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健康常識の盲点 その4 By 豊岡倫郎氏 2021-12-29
1.思い込みは恐ろしい
小さい時から、機会あるごとに、何度も何度も同じことを見たり、聞かされていると、それが真実だと思い込んでしまうものである。
健康常識についても然りである。またそれが多数派意見である時は、少数派意見に遭遇することも少なく、鵜呑みしている場合もある。
ましてやそれに疑問を抱かねば、本質を知ろうとしないものである。それが命を左右する問題の時は、なんと恐ろしい事か。
2.朝食を抜くと、体に良くないと、一般に言われている。
現代医学の医者たちの主張は、朝食はその日の活動のエネルギーを補う大切なものとして、栄養のあるものをたっぷり食べるべきだという。
そして朝食抜きは、頭脳の働きを悪くし、貧血を招くとか、午前中の活力が抜けてしまうとか、あるいはまた、肥満の原因になるなどと
警告を発している。
果たして、これらの主張は正しいのだろうか。これに対する解答となる事例を以下ご紹介する。
昭和52年8月に大阪大学、有害食品研究会主催の夏季キャンプ生活が開かれた。参加者は主に東京、大阪、神奈川、高知、和歌山の
小・中・高校の養護教諭の方が約70名で、目的は子供たちの健康管理に処するための具体策を見つける為のものだった。
キャンプ内容は甲田光雄博士の指導の下に、少食療法とはどんなものかを実践した。先ず一日の総摂取熱量を約800キロカロリーにして、
玄米がゆを主食として、一食に一杯、副食は豆腐半丁とゴマ、トロロコンブ少々だけの食事で、朝食抜きの昼と夕の二回、同じものを
食べる内容であった。期間は1週間から2週間実行した。
その結果は体の力が抜けて、フラフラになるどころか、頭は冴えて、身体は軽くなり、日頃の二倍も働けるという、快適な体調に変わる
ということを大半の人が会得したのである。現代医学の常識からは想像もできない事を体験した養護の先生たちの驚きは大変なものだった。
このキャンプ生活終了後に、6人の養護教諭の方が自主的に、1年間少食生活を実施した。内容は玄米を主食として、一日の総摂取熱量は
1200から1400キロカロリーで、朝食抜きの昼と夕の二食にして、しかも毎週一回の一日断食を継続的に繰り返した。このような厳しい
少食で人並みに働けるだろうか確認したのである。
この少食の期間中は体調の変化、即ち体重、体温、脈拍、疲労度、その他貧血や肝機能も毎月記録した。最初の2か月くらいは体重の減少や
脱力感など多少あったが、その後は回復し、朝食を抜いて、仕事をしても、身体は軽く、いくら動いても疲れ知らずとなり、従来の3食
食べていた時よりもはるかにスタミナもあり、仕事もはかどったことが判明した。ほかに寒さに強くなった、風邪を引かなくなった、
皮膚の色艶が良くなった、手足の荒れが治った。体験者の方たちは、以上の事から今までの健康常識に対して、根本的に疑問抱くことと
なった。これは甲田光雄著「腎臓病と甲田療法」より。
3.朝食抜きの健康効果の理論的根拠
1)午前中は排泄の時間である。
人間は自然界の法則に支配され、順応して体の生理が作られている。午前4時から12時までは排泄の時間帯である。腸や腎臓が体内の
便や尿を排泄するために活動する時であるから、空腹が望ましい。そして昼の12時から20時までは消化、吸収の時間帯である。
食物を摂り、消化吸収の時である。夜の20時から4時までは代謝によって細胞の入れ替わりの時間帯である。代謝とは、ある物質が
化学変化して、全く違ったものになることをいう。この代謝を阻害する行為は夜食と睡眠不足である。
2)人間は飢餓に強いが飽食に弱い。人間の歴史は飢餓の歴史である。体は飢餓に対応できるように作られている。飽食はここ60年位前から
始まったばかり。体には対応できるシステムが作られていない。少食になると、長寿遺伝子Sir2(サーツー)がオンになって、
生命活動が活発になって、老化を遅らせることが解かった。
3)3食きっちりと食べると、フルマラソンに匹敵するくらいエネルギーを消耗するから、明日への為の前向きなエネルギーの余裕がない。
多くのラットや赤毛ザルの実験で、食事量を減らした方が病気に罹らず、長生きすることが証明されている。
4)飽食は消化器を疲弊させて、便秘や宿便の停滞、腸内環境が悪化する。血液が汚濁化し、血管内に余分な脂肪が蓄積し、血流が悪くなる。
少食は逆に上述した現象を発生させない健康体を導いてくれる。
5)自己融解が起きる。少食になると、生きるのに必要なエネルギーの不足分を捻出するために血管内に溜まっている余分な脂肪を利用する
ことにより、動脈硬化や高血圧も好転する。
6)少食によって、消化器の活力が戻り、腸内が綺麗になれば、食べ物の消化吸収力が高まり、必要カロリーも最小限に抑えられる。
しかしその時は食べ物の質を吟味しなければならない。それが玄米であり、生野菜ジュース、豆腐、海藻、小魚、ゴマ、キノコ類
などである。
7)少食には和食が最適であるから、肉や乳製品、卵は勧められない。身土不二がよい。どこの国に日本の子供のように、やれパンだ、
ラーメンだ、ギョウザだ、ピサ゜だ、焼き肉だ、ハンバーグだ、チーズだ、牛乳だと、伝統食を食べない子供がいるだろうか。
日本は崩食した。
4.朝食抜きの2食実行上の注意事項
昨日まで3食食べていた人が急に朝食を食べないと、体は直ぐにそれに対応できない為、ふらつき、めまい、吐き気などの症状が出る
ことがある。また体重も減ってゆく。しかし体が朝食抜きに慣れてくると、体はそれに対応して、体重も元に戻り始める。
これを甲田カーブという。
順調に朝食抜きの2食を進めるには、朝食の代わりに野菜ジュースを飲むとか、朝食の量を徐々に減らすなど、無理をしないことである。
しかし少なくともこれを実行する時は、間食や夜食は勿論の事、白いご飯や白いパン、肉や乳製品は最小限にとどめ、酒や甘い物も
控えることが肝要である。ましてや朝食を抜いた分を昼や夜の食事量を増やしてはいけない。
詳細は甲田光雄著「腸をキレイにする」参照。
5.まとめ
1)4回にわたり健康常識の盲点を書きましたが、ここで総括すると、病気には必ず原因があるということを忘れてはいけない。
それもあなた自身が作り出したものである事。高血圧、糖尿病、ガン、心臓疾患、高脂血症、肥満、アリルギー症などの生活習慣病は
高脂肪、高蛋白の欧米食の大食が招いたものである。
2)病気の原因には、食事の間違いの外に運動不足と骨格の歪み、そしてストレスがある。
3)もうひとつの大きな盲点がある。それは飲酒と甘いものの摂り過ぎである。どちらも嗜好品であるが、体に悪いことは、身近に多くの
症例を見聞してきても、なかなか止められないものである。秘訣は崇高な生きがいや人生の目標を持つことで、節度を維持できるのでは
なかろうか。
4)現代の日本の医療制度では、食事療法を重視していない。この片手落ちの医療制度が続く限り、上述した生活習慣病は減らないのでは
なかろうか。
おわり
カテゴリー: 健康情報(豊岡倫郎 氏)
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第154号 健康への道しるべ :令和 3年12月15日発行
第154号 心と体の健康生活:令和3年12月15日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
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2 ページ目に「ビタミンCの宝庫 柿の葉」が記事になっています。
健康常識の盲点 その3 By 豊岡倫郎氏 2021-11-29
1.病気には必ず原因がある
病気に罹り、どうして私がこんな病気になったのか、と嘆き悲しむ人の姿を幾度も見てきた。病気には必ず原因がある。その原因を作り出したのは、あなた自身であることを、知らなかったでは済まされない。人生は一度きりしかないのだから。
2.姿勢の悪さが病気の原因になっているのに、自分の姿勢が悪いのを気にも留めない人が多い。骨格の歪みが病気の原因になっていることを知っている人は少ない。
徳永耕二博士の著書「難病を治す背骨療法」によると、慢性肝炎では頸椎2~5番、胸椎8~11番、腰椎2~3番に異常。難聴、耳鳴りでは頸椎1~3番、腰椎1~3番に異常。狭心症、心筋梗塞では胸椎4~9番、腰椎1~3番に異常。腎炎、ネフローゼでは腰椎1~4番に異常。膀胱炎では胸椎9~11番、腰椎3~5番に異常。胃弱では胸椎4~6番に異常。胃下垂、胃アトニ―では胸椎7~9番に異常。小腸や大腸が弱いと、胸椎7~11番に異常。糖尿病では胸椎11番に異常。生理不順では胸椎11番、腰椎2~3番に異常があることを長年の臨床体験に基づき確認している。徳永博士と同じような指摘は、元東海大学教授の棚田次雄氏の著書「背骨ポキポキ健康法」にも載っている。また「西医学健康原理実践宝典」にはフランスのアー・ルブラン博士の背骨の狂いと故障する器官の一覧表が掲載されている。
この様に一般的に内科医が担当するような病気が、骨格の歪みが影響しているケースもあるとは思っていない人が多い。
ではどうしてこのようなことが起きるのだろうか。体の中心を貫いているのは、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、さらにその下部には仙骨と尾骨があり、これらの椎骨が上から下まで積み重なって、一本の脊柱となっている。そして個々の椎骨の間からは、脊髄神経が枝分かれして、全身の臓器や器官に分布していて、脳との間で情報交換をして、生命活動を維持している。
ところが人間は二本足で立ったり、座ったりして、立ち働いている間に、背骨がどうしても前後左右にズレたり、捻じれてしまうと、各椎骨の間から出ている脊髄神経が圧迫されて、臓器や器官の働きが乱れて、病気の原因となる。
では骨格を狂わせる悪い生活習慣とは何かと云えば日常の仕事、スポーツ、パソコンやゲーム機の操作、家事や畑仕事、家での寝転んでのくつろぎの姿勢、横座り、ぺたんこ座り、椅子に座り足を組む、ハイヒールを履く等挙げられる。このような偏った姿勢を続けていると、骨格も歪み、それを支える筋肉も、引っ張られ緊張してしまう。
甲田光雄博士著「背骨のゆがみは万病のもと」という本によれば、大食、甘い物、アルコール好きの人は、足首に故障が出る。足の親指から、足首、膝、腸、肝臓、肺、扁桃腺、頭痛へと、足の故障がジグザグに、左右交互に上の方へ影響を及ぼしてゆくことを、身体故障反射伝達図で説明している。
他にも磯谷公良著「予防医学」という本によれば、股関節の左右の歪み、即ち転位が足の長さの長短の原因となって、骨盤を傾斜させてしまう。磯谷式力学療法を提案している。五味雅吉著「体は骨盤から治せ」によれば、上半身の重みは脊柱の下に位置する仙骨が支えている。骨盤は両側から仙骨を挟み込んでいる構造になっている為に、仙腸関節がズレやすい。これらの原因で骨盤が左右どちらかに傾くと、その上の脊柱もバランスをとろうとして、曲がってしまう。そして最終的に上述した様な病気を招く結果となる。
では対策はどうすれば良いかは、それぞれの著書に解決策が記載されているが、ここでは紙面の余裕がないので関連図書を一読してください。
3.体の血流は心臓のポンプ作用によって、押し出されて体内を巡っている。この件につい誰一人として、疑問を抱く人がいないのが、問題なのである。
これから寒くなると、足が冷たい、腰やお腹が冷えるといって、いろいろ対策を講じる人も多い。根本原因はその部分の血流が悪いからである。体内には血管が張り巡らされていて、それらの血管を一本につなぐと、約10万キロメートルの長さになる。その内95~99%が毛細血管である。この毛細血管が加齢と共に衰えて、減ってくるが、それを加速させる要因がある。それは運動不足、甘い物、お酒である。これらは毛細血管を硬化させたり、消滅させたりする。病院で病気の原因が毛細血管が関係していると言及されることはまず無い。
では何故今ここで毛細血管を問題視するかと言えば、いくつか理由がある。
そのひとつは、血液の循環は心臓が押し出すポンプ作用によるものではなくて、毛細血管の吸引力によるという理論がある。これは西式健康法を創設した西勝造氏の学説であるが、その証明として20数箇条を挙げている。例えば、血液は水の4~5倍の粘着力がある。毛細血管の内径は5ミクロン位の細さである。その細い血管の中を僅か30秒前後で全身を巡って心臓に戻って来る。とても拳大の心臓の四分の一の左心室が収縮することで、血液を送り出す力は、物理的に考えられない。従って健全な毛細血管の働きなしには血液は順調に循環しないのであると。
もうひとつは、毛細血管の重要な働きを認識していないことである。大阪大学教授の高倉伸幸著「ゴースト血管をつくらない33のメソッド」という本によれば、体内の37兆個の細胞に酸素と栄養を供給し、二酸化炭素と老廃物を回収するという生命の基本的な働きは、毛細管血管が行っている。もし毛細血管が硬化したり、消滅していると、ここではこれをゴ―スト血管と称しているが、ガン、免疫力、骨粗しょう症、認知症、高血圧、糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患、便秘症、アトピー性皮膚炎、薄毛、シミやシワなどに深く係わっているという。
4.骨格の矯正と血液循環の正常化対策
今回取り上げた骨格の歪み及び血流の問題解決に対して、西式健康法では、誰でも実行できる具体的な方法を提案している。それは、骨格の矯正に対しては、木枕、平床、金魚運動、合掌合蹠法を、血流や毛細血管の強化、再生には、毛管運動、裸療法、温冷浴を薦めている。また食事面でも、大食を慎み、玄米、生野菜ジュース、大豆、ゴマ、小魚、海藻類を中心とした食事によって、肥満を防止し、腸内環境を整えて、綺麗な血液が体内に流れる事で、体質が改善される。
この中で特にお薦めするのは骨盤の歪み改善には合掌合蹠法を、血流改善と毛細血管の再生には毛管運動をぜひ一度は実践してみてほしい。パソコンやスマホで検索すれば、その動作を見ることが出来る。「ナポリを見てから死ね」という格言が有るが、西式健康法がどんなものであるか、一度は読んでもらいたい。この健康法を治療に活用している医者も何人もいるし、治療に成果を上げている。何事もいくつかの事を比較することによって、最善を選べるのである。
5.まとめ
1)骨格の歪みが腰や膝の痛みばかりでなく、内臓の病気を誘発していることも多い事を認識して日頃の生活習慣を見直して、改めるべき点がないだろうか。病気を作り出しているものは何であるか、と云う事に気付くには、健康常識の盲点を知ることも必要なのである。
2)血流の悪いところに病気が宿る。いくら知識を得ても、病気を治そうという強い信念と行動力が伴わなければ、健康を得られない。
おわり
カテゴリー: 健康情報(豊岡倫郎 氏), 西式健康法
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健康常識の盲点 その2 By 豊岡倫郎氏 2021-10-29
1.無知と無関心
これは体に良いと思って実行していることが、実は逆に病気の原因になっている事がある。こんな悲劇に巻き込まれないように、日頃からいろんな健康情報に関心を以って、本質を見極める力を身に着けないと、命は一つしかないのだから。
2.健康常識の盲点
1)マーガリンは植物性の油から作られているから、体に良い。
マーガリンやショートニングは植物性の不飽和脂肪酸に水素を添加して固形にしたもので、パンを始めとして、お菓子、揚げ物、加工食品に使われている。ところがマーガリンの主成分であるトランス脂肪酸が体に害を及ぼすとして、世界的に問題となっている。既にアメリカやヨーロッパの国々では、使用禁止になったり、使用を明記することが法令化されている。日本ではなぜか知らぬが、野放し状態で、表示義務もないという。
ではマーガリンやショートニングが何故体に悪いのだろうか。トランス脂肪酸が体内に取り込まれると、細胞膜を形成して、細胞液の浸透圧が変わり、細胞内の生化学構造を狂わせる。これが血管に取り入れられると、柔軟性が失われて、心不全、心筋梗塞、動脈硬化、不整脈などの疾患が起こる。悪玉コレステロールを増やし、糖尿病、ホルモン異常、肝臓障害、ガンなどのリスクを高めると云われている。バターより体に良いと思って摂っている人が多いのではなかろうか。
現在、WHO世界保健機構は1日当たりのトランス脂肪酸の摂取量を、1日に摂取する総カロリーの1%未満にするように提言し、2023年までに世界中のすべての食べ物から人工のトランス脂肪酸を取り除くことを目標としている。
2)お茶にはカテキンが多く含まれていて、がんを予防する。
カテキンとはタンニンの一種で、抗酸化作用が有って、ガンを予防する効果があると云われている。この話の発端は埼玉県立がんセンターが1986年から11年間に、県内に住む40歳以上の男女8500人を対象に、疫学調査を行った報告にある。それによると、緑茶を一日に三杯飲む人の発ガン率を1としたら、10杯以上飲む人は0.54で、約半分だったという話。
ところがその後、東北大学医学部の坪野吉孝講師が、全く逆の論文を発表した。それによると、1984年から9年間、宮城県に住む40歳以上の男女26000人について、調べた結果、一日にお茶を一杯以内の人がガンになる率を1とすると、五杯以上飲む人は、1.2で、たくさん飲む人の方が多く発生した。
また三重大学医学部の川西正裕教授のグループは、緑茶に含まれる約40倍の濃度のカテキンを細胞に与えると、通常より1.5倍~2倍DNAが傷つくことを報告している。
これ等の事から、お茶をたくさん飲むことが、必ずしもガン予防につながるとは考えられない。
お茶が体に与える弊害は、カフェインが含まれている事によって、不眠症、不整脈、脱水症状、胃の粘膜の炎症、萎縮性胃炎、自律神経の交感神経の昂進など起こす。またお茶はアルカリ性であるので、多く飲むと胃液が酸性からアルカリ性に傾くために、ピロリ菌を増やす要因にもなり、胃がんを予防するどころか、増やすことになる。
3)コラーゲンの含まれた食品を摂ると、健康と美を守ってくれる。
コラーゲンとはタンパク質の一種で、私たちの体を構成しているタンパク質のうち、約30%を占めている。人の皮膚や靭帯、骨、軟骨、血管、角膜などの体のあらゆる組織を構成している。
コラーゲンは繊維状のタンパク質で、組織や細胞を繋ぎ合わせる接着剤のような役割があり、体の形成や機能の正常化に不可欠な成分でもある
コラーゲンは加齢と共に体内で産生される量はどんどん減ってゆくので、上述した様な体内のコラーゲンで構成された各組織が衰退して行き、疾病を招く原因ともなる。
ところがコラーゲンを食品から摂取しても、それが体内でコラーゲンとして体内にそのまま吸収されて、定着する保証は無いから、誤解のないように。コラーゲンを食べると、直ぐに肌のコラーゲンになって、シワのないきれいな肌になることはあり得ないことなのである。
大崎茂芳著「コラーゲンの話」によると、「食べたコラーゲンがそのまま体内でコラーゲンになる訳ではない。」と書かれてある。また永田和宏著「タンパク質の一生」によると、「美容や健康に効果があるとして、コラーゲン入りの健康食品などが多く販売されているけれども、食品として摂取したところで、消化器官を通じて、いったんアミノ酸に分解されるので、コラーゲンのまま吸収されることはない。せいぜいアミノ酸を体内に増やす効果はあるが、コラーゲンとして合成されることは、複雑な過程を経なければならないので、その限りではない」と。
ところで何故コラーゲンの含まれている食品を食べても、再び体内でコラーゲンが作られないのか。この件について、村田晃著「ビタミンC健康学」チクマ秀版社発行、という本によれば、
「ビタミンCはコラーゲンのプロリンとリジンの水酸化に必要とされる。またコラーゲンの立体構造の形成や遺伝子の転写を促進する働きをしている。コラーゲンの生成と維持にビタミンCが必要である。ビタミンCが欠乏すると、結合組織が弱くなり、細胞と細胞が離れやすくなり、出血、骨折、キズの治りか遅い、壊血病にもなる。皮膚であればコラーゲンの生成によって、美しい素肌が作られる。」とある。なおプロリン、リジンとはタンパク質のアミノ酸の一種。
因みにビタミンCを摂取するには、柿茶を飲むのが、一番手っ取り早い。ビタミンCの含有量も抜群に多いし、カフェインも含まれていないので、胃にやさしい飲み物である。また日頃から生野菜ジュースや果物を摂取して、ビタミンCと共に酵素の補給も欠かせない。
4)電子レンジを使って料理すると、手軽で便利である。
電子レンジで料理したものを食べる事に対して、健康を害するのではないかと、不安を抱いている人達がいる。電子レンジの仕組みを説明すると、超短波の電磁波を発生させて、それを被加熱物に照射することによって、被加熱物の水分子を振動させて、暖めるという原理である。ここで疑問視する事は、電磁波が電子レンジから外部に漏れる事による害よりも、被加熱物が果たして本来持っている食品の成分の変化や生命エネルギーの消滅を危惧しているのである。電子レンジによる料理を危険視する根拠は、細胞を変質させて、生命エネルギーのない食べ物となってしまう。栄養価、酵素、酸素などがどれだけ残っているだろうか、という問題である。また味が落ちて、美味しくなくなる。体に悪い過酸化脂質を作る。我々は食べ物から生命エネルギーを貰って、生きているのであるから、生命力のない食べ物は、細胞に活力を与えない。
2.まとめ
1) 私は今まで多くの健康に関する本を読んできたが、タンパク質に関する本ほど難解な本に遭遇したことは無い。一般の人向けに書かれているにも拘らず、出て来る専門用語や体内での広範囲な代謝や合成の精密さと複雑さを理解するのは難しい事だった。そしてタンパク質の過剰摂取は腸内で腐敗したり、窒素残留物として害を及ぼすことである。今いろいろな難病が増えているのもこの辺に原因があるような気がしてならない。
2)人工的に加工処理した食品には、生命力はない、体には異物として弊害が発生する。
3)賢く生きるには、いろんな意見に耳を傾け、「君子危うきに近寄らず」も大事である。
おわり
カテゴリー: 健康情報(豊岡倫郎 氏)
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健康へのトビラ Vol.28
令和3(2021)年 10月 1日発行 Vol.28
編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい
〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441 FAX:0877-45-8444
今正に「食欲の秋」、
由来を調べると、秋は多くの食材が豊富にそろい採れたてをその時期に頂こうという昔の人びとの考えから、いつしか「食欲の秋」と呼ばれるようになったんだそうです。
そこで健康へのトビラ 秋号では、肥満の解消方やコロナ太り、断食の話題を取り上げています。
私も大腸検査のため2日間断食しましたが、空腹のひもじさは経験しないと分からない事ばかりでした。
健康常識の盲点 By 豊岡倫郎氏 2021-9-30
1.あなたの健康常識は間違っていないか
スマホが普及して、誰でも健康に関する情報を取ることが出来るし、新聞、雑誌、テレビで健康に関する記事や放送を見聞できる。しかし健康問題に関心のない人達には、正に猫に小判である。病気になれば医者に診てもらえばよいと、楽観的な人が多い。何故私だけがこんな病気で苦しまなければならないのか?病気には必ず原因がある。無知では済まされない。
2.健康常識の盲点
1)甘いものは疲労を解消してくれる。
確かに糖分を摂ると急速に血液に吸収されて、エネルギー源となって、疲れを解消してくれるし、脳は反応して、気持ちをリラックスさせてくれるセロトニンが分泌される。しかしそれは一時的なことで終わる。むしろ常時糖分を摂取し続けると、次のような害が起きるので極力控えることである。先ず体の体液を酸性に傾けるが、それを中和するために体内の骨の中からカルシュウムを捻出させる結果、骨が脆くなる。更に血中の糖分は毛細血管を消滅させて、血液循環が悪くなる。大量の糖分は血糖値を乱高下させて、脳は混乱して、精神的にイライラや落ち着きをなくして、感情を不安定にさせる。糖分は腸の悪玉菌のエサとなって、腸内環境が悪くなる。胃腸や肝臓の働きが低下してしまうし、免疫力も低下する。中性脂肪やコレステロールを増やす。
最も怖いのは、AGE(終末糖化産物)の生成である。これは糖分がタンパク質と結びついて出来る変質した物質の事で、糖分とタンパク質の摂り過ぎで、体内でどんどん生成されて、体内の至る所に蓄積されてゆき、動脈硬化、ガン、骨粗しょう症、変形性関節症、認知症。白内障、肌のシミやシワなどの病気や老化を促進する。当然のことであるが糖分の過剰は糖尿病を発症させることは言うまでもない。
2)高脂肪、高蛋白の高カロリー食は病気に負けない元気な体を作り、スタミナが付く。
戦後欧米食が日本に普及して、今では若い人達は和食離れして、欧米崇拝主義が食生活までも変えてしまった。その結果、高脂血症、高コレテスロール、動脈硬化、高血圧症、脂肪肝、肥満、ガンが大人だけでなく、若年層や子供達にも激増している。
よく言われている言葉に、肉を食べるとスタミナが付くと。果たして本当だろうか。スタミナとは、持久力、精力を意味するが、肉を食べると、持久力が続き、元気が何時までも続くことはあり得ない。腸内環境も悪くなって、血液は汚濁し、免疫力も低下する。
油で処理したものは味覚を刺激して、若者達は焼き肉だ、トンカツだ、とりの唐揚げだ、ハンバーグだと、常食すれば健康体を作るどころか、大腸ガンや乳ガンを誘引するという。
脂肪分を摂り過ぎると、活性酸素によって過酸化脂質に変質されて、血管壁に付着したり、血管癖に浸み込んでゆき、血管を脆くしてしまい、各種生活習慣病を招くことになる。
3)牛乳は完全栄養食である。カルシュウムが豊富なので、骨を丈夫にするし、骨粗鬆症に良い。
カルシュウムパラドックスという言葉がある。一度に大量のカルシュウムが体内に入ると、ホメオスタシスという体内の恒常性維持機能が働いて、余分なカルシュウムを体外へ逃がそうとしてしまう。逆に骨がカスカスになってしまうのである。酪農の国のノルウェーやデンマークの若者に骨粗しょう症の人が多いのは、そのせいであると云われている。
そもそも日本人は小魚、海藻、野菜類、ゴマ、大豆製品の日本食からカルシュウム分を摂取していた。カルシュウムを骨に沈着させるには、体を動かして骨に負荷を与える事やビタミンD、マグネシュウム、ビタミンC、ビタミンKの摂取も欠かせない。砂糖や蛋白質の摂り過ぎは体を酸性にするからカルシュウムが逃げてしまう。コーヒーやお茶のカフェインはカルシュウムを排泄させる働きがある。肝臓や腎臓の機能が低下していると、ビタミンDが作られない、胆嚢や膵臓の働きが低下していると、脂肪分とカルシュウムが結びついて、吸収されずに便と一緒に排泄されてしまう。胃腸の粘膜に炎症があると、カルシュウムの吸収が悪い。閉経期を過ぎた女性は女性ホルモンが減って、骨の新陳代謝機能が低下しているので、骨粗しょう症になり易い。
要するに牛乳を摂取しなくても、以上のような注意点を考慮すれば、即ち日本食をきちんと食していれば、骨の異常は起きない。牛乳神話に惑わされないようにしたいものだ。
そもそも日本人の八割の人は牛乳に含まれているカゼインという蛋白を消化するラクターゼという酵素を持ち合わせていないので、アレルギー反応が起きる。或いは消化不良で下痢する。花粉症やアトピー症が増えたのも牛乳に原因があると云われている。
4)酒は百薬の長である
確かに適度な量の酒は気分をリラックスさせて、食欲を増進させる効果は否定できない。しかし20年も30年も毎晩晩酌をしていると、肝機能は低下してゆき、肝硬変になったり、アルコールからアセトアルデヒドという副産物が作られて、それを分解する時に、大量の活性酸素が発生するし、ビタミンB類、ビタミンC及び酵素類が無駄に消費される。酒の肴に動物性のものを一緒に摂ると、活性酸素によって過酸化脂質に変質して、血管に蓄積されて、動脈硬化を招く。酒を飲んだ直後は体は血管が膨張して、血流が良くなるが、その後は逆に血管が収縮する。これを繰り返していると、段々脳細胞が委縮してゆき、認知症に近づいてゆく。またアルコール分は利尿作用が働いて、尿と一緒にカルシュウムが排出されてしまし、肝臓が疲弊していると、ビタミンDが産生されないため、腸でのカルシュウムの吸収が悪くなる。お酒飲みの人に腰の悪い人が多いのはその為である。
最近はビール党も若い人に多いが、体を冷やすから、年輪を重ねるにつれて、体の変調をきたすことになる。アルコール中毒になることだけは避けたい。酒は百害の長である。
5)お腹に宿便はない
毎日排便があれば宿便なんかない。医者は肛門から内視鏡を挿入して、目で確認しているが、宿便は見当たらない。腸の粘膜は3日で剥離して入れ替わるから、宿便は残らない等がその根拠となっている。
しかし甲田式西式健康法で多くの難病患者を治療してきた甲田光雄博士の著書によると、「現代人の大半は宿便をどっさりため込んでいる。毎日快適に便通があっても宿便が溜まっている。関節リュウマチ、脳卒中や痴ほう症、アレルギーの発生にも影響している。万病のもとになっている。」と書かれてある。
実際に甲田医院に入院した人達の闘病記を読むと、生々しい宿便排泄の状況が描かれている。絶食に入る前に、スイマグという水酸化マグネシュウムの緩下剤を飲んで、腸内が空っぽになっているのに、真っ黒な悪臭を放つ宿便が何回も排泄されるという。どうも腸壁の中に浸み込んでいる老廃物が浄化されるらしい。
3.まとめ
現在日本に高血圧4000万人、糖尿病2200万人、高尿酸血症600万人、肥満3400万人、骨粗しょう症1800万人、アトピー症700万人、花粉症2000万人、脂質異常症3200万人、脂肪肝3000万人いるという。 これらの病気が間違った健康常識を抱いている人達の生活習慣によって、発症している。砂糖、肉と油、牛乳、酒、大食による宿便の害に無関心では済まされない筈。これら日本食離れの食生活からもう一度回帰する時期にあるのではなかろうか。
おわり
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絵手紙教室 作品紹介 2021年9月10日
井上杏那さん作品 その7
■ 布袋尊 心だって福よかなほうが いいんじゃなかろうか
■ 恵比寿天 大漁のときはご奉仕のチャンスですよ
■ 弁財天 愛嬌も才能のうち
■ 福禄寿 鶴は千年 亀は万年 持つは信念
■ 大黒天 たったの一振りで人生なんて変わるもんよ
■ 毘沙門天 武器より信頼できる友を持とう
■ 寿老人 物は忘れど孫は忘れぬ
肥満が招く病気の数々 By 豊岡 倫郎 氏 2021年8月30日
1.肥満の人が増えている
肥満人口は増加の一途をたどっていて、今や推計2300万人に達している。今年7月公表の文部科学省の調査では、小学6、中学3、高校3年生の肥満者がここ五年間毎年増え続けている。
2.肥満は自慢にならぬ
一昔前までは太っている人を見ると、あの人は恰幅がいいとか、押し出しがいいとか言われたものだが、今は太った経営者に対して、自分の体もコントロールできない者が、どうして部下を管理できるものかと、厳しい批判を受けている。これは何も経営者だけに限ったことではない。
3.肥満の定義
肥満を判断する基準がある。その数式は、「体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)=BMI値」である。この値が25以上を肥満者としている。なお18.5以下の人を痩せの人とする。男性では50代の人の37%が肥満のピークで、その前後の40代と60代も35%前後の人が肥満となっている。女性では、60代、70才以上の人がピークでそれぞれ28%を占めている。ある調査によると、一番死亡率の低いのは、BMI値が22から25の人だという。
4.メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドローム(メタボ)とは、BMI値が25以上で、腹囲(ウエストサイズ)が男性で85cm以上、女性で90cm以上ある場合、内臓脂肪型肥満となり、加えて脂質異常、高血糖、高血圧を二つ以上合わせ持った状態をいう。
5.体脂肪率とは
体重に占める体脂肪の割合を、体脂肪率(%)という。一般に健康的とされる体脂肪率の目安は、男性は10〜19%、女性は20〜29%で、それ以上になると、肥満という判断になる。なお肥満には、体質や生活習慣によって、脂肪の付く場所がヒップや太腿など下半身の皮下に脂肪が溜まるのが、洋ナシ型で、お腹を中心に上半身に溜まるのが、リンゴ型肥満と呼んでいる。
6.肥満の原因
社会経済が進歩し、豊かになって、自動車や家電製品などの文明の利器が普及し、日本では食事の欧米化が一般化してしまった。高脂肪、高蛋白の肉類と乳製品の高カロリー食を摂り、食事の多様化が進んだ。一方体を動かさない生活が続けば、消費エネルギーよりも、口から入る摂取エネルギーの方が多いために、余分なエネルギーが体に蓄積して、肥満を招く。これが根本的な原因である。脂肪はタンパク質や糖質よりも単位重量当たりのカロリー数が2倍と高い。
また歴史的経緯からもみても、人間の体は飢餓には強いが、飽食には弱い体質になっている。研究が進むにつれて、倹約遺伝子戸とか、肥満遺伝子と呼ばれる遺伝子の存在が判明した。日本人は太りやすい遺伝子を持っている人が多いという。
更にワシントン大学のジェフリー・ゴートン博士が発表した研究では、腸内細菌の中に、デブ菌とヤセ菌が存在し、太った人はデブ菌が多いという。便秘症や花粉症の人はデブ菌が多い可能性がある。
もう一つの理由は、中年以降の男女が肥満になるのは、40歳を過ぎると、体内のエネルギー生成システムが解糖系からミトコンドリア系主体に変わる為に肥満になる。ミトコンドリア系は解糖系の19倍のエネルギーを生成するから、大食してはいけないのである。
7.何故肥満は万病のもととなるのか
上述した様に肥満になると、脂質異常、高血糖、高血圧だけでなく、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患や糖尿病、腎臓病、ガン、胆石症、脂肪肝、痛風、睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす可能性が高くなる。
有り余った脂肪は活性酸素によって、過酸化脂質に変質して、全身の細胞、血管に浸透してゆくから、どんな病気を発症しても不思議ではない。
内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンが減る。このホルモンの働きは、動脈硬化、糖尿病、高血圧、高脂血症、メタボリックシンドロームの予防と改善である。ガンに対しても予防と退治の働きがある。
肥満の人は過食しているので、大量の食事量を処理するために、消化器官が疲弊するだけでなく、大量の糞便が常に腸内に停滞するので、活性酸素を発生させて、遺伝子を傷つける。
人間は歩行時に膝に体重の2~3倍の荷重がかかる。肥満の人は膝が痛くなるのも当然である。
膝だけでなく、足首の踝の一点で体重を受け止めてから、足の裏のアーチ状の三点で分散して支えている。踝の周りは23個の骨で構成されているが、この構造体が重い荷重で歪んでゆく。その歪みは親指の付け根から始まり、踝から膝関節へ、更に股関節に、腰椎から頸椎まで、左右の足の交互にジグザグに上体の方へ影響を及ぼす。これを西式健康法では身体故障伝達図によって説明している。太っている人は皆、自覚症状のあるなしに関係なく、足の関節に歪みがある。
9.肥満防止根本対策
答えは簡単である。大食しないことに尽きる。ところが食べる事は人生の一大楽しみであるから、凡人にはそう簡単には改善できないに違いない。その発想転換のヒントとしては。
▪人は生きた食べ物の命を戴いて、命を繋いでいるのであるから、食べ物に感謝し、
無駄喰いせず、食べ物に感謝すること。食への異常な執着心を捨てる。明日もまた
食べられるではないか。
▪大食すれば、体内のあらゆる臓器や器官にその処理するために、大きな負担を強いて
いる。この行為はイジメである。体の悲鳴に耳を傾けるやさしい気持ちを持つことで
ある。
▪すでに大食によって、病に苦しんでいる人は、強く健康を望む決意をもつて対処する
事である。
▪毎日15分、自彊術のような健康体操をすれば、自分の健康状態が把握でき、改善意欲
も湧く。
▪足首、膝、股関節、脊椎の歪みを矯正するには、西式健康法では、扇形運動、
上下運動、合掌合蹠運動、金魚運動が対策として用意されているから、コツコツ実行
するとよい。
10.まとめ
1)ひと時の「口福」に酔いしれて、無節操な牛飲馬食を繰り返せば、寿命が縮まることは、ラットや赤毛ザルなどの実験でも証明されている。
2)少食にすれば、サーチュインという長寿遺伝子が働くことによって、老化が防げる。
3))免疫力低下のもう一つの理由は、松田麻美子女史の著書「常識破りの超健康革命」によれば、「実際平均的な食事の消化に要するエネルギーは、フルマラソンで消費するエネルギー量(約1600キロカロリー)に相当する」とある。大食は体のエネルギーの無駄遣いである。
4)肥満症は基礎疾患として、コロナ過において認定されているのは位、免疫力がない。
5) 百寿者に肥満の人なんかいないという。「肥満大敵、死の用心」
おわり
健康語録から学ぶ長寿の秘訣
金沢在住の豊岡倫郎氏著「健康語録から学ぶ長寿の秘訣」をご紹介する。
これだけ医学が発達したとはいえ、日本列島は総半病人と化している。
毎年平均寿命がまだ少しずつ伸びているが、何故こんなに病人が多いのだろうか。
果たしていつまで続くことか。
テレビでは毎日これでもか、これでもかと、やれスィーツだグルメだと浮かれているが、とても正常な社会現象とは思われない。
今までに健康に関する格言、名言、箴言(しんげん)、言い習わしや役立つ言葉をメモしてきたのを、ここにまとめてみた。
先人たちの体験から導き出された言葉を知り、少しでも皆様の健康長生のために、お役にたてればと思い、小冊子にした次第である。
2021年8月6日 豊岡 倫郎
興味のある方はNPO法人健康を考えるつどいまでお電話下さい。
TEL:0877-45-8441 FAX:」0877-45-8444
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酸化と糖化が病気をつくる By 豊岡 倫郎 氏 2021年7月30日
1.抗老防衰
抗老防衰という言葉が有る。秦の始皇帝は美女から口移しに美味な料理を食べていたが、不老長寿の妙薬を求めて、日本へ徐福を派遣したというが、願いもむなしく、50歳で亡くなった。死ぬ頃は白髪だらけであったという。人間だれでも生者必滅で、毎日が死に向かって行進しているようなものであるが、人には夫々の生活習慣があり、その違いから健康格差が生じている。その大きな要因が酸化と糖化である。
2酸化とは
体が酸化することを酸化ストレスと呼ぶ。これは活性酸素が過剰に発生して、体がサビついた状態のことを言う。我々は呼吸することによって、酸素を体内に摂り入れて、代謝過程において、エネルギーを作り出しているが、酸素の一部が分子構造の一個が欠けた不安定な状態になって、近くの物質と結合しょうとする酸化力の強い物質に変わる。それを活性酸素と呼んでいる。体内に入った酸素の内約2~3%が活性酸素になる。
活性酸素には、体内に入った有害物質やバイキンを殺菌したり、取り除くという重要な働きをしているが、過剰に発生しすぎると、酸化力が強いために、体に様々な有害な作用を及ぼし、病気の80%は間接的、直接的に活性酸素に起因していると云われている。
3.活性酸素が病気を導く構図とは
我々が食事から摂り入れた魚や肉などに含まれている脂質が体内の活性酸素によって、過酸化脂質に変わる。また体内に蓄積されているコレステロールや中性脂肪も過酸化脂質に変わる。この過酸化脂質は体内の臓器や細胞の中に浸透して行き、傷をつけたり、破壊したり、血管を脆くしたり、遺伝子を傷つけるなど全身にダメージを及ぼす。
活性酸素が関与する病気には、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病、肝炎、腎炎、膠原病、アトピー性皮膚炎、ガン、一般炎症、老化促進などいろいろある。
4.活性酸素の発生原因
何故活性酸素が必要量以上に過剰に発生するのだろうか。その原因となっていることを、列挙すると。紫外線を浴びる、喫煙、飲酒、大食、薬の服用、放射線を浴びる、激しい運動、電磁波を受ける、体内に炎症がある、腸内に異常発酵や宿便がある、食品添加物、農薬、殺虫剤の摂取、ストレス、睡眠不足などある。
5.活性酸素から身を守るには
体内には活性酸素を除去するSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)という酵素が作られているが、40歳を過ぎる頃から生成量も減ってくる。上述したような活性酸素を発生させる生活態度を続けていると、SOD酵素と活性酸素との力関係のバランスが崩れて、活性酸素が優位になってしまう。
対策としては、SOD酵素以外にも、活性酸素に対抗する抗酸化物質を摂取することである。それを列挙すると。ビタミンA、C、E、緑黄食野菜、生野菜汁、ファイトケミカルと云われているフラボノイド、ポリフェノール、アントシアニン、ピコピンなどの含まれた食品がよい。食事では3分づき玄米、大豆製品、黒ゴマ、ニンジン、タマネギ、ブロッコリー、小魚、キノコ類、果物、海藻類、発酵食品の少食に徹することである。
もうひとつの対策は外部からSOD酵素を補給する方法がある。それは活性酸素の世界的な権威である丹羽靭負博士が開発したSOD様食品の摂取である。丹羽博士は高知県土佐清水市で土佐清水病院院長として、ガン、リュウマチ、アトピーなどの難病の治療に当たっている。これは薬ではなく、健康食品として誰でも入手できる。丹羽博士は多くの活性酸素に関する著書を書いているから、健康に関心のある人は一度は読まれると良い。
6.糖化とは
食事などから摂取した糖分は体内でタンパク質と結びついて、終末糖化産物(AGEエージーイー)という物質に変質してしまう。別名を糖化反応と云う。1912年にフランス人によって発見されて、発見者の名前を取って、「メイラード反応」と呼ばれている。その後研究が進み、体に様々な害をもたらすことが判ってきた。体内に過剰な糖分があると、血糖値が上がり、持続時間が長いほど、AGEの生成量も多くなって、蓄積されてゆく。
7.AGEの影響とは
体内のあらゆる器官や組織はタンパク質が主となって構成されているが、新陳代謝に必要な量以上の余分な糖分が血中に存在すると、至る所でタンパク質を変質させて、AGEが生成される。血管に沈着すれば動脈硬化に、皮膚に起きれば、皮膚の弾力性を失わせて、シワやシミを生む。
骨に入ればコラーゲン線維を損傷させる。またAGEが生成される過程で、活性酸素を発生させて、この活性酸素が糖化を促進させるというから、酸化と糖化はコインの表裏の関係になって、悪さをする。老けたくなければ甘いものを食べない事である。
もう一つ留意すべき問題は、このAGEはわれわれが日常摂取している加工食品の中に存在していることである。AGEを多く含む食品を列挙すると。バター、チーズ、マヨネーズ、高温の油で調理した、ステーキ、焼き肉、ハンバーガー、揚げ物類、鶏の唐揚げ、目玉焼き、焼き魚、トーストパン、ポテトチップスなどである。皮肉にもテレビでいつも放映中の料理ばかりではないか。
8.糖化を防止する食事法
基本は食事量を腹七分に抑える。主食は3分づき玄米、生野菜汁、小魚、大豆製品、黒ゴマ、緑黄色野菜、海藻類、キノコ類、発酵食品、果物などとする。避けるべき食品は、蛋白質の多い肉類、甘いお菓子と清涼飲料水、加工食品、スナック菓子は控える。
調理法は、焼く、炒める、揚げるから煮る、茹でる、蒸す方法に転換する。生で食べられるものは、糖化値が低く、生命力もあり、酵素も含まれているからお勧めである。
9.まとめ
1) 活性酸素がこれだけ病気発症に関与していても、医者から活性酸素がどうの
こうのと忠告を受けることは皆無である。糖化についてもまた然りである。
自分で気を付けるしかない。
2)活性酸素を発生させる五大要因は、飲酒、腸内異常発酵、ストレス、大食、
食品添加物・薬。
3) 70歳以上の人の80%は白内障になると云われている。その原因は活性酸素と
糖化による。
4)あなたは他人から実年齢よりも若く見られますか、それとも老けて見られ
ますか。その差は日頃の生活習慣による。これ位なら大丈夫
だろうという甘い考えが身から出たサビを生む。もうそろそろ酒を飲むのを
止めようか、毎日ケーキや大福もちを食べるのを止めようか。
医者から薬を貰っている方はこんな発想が湧かないものなのか。
おわり
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第152号 健康への道しるべ :令和 3年7月20日発行
第152号 心と体の健康生活:令和3年7月20日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
今回のメイン記事は「ハンドパワーの不思議」
「手当て」すると言う言葉、そのまま患部に手を当てる意だが実践すると良く解かる。
筆者は心臓手術痕が良く痛むが、手を当てるとその痛みが緩和された気分になる。
健康へのトビラ Vol.27
令和3(2021)年 7月 1日発行 Vol.27
編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい
〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441 FAX:0877-45-8444
今回より金沢にお住いの豊岡 倫郎氏 執筆の「健康情報」を毎号お届けします。
今回のテーマは『体の危機管理とは?』です。
豊岡倫郎氏のプロフィール
昭和13年8月生まれ。
金沢大学法文学部経済学科卒業。
定年後、金沢市内の公民館で健康問題に関心のある人たちに来ていただいて、毎月一回 健康講座を開催。
かれこれ18年間続けている。
健康法の道に入ったきっかけは、35歳の時に「甲田式西式健康法」で有名な八尾市の甲田光雄博士の診察を受け、慢性胃腸病が治った事。
その後西式健康法のみならず、自彊術、ヨガ、気功術、食事療法、運動療法など様々な健康法を体験し、またいろいろな健康法の知識を吸収して現在に至る。
自彊術は中伝の資格取得。
色彩を健康生活に活かす By 豊岡 倫郎 氏 2021年6月30日
1.健康生活の中の色彩
健康法上見逃すことが出来ないものに色彩学がある。顔色と病気、食物の色と臓器、太陽光線と食物、服装の色と体への影響などについて、解説します。
2.顔色と病気の関係
色彩と生体は関連が深く、顔色を見れば大体どの器官が悪いかわかる。白い色は肺臓に影響するし、黒い色は腎臓、副腎に、紫色は循環器障害、呼吸困難に、青色や蒼白は胃腸に、緑色は脾臓に、黄色は肝臓に、赤は心臓に影響する。
3.病気と食べ物
上述したように顔色を見れば、どの器官が悪いかわかることになるから、顔色に合った色彩の食物を摂れば、病気が治って健康色の桜色に戻る。なお手のひらの色も大体顔色と同じ傾向があるからチェックしてみることも必要である。
例えば白い顔の人は肺が悪いから、白い大根、ネギの白い部分、とろろ芋などを摂ると良い。
顔色の黒い人は、腎臓系統が悪いから、黒ゴマ、黒豆、昆布などを摂ると良い。顔色の青い人は緑黄色野菜を摂る。顔色の黄色い人は肝臓が悪いから、黄色い食物、つまりミカン、ニンジン、レモン、カボチャなどを摂る。顔色の赤い人は心臓が悪いから、赤いトマト、赤いカブラ、赤い鮪の刺身、リンゴなどを摂る。そうすれば次第に健康色の桜色に戻ることが出来る。
4.太陽光線と野菜や果物の収穫タイミング
太陽光線を分光すると、七色に分かれる。即ち紫,藍、青、緑、黄、橙、赤で、これが人間の眼で光として認識できる可視光線領域である。因みに太陽光線にはこれ以外に、この可視光線よりも波長の短い領域に紫外線があり、逆に長い領域には赤外線がある。
そこで一日の可視光線は朝は紫から始まり、夕方には赤で終わりを迎えるが、夫々の色が一番その波長が活発な時に、野菜や果物を収穫すると、その生命力も一番活発になっている。例えば朝には紫色のナスを収穫し、昼頃には青い色の青菜やキュウリ、夕方にはトマト、カキミカン類を収穫すると、栄養成分も一番充実していて、長持ちするし、損傷も少ない。
5.色彩と性情の関係
赤色は活気、情熱、喜び、興奮の現れを現わす。深紅色は激怒、激烈を。朱色は獣的な愛情を。黄色は向上心、快活、明朗、明快、興奮を。橙色は喜びを。緑色は嫉妬を。青色や黄色は後悔、失望、失意を。紫色は温厚、優雅、従順を。黒色は憎悪、怨恨、恐怖を。灰色は謙遜、恐怖を。白色は清浄、潔白を。桜色は穏健、優雅を現わしている。
従ってこれらの性情を考慮して、これらの色素を食物で補給したり、逆に制御したりすると同時に、被服の面でも配慮することで、段々精神的にも安寧をもたらすことが出来る。
6.色彩の好みと若い女性の性格
紫色の衣類を好む娘さんは、非常に内気で、言うべきことも言えないような内気な人で、他からプレッシャーを受けると、精神状態が混乱することも起こりかねない。従って紫好みの娘さんは、時々赤い色の衣類も用いるようにして、バランスを取ることが大事である。
赤い色の衣類ばかり好きな娘さんは、非常に活発で、お転婆さんになり易いから、幼い時から余り赤い衣類ばかり着て、育てるのはよろしくない。赤好きの娘さんには、時々紫色の衣類を着せて、調和を図ることによって、あまり活発過ぎるのを抑えて、程よい性格の娘さんにすることが出来る。
7.色彩と体の部位別服装
健康を保持する上で、人体各部の服装の基礎的な色彩は.次の通り。頭部は藍色がよく、手ぬぐいや帽子も藍色に近いものが良い。咽喉部は空色が良く、肩掛け、マフラーはこの色にする。
ご婦人の洋服の襟も空色系統にする。下腹部は赤色が良く、パンツの色もこれで元気が良くなる。足部は藍色が良く、靴下は紺色が理想的である。
8.色彩と波動の関係
色彩を可視光線として目から認識するだけでなく、体全体で感ずることが出来るという。例えば目隠しをして、内部を黒色にした部屋に入っているときは、気持ちが陰鬱になるし、真っ赤にした部屋に入っているときは、明るい気持ちを抱くという。それぞれ違った感覚に陥ることが実験で証明されている。また三重苦のヘレンケラーが色の認識を皮膚から感じ取っていたと、本に記述されている。
皮膚は色を感じ取ることが出来るようである。一説によると、夫々の色から波動が発信されていて、それを肌で感じ取っているらしい。ただし誰にでもできる技ではない。現代人はもはやどっぷりと文明の利器や暴飲暴食で、体全体が鈍感になってしまっているので、普通の人では無理かもしれない。
9.皮膚の健康法
内皮は外皮に通じる、という言葉が有る。腸のきれいな人は肌がきれいである。腸がきれいということは、腸内環境が良いということを意味している。顔や手のひらに悪い徴候の色が出るような人は、先ず腸内の宿便を排除することが最優先事項であることを認識する必要がある。
10.まとめ
1)漢方には未病を治すという言葉が有る。これはまだ病気になる前段階の兆候をつかみ、対処することによって、未然に病気を防ぐという意味である。だから顔色を観察して、病気の兆候を見つけることの意義もここにある。
2)上述した様に顔色と体内臓器の疾患との関係から、顔色に合った食べ物を摂取すれば、疾病を治し、健康色の桜色になる方法を解説したが、食物だけでなく、顔色に合った色彩の衣服を着ることも、同じ意味で必要である。赤ん坊には赤い服が良く、黄疸の人には黄色の下着が良い。
温かい季節になると、家の中ではTシャツ一枚で過ごす事も多い。店にはいろんな色の物が売っているから、試しに着て過ごしてみてはどうか。
3)では何故皮膚に現れた該当疾患の色の物を食べたり、身に着けたらよいのか、疑問に思う方もおられることと思う。その訳は身体内部の臓器に、その色素が欠乏している事を示しているからである。これが「症状は即ち療法である」という根拠から生まれた療法なのである。
4)最近の大型テレビは鮮明に人の顔が大写しされる。いろんな人達の顔色だけでなく、顔のいろんな部位の状態をも観察して、健康状態を推測するのも、役に立つことがあると思う。興味がある人は、病気の予兆についての本も出版されているから読まれると良い。
おわり
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柿タンニンについて
2021年5月31日 NHK シブ5時で柿タンニンについて放映があった。
題して<キニナル!>再注目!柿タンニンパワー
JCC株式会社の「最新TV速報」から説明を引用する。
柿渋に含まれる渋み成分である「柿タンニン」はポリフェノールの一種。
柿タンニンの研究者・鹿児島大学名誉教授・松尾友明 氏は柿タンニンの化学構造を解明した。
そして渋柿や柿渋から柿タンニンを抽出する技術を開発。
柿タンニンはポリフェノールがたくさん連なった鎖状の分子で、特徴は抗酸化作用があること。
食品の変色を防いだり、金属などのさび止めなどにも使える。
悪臭成分と結合する性質があり、シックハウスの原因であるホルムアルデヒドと付着して不活性化する。
それで住宅用の塗料などにも柿タンニンが使われている。
また、多くのタンパク質と結合する特徴もあり、ウイルスや細菌の増殖を抑制するということも分かっている。
日本では古く平安時代から、強度が上がる、防水、防腐、防湿、防虫などいろいろな効果がある事が暮らしの知恵として伝わっていた。その事が現代化学によって裏付けされた。
柿タンニンは今、新たな分野でも注目されている。
去年9月、柿タンニンは新型コロナウイルスの感染力を失わせる効果があるという研究結果が発表された。
柿タンニンを含んだ食品というのも出てきている。
奈良県立医科大学・伊藤利洋教授によると来月6月からは臨床試験を始める予定。
↓ シブ5時のテレビより
柿茶本舗が売っている「アスミン」にも柿タンニンが含まれている。
葉緑素の効能とは 2021年5月31日 豊岡 倫郎 氏
1.緑黄色野菜と淡色野菜
いま野菜摂取不足が健康上の問題となっているが、厚労省の目標は一日当たり350クラムとしている。その内緑黄色野菜を120g以上摂るのが良いとされている。今回は葉緑素の多い野菜の摂取を意識している人が少ないので、ここに葉緑素の効能を認識して、積極的に摂取することをお勧めする。
2.葉緑素とは
葉緑素は別名クロロフィルとも呼ばれ、植物の葉や藻類などに含まれている緑色の天然色素である。葉緑素は植物の細胞内の葉緑体に存在し、光と水と空気中の二酸化炭素から糖などの有機物を合成する光合成に不可欠な成分である。
3.葉緑素研究の歴史
ドイツの生化学者ウィルシュテッターらが植物の緑色色素から葉緑素を分離して、分子構造を明らかにして、1915年にノーベル賞を受賞した。その後ドイツのハンス・フィッシャーらが葉緑素全体の正確な分子構造式を解明し、1930年にノーベル賞を受賞した。
葉緑素の分子構造は人間の血液の分子構造と似ていて、葉緑素は分子構造の中心の元素がマグネシュウム(Mg)なのに対して、血液の分子構造の中心元素は鉄(Fe)である。
4.葉緑素の効能
昔から葉緑素の多く含まれている青野菜が体に良いことは、経験的に解かっていて、食べられていたが、医学の発達と共に、その効能が明らかになった。その効能とは、次の通りである。
細胞賦活作用、抗酸化作用、諸臓器の機能昂進、腸の蠕動運動亢進、創傷治癒促進、肉芽形成促進、増血作用、末梢血管拡張、殺菌・制菌作用、抗アレルギー作用、制ガン作用、脱臭作用、ダイオキシン排泄作用などである。
5.日常生活での健康効果
我々の日常健康生活のための役割は、次の通りである。
血栓、動脈硬化の予防、血圧調整、整腸作用で便秘解消、口臭や体臭の脱臭、体内の炎症鎮静化、例えば口内炎、歯周病、胃腸炎などの消炎、二日酔いの解消、切り傷の治癒促進、貧血気味のときの増血作用、薬の副作用や食品添加物など有害物質の解毒、体の疲れや食欲不振、肝臓の疲れの解消、コレステロール低下などである。
6.葉緑素の多い食材
葉緑素が多く含まれている食材は、小松菜、ほうれん草、春菊、ブロッコリー、ニラ、モロヘイヤ、海藻類などがあり、いろいろ料理して食することが出来る。健康サプリメントとして摂る時は、クマ笹の粉末やエキス、明日葉の粉末や錠剤、大麦若葉の粉末やエキス、クロレラ、スピルリナやユーグレナ(別名ミドリムシ)の錠剤、緑茶などがある。
その外にヨモギがある。ヨモギは古くからお餅やまんじゅう、パンやうどんにも練りこまれている。外用として切り傷、打撲、腫れものの時に、葉や茎をすり潰して、患部に塗ったり,貼ったりして、利用している。また乾燥したものを風邪、痔、神経痛、高血圧に煎じて飲むと良い。正に食べてよし、塗ってよし、飲んでよしの万能型薬草である。
7.食事法
葉緑素が体に良いと言って、粉末の錠剤やエキス化したものがあるが、これらサプリメントではなく、日常の食事に摂り入れて摂取するのが一番望ましい姿である。何故なら葉緑素の含まれている上述した野菜はそれぞれ葉緑素以外にビタミンやミネラル、抗酸化物質も含まれていているし、食物繊維も多いので、重要な食材として料理の一品となるのである。サラダとして、或いは煮野采として、生と温野菜をそれぞれ半々ずつ摂取するのが望ましい。
8.生野菜食のすすめ
1927年に西勝造氏が創設した西式健康法の中のひとつに、生食療法というものがある。その方法は、すり潰した生野菜と生の玄米を粉にして、生の清水で食べるのである。何か療法を志している人、若返りたいという人にお勧めである。生野菜は5種類をジュースマシンでドロドロにすり潰したものを繊維も汁も一緒に食べる。野菜にはそれぞれ特性があるから、5種類が補い合ってより効力が出る。玄米粉は嫌だなあと思う人は、先ず生野菜汁だけを一日に200g位を食する。病弱な人はそれよりも少なめから始めるがよい。使用する野菜は小松菜、ほうれん草、キャベツ、パセリ、シソ、レタス、大根、ニンジンなどを、葉と根を半々に入れると良い。食べづらい時は、りんごやハチミツを少々入れる。なお詳細は甲田光雄著「生菜食健康法」春秋社発行を参照、その効能や体験談も載っている。正に「食は医なり」の典型的な具体化事例である。
9.野菜不足は病気の元
よく医者はバランスの良い食事をしなさいと云う。バランスとは、野菜類と魚や肉類とのバランスを指している。肉や魚や甘い砂糖の入ったお菓子や飲み物は血液を酸性にするから、それを中和するために体内の骨からアルカリ性のカルシュウムを出して、中和する働き、即ち生体の恒常性維持機能が働く。こんなことが続くと、段々骨が脆くなって、骨粗しょう症や骨折が起きてしまう。
また体の血液が酸性に傾いていると、免疫力も低下するし、色々な病気に侵されやすくなるから、アルカリ性の野菜を、一日に最低350g摂取する必要がある。ある調査によると、20から40代の人達の野菜摂取量は約250g、50代以上の人達は約300gしか摂取していない。野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化物質が豊富に含まれているが、肉や魚には脂肪とタンパク質と一部のビタミン類しか含まれていないから、偏った食生活の改善が急務である。
10.まとめ
1)今回取り上げた野菜類はどこの食品スーパーでも入手出来るから、簡単に摂取でき る。要はその重要性に気付いて実行するかどうかかがカギとなる。
2)毎回お勧めしている生野菜汁は葉緑素もあり、食物繊維もあり、アルカリ性食品でもあり、
生の野菜は酵素もあり、生きたエネルギーに満ちているから、体の生命力を高めてくれる最良の食べ物である。
「生きたものは生きたものに養われる」これが自然界の大原則である。
3)「反省なくして進歩なし」という言葉が有る。これを機会に自分の食事内容について、野菜類をどれだけ摂っているか、
葉緑素の含まれた青い野菜を食べているか、チェックしてみることをお勧めする。
体の血液は120日で全部入れ替わるから、もっと野菜を食べて腸内環境を整えれば、血液もきれいになり、免疫力も上がるだろう。
おわり
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第151号 健康への道しるべ :令和 3年5月15日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
「次の世代に伝えたい事」欄におにぎりの話が掲載されていた。
ほろりと来るいい話。
健康を左右する短鎖脂肪酸の働きとは 2021-4-30 豊岡倫郎 氏
1.腸内フローラとは
我々の腸内には100兆個、2000種類以上の細菌が住んでいて、その殆どが大腸に居て、小腸に存在する菌は1万個位と言われていたが、最近腸内細菌が小腸の方へ逆流して行き、SIBO(小腸内細菌増殖症)が起きて、過敏性腸症候群の発症にも関係しているという。ところで腸内細菌は各種群れを成して生息していて、顕微鏡で見ると、色鮮やかなお花畑のように見える事から、腸内フローラと呼ばれている。
健康な腸内では、ビフィズス菌や乳酸菌などの体によい善玉菌と、悪影響を及ぼす悪玉菌、そしてどちらでもない日和見菌が2対1対7の割合で存在している。その総量は大体決まっていて、これら比率のバランスが崩れた時に、体の調子が悪くなったり、免疫力も低下するから、善玉菌の数を減らさないように、よい腸内環境を維持することが大事となる。
2.腸内細菌の主な働き
主な働きは、体内酵素を作る、病原菌を排除する、消化を助ける、ビタミンを合成する、セロトニンやドーパミンの前駆体を脳に送る、免疫力を高める、化学物質や発ガン物質を分解する、短鎖脂肪酸を作るなどである。この中でも特に重要なのは、短鎖脂肪酸を作ることである。
3.短鎖脂肪酸とは
短鎖脂肪酸とは、油脂を構成する脂肪酸の主成分のひとつで、炭素原子が鎖状に繋がっていて、炭素の数が2~3個で構成されたものを云う。因みに我々が普段摂っている食用油のリノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸などは、炭素の数が13個以上あり、長鎖脂肪酸と呼んでいる。短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、プロピオン酸があって、その働きは次の通りである。
- 大腸の粘膜である上皮細胞の代謝を促進して、健康な粘液や粘膜を作る。粘膜の血流も良くなって、蠕動運動も促進して、消化ホルモンの分泌を調整して、消化を助ける。
- 脂肪細胞にある短鎖脂肪酸の受容体に作用して、ブドウ糖や脂肪酸の取り込みを抑制する。更に自律神経の内の交感神経に働きかけて、基礎代謝を上げて、エネルギーの消費を促進するので、肥満予防や解消に寄与する。
- 短鎖脂肪酸は有機酸の一種であるから、腸内を弱酸性にする。悪玉菌が増えにくくなり、腸内環境が良くなって、病原菌の増殖が抑えられるし、悪玉菌が出す有害毒素も減る。例えば発ガン物質といわれている二次胆汁酸や潰瘍性大腸炎やクローン病の原因物質となっている炎症性サイトカインも産生が抑制されるという。
- 糖代謝やインスリン代謝にも関与していて、インスリンの分泌を促したり,効きを良くしたりして、糖尿病を予防する作用がある。
- 免疫の暴走といわれているアレルギー性疾患や自己免疫疾患を予防したり、腸の炎症性疾患を防ぐ働きがある。
4.短鎖脂肪酸を増やすには
これほど重要な役割を担っている短鎖脂肪酸を増やすには、腸内細菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖の摂取である。食物繊維には、水溶性と不溶性があり、水溶性食物繊維は水に溶けて、ゼリー状で不要物を吸着して、便として排泄したり、栄養をゆっくり吸収させる性質がある。一方不溶性は水に溶けずに、保水性が高く、大腸で便量を増やして、腸の蠕動運動を活発にし、便通を整える。
水溶性食物繊維は、昆布やわかめなどの海藻類、豆類、サトイモ、山芋、大根、ニンジンなどの根菜類、果物類、モロヘイヤ、オクラなどに含まれている。不溶性食物繊維は、穀物類、ゴボウ、野菜類、大豆、キノコ類などに多い。そして腸内細菌の善玉菌を増やすには、水溶性食物繊維の摂取は欠かせないが、不溶性食物繊維も必要である。従って3分づき玄米食、生野菜汁、海藻類、キノコ類、大豆製品、ゴマ、根菜類の少食がお薦めである。
なおオリゴ糖が含まれている食品は、大豆などの豆類、たまねぎ、 ねぎ、ごぼう、にんにく、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、バナナなどに多く含まれている。
問題は、日本人の食物繊維の摂取量が以前に比べて、どんどん減ってきていて、実情は一人平均1日当たり12グラムだが、理想は20グラム前後必要である。
もう一つの問題点は、悪玉菌を増やすような食生活をしないことである。それは大食、高脂肪高タンパク質の動物性食品、油を使った揚げ物や炒め物、砂糖の多いお菓子や飲み物、冷たい飲み物類、お酒類、ストレス、運動不足を改めることである。
更に最近問題となっていることは、食品添加物、農薬、大気汚染などが腸内細菌の良好なバランスを崩壊させているという。添加物の多い加工食品を出来るだけ摂取しないことである。
5.便秘は万病の元
若い女性の方やお年寄りの人に便秘症の人が多いというが、この便秘が腸内環境を悪化させて、悪玉菌の温床となって、腸の保護粘膜も傷つけられ、細胞と細胞の間が緩んでしまい、悪玉菌が出す有害細菌や毒素、例えば未消化の窒素残留物、アンモニア、アミン、硫化水素、インドールなどが腸粘膜から漏れ出て、血管内に吸収されて、全身を巡って行く。この現象を俗に、「腸漏れ」、正式には「リーキーガット症候群」と呼ぶが、これが慢性炎症やあらゆる疾病の原因となってしまう。これら腐敗便を抱えていると、活性酸素も発生するから、その害も見逃せない。
6.プロバイオティクスとは
プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを改善して有益に働く生きた微生物のことであるが、今ヨーグルトや乳酸菌飲料が体に良いとか、アレルギーに効くと信じて疑わない人も多い。しかし人の腸には100兆個の細菌がいるが、その内25% が善玉菌として計算すると、25兆個となる。ここに乳酸菌飲料に入っている20億個の善玉菌を飲んだとしても、わずか0.008%に過ぎない。また人それぞれ固有の細菌層を持っていて、死ぬまで同じ種類が変わらないから、外来種は住み着くことが出来ない。だから最近の傾向は如何にして在来種を活性化させるかが大事だという。
7.まとめ
1)女性のガンによる死亡原因の1位は大腸ガン、男性は3位となっているが、その要因として挙げられていることは、高脂肪高蛋白の欧米食と食物繊維の摂取不足である。焼き肉、ハンバーグ、とりの唐揚げ、キョーザ、ラーメン、ピザなどのドカ食いする様な食生活が今後も続いてよいのだろうか。肉食、砂糖、アルコール、運動不足、ストレスは腸の5毒である。
2)「腹も身の内」という言葉が有る。暴飲暴食の被害を受けて、悲鳴を上げているのは、わが身の胃腸である。これは「いじめ」である。食べ物の命を受けて、生かされていることに、気付いて節度のある食生活を心がけようではないか。人間の体は一大化学工場である。インプットする食べ物が悪ければ、アウトプットされる製品もまた不良品となる。
おわり
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セルフメディコ元気塾
セルフメディコ元気塾とは一般社団法人セルフメディコ協会が主催する活動のひとつ。
協会の代表理事は福谷 その子氏で HPに書かれた法人説明によると
当法人は、健康に関する価値ある情報提供と、実際に参加し、討論し、関わる事で意識の変化を促す場作りとしての「セルフメディコ元気塾」の活動を通し、過度に薬、医療に頼らない主体的生き方を広め、国民の健康、日本の経済に貢献するものである。さらに元気塾ナビ・認定講師育成事業を通じて、豊かな人間性を育み、人材育成の方面でも広く貢献してゆくものである。
とある。
NPO法人健康を考えるつどいのスクール活動予定を私が毎月更新しているが、その中に「メディコ」と書いた予定があって、いつも何をするんだろう~と思っていた。
たまたま今回誘われて参加してみた。
初参加の人が多かった・・・と言っても参加者は6人しかいなかったが・・・のでまず、塾長の福谷さんから元気塾のコンセプトやルールの説明があった。
↓ 元気塾の合意4点
↓ 元気塾のルール
そして今日のテーマは <健康常識を見直す13の視点>の中の 項目5「自然治癒力」の中のホルモンについて。
ホルモンなんて焼肉のホルモンしか頭に浮かばない、アト 男性ホルモンとか女性ホルモン・・・そのくらいだ。
まず塾長から<ホルモンの基礎知識>について資料に基づき説明があった。
ホルモンについては知らない事ばかりで、久しぶりに学びの充実感を味わった。
その後はホルモンについて参加者中心の座談会となり、いろいろな話が聞けた。
興味深い話があった。
外国の牛は成長ホルモンを与え早く大きくさせているらしい。
そのため輸入牛肉を小さい時から食べさせると、女の子は小学一年生から生理が始まるという。えっ~・・・である。
メディコ元気塾、なかなか面白い!
かみさまとのやくそく
時:2021年5月4日(火) 午前の部:10時30分から 午後の部:14時00分から
場所:坂出市江尻町1220番地 健康会館
料金:大人 1,800円、高校生以下 1,000円、小学生未満 500円
主催・お問い合わせ:SPL高松、spltakamatsu@gmail.com(松浦)
予約必要
健康へのトビラ Vol.26
令和3(2021)年4月1日発行 Vol.26
編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい
〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441 FAX:0877-45-8444
酵素不足は万病の元 By 豊岡倫郎 氏 2021年3月31日
1. 栄養素には炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6つがあるが、厳密には栄養素ではないが、第7の栄養素と言われてもおかしくないのが酵素である。酵素の体内での重要な働きを無視して、身体の生命活動を語れないし、その不足が万病の元と言われている。
2.酵素とは何か
酵素とは、体内で化学反応を起こさせるための触媒の働きをするタンパク質の分子のことである。触媒とは、それ自身は変化しないが、他の物質に働きかけて化学反応を促進させる物質のことを言う。我々が食べたものを消化、吸収できるのも、筋肉を動かしたり、呼吸をしたり、考え事をしたりするのも、酵素の働きが関与している。今から20数年前に、アメリカのエドワード・ハウエル博士が50年間の酵素の研究と実験から「酵素寿命決定説」を唱えた。それは、体内の酵素が尽きた時が、寿命が尽きることを解明した。
3.酵素の種類と働き
酵素には2種類がある。体内には、体内酵素あるいは潜在酵素とも呼ばれることもあるが、それは消化酵素と代謝酵素の2種類である。消化酵素とは文字通り、食べ物を消化する酵素である。代謝酵素とは、身体全体の新陳代謝、自然治癒力や免疫力発揮の為に働いている酵素である。以上の区分け以外に、体外から摂り入れるものを外部酵素という。例えば大根おろしを食べると、含まれているジアスターゼが消化を助けてくれるなど。
4.酵素の特質
我々の身体には約3000種類の酵素が働いていると言われているが、一説には1万種類位あるのではとも云われている。ひとつの酵素はひとつの役割しか行わないから、体内での消化と代謝の種類に相応した数だけあってもおかしくない。一大化学工場である。問題なのは、一生の間に使える体内酵素の量は限られているから、若い時に浪費してしまうと、早く枯れてしまい若死にする羽目に陥る。
また加齢と共に体内酵素の産生量は減少してゆくから、食べ物から補うことが大事である。「消化酵素適応分泌の法則」があって、体外から消化酵素の多く含まれている食べ物を摂ると、体内の消化酵素の分泌量が少なくて済むので、体内酵素の在庫量を温存できて助かる。
更に体内の消化酵素と代謝酵素の間には、量的な面での代行性があって、例えば、大食して消化酵素の活動が忙しい時は、代謝酵素は自分の量を減らして、対応する。酵素は一日に一定量しか産出されない。従って大食して消化酵素をいつも大量に浪費していると、代謝酵素が常に不足を来していて、代謝機能が落ちて、免疫力も低下して、ガンになることもあり得るのである。
この大事な酵素の一番の弱点は熱に弱く、48度から55度で活性を失うことである。また体内の体温が低いと、酵素の働きが鈍くなり、半減する。更に自然界にない不自然な農薬、食品添加物の含まれた加工食品、加熱した食品や服薬も酵素の働きを半減させる。
更に一般的に体液がPH(ペーハー)が7.35の弱酸性の時に一番活性化する。殆どの現代人の体液は酸性化している。しかし胃液の場合は酸度が高いがこれは特殊なケースである。
ビタミンやミネラルは酵素の働きを補佐してくれているから、補酵素と呼ばれている。これらも不足しないように摂取する必要がある。
いろいろな原因で体内に活性酸素を多く発生させる生活をしていると、体内から抗酸化酵素、例えばSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)が分泌されるが、加齢と共に分泌量も少なくなるから、活性酸素を多く発生させる間違ったライフスタイルは慎まなければならない。
5.一日の生理、新陳代謝のリズムとは
アメリカで生まれたナチュラル・ハイジーンという健康理論がある。自然の法則に基づいた生命理論で、そのひとつに人体の生理リズムがあり、1日24時間には、3つのリズムに分担されて、生命活動が行われている。①午前4時~正午までは排泄の時間、②正午~午後8時までは栄養補給と消化の時間、③午後8時~午前4時までは吸収と代謝の時間となっている。これと同じ考え方は既に西式健康法にもあり、朝食抜きの二食主義を提唱している。なお補足すると、食べ物が栄養素に分解されることを異化といい、その栄養素から組織・器官の材料が作られることを同化と云う。異化と同化を合わせて代謝と呼んでいる。
6.消化液の分泌量
摂取した食べ物は体内で分泌される消化液に含まれる酵素の働きによって、消化されやすいように分解される。成人1日当たりの主な消化液の分泌量は次の通りである。口腔から澱粉を分解する唾液アミラーゼが、1500ml、胃からタンパク質を分解するペプシンが2500ml、肝臓から胆嚢経由で脂肪を分解する胆汁が500ml、膵臓からは十二指腸経由で、澱粉を分解する膵臓アミラーゼ、タンパク質を分解するトリプシン、脂肪を分解する膵臓リパーゼなど計700ml、腸粘膜からは数種の消化液が計3000ml、これら合計すると8200mlになる。
これら消化液の量の多さと、我々が身勝手に色々な食物の摂取に対応じて、黙々と各臓器や器官が機能している複雑な体のシステムがあることを知れば、牛飲馬食を慎まねばならない。
7.酵素を浪費したり、不足させないライフスタイルとは何か
規則正しい生活、即ち睡眠不足にならない。食事の間隔は5時間空けて、なるべく間食しない。咀嚼回数は30回以上。3分づき玄米少食、生野菜ジュース、新鮮な野菜サラダ、果物、発酵食品の糠漬、粕漬け類、納豆、梅干し、大根おろし、長芋のとろろ、ビタミンやミネラル豊富な小魚や海藻、大豆製品、ゴマ、キノコ類、イモ類、味噌汁などを摂取。水分は生水やビタミンCの多い柿茶から補給。適当な健康体操をして、冷えや低体温を防ぐ。
避けるべき行為は大食しない。食事は加熱料理だけとか、加工食品ばかりは避ける。活性酸素を発生させる過激な運動、ストレス、飲酒、喫煙、薬の常用、食品添加物、紫外線にも留意する。肉食や甘い物の過剰摂取で腸内環境を悪化させたり、便秘しないこと。
8.まとめ
1)西式甲田療法を提唱した故甲田光雄博士著「生野菜食健康法、その実際と24人の体験集」という本がある。難病で苦しんでいた人たちの治験談を読むと、「生きたものは生きたものに養われる」また「酵素無きところに生命なし」を痛感する。どうしてこんな素晴らしい療法が世間に普及しないのか。現代医療は病気の原因と食事との関連を無視している為か。歯がゆい気がする。
2)未だに高カロリー、高脂肪、高蛋白の食事が健康に良いと信じて疑わない人達が多い。これを機会に、大食は止め、肉食と砂糖は控えて、腸内環境を整え、代謝機能を低下させないライフスタイルに転換すれば、間違いなく病人は減るに違いない。
3)今後望むことは、皆んなが安心して生野菜や果物が食べられるように、無農薬、有機栽培が拡大し、容易に入手出来るような時代が実現すれば、健康増進に寄与出るだろうに。
おわり
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こいのぼり
井上杏那さんの作品
「屋根より高いこいのぼり〜」の歌い出しで有名な、童謡「こいのぼり」の作詞者は近藤宮子、作曲者は不明です。
しかしもう一つのこいのぼりの歌がある事をご存知でしょうか。
1913年(大正2年)の「尋常小学唱歌 五学年用」に初めて掲載された「鯉のぼり」は、文部省唱歌として歌われてきました。
作詞者は不明、作曲者は弘田龍太郎だとされています。
歌詞は、鯉が滝を上って竜になる中国の伝説「登竜門」が元になっているといわれ、男の子が「こいのぼりのように雄大な姿に成長するように」という立身出世の願いが込められています。
私はこの歌のメロディーも一番の歌詞は知っています。
「鯉のぼり」の歌詞
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
健康への道しるべ 第150号のご紹介
第150号 心と体の健康生活:令和3年3月15日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
■ 年間 購読料:2,500円
今回の号には自然治癒力を高めるもう一つの西式健康法として「背腹運動」が紹介されている。
エネルギーを作る解糖系とミトコンドリア系を使い分けて長命を By 豊岡倫郎 氏 2021-2-27
1.解糖系とミトコンドリア系とは
我々が毎日口から摂取した食べ物は体内で消化分解され、各細胞に吸収されて、エネルギーとなって、生命活動を維持しているが、このエネルギーを生産する経路には、二通りあることをご存知だろうか。それが解糖系とミトコンドリア系(別名クエン酸回路・電子伝達系)である。この二つの経路を理解し、使い分けることによって、無病長生を計る一助としたい。
2.解糖系とミトコンドリア系の機能と役割
解糖系とは、細胞の細胞膜でエネルギーを生成している経路のことを言う。その特徴は酸素を使わないで、短時間でエネルギーを生成する。エネルギーとして使われる栄養素はご飯、パン、イモ類や砂糖などの糖質である。
一方ミトコンドリア系とは、細胞の中のミトコンドリアと云う器官でエネギーを生成していて、酸素を必要とし、即効性はないが、持続性があり、解糖系に比べて18倍のエネルギーを生成すことが出来るのが大きな違いである。
3.加齢と共にこの二つのエネルギー生成経路の分担が変わる
赤ちゃんの時から20歳頃までの体の成長期には、ものすごい勢いで日々細胞が増殖して、体を完成させてゆくが、そのエネルギーの基はもっぱら解糖系で生成している。無酸素で、迅速に、瞬発力で、低体温でもどんどんエネルギーが作られてゆく。ところが成長が完了した頃からは、エネルギーを作る主役はミトコンドリア系に、徐々に役割チェンジが起きて、低体温ではなく、有酸素の条件下で、持続力のあるエネルギーを作り出す。
従って高齢になると、体の摂理が自然と変わってゆき、ミトコンドリア系では、解糖系の18倍もの多くのエネルギーを作り出すから、大食しなくてもよいようになる。
4.ミトコンドリアとは
ミトコンドリアとは細胞内にある小器官で、細胞内で、栄養素からエネルギーを生成するだけでなく、傷ついた細胞を消滅させるアポートシス、神経伝達などにも関与している。体のひとつの細胞の中には平均では300から400個のミトコンドリアが存在するが、肝臓、腎臓、筋肉、脳、神経組織などの代謝の活発な細胞に数千個のミトコンドリアが存在し、全身の体重の10%を占めている。特徴的なことは、細胞核にあるDNA遺伝子とは別に独自のDNA遺伝子を持っていることである。そして親から子へ遺伝するのは、母親の持つミトコンドリア遺伝子に限られているから、 話が複雑になる。遺伝子解析が進歩した現在では、先祖を遡るとミトコンドリア・イブのことやら、日本人はどこからやって来たかとか、話題は尽きない。
5.赤筋と白筋の話
魚を例にとると、あまり動き回らないヒラメなどの魚の身は白いが、カツオやブリ、マグロのような動き回る魚の身には赤身が多い。スポーツでいえば、瞬発力が必要な短距離選手は白筋、持続力の必要なマラソン選手には赤筋が必要となるのも、ミトコンドリアで説明がつくのである。
6. 40歳からは生き方、食べ方を変えよう
- 解糖系からミトコンドリア系への経路転換に対応して生活習慣を変える必要がある。それにはどうしたらよいのか。 先ずミトコンドリアを増やし、元気にするには、健康体操をして体温をアップし、有酸素にして、少食にする。またストレスを少なくする生活にする。血管系疾患や糖尿病も発症し、免疫力も低下し、ガンにも罹り易くなるのもミトコンドリアが活性化していないからである。
- 食生活では、3分づき玄米、生野菜ジュース、大豆製品、ゴマ、小魚類、海藻、キノコ類、緑黄色野菜、発酵食品を中心とした少食にする。食事には時間をかけて、一口30から50回咀嚼する。間食をせず空腹時間をつくると、ミトコンドリアも増えるし、長寿遺伝子のスイッチもオンになる。
- 体を動かすことも必須で、自彊術が理想的である。何故なら有酸素運動、自律神経平衡化、体に必要な筋肉を補強、血流促進で体温アップできる。家で毎日15分間で済み、毎日継続できる。
- ストレスを解消して、心の安寧を計ることも必須である。前向きに生きがい、楽しい趣味を見つける。頑張り過ぎない、気の合う仲間を見つける、十分な睡眠と、生活にゆとりを持つ。健康体操をして、筋肉の緊張を取り、骨格の歪みや自律神経のバランスを整えると、精神的なストレスも解消するし、穏やかなすがすがしい気分になる。
- 避けるべき悪い生活習慣を列挙すると、先ず大食、糖質の多い白米、パンやうどんなどの小麦製品、甘いお菓子類と飲み物、お酒、肉類、乳製品なとの摂取。活性酸素が発生する様な激しい運動、直射日光、便秘、ストレス、農薬や食品添加物、服薬を避ける。
7.自然の摂理、体の摂理には逆らえない
人間は数万年の歴史を経て、自然環境に適応して、体が作られている。自然の摂理から乖離した歪んだ生活を送っている人が病に侵される。
それを経験的に戒めているのが、42歳の厄年の習わしである。日本医大出身の病理学者である金子仁(かねこまさし)著「厄年の科学」という本がある。厄年は昔の人の生活の知恵であり、一種の健康法として根拠のない事ではない。昭和51年発行の古い本であり、ミトコンドリアのことはまだ書かれてないが、40歳を過ぎれば、この二つのエネルギー生成経路の理論を活かして生きることが賢明ではなかろうか。
事実40歳を過ぎた頃から、大食できなくなったとか、食べ物の好みが変わったとか、自覚する人も大勢いる。しかし若い頃の食欲旺盛な時の事が念頭にあるため、体がだるいのも、疲れるのも、栄養分が足りないのではないかと、勘違いして、焦って高蛋白、高脂肪のいわゆる欧米食を大食していけない。加齢と共に食が細くなり、嗜好が変わるのも自然な体の摂理なのである。
8.まとめ
1)いつも書いているが、いくら体に良いことを実行していても、一方で悪い事
を止めない限り、病気は減らない、治らない。病気になるのには必ず原因が
ある。悪事は良事を駆逐する。
2)ガンを防ぐには、低体温や無酸素にならない体づくりをし、脳卒中や心臓
疾患を予防するには、少食にして、腸内環境を整えて、綺麗な血液が滞り
もなく、全身を巡る体作りを心がける。ストレスは血管を収縮させて、
低体温、低酸素、低免疫力の三低のもとになるから要注意。
3)この記事を書くにあたって、納得させられたことは、無病長生を達成する
には、体をよく動かして、食事にも気を配り、また精神の安寧を計ること
の重要さだった。テレビでは相変わらず、これでもかと、毎日グルメだ、
スイーツだと浮かれている。身の回りの人達に体操を進めても、食事が大事
だと悪食を戒めても、どこ吹く風とばかり、ただ笑って実行せず。
これでは病人は増加しても、減るとは思われない気がする。
おわり
健康への道しるべ 第149号のご紹介
第149号 心と体の健康生活:令和3年1月25日発行
■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子
■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142
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血管を柔らかくするNO(エヌオー:一酸化窒素)とは By 豊岡倫郎 氏 2021-1-28
1. NO(エヌオー)の発見でノーベル賞受賞
1998年にNO(エヌオー)即ち一酸化窒素を発見したアメリカの3氏、ルイス・イグナロ氏、ロバート・ファーチゴット氏、フェリド・ミュラド氏に、ノーベル医学・生理学賞が授与された。一酸化窒素はノーベル賞を授与するに値するほど重要な役割を体内で果たしていることの査証に外ならない。
2.NO(一酸化窒素)とその働きとは
一酸化窒素とは窒素(N)と酸素(O)が結合した窒素酸化物である。血管の動脈は外膜、中膜、内膜の3層で構成されていて、外膜は血管の外側を保護する層で、中膜は平滑筋と線維から成り立っていて、伸び縮みする層で、内膜は内皮細胞と内皮下組織から成り立っている。
順調に血流が流れている時は、一酸化窒素はこの血管の内皮細胞で生成されて、中膜にある平滑筋に作用して、平滑筋の緊張が緩んで、血管が広がるので、血流が良くなる働きをしている。
以前、福岡歯科大学の平田雅人教授の「かかと落し健康法」を紹介したが、かかと落しを実行することによって、骨ホルモンと称するオステオカルシンが分泌されて、健康維持に効果があるという内容の話である。
今回の一酸化窒素の発見でノーベル賞を貰ったフェリド・ミュラド氏は当時スタンフォード大学の教授をしていた時に、平田雅人氏はこの大学に留学していて、教えを受けていたという逸話がある。
かかと落しで発生するオステオカルシンには、一酸化窒素の産生を促進する働きがあり、この一酸化窒素を作ることが、動脈硬化の予防になる。前述したように一酸化窒素には血管の平滑筋を弛緩させる働きがあるから、血流が良くなるし、血管内のコレステロールや血栓の発生を抑えることから、動脈硬化の抑制に効果がある。更に一酸化窒素にはアンモニアを取り除いたり、乳酸の消費を促進することによって、疲れにくい体を作る効果もあるという。
その他一酸化窒素の働きを整理すると、●血管を拡張する。●血栓を作りにくくし、血液をサラサラにする。●血管の炎症を抑える。●酸化を抑える。●血管内のコレステロールの塊であるプラークの発生を抑える。●毛細血管の数を増やす。
3.血管の老化
加齢と共に血管も硬くなり、衰えてゆくが、加えて生活習慣の悪い人には、更にそれを促進するような血糖値が高い、中性脂肪が多い、コレステロールが多い、血圧が高い、肥満である、運動をしないなどが重なり、最終的には動脈硬化を招いている。
血流の悪いところに、ガンを始めとして、いろいろな病気が発生するのは理の当然であるが、しなやかな柔らかな血管を維持することによって、血流を改善して疾病を防ぐためには、一酸化窒素の生成を昂進する方法を実行すれば、動脈硬化も予防できる。
4.一酸化窒素の生成を促進する方法
1)体操療法・・・●以前紹介した「かかと落し体操」をする。一日に30回。●床に座って、両足を真っ直ぐ前に伸ばして、足首を先方へ倒し、次に手前へ引き寄せるふくらはぎ体操をする。5分間。●自彊術体操をする。31の動作を約15分で行う。●外へ出て、20分の早足散歩をする。●家の中で足踏み体操をする。ゆっくり5分間。これ等の体操の中から気の向くものを始めたらよい。ただ高血圧や心臓に負担をかけないように、無理をせず、マイペースで、徐々に回数や時間を増やす工夫をする。
2)和温療法・・・元鹿児島大学医学部の教授で、今は和温療法研究所所長の鄭忠和氏が確立した療法で、それは、室温を60°Cに設定した遠赤外線乾式サウナ治療室で、全身を15分間温め、そのあと、椅子に座った状態で30分間保温し、最後に発汗量に見合った水分を補給するという方法である。全身を温めることによって、血管が広がり、血液循環が促進されて、血管内皮細胞から一酸化窒素が放出される。血管新生作用も起きて、動脈硬化を抑制する効果もある。詳細は鄭忠和氏の著書「なぜ微熱は体にいいのか」の中で、いま迄45年間の診療から、心不全を始めいろいろな難病の治癒例も掲載されている。
3)食事療法・・・骨も筋肉も血管も血液も毎日の食べ物によって、作られている。適量のタンパク質は白身魚、青魚や大豆製品から摂取し、生野菜、果物、小魚、海藻、ゴマ、コケ類、発酵食品、梅干しなど摂取すれば、ビタミン、ミネラル、酵素、抗酸化成分も補給できる。
4)避けるべき行為・・・高コレステロール、脂質異常症、高血圧、動脈硬化症は高脂肪、高蛋白質の欧米食に起因するものであるから、程々に控えることが肝要である。
またタンパク質と糖分の過剰摂取は体内で最終糖化産物という、別名AGEsを体内で生成させて、血管を傷つけ、老化を早めるから、摂取は控える。
更に活性酸素を体内に発生させるような事、即ちストレス、過激な運動、便秘、過労、食品添加物や農薬の多い加工食品の摂取、医薬品、酒、喫煙、長時間の直射日光は極力控える。
5.血管の欠陥は万病の元
死亡原因のトップスリーといえば、ガン、心臓疾患、脳卒中であるが、ガン以外の死因には、血管の欠陥に起因している。長年暴飲暴食を続けていれば、病魔に侵されるのも当然である。生活が豊かになり、これでもか、これでもかと毎日テレビでは、やれグルメだ、スイーツだと、浮かれているのは、如何なものか。
血管は沈黙の臓器と言われている。痛みや、痒みも感じないから、おろそかにされて、健康診断で指摘されても、生活に何ら不都合を感じないから、放置され続ける結果、最終段階に入って、突然として、発症したときにはもう遅い。薬では完治せず、手術によって応急処置を受ける羽目に陥る。今こんなに病人が多いのも、例えば糖尿病の人が予備軍を入れて、2200万人、高血圧3500万人、慢性腎臓病1300万人、骨粗しょう症1300万人、腰痛2200万人、変形性膝関節症1400万人、下肢静脈瘤1000万人、メタボ960万人等、薬では簡単に病気は治らないこの事実を真摯に受け止めて、日頃の生活態度に問題がないか、今一度反省することも無駄にはなるまい。病気になっても、医者に丸投げしないで、自分の努力で治せる病気と医者に治してもらう病気とがあることを知って、健康知識を身に着けて、自助努力に励めば、病人は減ることは間違いない。
6.まとめ
体操をすることによって、血流を高めて一酸化窒素を増やす行為は誰でもすぐに実行できることである。しかも副作用がない。私が毎朝実行している自彊術体操の31の動作の中にある、スクワットや前屈、かかと落しなどに、一酸化窒素を増やす効果があることを今回知ったが、百年前に創設した中井房五郎先生の先見の明に感動した次第である。今まで長年健康講座を開いていて、折に触れ、自彊術を薦めているが、実行してくれる人は稀有である。皆さんは体を動かすことが嫌いなのか、効能を認識出来ないのか。実際に体験しないと、その良さを理解できない。「座して死を待つ」のだろうか。
おわり