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ブログロール
カテゴリー別アーカイブ: 柿茶®
血管を柔らかくするNO(エヌオー:一酸化窒素)とは By 豊岡倫郎 氏 2021-1-28
1. NO(エヌオー)の発見でノーベル賞受賞
1998年にNO(エヌオー)即ち一酸化窒素を発見したアメリカの3氏、ルイス・イグナロ氏、ロバート・ファーチゴット氏、フェリド・ミュラド氏に、ノーベル医学・生理学賞が授与された。一酸化窒素はノーベル賞を授与するに値するほど重要な役割を体内で果たしていることの査証に外ならない。
2.NO(一酸化窒素)とその働きとは
一酸化窒素とは窒素(N)と酸素(O)が結合した窒素酸化物である。血管の動脈は外膜、中膜、内膜の3層で構成されていて、外膜は血管の外側を保護する層で、中膜は平滑筋と線維から成り立っていて、伸び縮みする層で、内膜は内皮細胞と内皮下組織から成り立っている。
順調に血流が流れている時は、一酸化窒素はこの血管の内皮細胞で生成されて、中膜にある平滑筋に作用して、平滑筋の緊張が緩んで、血管が広がるので、血流が良くなる働きをしている。
以前、福岡歯科大学の平田雅人教授の「かかと落し健康法」を紹介したが、かかと落しを実行することによって、骨ホルモンと称するオステオカルシンが分泌されて、健康維持に効果があるという内容の話である。
今回の一酸化窒素の発見でノーベル賞を貰ったフェリド・ミュラド氏は当時スタンフォード大学の教授をしていた時に、平田雅人氏はこの大学に留学していて、教えを受けていたという逸話がある。
かかと落しで発生するオステオカルシンには、一酸化窒素の産生を促進する働きがあり、この一酸化窒素を作ることが、動脈硬化の予防になる。前述したように一酸化窒素には血管の平滑筋を弛緩させる働きがあるから、血流が良くなるし、血管内のコレステロールや血栓の発生を抑えることから、動脈硬化の抑制に効果がある。更に一酸化窒素にはアンモニアを取り除いたり、乳酸の消費を促進することによって、疲れにくい体を作る効果もあるという。
その他一酸化窒素の働きを整理すると、●血管を拡張する。●血栓を作りにくくし、血液をサラサラにする。●血管の炎症を抑える。●酸化を抑える。●血管内のコレステロールの塊であるプラークの発生を抑える。●毛細血管の数を増やす。
3.血管の老化
加齢と共に血管も硬くなり、衰えてゆくが、加えて生活習慣の悪い人には、更にそれを促進するような血糖値が高い、中性脂肪が多い、コレステロールが多い、血圧が高い、肥満である、運動をしないなどが重なり、最終的には動脈硬化を招いている。
血流の悪いところに、ガンを始めとして、いろいろな病気が発生するのは理の当然であるが、しなやかな柔らかな血管を維持することによって、血流を改善して疾病を防ぐためには、一酸化窒素の生成を昂進する方法を実行すれば、動脈硬化も予防できる。
4.一酸化窒素の生成を促進する方法
1)体操療法・・・●以前紹介した「かかと落し体操」をする。一日に30回。●床に座って、両足を真っ直ぐ前に伸ばして、足首を先方へ倒し、次に手前へ引き寄せるふくらはぎ体操をする。5分間。●自彊術体操をする。31の動作を約15分で行う。●外へ出て、20分の早足散歩をする。●家の中で足踏み体操をする。ゆっくり5分間。これ等の体操の中から気の向くものを始めたらよい。ただ高血圧や心臓に負担をかけないように、無理をせず、マイペースで、徐々に回数や時間を増やす工夫をする。
2)和温療法・・・元鹿児島大学医学部の教授で、今は和温療法研究所所長の鄭忠和氏が確立した療法で、それは、室温を60°Cに設定した遠赤外線乾式サウナ治療室で、全身を15分間温め、そのあと、椅子に座った状態で30分間保温し、最後に発汗量に見合った水分を補給するという方法である。全身を温めることによって、血管が広がり、血液循環が促進されて、血管内皮細胞から一酸化窒素が放出される。血管新生作用も起きて、動脈硬化を抑制する効果もある。詳細は鄭忠和氏の著書「なぜ微熱は体にいいのか」の中で、いま迄45年間の診療から、心不全を始めいろいろな難病の治癒例も掲載されている。
3)食事療法・・・骨も筋肉も血管も血液も毎日の食べ物によって、作られている。適量のタンパク質は白身魚、青魚や大豆製品から摂取し、生野菜、果物、小魚、海藻、ゴマ、コケ類、発酵食品、梅干しなど摂取すれば、ビタミン、ミネラル、酵素、抗酸化成分も補給できる。
4)避けるべき行為・・・高コレステロール、脂質異常症、高血圧、動脈硬化症は高脂肪、高蛋白質の欧米食に起因するものであるから、程々に控えることが肝要である。
またタンパク質と糖分の過剰摂取は体内で最終糖化産物という、別名AGEsを体内で生成させて、血管を傷つけ、老化を早めるから、摂取は控える。
更に活性酸素を体内に発生させるような事、即ちストレス、過激な運動、便秘、過労、食品添加物や農薬の多い加工食品の摂取、医薬品、酒、喫煙、長時間の直射日光は極力控える。
5.血管の欠陥は万病の元
死亡原因のトップスリーといえば、ガン、心臓疾患、脳卒中であるが、ガン以外の死因には、血管の欠陥に起因している。長年暴飲暴食を続けていれば、病魔に侵されるのも当然である。生活が豊かになり、これでもか、これでもかと毎日テレビでは、やれグルメだ、スイーツだと、浮かれているのは、如何なものか。
血管は沈黙の臓器と言われている。痛みや、痒みも感じないから、おろそかにされて、健康診断で指摘されても、生活に何ら不都合を感じないから、放置され続ける結果、最終段階に入って、突然として、発症したときにはもう遅い。薬では完治せず、手術によって応急処置を受ける羽目に陥る。今こんなに病人が多いのも、例えば糖尿病の人が予備軍を入れて、2200万人、高血圧3500万人、慢性腎臓病1300万人、骨粗しょう症1300万人、腰痛2200万人、変形性膝関節症1400万人、下肢静脈瘤1000万人、メタボ960万人等、薬では簡単に病気は治らないこの事実を真摯に受け止めて、日頃の生活態度に問題がないか、今一度反省することも無駄にはなるまい。病気になっても、医者に丸投げしないで、自分の努力で治せる病気と医者に治してもらう病気とがあることを知って、健康知識を身に着けて、自助努力に励めば、病人は減ることは間違いない。
6.まとめ
体操をすることによって、血流を高めて一酸化窒素を増やす行為は誰でもすぐに実行できることである。しかも副作用がない。私が毎朝実行している自彊術体操の31の動作の中にある、スクワットや前屈、かかと落しなどに、一酸化窒素を増やす効果があることを今回知ったが、百年前に創設した中井房五郎先生の先見の明に感動した次第である。今まで長年健康講座を開いていて、折に触れ、自彊術を薦めているが、実行してくれる人は稀有である。皆さんは体を動かすことが嫌いなのか、効能を認識出来ないのか。実際に体験しないと、その良さを理解できない。「座して死を待つ」のだろうか。
おわり
体の石灰化 By 豊岡倫郎 氏 2020-12-27
1.体の石灰化とは
体に違和感を覚えて、病院で超音波やMRI検査を受けると、患部に石灰化が見られるというケースが最近話題になっている。
石灰化とはどんな現象なのだろうか。体内で重要な働きをするカルシュウムが異常を起こして血液の中に溢れると、血管、関節、組織や臓器などに沈着して、石灰化する現象をいう。当然石灰化すればこれらの器官の働きは制限されて、疾病につながって行くから怖い。
2.何故石灰化が起きるのか
体にはホメオスタシスという生体の恒常性維持機能が備わっていて、血中のカルシュウム分の濃度は常に一定に調整されている。その値は血液100ml中10mgに維持することであるが、カルシュウム濃度が低くすぎたり、逆に高すぎると、カルシュウムパラドックス現象が起きる。
カルシュウムパラドックスとは、二つのケースがあり、摂取したカルシュウム量が少ないと、骨からカルシュウムを取り出し流用するために、一時的に血中に必要以上のカルシュウム分が溢れてしまうケースをいう。
もう一つのケースは摂取したカルシュウム分が多すぎると、血中の濃度を下げようとして、体外へ排出させるために、逆に一時的に血中のカルシュウム分が不足してしまう。そこで骨からカルシュウムを捻出することになる。要するにカルシュウムの摂取量が少なすぎても、多すぎても、骨からカルシュウムが抜けてゆく結果、血中に溢れたカルシュウムが体の至る所に沈着してしまう。当然骨粗しょう症にもなってゆく。いづれにしても、各人が日常の食生活の中で、毎日のカルシュウム摂取量が適正であるかどうかは判断するのは難しい。
3.体内でのカルシュウムの役割
周知のように骨や歯の主成分はカルシュウムで出来ていて、重要な役割を果たしているが、体内での配分は、骨対血液対細胞の比は、1億対1万対1の比率で厳密に維持されている。細胞内のカルシュウムは生体の神経の反応や細胞内シグナルの伝達などに欠かせない役割を持っている。血中のカルシュウムは骨や歯の新陳代謝のために使われてゆくが、血中のカルシュウム濃度が高く、溢れる状態が続くと、本来必要としない場所に沈着してしまう現象が起きてしまう。これを異所性石灰化と呼んでいて、沈着する場所は、血液と共に全身に運ばれているため、至る所で発生する可能性を持つ。
4.体内に沈着し石灰化する主な例
心臓の冠動脈、腹部の動脈、軟骨、腱、肩の関節、乳房、肝臓、腎臓、膀胱、前立腺、子宮、下肢動脈など至る所に石灰化が見られる。
以前から石灰化は加齢と共に高齢者の人達には、誰にでも見られる現象であったが、最近は普通の成人にも散見されるようになり、しかも疾病に結びついていることが起こってきたために、注視され出した。
例えば動脈硬化と言えばコレステロールのアテローム化が血管内に形成されるケースしか、知らなかった、最近では血管内の石灰化が取り上げられていて、高血圧についても、石灰化も危険因子だと説明されている。
次に疾病として重大な心臓の冠動脈の石灰化である。初期の冠動脈の狭窄はバルーンで拡張させたり、更にステントを留置して、血流を確保していたが、高度石灰化した病変ではロータブレーターという一種の小型のドリルのようなもので、血管内部の石灰化したところを削って血流を確保する処置を施すことも行われている。
次に慢性腎臓病や腎臓の透析患者に血管の石灰化現象が見られることや、肩関節が急に痛くなり、整形外科で検査してもらったら、肩関節に石灰化が起きているケースもある。更に特異なケースとして、後縦靭帯の骨化がある。頸椎、胸椎、腰椎の背側に骨化が出来て、強烈な痛みで苦しむという後縦靭帯骨化症の時も、石灰化の一種である。
5.何故石灰化が起きるのか
大きな要因としては、体内のカルシュウムの調整機能がタイミングよく精密に行えないことにあるが、病理学的にも、臨床学的にもまだ研究段階で、諸説があるようで、一般の人にその機序が公にされた本は見当たらない。そこでこの病気に罹る人と罹らない人との違いは、何かという観点から整理すると、次の通りである。
- カルシュウムの摂取量の多少によってパラドックス化の頻度が増した。
- 体が酸性体質になっている。過食、肉食、油で処理したフライなど、タンパク質の過剰摂取、甘い物やお酒の摂り過ぎ、ストレス、過労、睡眠不足などによる。
- 運動不足と血流の停滞。
- 生野菜や果物の食物繊維の摂取不足。便秘と腸内環境の悪化。
- 加工食品からのリンの摂り過ぎとマグネシュウム不足。
6.石灰化の対応策はあるのか
石灰化も一種の生活習慣病であるから、次のような生活習慣に改めるのがよいのでは。
- 食生活は3分づき玄米、生野菜汁、良質のたんぱく質は大豆製品と青魚や白身の魚や小魚、海藻、ゴマ、果物などで少食とする、これで酵素と食物繊維、ビタミン、ミネラルの補給は万全である。また腸内環境も改善される。逆に排除すべきものは、高脂肪高蛋白食品、乳製品。アルコール、甘い砂糖製品。塩分過剰。
- 運動は体全体を動かして、肺活量増大、筋肉補強、骨格矯正、血流促進、関節の可動域拡大、経絡刺激の自彊術体操が理想的である。
- 石灰化予防の観点から、適度の水分補給にはきれいな生水を飲む。
- アーク光線療法によって、ビタミンDの働きを活発化させて、十二指腸で作られるビタミンD依存性蛋白質とカルシュウムが体内に吸収できるようにする。
- 骨粗しょう症の治療には適度なカルシュウムの摂取は無論の事、体を動かして、骨に適度の負荷を加えなくては効果が出ない。
7.まとめ
1)上皇陛下の心臓手術を担当した天野篤博士の著書「若さは心臓から築く」の中に石灰化という言葉が四か所、47、89、155、211ページに出て来るが、石灰化が致命傷となることも多い。
2)砂糖は灰盗なり、と云って、この強酸性食品が骨からカルシュウムを捻出させて石灰化を招く一番の原因ではなかろうか。その他いろいろ砂糖の害を知らない人が多いのは残念なことだ。
3)学校の給食、老人介護施設や入院時の食事に牛乳が付いている。違和感を持つのは私だけか。
4)最近多くの医者が言っている言葉は、「改善策を実行する前に、今までやって来た体に悪かったことを全て止めることだ」と。病気には必ず原因がある。手順を間違えぬように。
おわり
柿のお話
秋の果物と言えば ” 柿 ” をまず思い浮かべる。
柿茶を製造販売している柿茶本舗(有)の前社長が私の友人だったことから柿との縁はますます深まった。
「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがある。
柿が赤くなる秋は天候がよいので、体調を崩す人は少なく、医者は商売にならずに青ざめる、という意味。
柿は老化防止や美容、二日酔いの予防にもおすすめです。
得筆すべきは、ビタミンCの含有量が下図のごとく抜群に多い事。
甘柿は可食部100gあたり70mgと果物の中ではトップクラスで、1個食べると、ビタミンCの1日の摂取基準量を満たすことができます。
ビタミンCは風邪の予防や免疫力アップ、美肌の育成・維持などに重要な働きをする栄養素。
コロナ禍の今、柿と柿茶を毎日食べて飲んで免疫力をUPしましょう。
ちなみに10月26日は「柿の日」って知ってました?

正岡子規の有名な俳句「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は彼が1895(明治28)年10月26日に奈良へ行った時に詠んだといわれています。
この俳句にちなみ、10月26日は「柿の日」に定められたとか。
サルコペニアとフレイルとは By 豊岡倫郎 氏 2020-10-30
1.サルコペニアとフレイルとは
サルコペニアとは加齢に伴って、骨格筋肉量や筋力が低下して、身体機能が低下することを云う。一方フレイルとは加齢と共に、筋力だけでなく、精神的、社会的に活動までもが低下している状態のことを云う。
2.サルコペニアとフレイルを予防して健康長寿を
データによると、平均寿命と健康寿命との間に大きな開きがある。男性は9歳、女性は13歳と、その間は、人のお世話にならねばならないという不本意なことが起きているのが現状である。経済的にも介護費、治療費など国家の医療費も高額となってゆくという問題もある。
3.サルコペニアの症状
加齢と共に筋肉が低下して、骨格も歪み、歩くのもままならなくなる。すると生活の活動範囲も限定され、生活の質も低下する。そのうち転んだり怪我をすると、寝たきりになったり、色々な老人特有の病気も発症することになる。それを防止するには、若い頃からの健康管理が大事であるが、老齢になっても出来る限りの努力も功を奏するから諦めてはいけない。
4.フレイルの症状
加齢と共に、筋力の低下はもとより、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下等が起きる状態になる。サルコペニアとの違いが分かりにくいが、サルコペニアは主として、筋肉量の減少によって発生する身体機能の低下を対象としているのに対して、フレイルは筋力低下などの身体的要因だけでなく、精神的要因のうつ病、認知症など、更に社会的要因の孤独や閉じこもりなどの生活活動全般までの広い範囲のことを対象としている。
5.フレイルの診断基準
日本老年医学界ではその診断の要素基準として、例えば体重の減少、歩行速度の低下、握力低下、疲労感、身体活動のレベルの低下、記憶力低下、認知機能、栄養状態、持久力、日常生活での活動性などの要素を上げている。
6.サルコペニアとフレイルの予防策
加齢と共に誰でも体力は低下するし、食も細くなるし、人との付き合いもおっくうになってきて、記憶力も低下してくる。加えて独居老人になると、介護を受ける一歩手前の状態になるのも時間の問題となってくる。そこで健康寿命を伸ばすのには、どうしたらよいか。
1)運動面では・・・最近は高齢者の運動には、あれが良い、これが良いとテレビや新聞、雑誌で報じられている。実際色々な教室に通っている人も多い。子供の頃から体の弱かった私は、ボディビル、西式健康体操、気功術、ヨガ、自彊術など体験してきた。また35歳の時に西式甲田療法で有名な甲田光雄博士に診察を受けたのを機にして、健康法に目覚めてからは、多種多様な健康に関する本を読破して、最終的に皆さんにお勧めする健康体操は自彊術である。
自彊術は今から約百年前に中井房五郎という療術師によって創設された健康体操である。戦前の大正から昭和にかけて、ピーク時には二百万人以上の人達が実行していた。体操自体は31種の動作を約15分かけて行うだけですが、その効果は素晴らしく、列挙すると。
有酸素運動、骨格の矯正、筋力のアップと柔軟性、ツボと経絡の刺激、血液循環促進、自律神経の平衡化、体液の弱アルカリ化、精神の安定など、健康維持のためのあらゆる要素を網羅している。メリットとして、家庭で手軽にいつでも一人で出来ること、場所を取らない、機械を使わない、一回の消費カロリーが37キロカロリーと少なく、疲労することなく、逆に疲れを取ってくれる。しかも自分の体力に応じて、無理なく行えるので、どんな人にも向いている。
体には骨の数が206個、筋肉は600個、可動関節は239個有るが、一回あたり僅か15分間の体操であるが、体全体のあらゆる関節を、述べ1万数千回動かすことによって、三次元の方向に、即ち上下、左右、前後の方向にほぐしてくれる。従って高齢者の体力維持や向上は無論のこと、食欲増進、便秘解消、骨格の矯正、冷え症解消、ストレス解消にも効果があり、毎日継続すれば、体が喜ぶ体操である。私は今日まで23年間続けていて、この体操を知って良かったと思って毎日続けている。
2)食事面では・・・いつも申し上げているように、3分づき玄米、生野菜ジュース、小魚、貝類、大豆製品、ゴマ、海藻類、キノコ類、根菜類、青い菜っ葉、果物少々、それに筋力をつけるのであれば、良質のタンパク質として、白身や青魚を摂る。避けるものは、酒、甘い飲み物とお菓子類、肉類、乳製品である。また栄養補助として、自然のビール酵母がおすすである。
3)精神面では・・・何か生きがいを見つけて、前向きに過ごすことである。夢を無くした時から老化が始まる。何事にも興味を持つことが大事で、私はもう年だからと、諦めないで挑戦する。陳腐化してしまい、人にバカにされることは、誇りあるあなたにとって屈辱でしかない筈。ボケない為には脳を使う趣味を見つける。テレビや読書していても脳の血流は良くならない。
もうひとつはストレスを溜めない。マイペースで生きる。そして自分の健康哲学を確立して、それを人生の指針とする。健康生活では運動と食事は車の両輪で、それをけん引するのは健康哲学に基づいて、人生を歩むのが、理想的な老後ではなかろうか。
7. ルーの法則とは
生理学のおける古典的な基本法則で、筋肉は適度に使うと発達し、使わなければ退化し、過度に使えば障害をおこすという法則である。体を適度に動かさないと体力が低下するばかりでなく、不定愁訴、自律神経失調症などの神経科系統の体調不良も出る。
糖尿病の患者に医者は一日に一万歩、歩きなさいとアドバイスすることがある。しかし歩き方を誤ると逆に別の疾患にかかることも懸念される。何故なら昭和51年に「予防医学」という題名の本を出版した磯谷公良氏によれば、股関節の転位角度の不良により、骨盤が傾き、左右の足の長さも不均等となり、脊柱の異常を引き起こす。これが万病のもとになっているという。こんな骨格の歪みのある人が毎日一時間以上も歩けば、体にいろんな支障が出ても不思議ではない。
石川県が生んだ哲学者の西田幾多郎は「ただ一つの思想を知るということは、思想というものを知らないというに同じ」と本の中で書いている。この「思想」という言葉を「健康法」に代えて、読むことを提案する。いろいろな健康法を勉強するのも、生き抜く力のひとつである。
8.まとめ
病気には必ず原因がある。ガン、心臓疾患、脳卒中の三大生活習慣病も自分の間違った生活習慣にあることを、どれだけの人がそれに気が付き、改善していることだろうか。また自分の無智に気付いて、こんな病気に負けるものかと、いろいろ調べてベストを尽くそうとしているだろうか。転ばぬ先の杖はあなたの気づきのセンスの持ち合わせ次第であろう。
おわり
ビタミン・ミネラルが健康を守る By 豊岡倫郎 氏 2020-9-29
1.飽食時代の栄養の偏り
飽食の現代において、偏った食生活によって、ビタミンやミネラルが不足しているために、いろんな病気が発症していると言われ出した。これを機会に我々の日常の食生活において反省し、改善すべきことは何だろうか。
2.体に必要な栄養素とは
体に必要な7大栄養素といえば、炭水化物、脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラル、酵素、食物繊維が食生活には欠かせない。その中でも今まで軽視されがちだったビタミン、ミネラルの重要な働きを再認識して、不足を補い、健康維持に役立てたい。
3.ビタミン、ミネラルとは
ビタミンはエネルギー源や体を作る成分ではないが、体の生理機能を調節してくれる有機化合物のことで、13種類ある。またミネラルは食物の消化、吸収、老廃物の排泄、エネルギー生産などの生命活動を助けている無機質成分のことである。16種類あり、これらのほとんどが体内では作れないので、食べ物から摂取しなければならない。厚労省はこれらの摂取基準量を定めている位重要な栄養素なのである。我々が一般常識として知っているのは、ビタミンAの不足で夜盲症、ビタミンB1の不足で脚気、ビタミンCの不足で壊血病、カルシュウムの不足で骨粗しょう症、鉄分の不足で貧血などであるが、それ以外のものも皆大切な働きを持っているから、不足させてはいけない。
4.摂取不足が指摘されている主なビタミン、ミネラルの働き
1.ビタミンC・・・抗酸化作用、コラーゲンの生成、免疫力強化、コレステロール低下、血管の強化、ミネラルの吸収向上など。
2.ビタミンB1・・・成長促進、糖のエネルギー化、食欲増進、
3.ビタミンD・・・カルシュウムの吸収促進し骨の発育、免疫力強化、腸の上皮強化
4.ビタミンE・・・過酸化脂質の発生を抑え、老化・ガン・動脈硬化防止,血行促進
5.カルシュウム・・・骨の発育、酸性血液の中和、心臓の収縮リズムの調整、精神安定
6.マグネシュウム・・・酵素の働き活発化、骨の生成、筋力低下や糖尿予防、脳神経安定、血流促進、脂肪代謝、カルシュウムの沈着防止
7.カリュウム・・・細胞内水分調整、心臓リズム調整、筋肉の収縮、血圧調整
8.亜鉛・・・インスリン・酵素の生成、男性生殖機能、細胞の生成、味覚機能、免疫機能向上、コラーゲン生成
9.セレン・・・抗酸化作用、老化防止、血管の強化、精子生成、重金属の解毒
10.クロム・・・新陳代謝促進、糖尿・高血圧抑制
11.ヨード・・・甲状腺の機能正常化、子供の肉体的、精神的発育機能
12.マンガン・・・骨の発達、生殖機能、炭水化物や脂肪の代謝、筋無力症やパーキンソン氏病などの神経伝達異常抑制。
13.微量ミネラル・・・ミネラルは必要摂取量が微量でも、摂取不足が続くと、酵素の活性が弱り、自然治癒力や免疫力の低下を招いて、色々体の不調の原因となっていても、不慣れな医者も多く、診断が難しく、治療の盲点となっているという。
5.ビタミン、ミネラルの複合相乗効果
アメリカのロジャー・ウイリアムス博士は「生命の鎖」の理論を発表している。即ちビタミン、ミネラルは、相互に関連していて鎖のようにバランスよく形成されて、繋がっていないと、健全に生命活動を維持できないとした。
例えば亜鉛はビタミンA、マグネシュウムはビタミンB群、カルシュウムはビタミンC、セレンはビタミンEとの相合作用で効果が出る。
更に「ミネラルバランス説」を唱えたのは、ドイツのリービッヒ博士である。即ちミネラルは身体の中でそれぞれの相互関係によって成り立っていると云う。例えばカリュウムが必要量より不足すれば、他のミネラル量も不足したカリュウム量に合わされてしまうから、各種バランスよく摂らねばならないとした。
今では食生活におけるミネラルバランスの理想比というものがあり、リンとカルシュウムは1対1、カルシュウムとマグネシュウムは2対1、ナトリュウムとカリュウムは1対1、亜鉛と銅は8対1が理想的であるという。
6.ビタミンやミネラルを減らす誤った行為とは体に良いと思って摂取したビタミンやミネラルを無駄に消耗させたり、効果を減少させることが起きないよう、日常生活で注意すべきことは、例えば。
- 砂糖の摂り過ぎはビタミンB1を消耗させる。カルシュウムも減少させる。
- ストレスを受けると、マグネシュウム、ビタミンCを失う。
- 大汗をかくと、ナトリュウム、ビタミンC、マグネシュウム、鉄分を失う。
- 飲酒によって、肝臓が疲弊すると、ビタミンDの活性衰え、骨の生成低下。活性酸素が発生し、ビタミンCやEの効果低下、亜鉛、マグネシュウム、カリュウムが減少。
7.ビタミンやミネラルの摂取方法
具体的に各ビタミン、ミネラル毎の摂取方法を説明する紙面が無いので、概略すると。
- ビタミン、ミネラルが効率よく体内に吸収されるためには、胃腸を丈夫にすることが最優先となる。その為には腸内環境を整えて、吸収を良くし、体操をして内臓全体を鍛える。
- 少食精栄主義で少食だが必要なビタミンやミネラルが豊富な食品を摂取する。玄米、そば、緑黄色野菜、大豆や小豆製品、根菜類、ワカメ、昆布、ひじきなど海藻類、ゴマ、小魚、牡蠣、シジミ、あさりなど魚介類、果物類など。
- 食べ方としては、新鮮な季節の旬のもの、生野菜ジュースなど加熱しないもの、一物全体食、出来れば無農薬で有機栽培のもの。
- 摂取を控えるべき品目はお酒、甘いお菓子やジュース類、精白した白米、パン、うどん類、インスタント食品、食品添加物の多い加工食品など。また乳製品は日本人には適していない。
8.まとめ
1)百年以上も同じ田畑で米や野菜を栽培していると、化学肥料だけでは地力も弱り、栄養価の低下は免れない。叉ハウス栽培や水耕栽培も露地栽培に比べて栄養価は低下していないのか。
2)これを機に自分の食生活で充分にビタミンやミネラルが摂れているのか反省をして、何が不足し、いかにして補うべきかを考えても損はあるまい。ただ注意点は市販の栄養剤などで過剰摂取すると、害になる栄養素もあるので気を付けたい。
3)食べたものが血となり肉となる。毒にもなり薬にもなる。医食同源とはこの事なり。
おわり
農薬まみれ食品の恐怖 By 豊岡倫郎 氏 2020-7-30
1.日本の農薬使用量
OECD(世界経済協力開発機構)の資料によると、各国の耕地面積1ヘクタール当たりの農薬使用量で、日本は第三位にランクされている。一位は中国、二位は韓国。
こんな逸話がある。ヨーロッパの旅行社が、日本へ渡航する際に観光客に渡されたパンフレットに書かれていた文句は、「日本は農薬の使用量が極めて多いので、出来るだけ野菜は食べないようにしてください。あなたの健康を害する恐れがあります。」と。我々は国産の野菜なら世界で一番、安全、安心だと思っていることが、客観的に他国の人の目から見れば異常とみられているのである。
2.法律による農薬の管理
日本では「農薬取締法」や「農薬安全使用基準」、「残留農薬基準」などに基づいて、使用者・消費者に対する安全、収穫物に対する安全、環境に対する安全である。具体的には、薬品の効果、薬害の有無、毒性、発ガン性、催奇形性、残留性などが、人体、農作物、環境に配慮されて規定されている。
3.農薬の種類
一口に農薬と言ってもその種類は多岐にわたっている。「農薬取締法」によると、農薬とは、農作物の防除に用いられる殺菌剤、殺虫剤、その他の薬剤及び農作物の生理機能の増進または抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤、その他の薬剤を言う。農薬の分類法はいろいろあるが、使用目的によって分類した場合は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、誘引剤、植物成長調整剤の発根促進剤、着花促進剤などがある。なお誘引剤とは害虫を匂いなどでおびき寄せる薬剤のことである。
日本で使われている農薬量は大きく分けて、4種類ある。除草剤35%、殺虫剤29%、殺菌剤22%、殺虫殺菌剤11%、その他3%。殺虫殺菌剤というのは、日本で稲作に使われているもの。
4.残留農薬とは
食品衛生法において定められる食品の規格の中で、食品に残留する農薬の基準を「残留農薬基準」と呼んでいる。この基準を超えるような農薬が残留している農産物は販売禁止等の措置が取られる。これによって飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としており、国産農産物、輸入農産物のいずれもがこの規制を受ける。
5.今問題となっている農薬
1)ネオニコチノイド系殺虫剤・・・神経系に作用する殺虫剤で、7種類あり、通称ネオニコと呼ばれている。その毒性は、非常に低い濃度でも脳神経に影響を与えると言われている。子供の発達障害、自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD、腸内環境悪化、自己免疫疾患などを引き起こす可能性も示唆されている。我々が日常食する野菜や果物、お茶からこの成分が検出されているから怖い。
2)グリホサート・・・除草剤「ラウンドアップ」の主成分で、この農薬は、すべての草木に共通する性質の「光合成」を阻害し、その結果草木を枯らす。その毒性が疑われるのは、発ガン性、腸内環境悪化、生殖機能障害などいろいろある。パン、パスタに使われている小麦粉、大豆製品から広くこの成分が検出されている。
6.ポストハーベスト農薬および燻蒸処理とは
収穫された後に、収穫物である果物や穀物、野菜に散布する農薬のことで、その目的は遠い外国へ時間をかけて輸送する輸出農産物は、その運送時間が長くかかるほど、運送中に発生する害虫やカビなどによって、品質が悪くなり商品価値を下げてしまうのを防止するために行うのである。
ポストハーベスト農薬は表面に付着するだけでなく、皮や中味まで浸透する危険性も高いと言われている。発ガン性や催奇形性が疑われている薬剤も存在するというから怖い。例えば輸入品と言えば、バナナ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、サクランボなどがある。
燻蒸(くんじょう)処理とは、海外の農産物を輸入する時に、外国の害虫が付着している可能性があるため、日本に持ち込まないように、事前に殺虫処理をすることが義務付けられている。この植物検疫を受けないと、輸入できないのである。
7.日本の食品自給率
日本の2018年度のカロリーベース総合食料自給率は37%だった。日常生活で使用されている食料で自給率の低いものは、小麦14%、大豆7%、油脂類13%、ソバ22%、エビ5%、果実40%、ゴマ0.1%となっている。輸入農産物の依存度が高いものは、輸入時の残留農薬濃度を一定の基準に基づいて検査しているとはいえ、不安が残る。
8.残留農薬の汚染が多い野菜・果物
ある調査によると、イチゴ。ホーレンソウ、リンゴ、ブドウ、モモ、サクランボ、トマト、日本茶などが挙げられている。比較的少ないものは、キャベツ、玉ネギ、ナスなどである。
9.農薬から身を守るには
- 少食にする。口から入る絶対量を減らす。
- 充分水洗いしてから使う。皮をむいて使う。湯がいてから使う。
- 農薬が多く使われているものは極力食べない。
- 外食しない。加工食品は買わない。どこの産地の野菜や果物が使われているか不安。出来れば畑を借りてでも自家栽培をする。
- 無農薬、有機栽培と表示されている物を使う。なお有機栽培のことをオーガニックともいう。
- 例えば、バナナは付け根の方を1cm切り落す。キャベツ、白菜は外側の葉を剥いで捨てる。ブドウの粒に口を付けずに食べる。日本茶は二番出しを飲む等、本に色々秘訣が書いてある。
10.まとめ
1)今から数十年程前に自然農法に関する本「自然農法わら1本の革命」福岡正信著、近年では「奇跡のリンゴ」で有名になった木村秋則氏の自然 農法の本を読んだことを思い出した。
2)農薬の害、食品添加物の害、環境ホルモンの害で我々の体は「複合汚染」で毒されている。これら害の問題点は、じわじわと体内に深く静かに潜航してゆくから、病気になっても、何が原因で発症したのか、究明できない事である。
3)現代の食生活には危険がいっぱいと言われても、危ない食品を食べていませんか、と言われても、何を食べたらいいの?と、戸惑うのが現実の姿ではなかろうか。
4)我々は常に八方に目を配り、危機管理意識を高めて、「買ってはいけない、食べてはいけないものを把握し、君主危うきに近寄らず」を貫くしか生きる道は無いのだろうか。
おわり
柿の葉採取の新聞記事
柿の葉採取の記事を紹介。
↓ 四国新聞
↓ 毎日新聞 :四国新聞からの引用記事
↓ 日本経済新聞
↓ 朝日新聞
朝日新聞と日本経済新聞は耕作放棄地での収穫を強調、四国新聞は加えて有機JAS認証取得も協調している。
同じニュースなのに各社で何を訴えるかが違うのは面白い。
添加物まみれ食品の恐怖 By 豊岡倫郎 氏 2020-6-28
1.体を汚染する化学物質
今、我々はいろいろな加工食品を買って食べている。一定の安全面の規制がされているとはいえ、そんな中には化学合成された添加物がてんこ盛りされている。今回は、身近な食品添加物の安全性について検証する。
2.食品添加物とは
食品衛生法によって、使用できる添加物、品質や使用量、食品への表示のルールが定められている。食品添加物は4種類に分けられていて、令和元年6月現在では、指定添加物が463点、既存添加物が365点、天然香料が約600点、一般飲食物添加物が約100点が認定されている。
3.主な化学合成食品添加物の役割と種類
食品に甘味を与える甘味料。食品の色調を調節する着色料。カビや細菌の繁殖を抑えて、保存性を良くし、中毒を予防する保存料。食品に粘り気を与えて、分離を防止し、安定性を向上させる増粘剤、安定剤や糊剤。油脂などの酸化を防ぎ、保存性を良くする酸化防止剤。ハムやソーセージなどの色調、風味を改善する発色剤。食品を白くきれいにする漂白剤。柑橘類などのカビの発生を防止する防カビ剤。パンのイーストの発酵を良くするイーストフード。食品に香りを付けて、おいしさを増す香料。食品に酸味を与える酸味料。食品にうま味などを与え、味を調える調味料。水と油を均一に混ぜ合わせる乳化剤。食品の酸性とアルカリ性の度合いを調節し、品質を良くするペーハー調整剤。ケーキなどをふっくらさせ、ソフトにする膨張剤。栄養素を強化する栄養強化剤など沢山ある。これらの添加物は、我々の健康に害を及ぼさないのだろうか。安い、簡単、便利、早い、美しい、口当たりが良いと、安易に飛びつくのは如何なものか。
4.実態が解からない「一括表示」とは
一括表示とは、何種類もの物質の添加物をまとめて一括表示できるルールがある。これに該当する物には、イーストフード、調味料、香料、酵素、軟化剤、乳化剤、PH調整剤、膨張剤、凝固剤、光沢剤など14グループが一括表示を許可されている。
この制度の問題点は、例えばイーストフードにはじつに16種類の合成化合物があり、どんな種類のものが、どれだけ使用されているか不明だし、調味料については、調味料(アミノ酸等)と表示されていても、グルタミン酸ナトリュウム、アラニン、グリシン、アスパラギン酸などいろいろ問題のある合成化合物が使われていても判らない。PH調整剤にしても、天然には存在しないものが使われていたり、乳化剤にしても、パンやお菓子の保存中の食感を良くするために使われているが、どんな種類のものがどれだけ使われているか全く判らない。
5.食品添加物の危険性
食品添加物の毒性として指摘されていることは、●慢性毒性で、肝臓や腎臓その他の臓器や組織の細胞に影響し、機能低下させる。●発がん性で、遺伝子に傷をつけ、突然変異を起こさせて、細胞をガン化させる。●催奇形性で、胎児に作用して先天性障害をもたらす。●ホルモン攪乱でいわゆる環境ホルモンと言われているが、内分泌かく乱物質として悪作用を及ぼす。
そもそも動植物以外の化学物質をあれこれ化学的に合成したものは、自然の産物である人間にとっては異物である。そんなものが体内に入ってくれば、体内では異常反応したり、生命活動に悪い影響を及ぼすのは当然である。
これらの食品添加物が盛んに使われだしてから、歴史が浅く、明確にその影響を実証できない面が多々ある。今、若年層にガン、難病、奇病が多発しているのと無関係と言えるのだろうか。
特に問題なのは、二つ以上の添加物が体内で反応すると毒性を帯びるものがあっても、膨大な組み合わせとなるため、安全性を検証できないのが実情である。
6.極力避けたい主な加工食品の数々
- ハム、ソーセージなどの加工肉・・・多種の添加物が含まれていて、発ガン性があるとWHO(世界保健機構)が発表している。
- マーガリン、ショートニング、フアットスプレッド・・・トランス脂肪酸が含まれていて、動脈硬化、心臓病、ぜんそく、アレルギー疾患が懸念されて、欧米では使用が規制されている。パン、クッキー、揚げ物に使用されている。
- 亜硝酸ナトリュウム・・・食肉のアミンと反応して、ニトロソアミンという発がん性物質に変わる。大腸がんの可能性ありと、WHOが発表している。
- ソルビン酸・・・保存料として広く食品に使用。発ガン、免疫障害、発育不全等のリスク。
- 安息香酸ナトリュウム・・・保存料として使用。発ガン、白血病、神経障害、めまいのリスク。清涼飲料水、栄養ドリンクに使用されている。
- 調味料(アミノ酸等)・・・うまみ成分として加工食品全般に使用。神経細胞を破壊し、知能障害、認知症、うつ病、めまい、不眠症、多動性障害のリスク。
- 人工甘味料・・・スクラロース、アスパルテームなどが使用されている。味覚障害、免疫力低下、発ガン性、肝臓障害などのリスク。お菓子、パン、清涼飲料水など広範囲に使用。
- 着色料、発色剤・・・お菓子、練りもの、パンなど広範囲に使用。発ガン性のリスク。
7.食品添加物から身を守るには
- インスタントやレトルト食品、加工食品を買わず、外食しない。おにぎりや弁当も買わない。
- パッケージの食品表示欄を見て、疑わしい添加物が使われているものは買わない。
- 玄米、魚、野菜、海藻を中心とした少食にして、口から入る絶対量を減らす。
- 食物繊維を多く摂ることによって、便と共に排泄する。水分を補給し、便秘しない。
- よく咀嚼することによって、毒性を中和する。
- 料理は身土不二の新鮮な魚や野菜を買ってきて、家庭で手造りする。パンは自家製にする。
7.食品添加物の一番の問題点
- 長年、人工の添加物の多い食品を食べていると、味覚が慣らされて麻痺してくる。本当の自然な食べ物の味が分からなくなり、加工食品の中毒に陥る。
- 添加物の多い食品は生命力がなくて、しかも体内に活性酸素を発生させるし、ビタミンやミネラルの不足や、胃腸や肝臓障害など万病の元となる。
- 日本人は1日に約10㌘の食品添加物を摂取しているという。年間に4㌔にもなる。
8.まとめ
1)子供は食べ物を選択できない。自然界にない化学合成品の塊のような加工食品やお菓子、飲み物を摂取させて、可愛いお子さんがこれから百歳まで生きられると、思いますか。
2)体の危機管理は食べ物の吟味から始めよう。能天気では済まされない。
おわり
柿茶のシフォンケーキ
2020年日経新聞掲載記事
香川短期大学は柿の葉を原料とするお茶「柿茶」を製造・販売する柿茶本舗と連携し「柿茶とゆで小豆のシフォンケーキ(400円)を商品化した。
柿の葉に含まれる豊富な栄養素に着目し健康志向に対応したスイーツに仕上げた。
タンパク質の過剰摂取の害 By 豊岡倫郎 2020-5-30
1.タンパク質の摂取基準量
厚労省の摂取基準によれば、一日当たりのタンパク質の必要摂取量は、男性は50g、女性は40gと定められている。この飽食の時代には、大半の人が基準量を超えているとすれば、過剰摂取の害を認識し、予防することも肝要となる。
2.タンパク質とは
タンパク質は炭水化物、脂肪と並んで三大栄養素のひとつである。タンパク質は生命の基本単位で、筋肉、皮膚、毛、骨、各種臓器、血液など全てタンパク質から出来ている。タンパク質はアミノ酸が多数連結してできた化合物で、それらが体内のいろいろな器官や組織などの部分の役割に応じて、存在していて、その数は3万~10万種類あると言われている。しかしその基となっているアミノ酸の種類はわずか20種しかないから、その組み合わせの緻密さと合成方法の複雑さに驚愕する。
3.タンパク質の過剰摂取の害とは
- 摂取したタンパク質は体内に入ると、胃腸で消化酵素によって消化されて、アミノ酸に分解されるが、その過程でアンモニアが発生する。アンモニアは肝臓で尿素に変えられる。更に次には尿素を腎臓で分解されるので、膵臓、腸、肝臓、腎臓の酷使で疲弊してしまう。
- 必要量以上の過剰なタンパク質の摂取分は、窒素残留物となって、腸内で腐敗発酵を起こして、アミン、フェノール、インドールなど毒素が発生する。
- タンパク質の消化分解過程で、血液は酸性に傾くために、それを中和するために体内のカルシュウム分が動員されて、骨粗しょう症など骨や歯が脆くなる。
- 過剰なタンパク質が腸内で充分に消化されないと、未消化のまま腸壁から吸収されて、異物と判断されて、いろいろなアレルギー症状が起きる。
- 常に未消化のタンパク質が腸内に停滞すると、腸内環境が悪化して、免疫力も低下する。
- 過剰なタンパク質は体内の糖分と結合して、終末糖化産物即ちAGEが産生される。このAGEは体内のあらゆる部位のタンパク質を劣化させて、心臓病、脳卒中を招く動脈硬化、ガン、骨粗しょう症、変形性関節症、認知症、肌のシミやシワ、老化を早めるなどの原因となる。
- AGEの発見はもともと「メイラード反応」と呼ばれていて、アミノ酸と糖質を一緒に加熱すると褐色になり、AGEを大量に含んでいることに由来している。例えば食パン、焼きおにぎり、お好み焼き、たこ焼き、パンケーキなど熱を加えて、褐色になったものにAGEが含まれている。従ってAGEの含まれている加工食品を摂取しないように留意する。
- 腸内で完全に消化しきれなかったタンパク質は悪玉菌のエサとなって、腸内環境を乱し、腸壁の炎症を起こし、「腸もれ」即ちリーキ・ガット・シンドロームが起きて、腸壁から毛細血管の中へ細菌やら毒素が入り込み、諸病の根源となる。
- 動物性蛋白質の過食は尿中の尿酸が多くなり、尿路結石を作る。
- 腎臓で尿素を完全に処理できないと、尿酸が発生し、痛風の原因となる。
- 腸内に腐敗産物が増えると、体臭や口臭の原因となる。
- 以上の様に過剰なタンパク質の摂取は炭水化物や脂肪の体内での消化や吸収に比べて、より大きいエネルギーの消耗が体内で起きている。体内酵素も浪費される。体力強化のために摂取したタンパク質が実際は逆に体力を消耗させていることに気付かないでいる人が多い。
4必須アミノ酸とは
タンパク質を構成しているアミノ酸は20種類であるが、その内の9種類は体内で合成することが出来ないので、食べ物から摂取しなければならない。これを必須アミノ酸と呼んでいる。
これら20種類のアミノ酸は相互関係を保ちながら、バランスを維持しているので、どれひとつ欠けても効果を充分発揮できない。
5.タンパク質の新陳代謝
体内に数万種類もあるタンパク質の寿命は短いものでは数十日、長いものは十数年維持されているが、部位によって寿命があり、分解と合成を繰り返している。タンパク質の細胞内にあるDNA遺伝子の設計図に基づいて、合成され、機能に応じて使いこなせる当初の形に再生されている。
ところが加齢、AGE、熱、低酸素、加圧、紫外線、放射線、薬剤、活性酸素、酵素、栄養素など色々な要因で変性されたり、異質物が蓄積されたりしてゆく。
例えば脊髄小脳変性症はポリグルタミン蛋白質が、アルツハイマー病はアミロイドβが、クロイツフェルトヤコブ病はプリオン蛋白質が蓄積していて、尚且つ神経細胞のタンパク質の変性にも原因があるというが、その詳細はいまだ解明されていない。
6.コラーゲンの異常
肝硬変、肺線維症、動脈硬化、ケロイドなどの線維化疾患はコラーゲンが異常に溜まる病気で、現在のところ有効な治療法がない難病である。コラーゲンの線維化にはヒートショックプロテインの一種が関係しているというが、因果関係の詳細はまだ解明されていない。
体内のタンパク質の30%がコラーゲン線維で占められている。ところがAGEに侵されているとコラーゲン線維の新陳代謝が悪くなり、古いものが蓄積されて残るという。
7.理想的なタンパク質の摂取方法とは
1)タンパク質の摂取基準量を超えない。摂取内容は玄米3分つぎ、大豆製品だけで必須アミノ酸は補える。
最近は運動選手にも食物性蛋白質を摂取する方が良いと云われだした。
2)酵素の豊富な発酵食品、味噌、漬物類、生野菜ジュース、大根や長芋のおろし、果物を摂る。
コラーゲンを生成するには、ビタミンCと酵素の摂取が欠かせない。なお美容のためにコラーゲンの多い食品を摂取
してもアミノ酸に消化分解されるので、叉コラーゲンなる保証はない。
3)控えるものは甘い物、動物性肉類、魚、卵、乳製品、添加物の多い加工食品、冷たいもの。
4)大食はしない。よく噛んで食べる。食事の間隔は最低5時間を保つ。
8.まとめ
1)動物性蛋白質と食物性との摂取の比較疫学調査によれば、食物性蛋白質の方が疾病患者数が少なかった。
動物性と食物性とでは、タンパク質の分子構造が異なり、各臓器への負担も違う。
2)テレビでは毎日やれ焼き肉だ、ステーキだ、ハンバーグだとグルメや大食番組を放映している。これでは生活習慣病は減らない。
3)「タンパク質の一生」永田和宏著 岩波新書の本によると、「タンパク質について知ることは、とりもなおさず生命の営みを
しることである」と。生命の巧妙な営みにタンパク質が関与しているから、日頃から異常なタンパク質を発生させないような
生活態度を心がけねばならない。
おわり
免疫力を上げて病気を防ぐには 2020-3-27 By 豊岡倫郎 氏
1.今話題の免疫力とは何か
新型コロナウイルスの感染で戦々恐々としている昨今、
免疫力を上げるにはどうすればよいのだろうか。現代人は文明の発達に反比例して、体が弱くなり、様々な病気に冒されるようになった。風邪、ガン、アレルギー疾患、リュウマチになるのも、みなこの免疫力が関係している。
何故こんなに免疫力が低下したのだろうか。免疫力の強さを年齢別に示した上の図のように、20歳をピークにして、下降してゆき加齢と共に、色々な疾患に罹患する率も高くなる。そこで免疫力について理解を深めることが急務となってきた。
2、免疫とは何か
人体には外部から侵入する有害な細菌やウイルス、花粉、化学物質などの有害物質及び体内で発生するがん細胞や腸の腐敗便からでる異質な有害物質などの異物から身を守る防御システムが備わっている。これを免疫と呼んでいる。
そしてこれら内外からの有害物質や異物を抗原と呼んでいる。これに対してこれら抗原の侵入を受けた生体は抗体を作り、それに対抗して生体を守ろうとする。
免疫には2種類あり、生まれつき備わっている免疫を自然免役と称し、出生後に細菌や異物などに接すると対抗してできる免疫を獲得または適応免疫という。同じ異物が2度目に体内に入った時はリンパ球が記憶していて、やっつけてくれる。予防接種はこの働きを応用している。
3、免疫力の主役は白血球
体の中には縦横に張り巡らせた免疫システムがあり、その主役は血液の白血球である。白血球の成分は、マクロファージ5%、顆粒球60%、リンパ球35%で構成されている。これらを免疫細胞と呼んでいるが、その役割は、マクロファージは大きな異物を処理したり、細胞から出た老廃物を片づけたり、更にサイトカインという生理活性化物質を産生して、免疫細胞間のコントロールをしている。
顆粒球には好中球、好酸球、好塩球の3種があるが、好中球は細菌や死んだ細胞の死骸などの大きな異物を食べて処理したり、体内に炎症が起きると、腫瘍細胞を攻撃する。またリンパ球の中味は、NK細胞、NKT細胞、B細胞、T細胞から成っていて、ウイルスなどの微小な異物やガン細胞を攻撃する働きを持っていて、これら免疫細胞が連携を取りながら、抗体と闘っている。
4、免疫力が低下する要因
●加齢と共に免疫細胞の産生を担当している胸腺、脾臓、肝臓、腎臓、小腸等の機能低下。
●宿便停滞による腸内環境の悪化、即ち悪玉菌が増え、善玉菌の減少し、有害毒素の発生と腸粘膜の炎症による血中への侵入。
●ストレスによって自律神経の交感神経と副交感神経とのバランスが崩れて、顆粒球とリンパ球の正常な構成比率を乱し、免疫力低下。
●生活環境の悪化によって、有害化学物質の体内吸収。
●間違った食生活。即ち高脂肪、高タンパク食の過食が腸内に有毒腐敗便を作る。
●甘いもの摂取過剰、喫煙、過飲酒。●睡眠不足。
●運動不足による血行不良。
●過労。●低体温。●薬の服用。
●血液やリンパ液などの体液のアルカリ性と酸性の不均衡。
●ストレス、過飲酒、便秘、過労、食品添加物、服薬等による活性酸素の増加など。
5、ガン細胞の発生
健康な人でも毎日4千個前後のガン細胞が体内で発生していると言われている。ガン細胞発生は遺伝子レベルでの細胞障害が関与している上に、ウイルス、有毒物質、活性酸素、炎症、低酸素、放射線などの原因が関与している。しかしガン細胞発生段階であれば、体内の免疫力で排除しているが、前述したような要因によって、体内の免疫力が低下して、一気にガン発病へと進む。
6、アレルギー疾患の発生
今花粉症やアトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患で苦しんでいる人は約3千万人いるという。
アレルギーの原因となる花粉、粉塵などの異物、これをアレルゲンと言うが、体内にはいると、それに対抗するために免疫グロブリンIgE抗体が作られて対抗する。そのときにヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、神経や血管を刺激して、炎症を引き起こして、アレルギー症状を呈す。そもそも腸には前述した免疫細胞が70%も存在しているが、高脂肪・高蛋白質の過食で悪玉菌が増加し、腸内環境も悪化すると、免疫細胞も減り、免疫機能が低下して、発症する。
7、自己免疫疾患の発生
自己免疫疾患には、膠原病、慢性関節リュウマチ、強皮症、全身性エリテマトーデスなど数多くの難病が含まれているが、初期症状の人を入れると約500万人いるという。アレルギー疾患は外から侵入した抗原に反応するのに対して、自己免疫疾患は体内で発生した自分の一部細胞を抗原と見なして、反応し攻撃することによって、いろんな症状が出る。その機序は明確ではないが、甲田光雄博士の半日断食に関する本には、生野菜食と断食で治癒した事例が書かれてある。
8、免疫力を上げる方法
1)精神面
- ストレスに負けないように、日頃から豊富な知識と体験を重ねて、何事にも動じない強靭な精神力を養う。
- 常に前向きの気持ちを抱き、趣味を持ち、他人と良好な人間関係を築き、生きがいのある生活を送れるよう心がける。また笑うことは免疫力を高めてくれる。
2)食生活面
- 腸内環境を悪くする高脂肪・高蛋白の欧米食を避ける。
- 宿便や便秘の原因となる過食をしない。小魚、大豆、ゴマ、海藻、生野菜ジュース、3分づき玄米食中心の少食にする。生野菜や柿茶から、風邪に強いビタミンCを摂る。発酵食品や抗酸化食品、食物繊維の摂取も欠かせない。
- 甘いお菓子や清涼飲料水、お酒、間食など嗜好品は慎む。冷たい物は食べない、飲まない。
- 食品添加物の多い加工食品は摂らない。
3)動作・呼吸面
- 健康体操を日課とする。お勧めは自彊術体操で有酸素、骨格矯正、筋肉補強、経絡刺激、血行促進、自律神経調整、酸とアルカリの調整、心が安すらぐ効果等がある。1回15分でできる。1日1回この体操をすれば体温も上がるし、安眠もできる。私は23年前からこの体操実行していて、その効果を実感している。
- 腹式呼吸でリラックス効果と腸の活性化を。一方自彊術で横隔膜を広げる胸式呼吸も必要。
9.まとめ
1)免疫力アップのキーポイントは、肉や甘いものを過食して、腸内環境を悪化させない事。健康体操をして、血液循環を良くする事。教養を身に着け、人格を磨いて、精神力を養う事。
2)動物性蛋白質の過食は腸内で腐敗し、その毒素の処理に免疫細胞が注力するため、他の免疫活動が手薄になってしまい、ウイルス等の感染症、ガン、アレルギー疾患に罹り易くなることを知っていれば、暴飲暴食も慎む気持ちになれる筈。食を制する者は命を制することが出来る。
3)「無知は死を招く」という言葉が有る。今何をすべきか、選択するにも知識を持たないと、何を重点的に対策を講じるべきかも決められない人が多い。これでは病人は減らない。
おわり
自律神経の乱れが体の不調を招く By 豊岡倫郎 2019-12-27
1.自律神経失調症という病気がある
これは不規則な生活やストレスなどによって、自律神経のバランスが乱れるために起こる、様々な体の不調のことで、はっきりとした内臓や器官の病変によるものでない。従って症状の現れ方も不安定であるし、体全体に広範囲に自律神経が張り巡らされているので症状も複雑である。
2.自律神経とは
読んで字のごとく、体が我々の意志とは関係なく、内外からの情報や刺激に対して、自動的に反応する神経で、呼吸、血液循環、体温調節、消化、排泄、免疫などの機能を、調節している。
自律神経は頭の間脳の視床下部というところにあり、交感神経と副交感神経のふたつから、構成されている。交感神経は主に昼に働き、筋肉の緊張を保つ、心臓の鼓動を早める、呼吸を早める、脂肪を分解してエネルギーを生み出すなどの働きをしている。それに対して副交感神経は主に夜に働き、胃腸の働きを促進して、使用可や排せつをスムーズにする、脂肪を蓄積する、筋肉の緊張をゆるめる、脈や呼吸を穏やかにする、血管を広げてリラックス状態に導くなどの働きをしている。この二つの神経がバランスを保ちながら、順調に働いていれば、心身ともに快調に生体を維持できるが、ところが体内外の環境の変化に対応できずに、バランスが崩れると、心身に色々な不調を起こる。
3.自律神経のバランスとは何か
最近の研究の進歩によって、交感神経と副交感神経夫々の強さを測定することが出来るようになった。
自律神経のバランスは4つのタイプに分けられる。
- 交感神経も副交感神経も高いタイプ・・・理想的で集中力も高くて、冷静さを保ちながら、行動できるタイプ。
- 交感神経が高く、副交感神経が極端に低いタイプ・・・ストレスなどでイライラすることが多く、血流が悪くなり、免疫力が下がり、病気になりやすい。頑張りすぎる。
- 交感神経が低く、副交感神経が極端に高いタイプ・・・注意力が散漫になり、ミスをしがち。いつも眠たい、体がだるいといった状態になる。
- 交感神経も副交感神経も低いタイプ・・・ぐったりして、体調がよくない状態。
4.自律神経のバランスの不調によって生ずる症状の数々
頭痛、耳鳴り、倦怠感、動悸、息切れ、手足のしびれや痛み、胃の不快感、下痢、便秘、肩こり、筋肉の痛み、生理不順、めまい、微熱、ふらつく、血圧や心拍数の乱れ、発汗の異常、ほてり、食欲不振、精力減退、睡眠障害、朝起きれない、イライラする、怒りっぽい、不安感や恐怖心、集中力低下、やる気が出ない、悲しくなる、直ぐ落ち込むなど。これ等の症状は人によって、ひとつだけの時も、いくつかが重なって出ることもある。出たりでなかったりすることもある。症状の軽重もある。これらの症状は別の病気を持っている時も発症するから、早く専門医の診断を受けることが肝要である。
5.自律神経のバランスが崩れる要因
1)加齢
30歳を過ぎると加齢と共に少しづつ自律神経の働きは低下してゆく。10年で15%づつ低下してゆく。特に副交感神経の働きの低下の方が早い。
2)ストレスや怒り
交感神経が高まり、白血球の顆粒球が増えて、免疫力を低下させる。活性酸素も増える。血流が悪くなる。
3)睡眠不足
日が暮れ夜になると共に副交感神経の働き高まる時に、睡眠が充分取れないと、自律神経のバランスが狂う。
4)不規則な生活
体の生理には一日の中でのリズムがある。朝起きるのが遅く、夜寝るのも遅いとか、食事の時間もまちまちなどは自律神経を狂わす。
5)運動不足や骨格の歪み
適度に体を動かさないと、体の摂理は十分に機能しないし、ましてや骨格が歪んでいては、背骨の椎骨の間から出ている神経も機能しない。そして姿勢も悪くなり、呼吸が浅くなり、副交感神経が働かない。
6)不適切な食事
過食や便秘など食の間違いは腸内環境を悪化させて、きれいな血液が作られない。腸内環境の悪化は脳にも影響を及ぼして、自律神経を狂わす。
7)酒や喫煙
アルコール中毒、ニコチン中毒と言われるように、神経中枢をマヒさせてし まう。自然界にないものは、生体にとって異物である。
8)季節の変わり目
日本には四季がある。冬から春になると、心の病が出るのは交感神経から副交感神経への切り替え時期であり、夏から秋先にかけて風邪を引くのは、副交感神経から交感神経への過渡期にあるからである。真冬のインフルエンザの流行も交感神経が高ぶり、血流が悪くなり、白血球の顆粒球が増えて、免疫力が低下するからである。
9)女性ホルモンや甲状腺ホルモンの変調が自律神経の安定を乱す。
6.自律神経の健全な働きを取り戻すには
- 規則正しい生活をする・・・早寝早起き、十分な睡眠を確保する。
- 正しい食事をする・・・過食しない、腸内環境を悪化させるものを食しない。便通を付ける。飲酒を控える。偏食しない。間食しない。
- 適度な運動をする・・・毎日十五分でよいから、健康体操をする。その中には有酸素運動の深い呼吸、筋肉の強化と維持、骨格の矯正が含まれている体操が良い。
- 笑う・・・リラックスできて、副交感神経が高まる。ゆったりとした好きな音楽を聴く。
- 体を冷やさない・・・冷たいビールや清涼飲料水を飲まない。季節の旬の野菜を摂る。
- ストレスに強くなる・・・ストレスに負けない強靭な精神力を養う努力をするにはどうしたらよいか、自分の弱点を知り、対策を講じる。訓練すればストレスに強くなる。
7.まとめ
1)複雑な社会環境の中でストレスが増す要因が増えている。そんな社会で精神的にも、肉体的にも快適に過ごす道を自ら見つけだすことが、必須となってきた。
2)健康管理の原則のひとつに、「医者に治してもらう病気と自分で治す病気がある」。さしずめ今回の自律神経失調症は薬を服用すれば治るというものではなさそうな気がする。
3)自律神経失調症の症状は複雑多岐にわたっている。何か一つのことをすれば解消するものではない。日頃から知育、体育、食育の三育に対するバランスのとれた努力が必須となる。
例えば健康を維持し長寿のためには最低限どんな知識が必要か、慢心することなく、真摯に受け止めて、間違った生活習慣を見直したいものである。
4)自律神経は自分の意志ではコントロール出来ないが、自律神経に影響を及ぼす要因はコントロールできる。
おわり
歯周病が影響を及ぼす病気の数々 By 豊岡倫郎 2019-9-18
1.歯は健康の重要な要
歯を失って初めて知るその有難さ。歯を失う原因のトップは歯周病によるものである。今日本人の20歳代で70%、45から54歳で80%が軽度を含み歯周病に侵されているというから、日頃からもっと歯の衛生に関心を持って、対処する必要がある。
2.歯周病の怖さ
歯周病に侵されて、歯を失うことによる噛むことの不都合ばかりではない。最近明らかになったことは歯周病が全身の病気を引き起こしているという信じられないような事実である。その機序を今回説明する。
3.歯周病とは
歯茎に炎症が起きる病気の総称で、炎症が歯を支えている側面の歯肉だけならば、歯肉炎と言い、歯の奥の歯槽骨まで広がっていると歯周炎、即ち歯周病と言う。更に進んで症状が悪化して、血や膿が出る、口臭が発生する、歯がぐらぐらするなどの重いのは歯槽膿漏と言う。
注意すべきことは、歯肉炎の初期段階では、痛みもなく、たまに歯がしみたり、歯肉が腫れたり、出血することがある程度では、放置する間に、どんどん静かに進行してゆくから怖い。
歯垢(しこう)別名デンタル・プラークともいうが、これは、食後4~5時間すると歯の表面にネバネバしたものが出来てくる。それが歯垢で、そこには無数の所謂歯周病菌がいる。歯磨きが充分でないと、歯と歯の間や歯肉の間に、歯垢が歯周病菌の塊となってしまい、周辺に炎症を起こす。これが歯周病の始まりとなる。なお歯石とは歯垢を放置しておくと、それが石灰化して、固まったものを言う。
4.口腔内の衛生
口の中には色々な菌が住み着いていて、約700種、合計100億個の細菌がいるという。これ等の細菌の中には、善玉菌も居れば、悪玉菌も居て、歯周病の原因となる細菌は、十数種類居るという。その中でもジンジバリス菌、デンティコーラ菌、フォーサイシア菌の3種が危険。歯の病気によって、これら細菌が血液中に入り込んでいる状態を歯原性菌血症と呼んでいる。そして歯周病菌内部で毒素が作られたり、菌が壊れた時にも毒素が出て来る。
5.歯周病が影響を及ぼす病気の数々
1)糖尿病
歯周病が悪化すると糖尿病も悪化する。その機序は歯周病菌が歯茎の炎症した部分から血中に入ると、血中に炎症性サイトカインが増加して、血糖値を下げようとするインスリンの働きを邪魔して、糖尿病を悪化させてゆく。従って歯周病を治療すると、糖尿病が改善されたという事例も多いのである。
もうひとつ関連性がある。それは糖尿病になると、体内の糖の過剰によって、歯肉の毛細血管が減少しているために、歯茎が弱くて、出血もしやすいので、歯周病にも罹り易い。この二つの要因が悪循環してゆく。
2)動脈硬化
歯周病菌が血中に入り込むと、血管内皮細胞に付着して、血管内膜に炎症が起きて、アテロームと呼ばれる脂肪の塊が出来て、血管の通り道が狭くなる。動脈硬化が進むと、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などが引き起こされる。
3)誤嚥性肺炎
誤って食べ物が気管や肺に入り込んでしまうと、誤嚥性肺炎を起こすことがある。特に高齢になると、飲み込む働きが弱くなり、誤嚥を起こしやすい。その際に歯周病菌が食べ物と一緒に肺に入ると、免疫力も低下しているために、誤嚥性肺炎になってしまう。
4)腎臓病
糖尿病の余病のひとつに腎機能低下があるが、腎臓の濾過する血管に歯周病菌が混じっていると、更に腎臓の負担が加わり、機能が低下してゆく。
5)アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症の人の脳から歯周病菌の毒素が検出されている。またアルツハイマー型認知症に見られるβ―アミロイドを沈着を促進させることも判ってきた。
6)関節リュウマチ
関節リュウマチは自己免疫疾患のひとつであるが、関節を包む滑膜に炎症が発生して、骨を破壊させてゆくが、この炎症に歯周病菌の酵素が関与しているという。
7)早産
妊婦さんが歯周病を患っていると、本来出産のために増加してくるプロスタグランジンという生理活性物質が、歯周病菌による炎症によって、異常に増えてしまい、低体重の早産につながるという。
6.歯周病予防策
1)朝晩の歯磨きは正しく実行する。
2)喫煙、ストレス、睡眠不足、体調不良などによる免疫力の低下を防止する。
3)食生活では、食物繊維が不足しないようにする。よく噛んで食べる。
偏食しない。抗酸化物やオメガ3系の油を摂る。
4)歯茎の毛細血管を強化するために、適度のブラッシングも必要であるが、ビタミンCの摂取が欠かせない。それには柿茶を飲むのが良い。酒や甘いものは毛細血管を硬化させたり、消滅させるから要注意。
5)糖尿病や動脈硬化は共に血管を不良にするから、予防と治療に配慮する。
6)少なくとも6カ月に一回は歯医者へ行き、クリーニングしてもらう。
7.まとめ
1)8020運動を1989年に当時の厚生省が推進したことがある。80歳になっても20本以上の歯があれば、楽しく充実した食生活を送ることが出来るという内容だった。しかし今は楽しい食生活よりも、歯周病が寿命を縮めるから歯のケアを実行することの方が大事である。
2)最近慢性炎症がガン化を引き起こす原因のひとつと言われている。慢性炎症が発生する要因は歯周病菌ばかりでなく、活性酸素、酒、ストレス、過食や宿便、過労など色々あるから、日頃の生活習慣を見直すことこそ肝要である。長寿者は体内の炎症度を示すCRP値が低いという。
3)歯周病は「静かな病気」と呼ばれている。自覚症状が無くて、深く静かに進行して行き、最初の軽い症状が出ても、見過ごすケースが多いので、軽視してはいけない。
4)適度な健康体操をして、体内の血液循環を良くすることも、健康生活には欠かせない。
おわり
有機JAS認証
柿の葉茶を製造販売する柿茶本舗有限会社が有機JASの認証を2019年8月23日に取得した。
先代社長からの念願がやっと叶った。
本当にめでたい事である。認証取得に関わった関係各位に深く感謝したい。
有機認証(有機とオーガニックは同じ意味)とは、生産者が有機の基準(農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないで、自然界の力で生産されたもの)に基づいて生産したものであることを、第三者機関(農林水産大臣の登録を受けた登録認証機関)が証明すること。
柿茶の場合の第三者機関は「NPO法人日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)」。
平成11年にJAS法(日本農林規格等に関する法律)に基づき、有機農産物と有機農産物加工食品のJAS企画(有機JAS制度)が創設され、有機認証の統一基準が決められた。
国際基準に合わせて始まったこのシステムは、有機(オーガニック)に対するニーズの高まりから、現在は食品以外の分野にも広がっている。
有機認証されたものは「有機JASマーク」を付けることができ「有機」や「オーガニック」と表示できる。
国産品も輸入品も、すべてが対象で、有機JASマークなしで「有機」や「オーガニック」の表示はできない。
一度取れば未来永劫かというと、とんでもない! 毎年認証機関による検査を受けなければならない。
↓ 有機JASマークは、太陽と雲と植物をイメージしたものだそう。
このマークのすぐ下に認証機関の名前が表示される。
柿茶の場合は認証機関がNPO法人日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会なので ”JONA” と書かれる。
このマークをつけた柿の葉茶や粉末茶が市場に出る日も近い。うれしい限りだ。
「めまい」で悩む人が増えている By 豊岡倫郎 2019-8-15
1.めまいで悩む人が増えている
最近中高年の人でめまいに悩む人が増えてきたという。断片的にいろいろめまいについて耳にすることもあるが、詳しく理解を深めてほしい。
2.耳の構造
耳の構造は外側から外耳、中耳、内耳に分けていて、耳が原因のめまいは内耳の部分の異常によって起きる。そこには聴覚を担当する蝸牛(かぎゅう)と、平衡感覚を担当する三半規管、前庭(耳石器)がある。これらからの情報は前庭神経を通じて、脳へ伝えられる。おおよそめまいの9割は耳が原因であると言われている。
3.めまいの種類
1)回転性のめまい・・・視界がぐるぐる回っているように感じられるめまい。自分か回っているように感じたり、周りの風景が回っているように見えたり、上下左右にめちゃくちゃに動いて見えたり、モノがつぶれたように見えたり、人によっていろいろ起きる。その状況が数分で収まる時もあれば、30分、1時間続くこともある。
2)浮動性のめまい・・・体がふわふわと浮いているような感覚のめまい。ふわふわとマットの上を歩いているような感覚とか、歩いているときに足が地に着いていない感じとか、体ごと宙に浮いているような気分など。これらは症状は激しくないが、足元がおぼつかなく感じ、不安感がある。症状は長引くことが多い。
3).動揺性のめまい・・・これはめまいというよりもふらつきが慢性的に続いている状態。体が左右にとらわれたり、体が前後に揺れたりなどして、バランスが取れず、ゆらゆらしてなかなかまっすぐに歩けない状態。
4)たちくらみ・・・これは立ち上がった時にくらーっとめまいを感じたり、ふらーっとふらついてしまうタイプ。
4.めまいはなぜ起きるか
1)良性発作性頭位めまい
めまいで一番多いのがこの病気で、寝返り打ったり、寝たり起きたり頭を動かす動作で起こりやすいめまい。めまいの発作は数十秒から数分で治まる場合が多い。
吐き気やおう吐を伴うこともあるが、難聴や耳鳴りは無く、悪化することは無い。
その原因は、頭を動かすことによって、内耳にある耳石器の細かい耳石が剥がれてしまうことである。スポーツなどで頭を強く打った際に耳石が剥がれやすくなることがある。また、耳石はカルシウムの小さな粒であるためカルシウムの代謝障害によって剥がれやすくなる。そのため骨粗しょう症も良性発作性頭位めまい症の原因となる。
良性発作性頭位めまいの原因である耳石は、大きさが5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル程度の塊で、成分は炭酸カルシウム。数百個が内耳の前庭と呼ばれる部位にある感覚細胞と呼ばれている有毛細胞に隣接している。
耳石が剥がれて、三半規管の中に入り込むことによって、誤った情報が脳に伝えられて、めまいを感じてしまうのである。
対策はめまいリハビリの指導を受けて、耳石が耳石器に戻るようにする。
2)メニエール病によるめまい
かってめまいと言えばメニエール病で片付けられていた感がある位知られているが、実際の患者数はそんなに多くはない。
症状としては、回転性の激しいめまいと共に、難聴や耳鳴りが起きること。また発作が激しい時は、吐き気やおう吐、冷や汗、頭重感など様々な症状を伴う。めまいや難聴、耳鳴りの発作は20分以上から数時間で治まるが、それ以後も何度も繰り返し起きるのも特徴のひとつである。そして繰り返す毎に聴力や平衡感覚も低下してゆく。
その原因は、内耳には内リンパ液という液体が含まれているが、それが過剰となって水ぶくれ状態(内リンパ腫)になると、それが破裂して、隣の外リンパ液と混ざり、聴力や平衡機能を司る細胞に刺激を与えて、障害が起きることで、上述した様な症状が出る。
では何故内リンパ液が過剰になるのかは、ストレス、過労、季節変動、抗利尿ホルモン、内リンパ腫の発育不全・線維化、ヘルペスウイルス説などが言われているが、明確なことは判っていない。
治療のポイントは薬投与と生活習慣の改善やリハビリ、適度な水分補給などいろいろある。
3)前庭神経炎によるめまい
前庭神経とは三半規管と耳石器を合わせた部分と脳をつなぐ神経のことで、そこに何らかの障害が起こり、激しいめまいを引き起こす。
症状としては、激しいぐるぐる回転性のめまいが起きる。激しいめまいのため入院するケースも多い。こうした状況が一週間も続き、少し楽になってからも、後遺症としてふらつきや吐き気が残り、尾を引く。なお難聴や耳鳴りは伴わない。
その原因としては、発症前に風邪を引いている人が多いことから、ウイルス感染説や血流障害が考えられるが、まだ明確ではない。従って治療法も決め手もない。
4)突発性難聴によるめまい
突然回転性のめまい、耳鳴り、耳が詰まった感じになり、片側の耳が聞こえなくなる。これは一回きりである事。そして半分以上の人は耳が聞こえなくなるか、後遺症が残ること。
原因はいろいろ言われているが、明確ではない。従って対策もない。ただ一つこんな症状が出たら、直ぐに耳鼻科へ駆けつけて、薬による治療すれば治るので、一刻を争うので、放置しないことである。時を逸するともう治らない。
5)片頭痛性めまい
片頭痛とは頭の片方だけが激しく痛む症状である。なかなか治りにくく持病として、苦しんで
いる人も多い。こんな人がめまいを起こすことがある。
片頭痛自体がなぜ起きるかもはっきりしていないが、ストレスや疲労、生理時など考えられるが、女性に多い。ただこんな時に起きるめまいが、片頭痛によるものか、たまたま独自に別の原因のめまいを発症したのかは、専門医に診てもらわないといけないケースもあるから要注意。片頭痛の人はまずその治療をする。
6)持続性平衡障害・加齢性平衡障害によるめまい
これはめまいというよりも、ふらつき型である。バランスがうまく取れなくてどうしてもふらつくのである。立っているのがつらくて、めまいする状態になる。
原因は加齢である。そもそもめまいが起きる機序は、耳や目の平衡感覚と体の筋力、特に足の筋力と小脳の体のバランスを司る機能の三者が健全でないと、めまいを起こすのである。加齢と共に足を使わないと、センサーの役割をしている足の裏の感覚が鈍ってしまい、小脳に適格な情報が伝わらなくなり、ふらつく次第である。
対策はめまいリハビリを受けて、筋力も平衡感覚も養うことである。
7)慢性中耳炎によるめまい
慢性中耳炎をしばしば繰り返す人に見られるめまいで、中耳炎をしっかり治さないと、耳鳴りや難聴に発展して、めまいが起こりやすくなる。中耳炎とは鼓膜の内側にある中耳の炎症が起きている病気で、その炎症が三半規管や耳石器に波及して、めまいを招く。
従って治療対策は慢性中耳炎の治療を優先的に行うことである。
8)起立性調節障害・起立性低血圧による貧血に伴うめまい
座った状態から急に立ち上がった時や長くずっーと立っているときに目の前が真っ白になり、立ちくらみやめまいが起きるのは、脳貧血によるめまいである。
原因は自律神経の不調によって、血液が脳まで行き渡らないことによるもので、対策は自律神経の不調が何から来ているのかをはっきりさせて、対応する必要がある。例えば悩み事がある、睡眠不足や疲労、胃腸障害、下肢の筋力不足など心当たりがないだろうか。
9)椎骨、脳底動脈循環不全症によるめまい
小脳に血液が十分行き渡らず、うまく小脳が機能しない状態にある時に起きる。小脳は体の平衡感覚を保つための働きの一端を担っている。
何らかの原因で頸椎が変形したり、歪んでいて小脳へ行く首の後ろ側にある椎骨動脈を抑制している場合。また椎骨動脈は枝分かれして内耳へも血液を送っているので、内耳の働きも悪くなる。もう一つは脳底動脈に動脈硬化や血栓がある場合など考えられる。
症状はめまいやふらつき、手足のしびれ、舌のもつれ、吐き気、物が二重に見えるなどいろいろある。
対策は頸椎に問題があれば矯正する治療を受ける。動脈硬化などの時は脳循環を改善する薬による治療もある。
10)脳梗塞・脳出血の治療後に起きるめまい、ふらつき
脳梗塞とは脳の血管が詰まる病気、脳出血はとは脳の血管が破れる病気で、その治療後に脳の障害が発生した場所次第で、後遺症としてふらつきやめまいが残ることがある。
対策は医師と相談して、めまいの改善リハビリをすることになる。
11)心因性のめまい
体のどこかが悪いわけでなく、精神的なことが原因でめまいが起きることもある。過度のストレスや精神的なショックが元で、うつ症状を伴って、出歩くこともなくなって、平衡感覚が低下してゆき、ふらつきやめまいが出てくるもの。
この場合は専門医にかかり、治療を受けて、元気を取り戻すことである。
12)脳腫瘍や脳梗塞などによるめまい
症状や目や耳の検査だけでは、原因がつかみにくい時はMRI(磁気共鳴画像診断装置)などを使って、これら重篤な病気から起きていないか診断を下すもの。
5.めまいの原因別発生頻度
ある医師の調査によれば、良性発作性頭位めまいが40%、メニエール病10%、椎骨脳底動脈循環不全6%、前庭神経炎5%、その他とつづく。
6.その他のめまいの原因
●糖尿病、●高血圧、●高脂血症、●脊髄小脳変性症、●髄膜炎、●肩こり、首こり、
●更年期障害、●眼精疲労、●低血圧、●貧血などあり。
7.めまいを防ぐ体質強化策
めまいは全身病である。めまいを防ぐための生活習慣とは何か。
- 頸椎、胸椎、腰椎、仙骨、股関節などのズレや歪みがない事。
- 適度の運動や体操をして、適度の筋肉を付けて、体格のバランスが良い事。
- 血液循環が良好である事。血流が良ければリンパ液の流れも、水分の停滞も起きない。
- 便通が良く、便秘や宿便が無い事。
- 食事が高脂肪、高蛋白質に偏ることなく、バランスのとれた食事と少食である事。
- ストレスを溜めない事。
- 過労がなく、睡眠がとれている事。
- 酒、たばこ、甘いものは体にとっての三悪であるから控えるに越したことは無い。
- 自律神経のバランスが良く、安定している事。
- 長期間別の病気で、色々な薬を服用していると、その副作用が考えられる。
8.まとめ
1)めまいは薬では治らないという自覚が必要である。めまいの9割は自分で治せるという医者も居る。めまい治療のためのリハビリ教室があるから医師と相談すると良い。
2)首や肩のコリを指圧などで取るとめまいが治ったという事例も多くあるが、これは血流やリンパの流れが良くなったためと思われる。首や耳の周りの指圧によって好転した事例もある。
3)低い枕をしていると、耳石が三半規管に入ってしまう事もあるので、高さを調整したらよい。
西式健康法には、かまぼこ状の半円の木枕を首に当てて眠るというのがあり、めまい予防によい。また骨格矯正には金魚運動、合掌合蹠体操が良い。
4)東洋医学では、腎臓が衰えると水分の循環がうまく行われず、耳に悪影響を及ぼし、耳鳴り、難聴、めまいを招くという。また経絡の理論からも耳は腎臓と繋がっており、腎臓の衰えが経絡を通じて耳のトラブルを起こすという。腎臓は足の骨格が歪んでいると機能低下する。ふらふら体を左右に振って歩く人には腎臓の悪い人が多い。まず足の矯正が必要である。
5)めまいのことで、医者を受診した際には、適格にその内容を伝えることが大事である。ポイントは、いつ、どんな時に起きるか。どのようなめまいなのか、ふらつくのか、ぐるぐる目が回るのかなど詳しく伝える。それに伴う症状は何か、頭痛、吐き気、動悸、しびれなど。どれくらいの時間続くのか。これまでどんな時に起きたか。今までにどんな病気を患ったか。服用している薬は何か。骨格の痛みはないか、睡眠時間はどれだけか。便秘していないか。ストレスがないかなど。めまいは全身病であるから、医者にこれらの情報を適格に伝えることによって、医者も正確な診断を下す貴重な判断資料となる。当然医者は眼振検査など必要な検査をするが。
6)めまいの原因には重篤な病気が隠れている場合も多いから、めまいがおきたら躊躇することなく、直ぐ医者を受診することである。
おわり
夏期合宿 講演会
8月24日から始まった夏期健康合宿中に東京にある渡辺医院の院長・渡辺 完爾先生による講演会が行われた。
今回の演題は”肝心要の腎臓について”。
↓ 開催にあたり井上理事長挨拶
↓ 講演会が始まった。
腎臓という臓器の位置や働きの説明から始まり、腎不全の原因や慢性腎臓病の診断基準,病例、腎臓病への対策まで幅広く、また解り易く説明して頂いた。
↓ 腎臓病への対策
いつも渡辺先生が言われる『腹七分目』が腎臓病にも効果があるらしい。
どんな病気にもそれは言えるのかも知れない
腎臓病を予防するには、
①皮膚を鍛えて風邪をひかない体にする。
・・・西式健康法の裸療法や温冷浴をする。
②足の故障を予防し直しておく。
・・・西式健康法の毛管運動,足首運動,脚絆療法,足首交互浴,里芋湿布
③脊柱の不正を正しておく。
・・・平床,硬枕,金魚運動
④食べ過ぎを慎み腹七分・・・朝食抜き2食,生採食
⑤塩断ちの日を作る。
⑥心の持ち方。
講演会後、活発な質疑応答があり今年も成功裏に終了した。
柿の葉だより(2019年夏号)
柿茶では坂出市内で耕作放棄されていた柿畑を借り受け整備・再生し、柿の葉を取ってお茶にする事業が板に付いてきた。
今年の収穫量は約1トン、2019年7月25日から坂出市府中町の約1,500坪の柿畑から収穫した。
今年初めて有機JAS認証を得て「オーガニック柿茶」として発売予定。
慢性腎臓病の人が何故こんなに多いのか By 豊岡倫郎 氏 2019-2-20
1.新しい国民病といわれる慢性腎臓病
いま慢性腎臓病の人が推計1330万人いると言われている。成人の8人に1人が慢性腎臓病という。どうしてこんなに多いのか。そしてなかなか根治するのが困難なこの慢性腎臓病とは。
2.慢性腎臓病(CKDとも呼ぶ)とは
慢性腎臓病とは一つの病気を示すものではなく、慢性的に腎臓が障害されたり、腎臓の働きが低下している状態の総称である。
腎臓は握り拳くらいの大きさの臓器で、体の左右にひとつづつあり、その働きは大動脈から大量の血液が腎臓に流れ込むと、そこから余分な水分や塩分を除去し、尿として体外に排泄する働き
をしている。また血液には体内で出来た老廃物も含まれているので、この老廃物を取り除いて、尿として体外に排泄する。そしてきれいになった血液は腎臓から下大静脈に戻って行く。
従ってこれら一連の腎臓の働きが低下すると、余分な水分や塩分、老廃物が体内に残ってしまい、体にいろいろな症状があらわれてくる次第である。
3.慢性腎臓病の原因
ひとつは糖尿病や高血圧などの生活習慣病があると、全身の血管の塊である腎臓はその影響を受けて、血管や組織が壊れてしまうこと。
もうひとつは蛋白尿や血尿が長期に亘って現れる慢性腎炎などからくるケースもある。更に加齢によって腎臓の働きが低下してくると、中高年頃から徐々に慢性腎臓病の症状が出てきてしまう。その外の原因として、脂質異常症、メタボリックシンドローム、高尿酸血症、喫煙なども腎臓の機能を悪化させてゆくと考えられている。
4.慢性腎臓病のリスク
前述したように糖尿病や高血圧があると、慢性腎臓病を併発しやすいが、腎臓の働きが低下すると、血液中のリンなどの物質が増加して、血管の壁が傷つき、脳卒中や心不全を誘発する。何故かというと、血液中にリンが増加すると、それがカルシュウムと結合して、血管に沈着して、石灰化が起こり、血管が硬くなったり、内部が狭くなってゆく。これが全身に起きるので、特に体の中心部の大動脈に起きやすい。
また腎臓は水分や塩分の排泄が充分でなくなるので、血液量が増えてくるが、血管が硬く、狭くなっているため、心臓はより強い力で血液を送り出さねばならなくなる。その結果脳卒中、心筋梗塞、心不全が起こりやすくなる。
5.慢性腎臓病の働きが弱った時に見られる東洋医学的症状
★体が疲れる。特に足がだるくなる。
★腰や腎臓がある部位に鈍痛やだるさを感じる。
★朝起きた時に顔や手が腫れぼったい。夕方になると足がむくむ。
★目がすぐ疲れる。
★朝起きるのがつらい。
★うつ伏せに寝る癖がある。
★背中や胸に神経痛のような痛みが時々出る。
★顔色が黒ずんでいる。上瞼が腫れている。
★足の裏が異常に温かく、夜就寝中に布団の外へ出さないと寝られない。
★よく風邪を引いて熱をだし、のどが痛み、なかなか治りにくい。
★体を左右に振って歩く。
★仰向けになり、おへその左右を手で押してみると圧痛がある
★背骨の胸椎の10番の両側を押すと圧痛がある。腎臓へ行く神経はここから出ている。
★履物の後ろ外側が減っていると、腎臓が働かないことを示している。
以上の症状が3個以上あれば、今後慢性腎臓病に発展するか、ごく初期の段階が疑われる。
6.早期発見のための検査
1)腎臓の働きが低下すると、老廃物の排泄が悪くなり、体内に蓄積される。その老廃物のひとつがクレアチニンで、血液検査によって調べる。血中の血清クレアチニン値(eGFR値)の濃度が高いと、腎臓の働きが低下しているとみなす。 eGFRが60未満の場合は慢性腎臓炎が疑われる。
2)尿に含まれる蛋白をチェックすると、通常尿中には含まれない蛋白が出ていると、腎臓の働きが低下しているとみなす。検査結果は「-」、「+」で表し、「-」は正常で、「1+」、「2+」は慢性腎臓炎が疑われる。
3)更にアルブミン尿の値を検査して、アルブミン尿の値が30mg/日以上ならば、慢性腎炎が疑われる。この数値は糖尿病になると、腎臓の糸球体の異常によって、高い圧力で血中の蛋白が血液から尿に漏れ出してくるためおきる。糖尿病性腎性という。
これ等は健康診断の検査項目として、採用されているので、異常がある場合は、直ぐに病院で精密検査を受ける必要がある。病院ではこれら三項目の値をチェックして、正常、軽度、中等度、高度と区別して、治療方法を選択する。
7.慢性腎臓病の治療
前述したように慢性腎臓病発症の原因は、糖尿病、高血圧、腎炎など腎臓自体からのもの、脂質異常症、肥満、加齢、タンパク質やカリウム、塩分その他の食事内容、他の服薬、運動量などいろいろあるので、原因に合わせた治療と生活習慣の改善を行うことになる。
当然治療の具体的事項は専門医との相談のうえ開始する必要がある。ただ一つ言えることは慢性腎臓病の発見が遅ければ遅いほど、治療も難しくなるから、早期発見、早期治療が大事である。
最悪の場合は人工透析、腎臓移植が必要となるから怖い。それほど慢性腎臓病の治療の決め手が無く、困難で、長引いて、治りにくい病気なのである。
8.現代医学での慢性腎臓炎の症状
慢性腎臓病の進行度によっても異なるが、例えば次のような症状が出る。
★だるさ、食欲不振、吐き気、頭痛、むくみ、息切れ、動悸、骨が脆くなるなど。
9.慢性腎臓病に対する甲田療法とは
「腎臓病と甲田療法」という本を紹介する。著者は甲田光雄博士、創元社刊、2002年1月発行。甲田光雄博士は大阪大学医学部卒業、八尾市に甲田医院を開業して、西式健康法を基にした、独自の甲田療法を考案して、多くの難病で苦しむ人の治療に専念する。2008年84歳で逝去。
1)253ページから成るこの本の内容は、前篇は腎臓病の理解と健康対策として
★現代医学だけでなく、民間療法にも金の卵がある。
★腎臓の解剖と生理
★腎炎、ネフローゼの概略
★腎疾患診断に必要な検査法
★腎臓病の健康対策として、
・風邪を引かない身体になること
・足の故障を直すこと
・腎臓の働きを助ける方法
・食事療法
・腎臓病に対する断食療法
・家庭で出来る一日断食
★腎臓病の予防について
なお後編は断食療法体験記・・・腎炎、ネフローゼとの闘い
★10人の方の体験治癒例が載っていてる
2)慢性腎臓病に対する甲田療法とは
★西式健康にある裸療法、温冷浴を行い皮膚を鍛え、体内の血液循環をよくすること
★足の故障を直す。腎臓の働きが低下するのは、足首の故障が最大の原因と見なす。脚絆療法と毛管運動をして、足首の歪みや炎症を治す。
★腎臓の働きを助ける方法として、脚湯法、平板に寝る、金魚運動をするなど
★食事療法として、少食にして、玄米、生野菜の摂取、生水やビタミンCを柿茶から摂るなど。但し高度の疾患は生野菜のカリュウム摂取はいけない。高脂肪、高たんぱく食もいけない。
★断食療法によって宿便を取りのぞく などである。
3)これらの療法の中で特筆すべきことは、
★足の故障を治すことである。腎臓の悪い人は100%足に故障があるという。このことは現代医学では無視されているが、甲田博士は何十人もの腎臓患者を治してきた臨床経験から自信持って断言している。足首の故障は腎臓ばかりでなく、風邪やノド、扁桃腺,鼻の疾患にもなりやすいという。
その根拠となっている外国の研究がいくつかある。まず足指の付け根が痛いのは、モルトン氏病と云う。特に親指の付け根が痛いことが多い。次に踝の周囲を押してみて痛いのは、ソーレル氏病と云う。それぞれこの痛みを研究した人の名前がついている。この痛みは左右の足を交互に指の付け根から踝へ、次に膝へ、更に股関節へとどんどん上の骨格に影響を及ぼし、最終的に首の曲がりに行き着く。
もう一つの研究はスペインのツルーエタ博士は1941年のドイツからロンドンへの空襲の時に、ロンドン市民で足に怪我した人が皆腎臓病になったのことから、更に動物実験で、足の故障と腎臓病のことを研究して、1947年にその成果を世界に発表している。
★断食によって、宿便を取ることである。これも現代医学では無視しているが、宿便の害を取り、腸内環境をよくして、善玉菌を増やし、きれいな血液を作ることが肝要という。
★食事療法の重要さである。玄米、生野菜中心の少食である。そして甘いもの、酒は避ける。
大食、甘いもの、酒の多食、多飲の人は足に故障が起きることを、多くの臨床経験の中で確認している。
★背骨の歪みを直すこと。特に胸椎の10番の歪みを正す。
10.まとめ
1)いま子供の腎臓疾患が増えていると聞く。運動不足、甘いものの摂り過ぎ、高脂肪、高たんぱく食、および加工食品の食品添加物などが影響しているためだろうか。確かに今の子供は姿勢が悪いのは骨が弱いためだろう。
2)足の血流が悪いと、ヘソから下の腎臓、膀胱、前立腺、子宮筋腫、痔などの疾患に罹り易いと言われている。その訳はこれらの臓器や器官の血流は足の血液循環によって左右されているからである。特に太腿の内転筋が衰えると、これら臓器や器官への血流が滞るため、機能が低下する。
3)東洋医学の経絡の腎経が足の裏から踝を経由し、脚から下腹部へ繋がっていて、足に故障があると気血が上へスムーズに流れない。
4)この本にある治癒した体験談を読むと、現代医学に見放された人が、甲田博士の指導の下に、涙ぐましい努力をして、健康体に復帰した喜びの話には感動する。
5)足の故障は万病の基という。足の親指の付け根、足くるぶし、膝、股関節に違和感がないだろうか。これまでに足首をねん挫した覚えがないだろうか。今は痛みが無くても、断食をすると、治癒反応として痛みが出てくる。医者は健康のために、散歩を勧めるが、こんな人が散歩するのは、とんでもない話である。95%の人は足に何らかの故障があるというから、それを治してからにした方が良い。
おわり
認知症になる人ならぬ人 By 豊岡倫郎 氏 2018-12-23
1、認知症が増えている
今日本に65才以上の人が3500万人いる。そして65才以上の高齢者で認知症の人が460万人、軽度認知症(MCI)が400万人いるという。いかに認知症の人が多いかが解かる。平均寿命が延びるのは結構な話ではあるが。認知症になる人とならない人の違いは何だろうか。
2、認知症の種類
認知症の主なものは、4種類あり、アルツハイマー型が60%を占め、脳血管性が15%、レビー小体型が15%、ピック病が5%占めている。しかし別の報告ではアルツハイマー型が更に増えて68%を占めているという。
3、認知症の症状
どんな原因から発症した認知症でも、中核症状といって、四つの症状が知的機能の低下によって現れる。
★覚える能力が衰える記銘力障害
★覚えたことを忘れる記憶力障害
★簡単な計算ができない計算力障害
★人や場所の見当がつかない見当識障害
上記に付随して起こる症状としては、人によって異なるが、次のようなことがある。
★自覚性の低下で依存心。
★うつ状態。
★意欲の減退。
★不安感や焦燥感など情緒障害。
★暴言や暴力など人格の変化。
★話さない。
★妄想。
★幻覚。
★徘徊。
★食行動異常。
★睡眠障害。
4、三大認知症の原因
最近は検査機器や検査方法が進歩して、どのタイプの認知症か、以前よりもその原因も明らかになりつつある。
★アルツハイマー型認知症が一番多いので、簡単にその発症のメカニズムを説明
すると、50歳前後から脳にβ-アミロイドというタンパク質の蓄積が始まり、
60~65歳ころから神経原線維の変化や神経細胞の脱落が始まり、老人斑という
シミが出来る。
その後「リン酸化タウ」と呼ばれる物質が蓄積し、脳神経の原線維変化と呼ばれる
繊維状の塊が出来て、これが蓄積すると、毒性を発して、凝集することによって、
やがて神経線維が死滅してゆく。
次に70歳ころから、脳の海馬周辺に病変が発生して、軽度認知症(MCI)と診断される
状態になる。
さらに80歳前後から大脳新皮質にも進行して、アルツハイマー病と診断される。
これらを発症する年齢や進行度合いや症状の程度は当然人によって異なるが、
自覚症状がなくてもその始まりから認知症と診断されるまでの期間が20年から
30年と非常に長いことである。
★脳血管性認知症は動脈硬化が進み、脳卒中などで、脳の神経細胞が破壊されること
によって、発症する。
★レビー小体型認知症は大脳皮質などの神経細胞にレビー小体という特殊な物質が
溜まり、細胞が死滅する病気である。
5、三大認知症の症状
1) アルツハイマー型認知症
★初期的症状
・少し前のことを忘れがちになる。
・話の内容につじつまが合わないことが多くなる。
・些細なことに腹を立てるようになる。
・意欲がなくなって、うつ状態になる。
・「お金が盗まれた」など、ありもしない妄想をする。
★特徴的なことは、
同じ話を何度も繰り返す。化粧、料理、買い物をしなくなる。日付、曜日、住所がわからなくなる。食事をしたことをすぐに忘れる。外を徘徊する。
2)脳血管性認知症
★初期的症状
・物忘れが多くなる。
・頭痛や手足のマヒ、しびれを訴えることもある。
・感情の起伏が大きくなる。
★特徴的なことは、
・高血圧、糖尿病、心疾患といった脳の血管に影響を及ぼすような持病がある。
脳卒中を起こした後に発症することが多い。泣きじょうごになったり、
怒りぽくなったりする。夜になると感情の起伏が激しくなり、別人のような行動
を取ることがある。
3) レビー小体型認知症
★初期的症状
・物忘れがひどくなる。
・「壁に虫がはっている」など、実際には存在しないものが見えるようになる。
・表情が乏しくなる。
・風邪薬を飲んだだけで寝込むなど、薬に敏感になる。
★特徴的なことは、
・表情が乏しく、無口になり、前かがみで、腕を振らずに歩くようになる。
薬に敏感になり薬を飲んだ時に、激しい吐き気を催したら、レビー小体型認知症
の疑いが濃い。
6、その他の認知症の種類
★ピック病(前頭側頭型認知症)、アルツハイマー型と脳血管性の混合型、慢性硬膜下
血腫、正常圧水頭症などがある。
7、アルツハイマー型認知症の治療法
★薬物治療法としては、
・神経伝達物質であるアセチルコリンの量が低下するのが発症原因とする説に
基づき、アルツハイマー病の進行を遅らせる薬として、製品化されたのが
「アリセプト」(ドネペジル塩酸塩)である。しかしその効果は進行を遅らせるに
留まる程度で完治は難しいようだ。
・その後治療薬開発の焦点は、如何にしてβ-アミロイドの蓄積を抑制させるか、
あるいはリン酸化タウの凝集を抑えることが出来るかなど、いろいろな観点から、
研究が進められているが、アルツハイマー病を根治させる薬の開発までには至って
いないようだ。
8、認知症の非薬物療法
薬に頼らない非薬物療法も重要な治療法として、認められている。例えば、
・音楽療法では、楽器をたたいたり、歌を歌ったり、好きな歌を聴くなどして、
脳を反応させる。
・回想法では、過去の思いでを蘇らせたり、会話によってたのしさを引出し、
情緒の安定をはかる。
・運動療法では、理学療法士の指導の下に、自立心を養い、体力を付けて、脳を
始めとして、血流を促して、精神的安定を図る。
・美術療法では、絵を描く、造形物を作るなど創作活動によって、五感を刺激して、
認知機能の改善を図る。
・アニマルセラピーでは、生きている動物と接することによって、動物に対する愛着
や優しさを持つことで、情緒を安定させる等いろいろ行われている。
以上、非薬物療法もいろいろある。
9、認知症を防ぐには
どんな病気にも言えることだが、「予防に勝る治療法はなし」という文句を切実に感ずるのがこの認知症の場合である。というのはそもそも何故脳にβ―アミロイドやリン酸化タウが蓄積するのか、明らかにされていないから、予防法の方策が見つからない。
ここでは認知症の予防に効果があると言われていることを列挙すると、
★ボケない生活習慣とは
・バランスの良い食事をする。魚や野菜をよく食べる。少食にする。
・便秘しない。腸内環境を良くし、免疫力を高める。
・体をよく動かす。散歩や運動をする。
・夢中になる趣味がある。知的活動で、脳の血流をよくする。例えば楽器の演奏、
囲碁や将棋、日記をつけるなどする。
・友人がいて、外出したりして、人とおしゃべりする。
・生きがいや夢持ち、前向きな気持ちで生活する。
・ストレスを溜めない。いつまでも悩みを抱えない。
・人を頼りにせず、自分で出来ることは自分でする。
★体に悪い生活習慣とは
・大食する。高脂肪高蛋白の食事。喫煙。飲酒。甘いものを沢山食べる。
・食品添加物の入った加工食品を摂っている。
・便秘や宿便があると、腸内の炎症を起こして、リーキーガットと言って、
ただれた腸粘膜から未消化の異物や毒素が血中に入り、体内のいたるところに
炎症を起こす。
・歯周病があると、口内細菌が全身を巡り、脳細胞にも炎症を起こす。
・趣味などなく、テレビを見て、家に閉じこもっている。
・睡眠不足であると、脳細胞のタンパク質の代謝が不全になる。
・体を動かすことが少ない。運動しない。
・いろんな人達と交流しない。家族から離れて孤独感を持っている。
・いろんなことに興味を示さない。進取の精神に欠けるから、廃用性の法則が働き、
脳細胞が怠けだす。
・生きがいや生涯の目標を持たない。
・いつも何かストレスや悩み事を抱いている。
・姿勢が悪く、体が歪んでいる。
・認知症を促進させるような持病がある、例えば、高血圧、肥満、甲状腺低下症、
動脈硬化、糖尿病など。特に糖尿病の人はそうでない人に比べて4.6倍認知症
になりやすい。
・他の病気の薬を服薬している。
★その他最近話題になっている治療法や予防法を列挙すると、
・水分を充分取る。
・イチョウの葉のエキスを摂る。ドイツでは有名で脳血管性の認知症に効果あり。
・玄米に含まれているフェルラ酸が老人斑の形成を抑える。
・活性酸素やAGE(終末糖化産物)を発生させるような生活習慣を改める。
・ウコンに含まれているクルクミンに抗アミロイド生成作用がある。
・少食や断食による効果はすごい。
即ち、便秘や宿便を解消し、腸内環境を整えることによって、腸の粘膜のただれが修復されると、消化不良の異物や毒素も血中に取り込まれることもなくなり、体内での炎症も収まる。また血中に入った毒素によって脳神経の働きが鈍り、脳の血管を膨張させていたのが解消されて、脳の働きが活性化する。
更に効果的なのは少食や断食によって、体内の全細胞に飢餓感を与えて、細胞の宿便ともいわれるカスや老廃物が清掃される。即ち脳細胞や神経組織に蓄積されていた毒素も自己融解してゆく。
従って便秘や宿便が無くなった後の腸内では少食でも以前より効率よく食べ物が吸収されて、綺麗なサラサラな血液が体内に循環することになる。
・認知症予防に良い食べ物は、玄米少食にし、活性酸素を抑えるビタミンB、E、C
の多い食品、DHAの含まれる青皮の魚、大豆製品、ゴマ、海藻、生野菜ジュース
など。
10、まとめ
1)認知症になりたくない人は、たばこ、酒、甘いもの、大食、高脂肪高たんぱく食、
運動不足、知的活動不足はタブーである。この病気の恐ろしさは30年前後経過
してから発症するから如何に日頃の生活態度が重要かを認識しないといけない。
2)今回あげたような症状が出たら、すぐに専門医に診てもらい、初期の段階で対策を
講じれば、進行を止めたり、治療することもある程度可能な時代になってきて
いる。
3)厚労省の調査では、2025年には700万人の認知症患者が発生すると予想して
いる。こんなに増えては、本人はもとより、それを介護する人も大変である。
4)一番の問題点は厚労省も個人一人一人もこの認知症のことについて、何ひとつ
具体的な予防のための歯止めの行動を起こしていないことである。
おわり
寒霞渓
講演会の翌日は遠方から来たお客さんを観光案内へ。
今年は小豆島へ行くことに。
昔は春のオリーブマラソン、秋のタートルマラソンに毎年参加していたから年に2回は訪れた島だった。
今はマラソンを止めてもう 5~6年になるから、久しぶりの小豆島訪島。
高松港から出航して約一時間で土庄港に着いた。
前にはなかった大きなオリーブの葉をモチーフにしたモニュメントがあった。
いつできたのだろう?
観光スポットはいろいろあれど、まずは寒霞渓へ行こうという事になった。
車を走らせていたら、白い巨大な観音像が見えて来た。
予定にはなかったが、あまりに迫力満点で、立ち寄る事にした。
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この像は小豆島大観音佛歯寺と云うお寺にあり世界一美しい観音様といわれ、
別名を「幸せ観音」と言うらしい。
↓ この観音様について、ウキペディアから
スリランカの仏教聖地・キャンディに位置する佛歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)から
1985年に釈迦の犬歯を寄贈されたのをきっかけに、大観音像を建立。
1994年に竣工、1995年に公開された。
大観音像の高さは明らかにされていないが、約50~60mといわれる。
胎内には本尊をはじめ、寄贈された約1万体の胎内仏が並ぶ。
エレベーターで胎内を登ると、仏歯を納めた仏歯の間に至る。
ここからは瀬戸内海や岡山港を望むことができる。
せっかく来たのだからと、胎内に入る。
エレベーターがあって、あっという間に観音様の胸あたりにある展望窓がある部屋に至る。
曇りはじめていて景色は今一だったが紅葉の様子が一望できた。
観音様を後にし、紅葉たけなわとまではいかない赤や黄色の木々をかいくぐり寒霞渓へと辿る。
ロープウェイの山頂駅には月曜日というのに結構な観光客で賑わっていた。
↓ 国立公園・寒霞渓を少しご紹介
寒霞渓は「日本三大渓谷美」のひとつと称され、東西8Km,南北4Kmにわたり奇岩怪石がひろがり、春の新緑,夏の深い緑,秋の紅葉,水墨画を思わす冬と四季それぞれの色合いとのコントラストは他に類を見ない素晴らしさです。
また、ロープウェイで片道5分の空中散歩によっても渓谷のすばらしさを堪能できます。
↓ 寒霞渓山頂の紅葉
空中散歩もしたいとのご希望で、ロープウェイに乗ることにした。
ロープウェイで山頂から下ってまた上る経験は初めて。
↓ ロープウェイから見た風景
↓ ロープウェイ 「こううん駅(紅雲亭)」に到着
寒霞渓の紅葉を満喫できた旅でした。
第18回健康を求めて 講演会
去る11月11日、坂出市市民ホールにてNPO法人健康を考えるつどいが主催する健康講演会が開かれた。
毎年この頃は季節も良いこともあって、各地でイベントが目白押し。
今年は果たして何人くらい聞きに来てくれるのだろうと心配!!
結果は約300人もの方々に来場頂いた。感謝!感謝!である。
坂出市民ホールも来年3月には閉鎖される事が決まっていて、このホールでの開催は最後となる。
↓ 市民ホール 正面
↓ ホール内では坂出健康会館のスクール教室活動のフラワーアレンジメント教室
の作品展や絵手紙教室の作品展の展示
↓ 健康教室でオカリナ教室を指導される赤尾先生指揮による演奏会
↓ 同じくコーラスの指揮も。
2018年 健康への道しるべ 講演会
2018年9月28日(金)、静岡県男女協同参画センター あざれやにて「健康生活研究会」主催の講演会が開かれた。
代表は、増田 桂子氏。NPO法人健康を考えるつどいもこの講演会を共催している。
↓ まず開会に当たり、主催者挨拶。
今回の演題は「食」と認知症、講師は東京で渡辺医院を開業する渡辺完爾先生。
「認知症は予防可能な病気です」から、講演が始まった。
↓ 渡辺先生の講演。
認知症には大きく分けて、
■ アルツハイマー型認知症
■ 脳血管性認知症
の二種類があり、日本人の約60%はアルツハイマー型と言われている。
平均寿命が延びている中、急増している認知症ですが、全ての人がかかるわけではありません。
脳の萎縮は誰にでも起こりますが、多くの場合は脳神経のネットワークシステムが萎縮を補完し、認知機能が保たれています。
この神経システムの機能は、脳を使えば使うほど活発になり、脳が活動する事によりできる”脳のゴミ”をきれいに洗い流すことができる。
この”脳のゴミ・アミロイド β”の蓄積がアルツハイマー病発症の引き金と考えられ、その予防には、脳に知的な刺激を与える事と食事が大切 。
認知症になる人とならない人の最も大きな違いは、日々の食生活がその鍵を握っている。
地中海食が認知症予防にお薦め・・・と説く。
地中海食の特徴は、
また腸内細菌も認知症予防に関係があり、その改善をはかる事で効果が出る。
腸内細菌改善方法のひとつに「断食をして腸内最近を飢えされる」と言うユニークな方法がある。
断食の有効性は、
絶食により脳内に蓄積したアミロイドβが自己貧食されると考えられてきたが、
さらに絶食で神経幹細胞が活性化する事により神経細胞が新生して認知機能が改善すると言うメカニズムが示唆された。
植物性食物への食習慣の転換が必要。
耕作放棄地の活用
「耕作放棄地」は今や深刻な問題となっている。
昭和60年(1985年)、日本全体の耕作放棄地は13万5千haで放棄率2.9%だったのに対し、
平成22年には、それが39万6千haと約3倍にも増え、放棄率も10.6%となった。
柿の葉茶(商標登録 ”柿茶”)を製造販売している(有)生化学研究所の工場がある香川県でも、平成22年の耕地放棄地は1,661haで、この15年間に2倍以上と増加傾向にある。
また放棄地は生産物価格の長期低迷や栽培管理の条件が不利な山間部の果樹園等で多くなっており、香川県でも昔、柿を栽培していた果樹園も今は荒れ放題で実をつけても全部が「木守りの柿」ならぬカラスの餌となっている。
69年間にわたり徳島産の柿の葉を「柿茶」として製造販売してきた同社だが、そんな地元の柿も活用しようと商品化に数年間から準備してきた。
そして、やっと現実のものとなった。
でもこれはほんの始まりであり、今後の拡大が期待される。
ハチミツ
柿茶で日本蜂蜜をネット販売している。
徳島県のルネサンスなる農業団体より仕入れているが、とにかく採れる量が少ないので仕入れてもすぐ売り切れる。
今年も蜂蜜を採取するから見に来ないかとのお誘いがあった。
↓ 活動拠点の事務所
巣箱は山にもあるが、事務所の裏にも 5箱置いてある。
↓事務所裏の巣箱のひとつ
↑ すだれ避暑対策をしているんだとか。
↓ 巣箱はセイロのように段積みされていて、一年に一度最上段の巣から蜂蜜をとる。
↓ 上の天板を取り外したところ ⇒ 蜜蝋の中に蜜がいっぱい
↓ 養蜂セイロをはずして箱ごと容器に。
↓ 蜜がいっぱい詰まっている、美味そう!
↓ 突然巣箱を開けられ、パニックになった蜂団子、初めて見た。
↓ 蜜蝋を取り除いたセイロの中
↓ 蜜蝋から染み出した蜜、これを遠心分離機にかけて蜜だけを採取する。
↓ 遠心分離機と採取された蜂蜜
取りたての蜂蜜を舐めさせてもらった。甘い~
甘い~。
焼きたての食パンにも蜜を塗って食べさせてくれた、美味い
テレビの人気番組で蜜蜂の飼育方法が紹介されたのをきっかけに、趣味で日本に住む野生のミツバチ”日本蜜蜂”を飼育する人が増えていると言う。
この日も 5~6名の養蜂希望者が見学に来ていた。
ハチの飼育で 蜜をプレゼントしたり、買ってくれる人がいて、ハチが取り持つ縁でつながりの輪が広がっていくと言う。
飼育方法はこちら ⇒ 日本蜜蜂の飼育方法
面白い話を聞いた。
養蜂するには、毎年春先にニホンミツバチの群れが、1群れから2群れに分かれる時が唯一のチャンス。
だから年に一度しか機会はない。この群れが分かれる事を「分蜂」と言う。
春になると、新しい女王蜂が生まれる。
すると、その母親の女王蜂は、働き蜂の約半数を連れて巣を飛び出し、新たな場所に巣を作る。
そう 母親が巣を出て行く。ミツバチの世界では姑が家を出る。
何と立派な事か、人間の世界もこれがいい と即、思った。
この習性は、ニホンミツバチが子孫を残す上で実に合理的な生き方とか。
自然界で群れが1年間生き延び、分蜂の時期を迎えるのはそう簡単なことではなく、巣を作っても崩れることもあるし、外敵の熊やオオスズメバチに襲われるという心配もある。
だから冬を越して春を迎えることのできた群れは、外敵の侵入にそれなりに強くなっているし、周りに十分な蜜源があって、何かと有利。
それで、ニホンミツバチの世界では、より若く寿命が長い次の世代に良い家を継がせるのだとか。
↓ の写真は、分蜂の時に出てきて一時待機している群れ。
女王蜂が巣を出ると半分程度の働き蜂もお供すると言う。
。
このあと新しい巣を見つけようと一斉に飛んで行くらしいが、
正にこの時、新米の養蜂家が準備した新しいセイロ巣を選んでくれるか??? である。
ここにベテラン養蜂家のノウハウがあるに違いない。
始めたいけど、こんなチャンスの場所も日時もうまく探せるかなぁ~???