバン報告」を読み、2014年の会議ではキャンベル博士にも会って、食事と病気の重大な関連性を再確認した。更に特筆すべきことは、ブルース・H・リプトン博士のエビジェネティクス理論に基づいたメンタル指導をしていることである。これは人々の意識を変えることによって、もって生まれた遺伝子もオンにもオフにもコントロールすることが出来て、それを療法に採り入れている。
5.ガンが増え続けている日本
人口10万人当たりの病名別の死亡者数を見ると、日本では1980年にガンが脳血管疾患を超えて、一位になってから、上昇の一途をたどっている。しかしアメリカやイギリス、フランスと比べると、これらの国は1990年をピークにして、ガンは下降線に転じているのに、日本では更に上昇し続けている。
6.まとめ
1)日本では最先端医学ばかりに目が向いていて、ガンは無論のこと、血管性の脳や心臓の疾患、糖尿病などの生活習慣病予防の為に、今こそ食事療法に国を挙げて取り組むべきではないか。
2)アジアの島国の日本は、井の中の蛙、大海を知らずで、アメリカに比べて食事療法が20年以上遅れているという。これでは生活習慣病は減らない。医療費は増大するばかりである。
3)クリントン元大統領は2度心臓発作で倒れたのを、食事療法で完治した。この記事を書いているこの日、3月29日は肉の日だ、肉を食べれば元気が出るよと、男性アナウンサーが話しているではないか。誤食によって健康を失う事がないよう的確な判断が今要求される時では。
おわり
↑ クリックすると大きくなります。
お問い合わせは ↓
〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220番地
電話 : 0877-45-8441 FAX : 0877-45-8444
メール : info@kenkou-tudoi.jp
詩と絵が出会う詩集絵本「いっしょに2021」が今年も無事発行された。
高松ボランティア協会が毎年1回発行する本。
絵本作家でありアーティストの飛鳥 童氏の「発刊によせて」をご紹介する。
今年は世相を反映してコロナ関連の詩が多く、皆さんの収束への”ねがい”が感じられました。
絵も明るい希望や夢を表現した素晴らしい作品が生まれ、ほっとしました。
私は昨年選考委員として詩と絵が出会う場に立ち合い、今年も応募作品を拝見しました。
詩にとらわれた説明的な絵もありましたが、詩で書けない世界を表現するのも絵の役割です。
今年も知的障碍者の絵が加わりましたが、詩に関係なく自由な表現と鮮やかな見事な色使いに心が癒されました。
詩集絵本が多くの皆さんに愛されることを願って。
本のお問い合わせは087-880-2147 FAX:087-880-2148 まで。
本の一部をご紹介 ↓
第156号 心と体の健康生活:令和 4年 3月 15日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
今回の見開きページの話題は「蓚酸とほうれん草」
西式健康法を考案した西 勝造先生の学説によると蓚酸は蠕動運動の張力を保ち、刺激を与えるのに必要な要素のひとつであると説かれている。
↓ 私のブログ記事も掲載してくれている。
1.脳梗塞の人が増えた
最近私の身辺で脳梗塞で倒れる人が次々と発生している。脳梗塞は脳卒中のひとつで、心臓疾患と合わせて、ガンに次ぐ、死亡原因の上位を占めている恐ろしい病気である。共に動脈硬化が進むと、発症する確率が高いと言われている。何故こんなに多いのだろうか。
2.脳梗塞とは
脳卒中(最近は脳血管障害と呼ぶ)には、脳の細い血管が破れるのが脳出血、脳の比較的太い血管が詰まるのが脳梗塞、脳血管にコブや奇形が原因で出血するのがくも膜下出血である。この中で最近とみに増えてきたのが、脳梗塞である。それも若い人にも多いと言われている。
脳梗塞には3種類ある。ひとつはラクナ脳梗塞(隠れ脳梗塞とも呼ぶ)、次はアテローム血栓性脳梗塞、3番目は心原性脳梗塞(脳塞栓症)である。ラクナ脳梗塞は脳の細い血管が詰まる。症状がないが、一時的に軽微な障害が出ることもある。放置すると、アテローム血栓性脳梗塞、や心原性脳梗塞に進行してゆくこともある。アテローム血栓性脳梗塞は脳の太い血管に血栓が出来て詰まるもの。心原性脳梗塞は心臓に出来た血栓が流れてきて、脳の血管が詰まるもの。急激に症状が起こりやすい。
これら脳梗塞の発症のベースとなっているのが動脈硬化である。動脈は全身に張り巡らされているが、この動脈がいろいろな要因で血流が悪くなり、心臓の冠動脈で詰まれば、心筋梗塞になり、脳で詰まれば、脳梗塞となる。血管に欠陥が有っては長生きできない。
3.動脈硬化はどうして起きるのか
若い時の血管は、弾力があり、ゴムのようにしなやかだが、加齢と共に、血管も老化し、硬くもろい状態に変わってゆく。加齢以外にも、血液中で増えすぎた悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が原因で動脈硬化が進行してしまう。悪玉コレステロールは、血管の壁に入り込むと血管の壁がどんどん分厚くなり、弾力性を失う。放っておくと、プラークができて、血管の内皮に入り込む、すると白血球の一種のマクロファージが血管の中に入り込み、悪玉コレステロールを食べた後に死んだ残骸や残ったコレステロールによって形成されるのが、プラークと呼ばれるコブである。そして血管が狭くなり、どんどん血液が流れにくくなってゆき、プラークが何かの刺激で破れると、傷を修復するため、血小板でかさぶたが作られる。これが血栓と呼ばれるもので、血流が完全に妨げられると、その先の組織に酸素や栄養が行き届かなくなってしまう。
また間接的に動脈硬化を引き起こす危険因子は沢山ある。それは肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、高コレステロール、喫煙、飲酒、運動不足、不整脈(心房細動)、加齢、ストレス、慢性腎臓病などである。
4.脳梗塞の症状
脳内には色々な機能があり、梗塞を起こした場所が、どこか、細い血管か、太い血管か、血栓や血流の状態などによって、様々であるが、よく発生する症状を列記する。
急に手足が動かなくなる。体に力が入らない。顔にマヒがある。食事中に箸や茶碗を落とす。真っ直ぐ歩けない。つまずきやすい。片足を引きずる。言葉が出てこない。呂律が回らない。手足がしびれる。物が見えにくい。めまいや頭痛がする。要するに運動、言語、感覚、視覚障害
が現れる。
5.診断
上記のような症状が出たら、直ぐ医者に行くことである。病院ではMRI(磁気共鳴画像法)などで脳の血管の状態を検査して、直ぐに必要な処置を施すことになる。特に発症後4時間以内の緊急処置が一番大事で、次に8時間以内ならば別の処置になり、更に48時間以内なら、次の手立てとなって、早ければ早いほど、後遺症も軽くなる。正に時間との闘いが生命を左右する。
6.脳梗塞の盲点
脳梗塞の根本原因は動脈硬化に侵されているか否か次第である。上述した様に、血圧にしろ、血糖値にしろ、コレステロールにしろ、中性脂肪にしろ、これらは全て日頃の生活習慣の悪癖から起きている。予防法も、治療法も、食を正すことに尽きる。動脈硬化はもう子供の時から始まっている。そして加齢と共に進行して行く。隠れ脳梗塞の場合は症状らしい症状が出ないが、50代では二人に1人、60代ではなんと8割以上に隠れ脳梗塞が起きているという。
閾値(いきち)という言葉がある。脳の働きは、脳細胞が5割障害を受けていても、症状が出ない事がある。ところが6割になったとたんに、重大な症状か突然出ることがある。この限界値を閾値(機能的限界)という。普段から酒は美味いし、食欲もあるし、どこも痛くも、痒くもないないと、慢心していると、病魔は深く、静かに体内で進行している。脳梗塞で倒れる様な人は定期健診を受けていれば、健診項目に注意書きされている筈である。慢心して、それを無視して、養生を怠ることも盲点となっている。危機管理意識の欠如が墓穴を掘ることになる。
もう一つの盲点は、一度脳梗塞を起こした患者は、再発しゃすく、発症後一年で10%、5年で35%、10年で50パーセントの人が再発すると云われている。また心臓疾患で冠動脈に異常があり、治療を受けている人も、いつ発作が起きてもおかしくない閾値が高い状況にある。
7.予防と治療法
上述した脳梗塞形成の機序は一般の医学書に通説として、説明されているが、これに対して異論を唱える医師がいる。真島康雄医師である。福岡県久留米市で、真島消化器クリニックの院長で、1950年生まれ、久留米大学医学部卒業。「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因」動脈硬化は自分で治せる、という副題が付いている本(2018年、幻冬舎発行)の著者である。
それによると、真島医師は10年間にわたり5800人以上の患者を体の8か所の血管エコー(超音波)検査を行い、独自の方法で体の総プラークの算出方法を考案して、脳梗塞や心筋梗塞の原因は食品から摂る油や脂(あぶら)の超微粒子脂肪滴が原因だとしている。プラークを溜めない、溜まったプラークを減らす「RAP食」を患者さんに摂ってもらい、治療効果を上げている。一読の価値がある。西式甲田療法でも少食、生野菜ジュース、宿便排除、毛管運動が効を奏す。
8.まとめ
1)以前こんな言葉を云った人がいた。「白い猫でも、黒い猫でも、ネズミを捕ってくれる猫が良い」と。医療行為も同じで、理論もあり、病気を治す医者の実学が患者には福音となる。
2)脳梗塞になると、血管性認知症を併発することも多いので注意が必要である。
3)今日もテレビは爆食番組を放映して浮れている。油・脂と酒と砂糖漬けになった体は薬では治らない。日本の医療関係者は食事療法を摂り入れない限り、高血圧も、糖尿病も、高脂血症も、肥満も暴飲暴食が原因で起きている病人は減らない。食事療法は採算が取れないから医者は採用しないのだろうか。それとも真の栄養学の知識不足のせいなのだろうか。
おわり
奈良県立医科大学法医学教室の研究グループが柿の果実から抽出した柿タンニン(柿渋)と柿の葉に含まれるポリフェノールが、強力な血管弛緩作用と血管収縮抑制作用を持つことをラットから摘出した血管において実証した。
これらの作用は動脈硬化症や高血圧症などにより内皮細胞が障害された血管においても同じ作用を示す事から降圧効果を発揮する可能性があり循環器疾患の予防・治療への応用が期待できる。
現在、柿の葉茶の病態改善効果を検証しているとの事。
第155号 心と体の健康生活:令和4年1月25日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
巻末に七福神の紹介があった。信仰すれば7つの幸福を授かり
7つの厄災が取り除けられると言い伝えられている。
恵比寿天は清廉・正直
大黒天は有福
毘沙門天は威光
弁財天は愛嬌
布袋尊は大量
福禄寿は人望
寿老人は長寿
1.弱体化してゆく子供の体
人生100年時代になったと、楽観視している人が多いが、今の百寿者の人たちは、大正末から昭和の初めに生まれて、成長期時代の環境は、食事、乗り物、冷暖房手段などは簡素で、厳しく、体も鍛えられた。ところが今、心ある医者達からは、子供の体に異変が起きていて、子供たちの健康状態について、先行き懸念する声が上がっている。
2.子供たちに起きている憂いべき症状の数々
ある教育機関の小学生、中学生を対象にした調査によると、その症状を多い順から列挙すると、アレルギー性疾患、視力が弱い、すぐ疲れる、歯並びが悪い、腹・頭痛がある、背中がぐにゃぐにゃ、体温36度以下、首・肩コリ、虫歯、肥満などの症状である。
3.何故こんな症状が起きるのか
我々を取り巻く社会環境は、整備されて、多種多様な食べ物は溢れ、交通機関も発達して、歩くことも少なくなり、放課後友達と外で遊ぶこともなく、夜遅くまでスマホやパソコンを操作して、腹がすけば夜食を摂り、冷暖房設備が完備されて、農薬や食品添加物の入った加工食品、大気汚染の中に囲まれているという、衣食住の生活環境がすっかり、自然から乖離してしまつた。即ち飽衣飽食、運動不足、ストレス、睡眠不足などで、体は弱体化してしまった。
4.多いアレルギー性疾患
アレルギー性疾患には、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎(花粉症もその中に入る)、食物アレルギーなどがある。その中でも一番多いのがアトピー性皮膚炎で、全国に治療を受けている人が約700万人、花粉症は10人に1人が悩んでいると云われている。上述した様に子供達にも一番多いのが、アレルギー性疾患で、3人に1人いるという。
5.アレルギー性疾患発症のメカニズム
アレルギー性疾患発症のメカニズムは、どの症状の場合も、皆同じで、起こってくる場所と、その症状が違うだけである。つまり体外から入ってくる抗原(アレルゲン)となる物質、例えばダニ、カビ、花粉、そして大豆、卵、牛乳などのタンパク質が体内に入ってくると、体に備わっている抗体との間で、異物として処理しようとする反応が炎症を起こし、それぞれの場所で症状として発生する。なお抗体とは、病気の原因となる物質が体内に侵入したとき、異物として攻撃したり、体外に排除する役割を担うために作られたタンパク質のこと。
6.アレルギー性疾患の治験
何故私がアトピー性皮膚炎や花粉症になったのか、しかも通院していても、治療の決め手となる治療法が確立されていない為に、どうしたらよいのか、悩んだり、疑問を持っている人が多い。
この問題に対して、1998年に話題となったのは、八尾市の甲田医院で行われたアトピー性皮膚炎の治療の為に実施された「健康合宿」とよばれるものである。この合宿には浜松医科大学、大阪大学、兵庫医科大学、岡山県立医科大学の先生方も参画して、重傷から中等のアトピー性皮膚炎の患者20名が入院して、1996年11月から12月の2か月間、甲田医院にて、治療が進められた。その結果は好成績に終わった。
その後、この健康合宿の成果を知った人達から、もう一度健康合宿を実施してほしいとの声が上がり、1997年8月に第2回目が、17名のアトピー性皮膚炎の患者が参加して甲田医院で行われた。その結果は前回と同様に、17名全員の症状が軽快するという好成績が認められた。そしてその治験が1998年12月に行われた、第48回日本アレルギー学会総会で、報告された。
この合宿の体験集が、甲田光雄監修、すこやかな子供を育てる勉強会編、「アトピーの健康合宿に学ぶ、甲田療法の実践記録」として創元社から出版された。
アトピー性皮膚炎に対する、所謂甲田療法の主眼点は、外部からのアレルゲンと云われる抗原物質よりも、タンパク質の多いに肉,乳製品の過食で悪化した腸内環境に、発症の原因があるとするものであった。
従ってその対策としては、アレルゲンが傷ついた腸粘膜から体内に入らないようにする事に視点を置いた。これを戸締り論と称した。浜の真砂のようにアレルゲンは数々あれど、腸壁を修復し、しっかりと戸締りすれば、体内に入って行かないという理論である。
まず少食主義に切り替えて、今迄の乱れた食事によって荒れた腸粘膜の傷を治すことに主眼を置いて、少食、玄米、生野菜汁など、一連の甲田療法を実行したのである。詳細は上述の著書参照。現代の症状を消そうとするだけの医療は食を超えられないことを示したのである。
7.体の不調は腸もれ、正式にはリーキーガット症候群とは
腸もれに関する研究が進み、腸もれが体の不調の一大原因と云われている。腸もれとは、腸壁の細胞間の連結が緩んで、隙間が出来て、そこから腸内で腐敗したタンパク質の毒素や細菌などが腸壁から吸収されて、血液に混じり、全身の組織に悪い影響を与えてしまうことが解かってきた。今や日本人の70%に「腸もれ症候群」の可能性があるという。
例えば、アレルギー性疾患はもとより、慢性炎症、慢性の消化器系疾患、めまい、疲労、多動症、自閉症、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、全身痛、動脈硬化、慢性リュウマチなどの発症に係わっている可能性を指摘している。
対策は良い腸内環境を作る食事、即ち少食、3分づき玄米、生野菜汁、小魚、大豆製品、ゴマ、海藻、キノコ、根菜類中心の食事である。肉、卵、乳製品、食品添加物の多い加工食品、酒、甘いものは控える。特に蛋白質の過剰摂取で生じる窒素酸化物が元凶となっている。
8.子供の病気は親の責任
両親が健康であれば、生まれる子供も元気に生まれる筈。問題は両親が不規則な、乱れた食生活を続けていれば、「この親にして、この子あり」という諺の通り、病弱な子供が生まれるに違いない。先ず子供の為にも、自分の為にも、正しい生活習慣を身に付けねばなるまい。
食育と云う言葉が有る。食育基本法と云う法律が2005年に制定されている。その中身は、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成のために、保護者、教育関係者の役割、伝統的な食文化、生産者の環境、食の安全性などについて規定されているが、今の医療体制は食事療法に無関心で、治療に活かされていないというから、話は深刻さを増す。
9.まとめ
1)毎日テレビでは地方のグルメやスイーツの食べまくり番組を放映している。今回触れなかったが、いま小、中学生に高コレステロール、脂質異常、動脈硬化が激増しているという。
2)乱れた食生活がじわじわと体を蝕んでいる、今の子供が百歳まで生きられるのだろうか心配。
3)親は早く食の重大さに気づき、子供の食育をしないと、親も子も滅びてゆく。
おわり
1.思い込みは恐ろしい
小さい時から、機会あるごとに、何度も何度も同じことを見たり、聞かされていると、それが真実だと思い込んでしまうものである。
健康常識についても然りである。またそれが多数派意見である時は、少数派意見に遭遇することも少なく、鵜呑みしている場合もある。
ましてやそれに疑問を抱かねば、本質を知ろうとしないものである。それが命を左右する問題の時は、なんと恐ろしい事か。
2.朝食を抜くと、体に良くないと、一般に言われている。
現代医学の医者たちの主張は、朝食はその日の活動のエネルギーを補う大切なものとして、栄養のあるものをたっぷり食べるべきだという。
そして朝食抜きは、頭脳の働きを悪くし、貧血を招くとか、午前中の活力が抜けてしまうとか、あるいはまた、肥満の原因になるなどと
警告を発している。
果たして、これらの主張は正しいのだろうか。これに対する解答となる事例を以下ご紹介する。
昭和52年8月に大阪大学、有害食品研究会主催の夏季キャンプ生活が開かれた。参加者は主に東京、大阪、神奈川、高知、和歌山の
小・中・高校の養護教諭の方が約70名で、目的は子供たちの健康管理に処するための具体策を見つける為のものだった。
キャンプ内容は甲田光雄博士の指導の下に、少食療法とはどんなものかを実践した。先ず一日の総摂取熱量を約800キロカロリーにして、
玄米がゆを主食として、一食に一杯、副食は豆腐半丁とゴマ、トロロコンブ少々だけの食事で、朝食抜きの昼と夕の二回、同じものを
食べる内容であった。期間は1週間から2週間実行した。
その結果は体の力が抜けて、フラフラになるどころか、頭は冴えて、身体は軽くなり、日頃の二倍も働けるという、快適な体調に変わる
ということを大半の人が会得したのである。現代医学の常識からは想像もできない事を体験した養護の先生たちの驚きは大変なものだった。
このキャンプ生活終了後に、6人の養護教諭の方が自主的に、1年間少食生活を実施した。内容は玄米を主食として、一日の総摂取熱量は
1200から1400キロカロリーで、朝食抜きの昼と夕の二食にして、しかも毎週一回の一日断食を継続的に繰り返した。このような厳しい
少食で人並みに働けるだろうか確認したのである。
この少食の期間中は体調の変化、即ち体重、体温、脈拍、疲労度、その他貧血や肝機能も毎月記録した。最初の2か月くらいは体重の減少や
脱力感など多少あったが、その後は回復し、朝食を抜いて、仕事をしても、身体は軽く、いくら動いても疲れ知らずとなり、従来の3食
食べていた時よりもはるかにスタミナもあり、仕事もはかどったことが判明した。ほかに寒さに強くなった、風邪を引かなくなった、
皮膚の色艶が良くなった、手足の荒れが治った。体験者の方たちは、以上の事から今までの健康常識に対して、根本的に疑問抱くことと
なった。これは甲田光雄著「腎臓病と甲田療法」より。
3.朝食抜きの健康効果の理論的根拠
1)午前中は排泄の時間である。
人間は自然界の法則に支配され、順応して体の生理が作られている。午前4時から12時までは排泄の時間帯である。腸や腎臓が体内の
便や尿を排泄するために活動する時であるから、空腹が望ましい。そして昼の12時から20時までは消化、吸収の時間帯である。
食物を摂り、消化吸収の時である。夜の20時から4時までは代謝によって細胞の入れ替わりの時間帯である。代謝とは、ある物質が
化学変化して、全く違ったものになることをいう。この代謝を阻害する行為は夜食と睡眠不足である。
2)人間は飢餓に強いが飽食に弱い。人間の歴史は飢餓の歴史である。体は飢餓に対応できるように作られている。飽食はここ60年位前から
始まったばかり。体には対応できるシステムが作られていない。少食になると、長寿遺伝子Sir2(サーツー)がオンになって、
生命活動が活発になって、老化を遅らせることが解かった。
3)3食きっちりと食べると、フルマラソンに匹敵するくらいエネルギーを消耗するから、明日への為の前向きなエネルギーの余裕がない。
多くのラットや赤毛ザルの実験で、食事量を減らした方が病気に罹らず、長生きすることが証明されている。
4)飽食は消化器を疲弊させて、便秘や宿便の停滞、腸内環境が悪化する。血液が汚濁化し、血管内に余分な脂肪が蓄積し、血流が悪くなる。
少食は逆に上述した現象を発生させない健康体を導いてくれる。
5)自己融解が起きる。少食になると、生きるのに必要なエネルギーの不足分を捻出するために血管内に溜まっている余分な脂肪を利用する
ことにより、動脈硬化や高血圧も好転する。
6)少食によって、消化器の活力が戻り、腸内が綺麗になれば、食べ物の消化吸収力が高まり、必要カロリーも最小限に抑えられる。
しかしその時は食べ物の質を吟味しなければならない。それが玄米であり、生野菜ジュース、豆腐、海藻、小魚、ゴマ、キノコ類
などである。
7)少食には和食が最適であるから、肉や乳製品、卵は勧められない。身土不二がよい。どこの国に日本の子供のように、やれパンだ、
ラーメンだ、ギョウザだ、ピサ゜だ、焼き肉だ、ハンバーグだ、チーズだ、牛乳だと、伝統食を食べない子供がいるだろうか。
日本は崩食した。
4.朝食抜きの2食実行上の注意事項
昨日まで3食食べていた人が急に朝食を食べないと、体は直ぐにそれに対応できない為、ふらつき、めまい、吐き気などの症状が出る
ことがある。また体重も減ってゆく。しかし体が朝食抜きに慣れてくると、体はそれに対応して、体重も元に戻り始める。
これを甲田カーブという。
順調に朝食抜きの2食を進めるには、朝食の代わりに野菜ジュースを飲むとか、朝食の量を徐々に減らすなど、無理をしないことである。
しかし少なくともこれを実行する時は、間食や夜食は勿論の事、白いご飯や白いパン、肉や乳製品は最小限にとどめ、酒や甘い物も
控えることが肝要である。ましてや朝食を抜いた分を昼や夜の食事量を増やしてはいけない。
詳細は甲田光雄著「腸をキレイにする」参照。
5.まとめ
1)4回にわたり健康常識の盲点を書きましたが、ここで総括すると、病気には必ず原因があるということを忘れてはいけない。
それもあなた自身が作り出したものである事。高血圧、糖尿病、ガン、心臓疾患、高脂血症、肥満、アリルギー症などの生活習慣病は
高脂肪、高蛋白の欧米食の大食が招いたものである。
2)病気の原因には、食事の間違いの外に運動不足と骨格の歪み、そしてストレスがある。
3)もうひとつの大きな盲点がある。それは飲酒と甘いものの摂り過ぎである。どちらも嗜好品であるが、体に悪いことは、身近に多くの
症例を見聞してきても、なかなか止められないものである。秘訣は崇高な生きがいや人生の目標を持つことで、節度を維持できるのでは
なかろうか。
4)現代の日本の医療制度では、食事療法を重視していない。この片手落ちの医療制度が続く限り、上述した生活習慣病は減らないのでは
なかろうか。
おわり
第154号 心と体の健康生活:令和3年12月15日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
↓ クリックすると大きくなります。
2 ページ目に「ビタミンCの宝庫 柿の葉」が記事になっています。
1.病気には必ず原因がある
病気に罹り、どうして私がこんな病気になったのか、と嘆き悲しむ人の姿を幾度も見てきた。病気には必ず原因がある。その原因を作り出したのは、あなた自身であることを、知らなかったでは済まされない。人生は一度きりしかないのだから。
2.姿勢の悪さが病気の原因になっているのに、自分の姿勢が悪いのを気にも留めない人が多い。骨格の歪みが病気の原因になっていることを知っている人は少ない。
徳永耕二博士の著書「難病を治す背骨療法」によると、慢性肝炎では頸椎2~5番、胸椎8~11番、腰椎2~3番に異常。難聴、耳鳴りでは頸椎1~3番、腰椎1~3番に異常。狭心症、心筋梗塞では胸椎4~9番、腰椎1~3番に異常。腎炎、ネフローゼでは腰椎1~4番に異常。膀胱炎では胸椎9~11番、腰椎3~5番に異常。胃弱では胸椎4~6番に異常。胃下垂、胃アトニ―では胸椎7~9番に異常。小腸や大腸が弱いと、胸椎7~11番に異常。糖尿病では胸椎11番に異常。生理不順では胸椎11番、腰椎2~3番に異常があることを長年の臨床体験に基づき確認している。徳永博士と同じような指摘は、元東海大学教授の棚田次雄氏の著書「背骨ポキポキ健康法」にも載っている。また「西医学健康原理実践宝典」にはフランスのアー・ルブラン博士の背骨の狂いと故障する器官の一覧表が掲載されている。
この様に一般的に内科医が担当するような病気が、骨格の歪みが影響しているケースもあるとは思っていない人が多い。
ではどうしてこのようなことが起きるのだろうか。体の中心を貫いているのは、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、さらにその下部には仙骨と尾骨があり、これらの椎骨が上から下まで積み重なって、一本の脊柱となっている。そして個々の椎骨の間からは、脊髄神経が枝分かれして、全身の臓器や器官に分布していて、脳との間で情報交換をして、生命活動を維持している。
ところが人間は二本足で立ったり、座ったりして、立ち働いている間に、背骨がどうしても前後左右にズレたり、捻じれてしまうと、各椎骨の間から出ている脊髄神経が圧迫されて、臓器や器官の働きが乱れて、病気の原因となる。
では骨格を狂わせる悪い生活習慣とは何かと云えば日常の仕事、スポーツ、パソコンやゲーム機の操作、家事や畑仕事、家での寝転んでのくつろぎの姿勢、横座り、ぺたんこ座り、椅子に座り足を組む、ハイヒールを履く等挙げられる。このような偏った姿勢を続けていると、骨格も歪み、それを支える筋肉も、引っ張られ緊張してしまう。
甲田光雄博士著「背骨のゆがみは万病のもと」という本によれば、大食、甘い物、アルコール好きの人は、足首に故障が出る。足の親指から、足首、膝、腸、肝臓、肺、扁桃腺、頭痛へと、足の故障がジグザグに、左右交互に上の方へ影響を及ぼしてゆくことを、身体故障反射伝達図で説明している。
他にも磯谷公良著「予防医学」という本によれば、股関節の左右の歪み、即ち転位が足の長さの長短の原因となって、骨盤を傾斜させてしまう。磯谷式力学療法を提案している。五味雅吉著「体は骨盤から治せ」によれば、上半身の重みは脊柱の下に位置する仙骨が支えている。骨盤は両側から仙骨を挟み込んでいる構造になっている為に、仙腸関節がズレやすい。これらの原因で骨盤が左右どちらかに傾くと、その上の脊柱もバランスをとろうとして、曲がってしまう。そして最終的に上述した様な病気を招く結果となる。
では対策はどうすれば良いかは、それぞれの著書に解決策が記載されているが、ここでは紙面の余裕がないので関連図書を一読してください。
3.体の血流は心臓のポンプ作用によって、押し出されて体内を巡っている。この件につい誰一人として、疑問を抱く人がいないのが、問題なのである。
これから寒くなると、足が冷たい、腰やお腹が冷えるといって、いろいろ対策を講じる人も多い。根本原因はその部分の血流が悪いからである。体内には血管が張り巡らされていて、それらの血管を一本につなぐと、約10万キロメートルの長さになる。その内95~99%が毛細血管である。この毛細血管が加齢と共に衰えて、減ってくるが、それを加速させる要因がある。それは運動不足、甘い物、お酒である。これらは毛細血管を硬化させたり、消滅させたりする。病院で病気の原因が毛細血管が関係していると言及されることはまず無い。
では何故今ここで毛細血管を問題視するかと言えば、いくつか理由がある。
そのひとつは、血液の循環は心臓が押し出すポンプ作用によるものではなくて、毛細血管の吸引力によるという理論がある。これは西式健康法を創設した西勝造氏の学説であるが、その証明として20数箇条を挙げている。例えば、血液は水の4~5倍の粘着力がある。毛細血管の内径は5ミクロン位の細さである。その細い血管の中を僅か30秒前後で全身を巡って心臓に戻って来る。とても拳大の心臓の四分の一の左心室が収縮することで、血液を送り出す力は、物理的に考えられない。従って健全な毛細血管の働きなしには血液は順調に循環しないのであると。
もうひとつは、毛細血管の重要な働きを認識していないことである。大阪大学教授の高倉伸幸著「ゴースト血管をつくらない33のメソッド」という本によれば、体内の37兆個の細胞に酸素と栄養を供給し、二酸化炭素と老廃物を回収するという生命の基本的な働きは、毛細管血管が行っている。もし毛細血管が硬化したり、消滅していると、ここではこれをゴ―スト血管と称しているが、ガン、免疫力、骨粗しょう症、認知症、高血圧、糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患、便秘症、アトピー性皮膚炎、薄毛、シミやシワなどに深く係わっているという。
4.骨格の矯正と血液循環の正常化対策
今回取り上げた骨格の歪み及び血流の問題解決に対して、西式健康法では、誰でも実行できる具体的な方法を提案している。それは、骨格の矯正に対しては、木枕、平床、金魚運動、合掌合蹠法を、血流や毛細血管の強化、再生には、毛管運動、裸療法、温冷浴を薦めている。また食事面でも、大食を慎み、玄米、生野菜ジュース、大豆、ゴマ、小魚、海藻類を中心とした食事によって、肥満を防止し、腸内環境を整えて、綺麗な血液が体内に流れる事で、体質が改善される。
この中で特にお薦めするのは骨盤の歪み改善には合掌合蹠法を、血流改善と毛細血管の再生には毛管運動をぜひ一度は実践してみてほしい。パソコンやスマホで検索すれば、その動作を見ることが出来る。「ナポリを見てから死ね」という格言が有るが、西式健康法がどんなものであるか、一度は読んでもらいたい。この健康法を治療に活用している医者も何人もいるし、治療に成果を上げている。何事もいくつかの事を比較することによって、最善を選べるのである。
5.まとめ
1)骨格の歪みが腰や膝の痛みばかりでなく、内臓の病気を誘発していることも多い事を認識して日頃の生活習慣を見直して、改めるべき点がないだろうか。病気を作り出しているものは何であるか、と云う事に気付くには、健康常識の盲点を知ることも必要なのである。
2)血流の悪いところに病気が宿る。いくら知識を得ても、病気を治そうという強い信念と行動力が伴わなければ、健康を得られない。
おわり
1.無知と無関心
これは体に良いと思って実行していることが、実は逆に病気の原因になっている事がある。こんな悲劇に巻き込まれないように、日頃からいろんな健康情報に関心を以って、本質を見極める力を身に着けないと、命は一つしかないのだから。
2.健康常識の盲点
1)マーガリンは植物性の油から作られているから、体に良い。
マーガリンやショートニングは植物性の不飽和脂肪酸に水素を添加して固形にしたもので、パンを始めとして、お菓子、揚げ物、加工食品に使われている。ところがマーガリンの主成分であるトランス脂肪酸が体に害を及ぼすとして、世界的に問題となっている。既にアメリカやヨーロッパの国々では、使用禁止になったり、使用を明記することが法令化されている。日本ではなぜか知らぬが、野放し状態で、表示義務もないという。
ではマーガリンやショートニングが何故体に悪いのだろうか。トランス脂肪酸が体内に取り込まれると、細胞膜を形成して、細胞液の浸透圧が変わり、細胞内の生化学構造を狂わせる。これが血管に取り入れられると、柔軟性が失われて、心不全、心筋梗塞、動脈硬化、不整脈などの疾患が起こる。悪玉コレステロールを増やし、糖尿病、ホルモン異常、肝臓障害、ガンなどのリスクを高めると云われている。バターより体に良いと思って摂っている人が多いのではなかろうか。
現在、WHO世界保健機構は1日当たりのトランス脂肪酸の摂取量を、1日に摂取する総カロリーの1%未満にするように提言し、2023年までに世界中のすべての食べ物から人工のトランス脂肪酸を取り除くことを目標としている。
2)お茶にはカテキンが多く含まれていて、がんを予防する。
カテキンとはタンニンの一種で、抗酸化作用が有って、ガンを予防する効果があると云われている。この話の発端は埼玉県立がんセンターが1986年から11年間に、県内に住む40歳以上の男女8500人を対象に、疫学調査を行った報告にある。それによると、緑茶を一日に三杯飲む人の発ガン率を1としたら、10杯以上飲む人は0.54で、約半分だったという話。
ところがその後、東北大学医学部の坪野吉孝講師が、全く逆の論文を発表した。それによると、1984年から9年間、宮城県に住む40歳以上の男女26000人について、調べた結果、一日にお茶を一杯以内の人がガンになる率を1とすると、五杯以上飲む人は、1.2で、たくさん飲む人の方が多く発生した。
また三重大学医学部の川西正裕教授のグループは、緑茶に含まれる約40倍の濃度のカテキンを細胞に与えると、通常より1.5倍~2倍DNAが傷つくことを報告している。
これ等の事から、お茶をたくさん飲むことが、必ずしもガン予防につながるとは考えられない。
お茶が体に与える弊害は、カフェインが含まれている事によって、不眠症、不整脈、脱水症状、胃の粘膜の炎症、萎縮性胃炎、自律神経の交感神経の昂進など起こす。またお茶はアルカリ性であるので、多く飲むと胃液が酸性からアルカリ性に傾くために、ピロリ菌を増やす要因にもなり、胃がんを予防するどころか、増やすことになる。
3)コラーゲンの含まれた食品を摂ると、健康と美を守ってくれる。
コラーゲンとはタンパク質の一種で、私たちの体を構成しているタンパク質のうち、約30%を占めている。人の皮膚や靭帯、骨、軟骨、血管、角膜などの体のあらゆる組織を構成している。
コラーゲンは繊維状のタンパク質で、組織や細胞を繋ぎ合わせる接着剤のような役割があり、体の形成や機能の正常化に不可欠な成分でもある
コラーゲンは加齢と共に体内で産生される量はどんどん減ってゆくので、上述した様な体内のコラーゲンで構成された各組織が衰退して行き、疾病を招く原因ともなる。
ところがコラーゲンを食品から摂取しても、それが体内でコラーゲンとして体内にそのまま吸収されて、定着する保証は無いから、誤解のないように。コラーゲンを食べると、直ぐに肌のコラーゲンになって、シワのないきれいな肌になることはあり得ないことなのである。
大崎茂芳著「コラーゲンの話」によると、「食べたコラーゲンがそのまま体内でコラーゲンになる訳ではない。」と書かれてある。また永田和宏著「タンパク質の一生」によると、「美容や健康に効果があるとして、コラーゲン入りの健康食品などが多く販売されているけれども、食品として摂取したところで、消化器官を通じて、いったんアミノ酸に分解されるので、コラーゲンのまま吸収されることはない。せいぜいアミノ酸を体内に増やす効果はあるが、コラーゲンとして合成されることは、複雑な過程を経なければならないので、その限りではない」と。
ところで何故コラーゲンの含まれている食品を食べても、再び体内でコラーゲンが作られないのか。この件について、村田晃著「ビタミンC健康学」チクマ秀版社発行、という本によれば、
「ビタミンCはコラーゲンのプロリンとリジンの水酸化に必要とされる。またコラーゲンの立体構造の形成や遺伝子の転写を促進する働きをしている。コラーゲンの生成と維持にビタミンCが必要である。ビタミンCが欠乏すると、結合組織が弱くなり、細胞と細胞が離れやすくなり、出血、骨折、キズの治りか遅い、壊血病にもなる。皮膚であればコラーゲンの生成によって、美しい素肌が作られる。」とある。なおプロリン、リジンとはタンパク質のアミノ酸の一種。
因みにビタミンCを摂取するには、柿茶を飲むのが、一番手っ取り早い。ビタミンCの含有量も抜群に多いし、カフェインも含まれていないので、胃にやさしい飲み物である。また日頃から生野菜ジュースや果物を摂取して、ビタミンCと共に酵素の補給も欠かせない。
4)電子レンジを使って料理すると、手軽で便利である。
電子レンジで料理したものを食べる事に対して、健康を害するのではないかと、不安を抱いている人達がいる。電子レンジの仕組みを説明すると、超短波の電磁波を発生させて、それを被加熱物に照射することによって、被加熱物の水分子を振動させて、暖めるという原理である。ここで疑問視する事は、電磁波が電子レンジから外部に漏れる事による害よりも、被加熱物が果たして本来持っている食品の成分の変化や生命エネルギーの消滅を危惧しているのである。電子レンジによる料理を危険視する根拠は、細胞を変質させて、生命エネルギーのない食べ物となってしまう。栄養価、酵素、酸素などがどれだけ残っているだろうか、という問題である。また味が落ちて、美味しくなくなる。体に悪い過酸化脂質を作る。我々は食べ物から生命エネルギーを貰って、生きているのであるから、生命力のない食べ物は、細胞に活力を与えない。
2.まとめ
1) 私は今まで多くの健康に関する本を読んできたが、タンパク質に関する本ほど難解な本に遭遇したことは無い。一般の人向けに書かれているにも拘らず、出て来る専門用語や体内での広範囲な代謝や合成の精密さと複雑さを理解するのは難しい事だった。そしてタンパク質の過剰摂取は腸内で腐敗したり、窒素残留物として害を及ぼすことである。今いろいろな難病が増えているのもこの辺に原因があるような気がしてならない。
2)人工的に加工処理した食品には、生命力はない、体には異物として弊害が発生する。
3)賢く生きるには、いろんな意見に耳を傾け、「君子危うきに近寄らず」も大事である。
おわり
令和3(2021)年 10月 1日発行 Vol.28
編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい
〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441 FAX:0877-45-8444
今正に「食欲の秋」、
由来を調べると、秋は多くの食材が豊富にそろい採れたてをその時期に頂こうという昔の人びとの考えから、いつしか「食欲の秋」と呼ばれるようになったんだそうです。
そこで健康へのトビラ 秋号では、肥満の解消方やコロナ太り、断食の話題を取り上げています。
私も大腸検査のため2日間断食しましたが、空腹のひもじさは経験しないと分からない事ばかりでした。
1.あなたの健康常識は間違っていないか
スマホが普及して、誰でも健康に関する情報を取ることが出来るし、新聞、雑誌、テレビで健康に関する記事や放送を見聞できる。しかし健康問題に関心のない人達には、正に猫に小判である。病気になれば医者に診てもらえばよいと、楽観的な人が多い。何故私だけがこんな病気で苦しまなければならないのか?病気には必ず原因がある。無知では済まされない。
2.健康常識の盲点
1)甘いものは疲労を解消してくれる。
確かに糖分を摂ると急速に血液に吸収されて、エネルギー源となって、疲れを解消してくれるし、脳は反応して、気持ちをリラックスさせてくれるセロトニンが分泌される。しかしそれは一時的なことで終わる。むしろ常時糖分を摂取し続けると、次のような害が起きるので極力控えることである。先ず体の体液を酸性に傾けるが、それを中和するために体内の骨の中からカルシュウムを捻出させる結果、骨が脆くなる。更に血中の糖分は毛細血管を消滅させて、血液循環が悪くなる。大量の糖分は血糖値を乱高下させて、脳は混乱して、精神的にイライラや落ち着きをなくして、感情を不安定にさせる。糖分は腸の悪玉菌のエサとなって、腸内環境が悪くなる。胃腸や肝臓の働きが低下してしまうし、免疫力も低下する。中性脂肪やコレステロールを増やす。
最も怖いのは、AGE(終末糖化産物)の生成である。これは糖分がタンパク質と結びついて出来る変質した物質の事で、糖分とタンパク質の摂り過ぎで、体内でどんどん生成されて、体内の至る所に蓄積されてゆき、動脈硬化、ガン、骨粗しょう症、変形性関節症、認知症。白内障、肌のシミやシワなどの病気や老化を促進する。当然のことであるが糖分の過剰は糖尿病を発症させることは言うまでもない。
2)高脂肪、高蛋白の高カロリー食は病気に負けない元気な体を作り、スタミナが付く。
戦後欧米食が日本に普及して、今では若い人達は和食離れして、欧米崇拝主義が食生活までも変えてしまった。その結果、高脂血症、高コレテスロール、動脈硬化、高血圧症、脂肪肝、肥満、ガンが大人だけでなく、若年層や子供達にも激増している。
よく言われている言葉に、肉を食べるとスタミナが付くと。果たして本当だろうか。スタミナとは、持久力、精力を意味するが、肉を食べると、持久力が続き、元気が何時までも続くことはあり得ない。腸内環境も悪くなって、血液は汚濁し、免疫力も低下する。
油で処理したものは味覚を刺激して、若者達は焼き肉だ、トンカツだ、とりの唐揚げだ、ハンバーグだと、常食すれば健康体を作るどころか、大腸ガンや乳ガンを誘引するという。
脂肪分を摂り過ぎると、活性酸素によって過酸化脂質に変質されて、血管壁に付着したり、血管癖に浸み込んでゆき、血管を脆くしてしまい、各種生活習慣病を招くことになる。
3)牛乳は完全栄養食である。カルシュウムが豊富なので、骨を丈夫にするし、骨粗鬆症に良い。
カルシュウムパラドックスという言葉がある。一度に大量のカルシュウムが体内に入ると、ホメオスタシスという体内の恒常性維持機能が働いて、余分なカルシュウムを体外へ逃がそうとしてしまう。逆に骨がカスカスになってしまうのである。酪農の国のノルウェーやデンマークの若者に骨粗しょう症の人が多いのは、そのせいであると云われている。
そもそも日本人は小魚、海藻、野菜類、ゴマ、大豆製品の日本食からカルシュウム分を摂取していた。カルシュウムを骨に沈着させるには、体を動かして骨に負荷を与える事やビタミンD、マグネシュウム、ビタミンC、ビタミンKの摂取も欠かせない。砂糖や蛋白質の摂り過ぎは体を酸性にするからカルシュウムが逃げてしまう。コーヒーやお茶のカフェインはカルシュウムを排泄させる働きがある。肝臓や腎臓の機能が低下していると、ビタミンDが作られない、胆嚢や膵臓の働きが低下していると、脂肪分とカルシュウムが結びついて、吸収されずに便と一緒に排泄されてしまう。胃腸の粘膜に炎症があると、カルシュウムの吸収が悪い。閉経期を過ぎた女性は女性ホルモンが減って、骨の新陳代謝機能が低下しているので、骨粗しょう症になり易い。
要するに牛乳を摂取しなくても、以上のような注意点を考慮すれば、即ち日本食をきちんと食していれば、骨の異常は起きない。牛乳神話に惑わされないようにしたいものだ。
そもそも日本人の八割の人は牛乳に含まれているカゼインという蛋白を消化するラクターゼという酵素を持ち合わせていないので、アレルギー反応が起きる。或いは消化不良で下痢する。花粉症やアトピー症が増えたのも牛乳に原因があると云われている。
4)酒は百薬の長である
確かに適度な量の酒は気分をリラックスさせて、食欲を増進させる効果は否定できない。しかし20年も30年も毎晩晩酌をしていると、肝機能は低下してゆき、肝硬変になったり、アルコールからアセトアルデヒドという副産物が作られて、それを分解する時に、大量の活性酸素が発生するし、ビタミンB類、ビタミンC及び酵素類が無駄に消費される。酒の肴に動物性のものを一緒に摂ると、活性酸素によって過酸化脂質に変質して、血管に蓄積されて、動脈硬化を招く。酒を飲んだ直後は体は血管が膨張して、血流が良くなるが、その後は逆に血管が収縮する。これを繰り返していると、段々脳細胞が委縮してゆき、認知症に近づいてゆく。またアルコール分は利尿作用が働いて、尿と一緒にカルシュウムが排出されてしまし、肝臓が疲弊していると、ビタミンDが産生されないため、腸でのカルシュウムの吸収が悪くなる。お酒飲みの人に腰の悪い人が多いのはその為である。
最近はビール党も若い人に多いが、体を冷やすから、年輪を重ねるにつれて、体の変調をきたすことになる。アルコール中毒になることだけは避けたい。酒は百害の長である。
5)お腹に宿便はない
毎日排便があれば宿便なんかない。医者は肛門から内視鏡を挿入して、目で確認しているが、宿便は見当たらない。腸の粘膜は3日で剥離して入れ替わるから、宿便は残らない等がその根拠となっている。
しかし甲田式西式健康法で多くの難病患者を治療してきた甲田光雄博士の著書によると、「現代人の大半は宿便をどっさりため込んでいる。毎日快適に便通があっても宿便が溜まっている。関節リュウマチ、脳卒中や痴ほう症、アレルギーの発生にも影響している。万病のもとになっている。」と書かれてある。
実際に甲田医院に入院した人達の闘病記を読むと、生々しい宿便排泄の状況が描かれている。絶食に入る前に、スイマグという水酸化マグネシュウムの緩下剤を飲んで、腸内が空っぽになっているのに、真っ黒な悪臭を放つ宿便が何回も排泄されるという。どうも腸壁の中に浸み込んでいる老廃物が浄化されるらしい。
3.まとめ
現在日本に高血圧4000万人、糖尿病2200万人、高尿酸血症600万人、肥満3400万人、骨粗しょう症1800万人、アトピー症700万人、花粉症2000万人、脂質異常症3200万人、脂肪肝3000万人いるという。 これらの病気が間違った健康常識を抱いている人達の生活習慣によって、発症している。砂糖、肉と油、牛乳、酒、大食による宿便の害に無関心では済まされない筈。これら日本食離れの食生活からもう一度回帰する時期にあるのではなかろうか。
おわり
井上杏那さん作品 その7
■ 布袋尊 心だって福よかなほうが いいんじゃなかろうか
■ 恵比寿天 大漁のときはご奉仕のチャンスですよ
■ 弁財天 愛嬌も才能のうち
■ 福禄寿 鶴は千年 亀は万年 持つは信念
■ 大黒天 たったの一振りで人生なんて変わるもんよ
■ 毘沙門天 武器より信頼できる友を持とう
■ 寿老人 物は忘れど孫は忘れぬ
1.肥満の人が増えている
肥満人口は増加の一途をたどっていて、今や推計2300万人に達している。今年7月公表の文部科学省の調査では、小学6、中学3、高校3年生の肥満者がここ五年間毎年増え続けている。
2.肥満は自慢にならぬ
一昔前までは太っている人を見ると、あの人は恰幅がいいとか、押し出しがいいとか言われたものだが、今は太った経営者に対して、自分の体もコントロールできない者が、どうして部下を管理できるものかと、厳しい批判を受けている。これは何も経営者だけに限ったことではない。
3.肥満の定義
肥満を判断する基準がある。その数式は、「体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)=BMI値」である。この値が25以上を肥満者としている。なお18.5以下の人を痩せの人とする。男性では50代の人の37%が肥満のピークで、その前後の40代と60代も35%前後の人が肥満となっている。女性では、60代、70才以上の人がピークでそれぞれ28%を占めている。ある調査によると、一番死亡率の低いのは、BMI値が22から25の人だという。
4.メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドローム(メタボ)とは、BMI値が25以上で、腹囲(ウエストサイズ)が男性で85cm以上、女性で90cm以上ある場合、内臓脂肪型肥満となり、加えて脂質異常、高血糖、高血圧を二つ以上合わせ持った状態をいう。
5.体脂肪率とは
体重に占める体脂肪の割合を、体脂肪率(%)という。一般に健康的とされる体脂肪率の目安は、男性は10〜19%、女性は20〜29%で、それ以上になると、肥満という判断になる。なお肥満には、体質や生活習慣によって、脂肪の付く場所がヒップや太腿など下半身の皮下に脂肪が溜まるのが、洋ナシ型で、お腹を中心に上半身に溜まるのが、リンゴ型肥満と呼んでいる。
6.肥満の原因
社会経済が進歩し、豊かになって、自動車や家電製品などの文明の利器が普及し、日本では食事の欧米化が一般化してしまった。高脂肪、高蛋白の肉類と乳製品の高カロリー食を摂り、食事の多様化が進んだ。一方体を動かさない生活が続けば、消費エネルギーよりも、口から入る摂取エネルギーの方が多いために、余分なエネルギーが体に蓄積して、肥満を招く。これが根本的な原因である。脂肪はタンパク質や糖質よりも単位重量当たりのカロリー数が2倍と高い。
また歴史的経緯からもみても、人間の体は飢餓には強いが、飽食には弱い体質になっている。研究が進むにつれて、倹約遺伝子戸とか、肥満遺伝子と呼ばれる遺伝子の存在が判明した。日本人は太りやすい遺伝子を持っている人が多いという。
更にワシントン大学のジェフリー・ゴートン博士が発表した研究では、腸内細菌の中に、デブ菌とヤセ菌が存在し、太った人はデブ菌が多いという。便秘症や花粉症の人はデブ菌が多い可能性がある。
もう一つの理由は、中年以降の男女が肥満になるのは、40歳を過ぎると、体内のエネルギー生成システムが解糖系からミトコンドリア系主体に変わる為に肥満になる。ミトコンドリア系は解糖系の19倍のエネルギーを生成するから、大食してはいけないのである。
7.何故肥満は万病のもととなるのか
上述した様に肥満になると、脂質異常、高血糖、高血圧だけでなく、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患や糖尿病、腎臓病、ガン、胆石症、脂肪肝、痛風、睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす可能性が高くなる。
有り余った脂肪は活性酸素によって、過酸化脂質に変質して、全身の細胞、血管に浸透してゆくから、どんな病気を発症しても不思議ではない。
内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンが減る。このホルモンの働きは、動脈硬化、糖尿病、高血圧、高脂血症、メタボリックシンドロームの予防と改善である。ガンに対しても予防と退治の働きがある。
肥満の人は過食しているので、大量の食事量を処理するために、消化器官が疲弊するだけでなく、大量の糞便が常に腸内に停滞するので、活性酸素を発生させて、遺伝子を傷つける。
人間は歩行時に膝に体重の2~3倍の荷重がかかる。肥満の人は膝が痛くなるのも当然である。
膝だけでなく、足首の踝の一点で体重を受け止めてから、足の裏のアーチ状の三点で分散して支えている。踝の周りは23個の骨で構成されているが、この構造体が重い荷重で歪んでゆく。その歪みは親指の付け根から始まり、踝から膝関節へ、更に股関節に、腰椎から頸椎まで、左右の足の交互にジグザグに上体の方へ影響を及ぼす。これを西式健康法では身体故障伝達図によって説明している。太っている人は皆、自覚症状のあるなしに関係なく、足の関節に歪みがある。
9.肥満防止根本対策
答えは簡単である。大食しないことに尽きる。ところが食べる事は人生の一大楽しみであるから、凡人にはそう簡単には改善できないに違いない。その発想転換のヒントとしては。
▪人は生きた食べ物の命を戴いて、命を繋いでいるのであるから、食べ物に感謝し、
無駄喰いせず、食べ物に感謝すること。食への異常な執着心を捨てる。明日もまた
食べられるではないか。
▪大食すれば、体内のあらゆる臓器や器官にその処理するために、大きな負担を強いて
いる。この行為はイジメである。体の悲鳴に耳を傾けるやさしい気持ちを持つことで
ある。
▪すでに大食によって、病に苦しんでいる人は、強く健康を望む決意をもつて対処する
事である。
▪毎日15分、自彊術のような健康体操をすれば、自分の健康状態が把握でき、改善意欲
も湧く。
▪足首、膝、股関節、脊椎の歪みを矯正するには、西式健康法では、扇形運動、
上下運動、合掌合蹠運動、金魚運動が対策として用意されているから、コツコツ実行
するとよい。
10.まとめ
1)ひと時の「口福」に酔いしれて、無節操な牛飲馬食を繰り返せば、寿命が縮まることは、ラットや赤毛ザルなどの実験でも証明されている。
2)少食にすれば、サーチュインという長寿遺伝子が働くことによって、老化が防げる。
3))免疫力低下のもう一つの理由は、松田麻美子女史の著書「常識破りの超健康革命」によれば、「実際平均的な食事の消化に要するエネルギーは、フルマラソンで消費するエネルギー量(約1600キロカロリー)に相当する」とある。大食は体のエネルギーの無駄遣いである。
4)肥満症は基礎疾患として、コロナ過において認定されているのは位、免疫力がない。
5) 百寿者に肥満の人なんかいないという。「肥満大敵、死の用心」
おわり
金沢在住の豊岡倫郎氏著「健康語録から学ぶ長寿の秘訣」をご紹介する。
これだけ医学が発達したとはいえ、日本列島は総半病人と化している。
毎年平均寿命がまだ少しずつ伸びているが、何故こんなに病人が多いのだろうか。
果たしていつまで続くことか。
テレビでは毎日これでもか、これでもかと、やれスィーツだグルメだと浮かれているが、とても正常な社会現象とは思われない。
今までに健康に関する格言、名言、箴言(しんげん)、言い習わしや役立つ言葉をメモしてきたのを、ここにまとめてみた。
先人たちの体験から導き出された言葉を知り、少しでも皆様の健康長生のために、お役にたてればと思い、小冊子にした次第である。
2021年8月6日 豊岡 倫郎
興味のある方はNPO法人健康を考えるつどいまでお電話下さい。
TEL:0877-45-8441 FAX:」0877-45-8444
1.抗老防衰
抗老防衰という言葉が有る。秦の始皇帝は美女から口移しに美味な料理を食べていたが、不老長寿の妙薬を求めて、日本へ徐福を派遣したというが、願いもむなしく、50歳で亡くなった。死ぬ頃は白髪だらけであったという。人間だれでも生者必滅で、毎日が死に向かって行進しているようなものであるが、人には夫々の生活習慣があり、その違いから健康格差が生じている。その大きな要因が酸化と糖化である。
2酸化とは
体が酸化することを酸化ストレスと呼ぶ。これは活性酸素が過剰に発生して、体がサビついた状態のことを言う。我々は呼吸することによって、酸素を体内に摂り入れて、代謝過程において、エネルギーを作り出しているが、酸素の一部が分子構造の一個が欠けた不安定な状態になって、近くの物質と結合しょうとする酸化力の強い物質に変わる。それを活性酸素と呼んでいる。体内に入った酸素の内約2~3%が活性酸素になる。
活性酸素には、体内に入った有害物質やバイキンを殺菌したり、取り除くという重要な働きをしているが、過剰に発生しすぎると、酸化力が強いために、体に様々な有害な作用を及ぼし、病気の80%は間接的、直接的に活性酸素に起因していると云われている。
3.活性酸素が病気を導く構図とは
我々が食事から摂り入れた魚や肉などに含まれている脂質が体内の活性酸素によって、過酸化脂質に変わる。また体内に蓄積されているコレステロールや中性脂肪も過酸化脂質に変わる。この過酸化脂質は体内の臓器や細胞の中に浸透して行き、傷をつけたり、破壊したり、血管を脆くしたり、遺伝子を傷つけるなど全身にダメージを及ぼす。
活性酸素が関与する病気には、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病、肝炎、腎炎、膠原病、アトピー性皮膚炎、ガン、一般炎症、老化促進などいろいろある。
4.活性酸素の発生原因
何故活性酸素が必要量以上に過剰に発生するのだろうか。その原因となっていることを、列挙すると。紫外線を浴びる、喫煙、飲酒、大食、薬の服用、放射線を浴びる、激しい運動、電磁波を受ける、体内に炎症がある、腸内に異常発酵や宿便がある、食品添加物、農薬、殺虫剤の摂取、ストレス、睡眠不足などある。
5.活性酸素から身を守るには
体内には活性酸素を除去するSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)という酵素が作られているが、40歳を過ぎる頃から生成量も減ってくる。上述したような活性酸素を発生させる生活態度を続けていると、SOD酵素と活性酸素との力関係のバランスが崩れて、活性酸素が優位になってしまう。
対策としては、SOD酵素以外にも、活性酸素に対抗する抗酸化物質を摂取することである。それを列挙すると。ビタミンA、C、E、緑黄食野菜、生野菜汁、ファイトケミカルと云われているフラボノイド、ポリフェノール、アントシアニン、ピコピンなどの含まれた食品がよい。食事では3分づき玄米、大豆製品、黒ゴマ、ニンジン、タマネギ、ブロッコリー、小魚、キノコ類、果物、海藻類、発酵食品の少食に徹することである。
もうひとつの対策は外部からSOD酵素を補給する方法がある。それは活性酸素の世界的な権威である丹羽靭負博士が開発したSOD様食品の摂取である。丹羽博士は高知県土佐清水市で土佐清水病院院長として、ガン、リュウマチ、アトピーなどの難病の治療に当たっている。これは薬ではなく、健康食品として誰でも入手できる。丹羽博士は多くの活性酸素に関する著書を書いているから、健康に関心のある人は一度は読まれると良い。
6.糖化とは
食事などから摂取した糖分は体内でタンパク質と結びついて、終末糖化産物(AGEエージーイー)という物質に変質してしまう。別名を糖化反応と云う。1912年にフランス人によって発見されて、発見者の名前を取って、「メイラード反応」と呼ばれている。その後研究が進み、体に様々な害をもたらすことが判ってきた。体内に過剰な糖分があると、血糖値が上がり、持続時間が長いほど、AGEの生成量も多くなって、蓄積されてゆく。
7.AGEの影響とは
体内のあらゆる器官や組織はタンパク質が主となって構成されているが、新陳代謝に必要な量以上の余分な糖分が血中に存在すると、至る所でタンパク質を変質させて、AGEが生成される。血管に沈着すれば動脈硬化に、皮膚に起きれば、皮膚の弾力性を失わせて、シワやシミを生む。
骨に入ればコラーゲン線維を損傷させる。またAGEが生成される過程で、活性酸素を発生させて、この活性酸素が糖化を促進させるというから、酸化と糖化はコインの表裏の関係になって、悪さをする。老けたくなければ甘いものを食べない事である。
もう一つ留意すべき問題は、このAGEはわれわれが日常摂取している加工食品の中に存在していることである。AGEを多く含む食品を列挙すると。バター、チーズ、マヨネーズ、高温の油で調理した、ステーキ、焼き肉、ハンバーガー、揚げ物類、鶏の唐揚げ、目玉焼き、焼き魚、トーストパン、ポテトチップスなどである。皮肉にもテレビでいつも放映中の料理ばかりではないか。
8.糖化を防止する食事法
基本は食事量を腹七分に抑える。主食は3分づき玄米、生野菜汁、小魚、大豆製品、黒ゴマ、緑黄色野菜、海藻類、キノコ類、発酵食品、果物などとする。避けるべき食品は、蛋白質の多い肉類、甘いお菓子と清涼飲料水、加工食品、スナック菓子は控える。
調理法は、焼く、炒める、揚げるから煮る、茹でる、蒸す方法に転換する。生で食べられるものは、糖化値が低く、生命力もあり、酵素も含まれているからお勧めである。
9.まとめ
1) 活性酸素がこれだけ病気発症に関与していても、医者から活性酸素がどうの
こうのと忠告を受けることは皆無である。糖化についてもまた然りである。
自分で気を付けるしかない。
2)活性酸素を発生させる五大要因は、飲酒、腸内異常発酵、ストレス、大食、
食品添加物・薬。
3) 70歳以上の人の80%は白内障になると云われている。その原因は活性酸素と
糖化による。
4)あなたは他人から実年齢よりも若く見られますか、それとも老けて見られ
ますか。その差は日頃の生活習慣による。これ位なら大丈夫
だろうという甘い考えが身から出たサビを生む。もうそろそろ酒を飲むのを
止めようか、毎日ケーキや大福もちを食べるのを止めようか。
医者から薬を貰っている方はこんな発想が湧かないものなのか。
おわり
第152号 心と体の健康生活:令和3年7月20日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
今回のメイン記事は「ハンドパワーの不思議」
「手当て」すると言う言葉、そのまま患部に手を当てる意だが実践すると良く解かる。
筆者は心臓手術痕が良く痛むが、手を当てるとその痛みが緩和された気分になる。
令和3(2021)年 7月 1日発行 Vol.27
編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい
〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441 FAX:0877-45-8444
今回より金沢にお住いの豊岡 倫郎氏 執筆の「健康情報」を毎号お届けします。
今回のテーマは『体の危機管理とは?』です。
豊岡倫郎氏のプロフィール
昭和13年8月生まれ。
金沢大学法文学部経済学科卒業。
定年後、金沢市内の公民館で健康問題に関心のある人たちに来ていただいて、毎月一回 健康講座を開催。
かれこれ18年間続けている。
健康法の道に入ったきっかけは、35歳の時に「甲田式西式健康法」で有名な八尾市の甲田光雄博士の診察を受け、慢性胃腸病が治った事。
その後西式健康法のみならず、自彊術、ヨガ、気功術、食事療法、運動療法など様々な健康法を体験し、またいろいろな健康法の知識を吸収して現在に至る。
自彊術は中伝の資格取得。
1.健康生活の中の色彩
健康法上見逃すことが出来ないものに色彩学がある。顔色と病気、食物の色と臓器、太陽光線と食物、服装の色と体への影響などについて、解説します。
2.顔色と病気の関係
色彩と生体は関連が深く、顔色を見れば大体どの器官が悪いかわかる。白い色は肺臓に影響するし、黒い色は腎臓、副腎に、紫色は循環器障害、呼吸困難に、青色や蒼白は胃腸に、緑色は脾臓に、黄色は肝臓に、赤は心臓に影響する。
3.病気と食べ物
上述したように顔色を見れば、どの器官が悪いかわかることになるから、顔色に合った色彩の食物を摂れば、病気が治って健康色の桜色に戻る。なお手のひらの色も大体顔色と同じ傾向があるからチェックしてみることも必要である。
例えば白い顔の人は肺が悪いから、白い大根、ネギの白い部分、とろろ芋などを摂ると良い。
顔色の黒い人は、腎臓系統が悪いから、黒ゴマ、黒豆、昆布などを摂ると良い。顔色の青い人は緑黄色野菜を摂る。顔色の黄色い人は肝臓が悪いから、黄色い食物、つまりミカン、ニンジン、レモン、カボチャなどを摂る。顔色の赤い人は心臓が悪いから、赤いトマト、赤いカブラ、赤い鮪の刺身、リンゴなどを摂る。そうすれば次第に健康色の桜色に戻ることが出来る。
4.太陽光線と野菜や果物の収穫タイミング
太陽光線を分光すると、七色に分かれる。即ち紫,藍、青、緑、黄、橙、赤で、これが人間の眼で光として認識できる可視光線領域である。因みに太陽光線にはこれ以外に、この可視光線よりも波長の短い領域に紫外線があり、逆に長い領域には赤外線がある。
そこで一日の可視光線は朝は紫から始まり、夕方には赤で終わりを迎えるが、夫々の色が一番その波長が活発な時に、野菜や果物を収穫すると、その生命力も一番活発になっている。例えば朝には紫色のナスを収穫し、昼頃には青い色の青菜やキュウリ、夕方にはトマト、カキミカン類を収穫すると、栄養成分も一番充実していて、長持ちするし、損傷も少ない。
5.色彩と性情の関係
赤色は活気、情熱、喜び、興奮の現れを現わす。深紅色は激怒、激烈を。朱色は獣的な愛情を。黄色は向上心、快活、明朗、明快、興奮を。橙色は喜びを。緑色は嫉妬を。青色や黄色は後悔、失望、失意を。紫色は温厚、優雅、従順を。黒色は憎悪、怨恨、恐怖を。灰色は謙遜、恐怖を。白色は清浄、潔白を。桜色は穏健、優雅を現わしている。
従ってこれらの性情を考慮して、これらの色素を食物で補給したり、逆に制御したりすると同時に、被服の面でも配慮することで、段々精神的にも安寧をもたらすことが出来る。
6.色彩の好みと若い女性の性格
紫色の衣類を好む娘さんは、非常に内気で、言うべきことも言えないような内気な人で、他からプレッシャーを受けると、精神状態が混乱することも起こりかねない。従って紫好みの娘さんは、時々赤い色の衣類も用いるようにして、バランスを取ることが大事である。
赤い色の衣類ばかり好きな娘さんは、非常に活発で、お転婆さんになり易いから、幼い時から余り赤い衣類ばかり着て、育てるのはよろしくない。赤好きの娘さんには、時々紫色の衣類を着せて、調和を図ることによって、あまり活発過ぎるのを抑えて、程よい性格の娘さんにすることが出来る。
7.色彩と体の部位別服装
健康を保持する上で、人体各部の服装の基礎的な色彩は.次の通り。頭部は藍色がよく、手ぬぐいや帽子も藍色に近いものが良い。咽喉部は空色が良く、肩掛け、マフラーはこの色にする。
ご婦人の洋服の襟も空色系統にする。下腹部は赤色が良く、パンツの色もこれで元気が良くなる。足部は藍色が良く、靴下は紺色が理想的である。
8.色彩と波動の関係
色彩を可視光線として目から認識するだけでなく、体全体で感ずることが出来るという。例えば目隠しをして、内部を黒色にした部屋に入っているときは、気持ちが陰鬱になるし、真っ赤にした部屋に入っているときは、明るい気持ちを抱くという。それぞれ違った感覚に陥ることが実験で証明されている。また三重苦のヘレンケラーが色の認識を皮膚から感じ取っていたと、本に記述されている。
皮膚は色を感じ取ることが出来るようである。一説によると、夫々の色から波動が発信されていて、それを肌で感じ取っているらしい。ただし誰にでもできる技ではない。現代人はもはやどっぷりと文明の利器や暴飲暴食で、体全体が鈍感になってしまっているので、普通の人では無理かもしれない。
9.皮膚の健康法
内皮は外皮に通じる、という言葉が有る。腸のきれいな人は肌がきれいである。腸がきれいということは、腸内環境が良いということを意味している。顔や手のひらに悪い徴候の色が出るような人は、先ず腸内の宿便を排除することが最優先事項であることを認識する必要がある。
10.まとめ
1)漢方には未病を治すという言葉が有る。これはまだ病気になる前段階の兆候をつかみ、対処することによって、未然に病気を防ぐという意味である。だから顔色を観察して、病気の兆候を見つけることの意義もここにある。
2)上述した様に顔色と体内臓器の疾患との関係から、顔色に合った食べ物を摂取すれば、疾病を治し、健康色の桜色になる方法を解説したが、食物だけでなく、顔色に合った色彩の衣服を着ることも、同じ意味で必要である。赤ん坊には赤い服が良く、黄疸の人には黄色の下着が良い。
温かい季節になると、家の中ではTシャツ一枚で過ごす事も多い。店にはいろんな色の物が売っているから、試しに着て過ごしてみてはどうか。
3)では何故皮膚に現れた該当疾患の色の物を食べたり、身に着けたらよいのか、疑問に思う方もおられることと思う。その訳は身体内部の臓器に、その色素が欠乏している事を示しているからである。これが「症状は即ち療法である」という根拠から生まれた療法なのである。
4)最近の大型テレビは鮮明に人の顔が大写しされる。いろんな人達の顔色だけでなく、顔のいろんな部位の状態をも観察して、健康状態を推測するのも、役に立つことがあると思う。興味がある人は、病気の予兆についての本も出版されているから読まれると良い。
おわり