健康を考えるブログ

カテゴリー別アーカイブ: 西式健康法

健康へのトビラ Vol.34 2023年5月1日 発行

法人の住所、連絡先 ↓

〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441  FAX:0877-45-8444

今回の記事は、

1、連載健康情報 By 豊岡 倫郎 氏 『春の体調管理』

  「体がだるい。疲れが取れない」ときは鈍重肝臓かも ?

2、話題の著書紹介 稲垣 栄洋 著「 面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ 」 

3、甲田光雄先生 「断食と慢性肝炎(2)」

4、健康インタビュー 佐野 典子 先生

 「正しい自彊術を次の世代に伝える 」

5、暮らしのワンポイント 『 さりげない日々の中に 』

6、ふるさとの風景 高松港の現代アート

7、暮らしを彩る花 『 ハナミズキ (花水木)』

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音楽療法のすすめ By 豊岡 倫郎 氏 2023-5-29

1.音楽は生活に密着

太古の昔から人間の生活の中で、儀式や信仰に必ず音楽が取り入れられて、現代に引き継がれてきた。ギリシャの賢人アリストテレス(BC384~322年)も言っている。「音楽は人間の魂を揺り動かす効果がある」と。現代では音楽は楽しみやストレス解消だけでなく、医療効果も大きいことが分かってきた。

第二次世界大戦時に、米国は大量の傷病兵のいる野戦病院で音楽を流したり、演奏してみたところ、兵士の治癒が早まった。そして1950年に米国に全米音楽療法協会が発足して、広く社会に認知され、広まっていった。

最近では、牛に音楽を聴かせるとミルクの出が良くなるとか、トマトの栽培温室で音楽を流すと、甘みが増すとか、酒蔵では酒の醸造期間が短縮されることなどが確認されている。耳のない植物や微生物に、音が影響を与えるのだろうか。それは空気の振動がそれらの生き物の細胞内の水に伝って、周波数の合った良い音の波動ならば、細胞を活性化させるのだろうと言われている。

2.音楽療法の普及

いま日本でも音楽療法の研修、研究機関を設ける大学や自治体も増えてきている。日本音楽療法学会も出来ている。音楽療法士は、その名前の通り音楽を通して高齢者や障害者などの心身のサポートを行います。 音楽療法とは、歌を聴いたり、歌ったり、楽器を演奏したり、音楽に合わせて体を動かすなどのプログラムを実施することで、心身を整えるリハビリテーション法の一種となっている。

3.生活に溶け込んでいる音楽

音楽と言っても、聴く、歌う、演奏する、の3種類に区分けされ、自分の好きな曲を聴くのを楽しみにしている人、みんなで楽しくカラオケで歌うのが楽しいという人、また自分で好きな曲をピアノやギターで弾いて、楽しんでいる人も多い。生活に潤いを提供してくれている事間違いない。

4.カラオケ健康法のすすめ

カラオケが心身に健康効果をもたらすことが解ってきた。その効果とは・・・。

1)ストレスの解消。声を出して、好きな曲をおもいっきり、歌えば気分もすっきりする。脳が刺激されて、脳内からエンドルフィンやドーパミンなどの幸せホルモンが出て、陽気になり、ストレスも解消される。

2)筋肉を鍛える。腹の底から、腹式呼吸を意識して歌うと、腹筋や横隔膜、胸筋が鍛えられる。口先だけでなく、腹筋をへこませることを意識して歌う。内臓のマッサージにもなる。

3)ダイエット効果。腹式呼吸でカラオケを1曲歌うと、発声運動と呼吸運動、腹筋運動によって、100メートル走ったのと同じ位のカロリーを消費する。

4)血液循環を促進する。発声と呼吸、腹筋運動で血液が収縮促進して、血液循環が良くなり、心臓の働きをよくする。腹式呼吸と相まって、有酸素運動効果もある。

5)新陳代謝が良くなる。血液循環が良くなることで、血管や内臓の老廃物を浄化してくれる。

6)自律神経のバランスを整え、免疫力がアップ。歌い慣れてくると、程よい緊張とリラックス感がバランスをとって、交感神経と副交感神経が平衡するので、免疫力がアップする。

7)若返りと認知症を予防する。昔の歌を歌うと、昔のことが蘇ってきて、脳が活性化してくる。歌うことで、情景をイメージしたり、歌詞を覚えたり、音程を判断し、音感を訓練することなどして、脳を刺激し、血流が良くなって、認知症の予防になる。ある大学の研究によれば、音楽のリズムは左脳に、音色とメロディは右脳へ作用し、また前頭葉や側頭葉にも作用し、記憶力の向上につながるという。

8)歌う仲間が増えて、コミュニケーションしながら、楽しめる。

9)嚥下機能アップ。口の周りの表情筋を動かすことで、唾液が増えて、口内環境が整う。発声するとき、喉の周りの筋肉を鍛えることで、誤嚥性肺炎防止になる。

5.楽器演奏のすすめ

楽器の演奏は能動的音楽療法として、歌を歌うこと以上により健康効果が大きい。その効果とは・・・。

1)楽器の種類にもよるが、例えばピアノやキーボードの演奏では、両目で楽譜の左手と右手の二行分を瞬時に見て、両手のそれぞれの指を動かし、出た音も耳で聴きとるなどの一連の操作には、脳が今までに体験したことの無い判断が行われるから、脳の視覚、聴覚、運動野などの血流が活発となる。認知症の予防になる。

2)手を動かすことも脳の血流を良くする。手には6種類の経絡があり、ツボを刺激してくれるから、心身の働きを活性化させてくれる。

3)フルート、オカリナやハーモニカの演奏は呼吸器を動かすので、有酸素運動になる。

4)当然リズムとメロディも楽譜に合わさなければならないので、脳は休む暇がない位活性化する。記憶力も向上する。

6.音楽を聴く効果

1)一番生活に密着しているのは、音楽を聴くことである。人間が聴きとることができる周波数は20~20000Hzで、男性の話声は500Hz、女性は1000Hz位である。

2)どんな音楽を聴くと体に良いのか。高い音は脳に響き、低い音ほど腹に響くという。音と背骨は密接な関係があり、首から上の頭頂部には4000Hz以上の音が反響、頚椎は2000~3000Hz、胸椎は750~2000Hz、腰椎は250~500Hz、尾骨は250Hzに反響するから、体の癒しに応じて曲目を聞き分けるのが良い。

3)モ-ツアルトの曲は3500Hz以上の高周波が豊富に含まれていて、大脳に刺激を与えて、

副交感神経が優位になり、コントロールしている免疫系、脳神経系、ホルモン系、血液循環系の生体に良い効果をもたらす。例えばモ-ツアルトの曲では・・・。

脳神経系疾患の予防にはセレナード第13番ト長調K、血液循環系疾患予防には12のドイツ舞曲より第3変ロ長調K、免疫系疾患の予防にはバイオリン協奏曲第2番ニ長調Kなどがお薦め。

また別の作曲家の曲では、不安神経症にはベルクの抒情組曲、胃腸障害にはブラームスのピアノトリオハ長調、うつ状態にはリストのハンガリー協奏曲第2番、心身疲労とストレスにはグルックの精霊の踊りなどお薦めとなっているから、関心のある方は一度聴いてみるとよい。,

7.音楽のある生活

好きな曲を聴けば心は癒されるし、自分の好きな曲をピアノで演奏してみたいと思えば、キーボードを買って、手軽に実行に移せる。誰でもスマホやパソコンを操作できる時代になった。You-Tubeでカラオケを流して、歌が歌える。これを機会にもっと音楽のある有意義な人生を意識的に始めるのもよいのではなかろうか。

おわり


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誤食が病気を招く By 豊岡 倫郎 氏 2023-4-26

1.病気の原因

病気の主な原因は、日々の食生活や運動、喫煙・飲酒の有無といった生活習慣である。特にガンや糖尿病、脳卒中心臓病、肥満、高血圧などの病気で命を落とす人は、いまや日本人の2/3以上となっている。今回は医食同源の本質とは何か、今一度反省し、改めないと病気は減らない。

2.日本人の食生活の問題点

食生活の変化・・・戦後1945年後の我々の食生活は激変した。今100歳以上の人は大正10年(1921年)以前に生まれた
人達であるが、
体の成長が完了する青少年時代には、パンもなければ肉もなし、牛乳もなし、甘いお菓子や飲み物もなし、そんな時代に育った人達が百寿者となって、平均寿命年齢を押し上げて、世界の長寿国となっている。しかし今の人達の生活習慣は激変してしまい、昔の面影が見られない。石原結實著「日本人はもう55歳まで生きられない」を読むと、その訳が書かれている。一言でいえば、飽食が原因であると。

3.食生活の基本原則

  • 身土不二・・・その土地で採れるものを食べる。
  • 全体食・・・身も皮も、根も茎も葉も、骨も内臓も、出来れば丸ごと食べる。
  • 新鮮で、旬のもの・・・季節のもの、採りたての新鮮なものを食べる。
  • 生食・・・生きたものを食べる。命のあるものを食べる。火食ばかりしない。
  • 酸性とアルカリ性食品・・・バランスを保った食べ方をする。
  • 常温食・・・熱すぎるものや冷たすぎるものは食べない。 

4.食ベ方の基本

   1)少食・・・出来れば1日2食。腹8分。

 2)食間・・・5時間以上開ける。胃に物があると、腸は働かない。病人は間食をしない。

 3)咀嚼・・・一口30回以上噛む。病人は50~100噛む。

 4)主菜・副菜・・・玄米食の時は、主菜60%、副菜40%。一汁三菜。 

5.何を食べるべきか

人間の歯は全部で32本あり、その内訳は臼歯=20本(62.5%)、門歯=8本(25%)、犬歯=4本(12.5%)であり、臼歯:門歯:犬歯の比率は5:2:1になっている。このことは〝穀物5に対して、野菜・果物を2、
魚や肉を1という割合で摂る事
を示している。

6.季節の旬の食べ物

1)春

雪が解けて徐々に暖かくなってくる春は、フキノトウやウド、ワラビ、タケノコなどの山菜類が旬を迎える。まさにこの時季しか味わうことできない「春の味」といえる。アスパラガスや春キャベツ、新たまねぎなども旬。冬の間に栄養や旨味を蓄えた春野菜は、甘みが強いものが多い。春が旬の魚介類には、マダイやイワシ、ニシン、カツオ、アオリイカ、アサリなどがある。特にマダイやニシンは、産卵に向けて栄養を蓄え、身が厚く脂がのっている。

2)夏

日差しが強くなり気温が高い日が続く夏は、トマトやレタス、きゅうりなどの夏野菜が食べごろになる。これらの野菜は水分量が多いので、みずみずしく、さっぱりとしていて暑い夏にぴったり。アジやイワシなどの青魚、スルメイカ、マダコなども夏が旬。また、アワビやウニ、岩ガキなどの貝類もこの時季が最もおいしいと言われている。

3)秋

秋は「実りの秋」と呼ばれるほどさまざまな食材が旬を迎える。代表的なものとして、松茸や椎茸、しめじなどのきのこ類が挙げられる。また、さつまいもやれんこん、にんじんなどの根菜類や、柿やりんご、梨、ぶどうなどの果物も秋が旬。秋の味覚として名高いサンマをはじめ、サバやサケ、ホッケなどの魚もこの時季によく出回る。

4)冬

寒さが厳しくなる冬に旬を迎えるのは、鍋の食材としておなじみの白菜や大根。また、ブロッコリーや小松菜などもこの時季に甘みが増して、おいしく食べることができる。冬が旬の魚には、ブリやタラ、アンコウ、ヒラメなどがある。

7.命を守る食べ物とは

  • 主食は玄米。生命力があり、ビタミン、ミネラルが豊富。胃腸の弱い人は、3分~5分搗き。
  • 野菜類は5種類を入れた生野菜汁。大根、ニンジン、レンコン、サトイモ、ジャガイモ、サツマイモ、ゴボウ、玉ねぎ、ねぎ、など根菜類。葉物類はキャベツ、ハクサイ、小松菜、ホーレン草、春菊、レタス、ふき、もやし等。カボチャ、きゅうり、ナス、トマト、ブロッコリー、つる豆、エンドウ、インゲン、ピーマン。キノコ類。ワカメ、昆布、ヒジキ等の海藻類、ゴマ、大豆製品の豆腐、納豆、高野豆腐や小豆類。ショウガ。麩。
  • 発酵食品はたくわん漬け、あさ漬け、郷土の漬物、甘酒、カス漬け、梅干し、味噌、醤油など。
  • 果物類はブドウ、リンゴ、キウイ、柿、イチゴ、ナシ、桃、イチジク、ミカンなど季節のもの。
  • 動物製品は小女子、ワカサギ、しらす干し、鮭、イワシ、アジ、サバ、白身魚、牡蠣。
  • 水分補給はビタミンCの多い柿茶と生水を半々チビリチビリと、
    一日に1.5
    ~ 2.0 リットル飲む。

8.病気を招く食べ物

  • 塩分は一日当たり6グラムまで。●大食は肥満を招くし、消化器が疲弊。●甘いお菓子や飲み物。●冷たい飲み物。
  • タバコは無論のこと、お酒類はほどほどに、病人は厳禁。●牛乳、チーズなど乳製品。●肉製品。●食品添加物の入った加工食品。●マ-ガリン。

9.保守的な発想しかできない人

健康法の講習会で、あれを食べるな、これを食べるな、と言われると、先生にいつもそんなこと言われると、食べるものがないと、開きなおる人がいる。そんな人達はまさに保守的な発想しかできないのである。どうして一歩踏み込んで、いろいろ調べようとしないのだろうか。

10.まとめ

1)最近健康管理に関する話題の病気の3大元凶は慢性炎症、酸化、糖化であると言われている。その要因は大食、肉食、砂糖の摂りすぎ、ストレス、酒、運動不足である。

2)調理法の改善は揚げる、炒める、焼くから煮る、蒸す、茹でる方法に変えることである。

3)油漬け、砂糖漬け、アルコール漬けに陥っている今の若い人達からは百寿者どころか、80歳までも生きられるか疑問である。若い人達には健康管理に意識を向けてほしい。日本人の基本の和食を怠り、やれ焼き肉、パスタ、ラーメン、ハンバーガーと浮かれているのは如何なものか。

4)40歳を過ぎると体のエネルギーの産生分担が解糖系からミトコンドリア系に変わるから、大食してはいけない。欧米食を大食して体をイジメてはいけない。体の悲鳴に耳を傾ける事ができない人には長寿はない。我々は毎日の食べ物で命をつないでいる。誤食しないように。 

おわり  


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病気の予兆を掴み発病を防ぐ By 豊岡 倫郎 氏 2023-3-31

1. 発病前の予兆
未病(みびょう)という言葉がある。紀元前1世紀ごろの中国最古の医学書「黄帝内経」(こうていだいけい)に書かれている言葉で、「優れた医者は発病した後の病気を治すのではなくて、未病、すなわち発病前の病気を治す」とある。発病する前に、体に起きている色々な予兆を掴み、事前にアクションを起こして、病気を防ぐことが、今求められている大事な危機管理のひとつである。

2. 色んな病気に向かっている予兆の数々

1) 糖尿病の予兆・・・小便すると泡ができる。のどが渇く。甘いものを欲しがる。大食する。足がだるい。ボンノクボに赤い斑点が出る。顔の皮膚に粉が吹く。手が赤っぽい。歯が抜けてくる。こめかみの下が膨れている。尿量が多い。脱力感がある。

2) 心臓病の予兆・・・耳たぶに斜めの皺がある。動悸、息切れがする。不整脈がある。顔色が暗紫赤色を呈する。更に進むと蒼白になる。小鼻が小刻みに動く。足、顔、まぶたがむくむ。椅子に座ると、両足を内に交差させる。指先が扇形になる。爪の色が紫色。靴底の前の小指側が減る。肥満体である。

3) 肝臓病の予兆・・・顔色が黄色い、肝硬変では黒ずむ。顔に褐色や蝶形のシミがある。掌に橙色のまだら模様の斑点がある。目の白目が黄色い。体がだるい。昼食後に眠い。夏バテする。よく風邪をひく。小便の色が黄色い。目がかすむ、白目が充血。顔に蜘蛛の足状の赤い模様がある。鼻血が出やすい。爪が割れる。目と目との間に小じわがある。後頭部がかゆい。すっぱいものを好む。イライラしてすぐ怒る。靴底の親指側が減る。筋力低下して関節が弱る。寝つきが悪い。熟睡できない。眉間やこめかみに青筋がある。胆汁の分泌が悪いと、白っぽい便が出る。

4) 腎臓病の予兆・・・足の関節や股関節に歪み。体を左右に振って歩く。靴底のかがとの外側が減る。顔色が黒ずんでいる。目の下瞼が腫れる。目の下にクマ。手ひらが皺だらけ。前首の下に赤い斑点。下膨れの顔。耳鳴りがする。難聴。尿量が少ないか、逆に多い。蛋白や血尿が出る。足がむくむ。おでこが曇る。塩辛いものを好む。ある一点を見つめているような顔つきをする。高血圧になる。若白髪の傾向がある。心配性、悪い方に考える。決断力が鈍い。

5) 胃腸病の予兆・・・口の周りのただれ、口内炎。唇がカサカサして割れる。手指のササムケ。肺や歯の病気がないのに,口臭がする。食欲不振、下痢、便秘、吐き気、胸やけ、腹部膨満感、腹痛、黒いタール状の便。おなかがゴロゴロ鳴る。みぞおちが冷たい。爪の三日月がない。顎に吹き出物が出る。ヘソの4センチ左を押すと痛いのは小腸の炎症。頬に吹き出物。白い顔や黄色味を帯びた顔。冷え症。足のかかとのカサカサは腸の炎症。

6) 循環器系の病気の予兆・・・まぶたに黄色いイボができると、コレステロール過剰。鼻の頭が赤いのは脳梗塞や心筋梗塞、酒飲みの場合は肝機能障害。アキレス腱肥大はコレステロール過多。こめかみに静脈が浮き出ているのは脳梗塞、脳溢血。爪の三日月のバカでかいのは脳溢血に。眉間に縦皺があるのは、高血圧、心臓病に。目尻に青い筋があると脳梗塞に。肩こりが続くと、脳梗塞に。

3. 体の部位別の予兆の数々

1)顔に出る予兆・・・顔を見ただけでその人がどんな病気かを当てた人がいた。自彊術の創始者の中井房五郎、西式健康法の創始者の西勝造、明治時代に時の政府に招聘されて日本に医学を教えにドイツから来日したベルツ博士などがそうであったという。
古今東西観相学や人相学に関する文献が残されていて、現在まで引き継がれてきている。現代になってからの文献の一部を紹介すると。
石原結實著「病気のサインを見逃すな」、猪越恭也著「顔をみれば病気がわかる」、三浦直樹著「顔を見れば隠れた病気がわかる」、樫尾太郎著「顔による診断と治療」、渡辺正著「顔体手相による自己診断」、大村恵昭著「顔をみれば病気がわかる」、李家雄著「図説顔面診治法」などがある。その中から特異なのは樫尾太郎博士の本は古今東西の資料が掲載されているし、西式健康法による治療法が書いてある。また大村恵昭博士の本には、本人が開発した「О―リングテスト」を使って自ら確認した確証の高い資料である。
いずれにしても我々普通の人でも、久しぶりに会った昔の友人、親戚、会社の同僚の顔を見ると、老けたなぁ、元気がなさそうだとか、どこか悪いのではなかろうか、と感じるものである。それほど顔には健康状態が映し出されるものなのである。

2)手に出る予兆・・・手相に関しても古今東西手相学なるものが継承されてきた。その一部の文献を紹介すると。
樫尾太郎著「手相がひらく健康生活」、竹之内診佐夫著「内臓を強くする手のひら健康法」、五十嵐康彦著「ゾーンセラピー手のひらツボ魔法」、大村恵昭著「手の刺激・健康・長寿術」、大熊茅楊著「ズバリ!病気は手でわかる」、王晨霞著「掌で病気がわかった」などは病気の予兆だけでなく、治療にも役立っている。

3)足に出る予兆・・・顔や手ばかりでなく足の裏にも病気の予兆が出る。その一部の文献を紹介すると。
柴田和徳著「足心道」、五十嵐康彦著「足のウラ反射帯健康法」、安東春樹著「足裏のツボ健康法」、柴田當子著「足ツボ健康法」などがある。
中国の漢方には、経絡とかツボによる気の流れと病気を関連づけた医療体系がある。今から10年ほど前に日本でも足ツボマッサージが流行ったことがあった。足裏のツボを押して、あなたは胃が悪いとか、肝臓が弱っているとか言われる。足のウラにはこれら臓器の経絡が通っているから、ツボがあるのである。他に色とか、ふくらみも見て、予兆を判断できる。

4)骨格の歪みからみた予兆・・・姿勢の悪い人は長生きできないと言われている。二本足で歩く人間の宿命見たいもので、どうしても骨格が歪んでしまう。それが病気を呼ぶ。その一部の文献を紹介すると。
磯谷公良著「予防医学」、徳永耕二著「難病を治す背骨療法」、棚田次雄著「背骨ポキポキ健康法」、甲田光雄著「背骨のゆがみは万病のもと」その他多くの先生方の著書がある。
交通機関の発達と自動車の利用で、歩かなくなり、運動不足で、体力が低下した結果、足首の故障、膝関節の歪み、股関節がずれるなどして、その影響が上半身の腰椎、胸椎、頚椎へと波及してゆき、椎骨の間から出ている脊髄神経もマヒして、内臓の機能低下を招く。西式健康法ではこれら骨格が歪まないようにと、金魚運動、合掌合蹠法、木枕を薦めている。

5)その他の予兆・・・ドイツのチール医師の眼(虹彩)診断法、フランスのノジエ医師の耳介(ツボ)療法、ヘッド氏の脊髄神経通過過敏帯による予兆診断法もある。

4. まとめ
「予防に勝る治療法なし」と言うから、前述の予兆がないか一度チェツクしてみては。気になる点があれば、直ぐに医者の診断を受けることが必須である。また体に関する正しい知識を得て、食を正し、体を鍛錬するという基本に対して、軌道修正すべき事がないだろうか。

おわり


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NPO法人健康を考えるつどい が発行する機関誌 33号

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〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441  FAX:0877-45-8444

今回の記事は、

1、連載健康情報 By 豊岡 倫郎 氏 『春の美肌対策』

2、健康ワンポイント特集 話題の著書紹介 第2弾

3、甲田光雄先生 「断食と慢性肝炎(1)」

4、カルチャースクールの案内

5、話題の著書紹介 まつい なつき 著「断食入門」

6、暮らしのワンポイント 『認知症の話』

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ベジタリアン(菜食主義者)が増加  By 豊岡 倫郎 氏 2023-2-27

1.ベジタリアン(菜食主義者)が増加中

ベジタリアンというと、限られた人の食のように聞こえるが、ここ10年ほどで、世界ではベジタリアンが増加の一途をたどっている。何故だろうか。

2.ベジタリアンとヴィーガンの違い

ベジタリアンとは肉や魚類を食べず、野菜、豆類、穀物などの植物性食品を主に食する人達のことで、ヴィーガンとはあらゆる動物性食品を避けて、卵、乳製品も摂らない厳格な菜食主義者をいうが、また動物を苦しめないために、動物製品の皮、絹、毛、など身に着けないという、完全菜食主義である。なおベジタリアンには、食事制限がゆるい魚や乳製品、卵などを食する幾つかの段階に分けられたセミベジタリアンも存在する。

3.世界の国別ベジタリアン(ヴィーガン含む)人口の推定比率

インド 28%、台湾 14%、ドイツ 10%、カナダ 9%、イタリア 7%、
イギリス 5%、フランス 4%、アメリカ 7%、日本 2% となっている。

なおインドは人口14億の80%がヒンズー教で、宗教的意味合いから、比率が高いのである。一方日本は仏教の伝来以降、天武天皇(680年代)の御代に,殺生肉食禁止という詔勅が出てから、肉食をしない時代が約1300年続いたが、明治時代に入り福沢諭吉らの肉食礼賛論が肉食の普及に火を付けた。そして戦後入ってきた民主主義、経営管理、生産・品質管理などと共に、栄養管理面でも、高カロリー・高脂肪高蛋白の欧米食に慣らされて、洗脳されてしまった。今も肉を食べれば元気になる、スタミナが付くと思っている人がいる限り、日本のベジタリアン人口の比率は低いままだろう。

4.今なぜベジタリアン(ヴィーガン含む) が増えているのか

 その理由として考えられることは、

1)健康を左右するのに食生活が重要であり、肉食がガンや生活習慣病の元凶で
 あるということを一般の人にも認識されてきた。即ち健康志向の面から。
今回はこの問題についてのみ検討する。

2)動物の飼育に対する配慮や動物実験の残酷性などからの動物愛護面から。

3)畜産における温室効果ガス排出や畜産のための森林破壊などによる環境保全
の面から。

5.ベジタリアンの歴史 

1)ベジタリアンという言葉はイギリスベジタリアン協会が発足した1847年に
初めて使われた。またヴィーガンは1944年にイギリスでヴィーガン協会が創設されたときに使われたのが始まり。
このように菜食への関心は今に始まったことではない。

2)日本では当時ヴィーガンという言葉は使われていなかったが、桜沢如一氏が提唱したマクロビオティックがある。戦前、戦中、戦後と激動の時代に、玄米を主食にし、野菜や漬物などを副食として、季節、食物、身体の陰陽論の「無双原理」をもとに、食材や調理法のバランスを考えた食養である。門下生の久司道夫氏がアメリカでマクロビオティックを広め、健康推進に貢献して、政府に認められて、その資料がスミソニアン博物館に収納されている。現在は日本CI協会として活動していて、多数の実行者がいる。

3)西勝造氏が自らの体験と東西の健康法を調べ編み出して、昭和2年に西式健康法を公表した。人間が本来持っている自然治癒力を引き出して病気を予防・克服していこうとする考え方から、皮膚、栄養、四肢、精神の四大原則を基にして健康が成り立つているとする総合的健康法である。その基本のひとつの食事療法には玄米食や生野菜療法がある。この西式健康法を基本にして、自らの闘病生活の体験と50年間の臨床治験から断食少食玄米生野菜食中心にした西式甲田療法を完成させたのは、甲田光雄博士である。著書「生菜食健康法」の中の現代医学から見放された患者の治験例を読むと、現代医学の盲点として、食事療法、運動療法の不完全さに気付く。

4)二木謙三博士が玄米菜食を提唱した。東京大学医学部卒。もと東京大学医学部教授、93歳で死去。昭和30年に文化勲章受章。玄米食の普及に貢献した。著書に「健康への道」がある。

6.ベジタリアン(ヴィーガン含む)に抱く不安とは

その不安とは、栄養不足にならないだろうか、健康を維持して、無病長生できるだろうかであるが、そんな不安に答える事例を示すと。

1)静岡県三島市の竜沢寺の僧侶14名の健康調査をしたところ、1日当たりの摂取カロリーが1436キロカロリ―に対して、計算した消費カロリーは2204キロカロリーだった。これでは差引き768キロカロリーが不足している計算になるが、何年も皆元気に修行している現実がある。

2)日野原重明博士は元聖路加国際病院の院長。2005年文化勲章受章。105歳で死亡。1日当たりの摂取カロリーが1213キロカロリ―に対して、計算した消費カロリーは1725キロカロリーだった。差し引き512キロカロリー不足。ただしベジタリアンではなかったが長寿を全う。

3)森美智代先生は鍼灸師として、治療と健康指導に専念。1962年生まれ。難病の脊髄小脳変性症を西式甲田療法で克服して以来、1日に青汁150ccとビール酵母、海藻、ビタミンC、そして水分は柿茶と生水だけの生活を約30間元気に活動している。

このような例はほかにも沢山ある。これらの事実を誰も否定出来ないし、現代医学の医学や栄養学では説明がつかない現実があるにもかかわらず、更に研究して社会に、医学に生かそうとする機運は見当たらない。

7.ベジタリアン(ヴィーガン含む)の効能

1)アメリカで1977に公表された食事と健康に関する通称「マクガバン報告」によって、国民が反省したことは、今までの肉食中心の食事があらゆる病気の元凶となっていたことを認識したことだった。それ以降政府を始めとして、いろいろの機関が食事改善や菜食を推進してゆき、その効果を感じ取ったのである。要するに生活習慣病が減ったのである。アメリカでは数年前からガンに罹る人は減ってきている。ところが日本ではいま年間約100万人の人がガンに罹っている。

なお日本で今やっと肉食が大腸ガン、乳ガン、前立腺ガンの原因だと言われだした。

2)ガン以外にも心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、高血圧、糖尿病、痛風、脂肪肝、アレルギー疾患などが肉食、牛乳、乳製品、卵、砂糖などの大量摂取によって発症に関係しているが、ベジタリアンには無縁の病気ばかりである。

3) ベジタリアンには肥満の人はいない。また食物繊維を豊富に摂れば便通もよくなる。肌もきれいになる。

8.まとめ

今日本は1億総半病人列島と言われている位病人が多い。この歯止めは食生活の改善しかない。しかし「食は現代医療を超えた」にもかかわらず、日本の医学界は食事療法の重要性を無視している。欧米の至る所のレストランでは、ベジタリアン用の食事が用意されている。日本の医学は食事療法の面で20年以上遅れていると言われている。     

おわり


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第161号 心と体の健康生活:令和 5年 1月 25日発行

第161号 心と体の健康生活:令和 5年 1月 25日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間 購読料:2,500円

今回の見開きページは『 皮膚を鍛えよう』

参考文献 「西 勝造著作集」・「 西医学健康原理実践宝典 」より

Mitisiruba


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続 日本人の食と病気の変遷あれこれ(前回からの続き) By 豊岡 倫郎 氏 2023-1-30

前回からの続き

9.安土桃山時代(1500年代後半から)

 群雄割拠の戦国時代に入ると、各地に現れたのは、武力、知力に優れた武将たちであった。領地をめぐり、闘争が繰り返されていった。1568年織田信長が上洛するまで続いた。その後豊臣秀吉が1590年に天下統一をする。この時代医学の進歩はあまり見られなかった中で、僧から医師に転身した曲直瀬道三(まなせどうさん)は東西の医学の文献に通じ、陰陽五行説に基ずく陰と陽のバランスのとれた食事を、日本の土地で採れる米、魚、大豆、野菜をすすめている。そして「養生は与えられた天寿をまつとうし、生を完成させるために必要なのだ」と言っている。信頼を得て、足利義輝、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、毛利元就、明智光秀などに治療を施している。戦国武将の、上杉謙信48歳で脳出血、武田信玄52歳で胃がん、毛利元就74歳で、死因不明、豊臣秀吉61歳で、死因諸説あり、加藤清正42歳で梅毒で死亡。

この時代、千利休が茶道を確立して,懐石料理が生まれ、そこには「一期一会」の精神が生かされている。一期一会とは、その場その場の出会いを大切にする、という意味である。味噌や醤油の製造がほぼ完成した。

1543年に鉄砲伝来、1549年フランシスコ・ザビエル鹿児島に上陸し、ポルトガル、スペインと南蛮貿易が始まると、野菜・果物類では、スイカ、カボチャ、玉ねぎ、サツマイモ、ジャガイモ、トマト、ホーレン草、イチジク、ブドウが国内で栽培され始めた。天ぷら、がんもどきの油で揚げる調理法も生まれた。お菓子では、カステラ、金平糖、ビスケット、パンが伝えられた。鉄砲、火薬、毛織物、絹糸、香料、白砂糖も入ってきた。

10.江戸時代(1603年から)

 1600年関ヶ原の戦いで勝利した徳川家康は江戸に幕府を開いて、285年間続いたその間に、15人の将軍が入れ替わった。

 家康の健康法は、普段は麦ご飯に、みそ汁、おかずが1品か2品で、イワシの丸干しや煮付けをよく食べた。加藤清正や前田利家は玄米ご飯を食べていたと記録に書いてある。当時の武士は麦ご飯か玄米を食べていた。白米に比べて玄米は栄養素が豊富で、カリウム、マグネシュウム、鉄、ビタミンB1,B2、食物繊維が抜群に多いから、またよく噛んで食べていたから、健康効果があつた。

因みに家康は73歳で亡くなった。側近として健康アドバイをしていたのが、107歳まで生きた天海僧正だった。家康にすすめたのは粗食で、粗末ではなく、飾らない食事のことで、その土地の、新鮮な食材を使い、あまり手を加えずに、食べるように助言した。家康が体調を崩したときは、納豆をみそ汁の中に入れたものを食べさせたという。家康の死因は鯛の天ぷらによる食中毒と言われているが、胃か食道などの消化器ガンという説もある。

 戦争の心配もなくなり、太平の世となったこの時代は、食べて体を作ることから、食べて楽しむ時代に変化してゆく。この変化が今までなかった病気を発生させた。食事の枠組みは、米を主食とし、副食は魚や野菜類を食べるという、米中心の食事方法が定着した。しかし玄米ではなく、白米を食べ始めたために、当時「江戸わずらい」と呼ばれた「脚気」が流行し始めたのである。3代将軍家光は47歳で亡くなり、4代家綱、13代家定、14代家茂が脚気で死亡している。

 そして1日に従来は2食だったのが、江戸時代中ごろからは、3食が一般的になった。だから1日3食の歴史はわずか300年しか経過していないのである。そば、てんぷら、握りずし、ウナギなど色とりどりと増えて、店屋、屋台での外食することも増えた。江戸末期には、江戸の町に蕎麦屋が3760軒、すし屋が7000軒以上あった。うどんは好まれなかつた。

 この時代には社会制度も代わり、士農工商という身分制度が出来たが、唯一の例外が、医師だった。誰でも何年も修行して、師匠の許可を得れば、医師になることができた。医師は頭をそり、僧の姿をしいた。治療の中心は、漢方薬と鍼で、大陸の伝統医療に日本の風土、体質に合わせた独自のものが発展した。当時江戸の人口は1000万人くらいで世界一になっていた。人も増え、交流も盛んになると、天然痘、はしかが流行、子供の死亡率が高かった。南蛮貿易と共に梅毒が日本に入ってきて、罹る者も出てきた。蘭学を長崎で学ぶ医師もいて、全国から医学を志す人が師匠の門をたたいた。福沢諭吉も緒方洪庵の門下生だった。

 1713年に「養生訓」を書いた貝原益軒は大学者で、50年間に98部、247巻の書物を著わした。内容には、「命あることに感謝して、節度お守り、旬のものを、脂っこくないものを食べ、腹八分にすること。また病気でない時こそ病気のこと思え、健康を過信せず、予防を心がけるべきだ・・・」と。1774年に杉田玄白、前野良沢が「解体新書」出版している。ドイツ人が書き、オランダ語に訳されていたものを、苦労して、日本語に訳したもの。1804年和歌山の医師華岡青州が世界で初めて麻酔薬を使って、乳がんの手術を行った。有吉佐和子が小説化し「華岡青州の妻」書いている。

11.明治時代(1868~)

 新政府は、当時医学、薬学が進んでいたドイツから明治4年にドイツ人教授を迎え入れ、西洋医学教育を開始した。1876年に東京医学校の教授として招かれたエルヴィン・ベルツもそのひとりで、29年間滞在して、日本の医学発展に貢献した。逸話のひとつに、こんなのがある。草津温泉まで人力車で通っていた時、車夫に、お前は息も切らさず、元気なのは、何を食べているのか。車夫は、玄米とたくあんですと、答えると、肉を食べよと、勧められて、食べたところ、疲れて車が引けなかった、という話。草津温泉にベルツ記念館がある。

 明治28年政府は国家試験に合格して、西洋医学の免許を持たない漢方医は医療行為を禁止された。明治から大正にかけて、コレラ、赤痢、天然痘、腸チフス、結核が流行して、多くの人が亡くなった。日本でも大正7年からスペイン風邪が流行して、38万人が死亡している。明治6年に天然痘の予防接種が義務化されている。明治中頃から末期にかけて、注射器、顕微鏡、X線撮影機が輸入されて、医療技術も進歩してゆく。

明治27年日清戦争が、明治37年には日露戦争が勃発。この両戦争において、陸軍では脚気で31800人の兵士が死亡した。一方海軍では軍艦、龍譲と筑波の乗組員709人の内、死亡者25人だった。この件に関して脚気論争が起きた。陸軍の軍医総監の森林太郎(後の森鴎外)は脚気菌による感染症だと判断した。一方海軍の軍医総監の高木兼寛は食事を白米から麦飯やパンに変えた為に、脚気発生防いだ。森の判断ミスで何万人の兵士が戦わずして、白米で命を落とした。その後高木は慈恵医大や初めての看護学校を創設した。

12.大正時代(1912年~)

 都市部では食の多様化が進んで、牛鍋、カツレツ、カレーライス、トンカツ、コロッケ、ビール、チョコレート、キャメル、バター、牛乳など洋食が普及し始めた。福沢諭吉は咸臨丸に乗って、アメリカへ渡航して、アメリカ人の食事を体験して、日本人の体格にコンプレックスを持ったのか、帰国後に肉食と牛乳をすすめた。学問のすすめならぬ肉食のすすめだった。

 アメリカでは1977年のマクマガン報告による肉食の害を認識し、政府は食生活の改善を進め効果を上げた。一方日本では欧米崇拝の機運が食生活にまで及んだ。食の欧米化は日本人の風土、体質、食性を無視するもので、やれスイーツだ、焼き肉だと、浮かれて、暴飲暴食を止めない限り、病人は減らない。歴史の教訓が生かされていない。2013年和食が日本の伝統的な食文化として、ユネスコに登録された。今の高脂肪、高蛋白の高栄養食が決して健康をもたらしていないことを認識しないのは、何故か。子供の時の学校給食のパンと牛乳で洗脳されたのだろうか。イギリス、ドイツ、フランス、アメリカなどの子供はその国の伝統食を今でも食している。    

おわり


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日本人の食と病気の変遷あれこれ By 豊岡 倫郎 氏 2022-12-26 

1.長寿国の日本はどうして生まれたのか

2013年12月に日本の和食が「日本人の伝統的な食文化」として、ユネスコ無形文化遺産に登録された。世界で長寿国として、一、二位を争っている日本には、伝統的な和食が世界に認められたからだろう。そこで日本人の食の歴史を振り返ってみて、温故知新としたい。

2.食と病気の歴史

1)縄文時代の日本最古の遺跡

日本列島に人が住み始めたのは、島根県にある遺跡から12万年前頃の石器が見つかっている。

これが日本最古の遺跡と云われている。縄文人が大陸から日本に渡来したのは、1万8千年前から3万8千年前という。その頃の代表的な遺跡に青森県の三内丸山遺跡がある。主食はクリ、クルミ、ドングリなどの木の実と魚介類であった。人口は約26万人くらいだったらしい。

2)弥生時代に稲作の伝来

縄文時代に續き、弥生時代が紀元250年頃まで続くが、稲作はこの時代に九州から、近畿、東北地方に広まっていった。人口は約60万人位と推測されている。有名な遺跡に吉野ケ里遺跡、登呂遺跡がある。

紀元前221年に中国では秦が中国を統一して、皇帝として始皇帝か登場した。その時期に噂として広まっていたのが、「東の海に浮かぶ蓬莱島に不老不死の薬を持つ仙人が住んでいる」と。始皇帝は家臣の徐福に命じて、仙薬を探しに行かせたのである。結論として徐福は中国に戻らなかったようであるが、日本には今も徐福伝説が至る所に残っている。佐賀、鹿児島、宮崎、三重、和歌山、山梨、京都、愛知県など沢山あり石像まで建てているところもある。

3)古墳時代(西暦250~)

魏志倭人伝は西暦290頃に書かれたもので、そこには、この頃には稲作をして、魚や野菜を食べていたと記されている。邪馬台国の卑弥呼の存在の記述がある。なお邪馬台国がどこにあったかは今も謎のままである。倭の人は性格が折り目正しく、大変長生きで80歳あるいは100歳まで生きる、と書いてある。当時の日本人が長寿であるという記述は、五世紀に中国で編纂された「後漢書」にも書かれているという。

鉄製の農具が発達して、米以外にもアワ、ヒエ、小麦も作られた。外に小豆、大豆、カボチャ、大根、瓜なども栽培された。結核が弥生時代に大陸から入ってきて、この頃の人骨から多く罹った人がいたことが判明した。538年百済から仏教伝来。

4)飛鳥時代(592~710年)

645年大化改新。天然痘が大陸から入ってくる。鍼灸,按摩、呪術が大宝律令に記載されている。マラリヤ、ハンセン病、チフス、赤痢など発生していて加持祈祷盛んになる。約60種類の薬草が使われる。675年に天武天皇が「肉食禁止令」を発布する。殺生を禁じる仏教の教えによるものだったのか。ただし野生のイノシシやシカは食べることが出来た。700年文武天皇が税として、蘇(そ)作り命じる。これは乳汁を加熱濃縮させた乳製品で、薬や神饌としても使われた。

5)奈良時代(710年~793年)

わずか83年間だが、天然痘が大流行し、大仏や国分寺を建て国家の安寧と民の幸福を祈願した。飛鳥時代からこの時代の貴族は牛乳を飲んでいたし、白米を食べて脚気になる人もいた。

奈良時代の医療は、仏教伝来と共に僧侶が、韓医方や随・唐医方の医学知識をもたらしたことで、僧侶が医師を兼ねていた。鑑真や弓削道鏡も朝廷内で医療に才能を発揮している。

6)平安時代(794年~1185までの約390年間)

808年に日本最古の和薬の処方集「大同類聚集」全100巻が典薬頭の阿部真貞と侍医の出雲広貞によって選集された。これは全国各地の神社や豪族に伝わる処方を症状別に書いたもの。更に 984年に日本最古の医学書、「医心方」(いしんほう)が編纂された。これは宮中医官であった鍼博士の丹波康頼が其の頃日本にあった203種の中国の文献から選集したもので、全30巻、医師倫理・医学総論・各種疾患に対する療法・保健衛生・養生法・医療技術・医学思想・房中術などから構成されている。漢文で書かれていて、全30巻から成る。この本は現在国宝となっている。おでき、腫れものの治療にヒルを用いていた記述がある。この時代、寄生虫のサナダムシがお腹に湧く人も多かった。なお俳優の丹波哲郎は丹波康頼の末裔に当たる。これら二つの選集を槇佐知子女史が独学で全訳している。

時の太政大臣として権勢を振るった藤原道長は糖尿病を患った時に、のどが渇き、葛根を飲んでいたという。しかし病気が進行して、目が見えなくなり、10年あまり苦しんで亡くなったという。源氏物語の主人公のひとりは、藤原道長がモデルといわれている。当時の貴族たちの最期の拠り所は信仰で、やたらにあちこちに仏堂が造営された。そして活躍したのが加持祈祷を行う陰陽師だった。占いを行う人も朝廷の役人として認められていた。貴族の食事は贅を尽くし、接待料理として大饗料理が形成されたが、下級武士は品数が減り、一般庶民になると、質素で麦、アワ、キビ等の雑穀が主食の一汁三菜だった。平安時代の後期になると、天然痘、マラリヤ、赤痢流行する。平清盛がマラリヤで高熱を出して亡くなったようだ。

7)鎌倉時代(1200年代)

この時代に入ると、貴族社会から武家社会に変わって、大陸から留学していた僧侶たちが医学資料を持ち帰り、仏教が大衆に広がり、僧侶が医師として活躍した。武家出身の僧の梶原性全は大陸の医学書を基にして、全50巻からなる「頓医抄」(とんいしょう)を書いている。その中では、「病気を怨霊や神仏のせいにはしていけない、必ず理屈がある筈で、体の構造と働く仕組みを理解する必要がある」と。更に「慈悲の心を持って行えば、たとえ技術がつたなくても、効果があるものだ。欲深く、いつくしむ心のない者が広い知識を持ち、特効薬を山ほど用いても、効くはずがない」とも書いている。

もうひとりこの時代に、鎌倉極楽寺の僧の忍性(にんしょう)がいる。赤痢が流行したこの時代に、病人や貧しい人、孤児らの救済に奮闘した人物で、日本の仏教史上でもっとも衆生救済に尽くした僧とたたえられている。

他にも栄西がいる。栄西は中国に二度留学して、日本にお茶を広めたことで有名であるが、「喫茶養生記」を書いている。この本の中で「健康の基盤は5つの臓器、即ち肝、心、肺、腎、脾がバランスよく働くことである。そのためには、夫々の臓器に対応した味を持つ食べ物を適切に摂取することが大切である」と、食養生を重視している。禅僧による精進料理が広まった。また武士による本膳料理が形成された。これは料理を乗せた一人用の善がいくつも客前に並べられるのが特徴で、二汁五菜が定型で贅沢なものだった。

8)室町時代(1300年代) 今まで一日の食事の回数が2回だったのが、3回になり、品数も増えてきて、主食は玄米の炊いたものとおかずは魚類や野菜の煮物、漬物、梅干しなどを食べていた。味噌や醤油も作られるようになった。昆布だしや鰹節出汁、酢が使われるようになった。大陸との貿易も盛んになり、砂糖が入手しやすくなり、和菓子が作られた。

1467年京の都で応仁の乱がおこり、11年間続き、当時地震、台風、噴火、大飢饉が連続的に起こり、京都だけで8万人以上が亡くなっている。

次回へ続く


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柿茶本舗が新聞に載りました。

2022年12月15日四国新聞記事

ヒト・モノ・ワザ 香川の500社 Ⅲ

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2022 年 12月 スクール予定

クリックすると大きくなります。

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第160号 心と体の健康生活:令和 4年 11月 25日発行

第160号 心と体の健康生活:令和 4年 11月 25日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間 購読料:2,500円

今回の見開きページは『 丈夫な歯は健康をつかさどる』

参考文献 甲田光雄著「 断食博士の西式健康法入門 」より
編集者コメント

「子供の頃から、虫歯の原因は甘いお菓子の食べ過ぎである。時間をかけてしっかり磨きましょう」などと言われてきましたが不思議な事に、しっかり磨いても虫歯になる人・磨かなくても虫歯にならない人がいます。私の周りには80歳を超えても全部自分の歯という人、甘い物が好きで寝る時に飴玉をしゃぶったまま寝ても虫歯にならない人など、色々な人がいます。生まれつき歯の丈夫な人、歯の弱い人もいます。何故でしょう。遺伝も関係あると思います。

甲田先生は「歯の病気は全身病」といわれました。生活習慣が大きく影響するのもうなずけます。歯の隙間には歯ブラシや時には歯間ブラシも必要jでしょう。しかし原因を元から除去することが大事なのですね。虫歯体質を次の世代に残さないためにも、虫歯のできない丈夫な体をつくっていきましょう。


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(続) 間違った健康常識が病気の元 By 豊岡 倫郎 氏 2022-11-29

1.(続)間違った健康常識とは・・・前回の11項目に引き続いて解説する。

12)朝食を抜くと体に良くない。朝食を抜くと、頭脳の働きを悪くし、活力が
抜けてしまう、肥満を招くから、3食しっかり食べなさい。
→これに対して、朝食抜きの2食主義の人達の理論的根拠がいくつもある。

  まず午前中は排泄の時間である。体の生理の法則によれば、午前4時から12時
までは排泄の時間帯である。腸や腎臓は体内の便や尿を
排泄するために活動する時間であるから、空腹が良い。そして昼の12時から
20時までは、食物を摂り、消化、吸収の時間帯である。
夜の20時から4時までは、代謝によって細胞の入れ替わりの時間帯である。
代謝とはある物質が化学変化して、全く違ったものになる
ことである。この代謝を阻害する行為は夜食と睡眠不足である。

  人間の歴史は飢餓の連続で、体は対応して、飢餓に強く出来上がっている。
少食になると、体内の眠っていた遺伝子も発現して、
病気にならず、長寿となる。実際に世界のいろいろな研究機関で、少食にする
ことで、アカゲザルやラットの長命化の実験が報告されている。
日本でも断食、少食健康法で有名な甲田光雄博士の多くの著書でも、例えば
「朝食を抜くと病気は治る」マキノ出版発行で多くの臨床報告が記載されて
いる。

  ただし朝食抜きの2食にするなり、少食にするときは、食べ物の質を吟味する
ことが大事である。ただ栄養があるとか、これだけのカロリーを摂らねばと、
こだわってはいけない。必要なものとは、生命力が有り、ビタミンやミネラル
が含まれているもの、即ち主食は玄米、生野菜汁、大豆製品、海藻、ゴマは
欠かせない。これが甲田光雄博士が治療食として、患者たちに勧めた食事で
ある。普通の保険食では、加えてキノコ、小魚、青魚、根菜類、みそ汁など
である。

  しかし現実はどうだろう。やれグルメだ、スイーツだと浮かれて、
ハンバーグ、焼き肉、ラーメン、ギョーザ、パスタ、スパゲッティ、
白いご飯、白いパンに加えて、間食、夜食の過食が続いている。これでは
生活習慣病が減るどころか、増加しているのも当然である。

13)お茶にはカテキンが多く含まれていて、ガンを予防する。→カテキンとは
タンニンの一種で、抗酸化作用が有って、ガンを予防する 効果があると
云われている。この話の発端は埼玉県立がんセンターが1986年から
11年間に、県内に住む40歳以上の男女8500人を対象に疫学調査を行った
報告にある。それによると緑茶を一日に三杯飲む人の発ガン率を1としたら、
10杯以上飲む人は0.54で、約半分だったという話からきている。

  ところが、その後東北大学医学部の川西正裕教授のグループは、緑茶に含ま
れる約40倍のカテキンを細胞に与えると、通常よりも1.5倍~2倍DNAが
傷つくことを報告している。

  お茶にはカフェインが含まれている害として、不眠症、不整脈、脱水症状、
胃の炎症、交感神経昂進などの弊害が出る。お茶はアルカリ性の為に、
胃液がアルカル性に傾き、ピロリ菌を増やすことになり、お茶を沢山飲む
ことが、必ずしもガン予防につながるとは考えられない。

14)電子レンジを使って料理すると、手軽で便利である。→確かにその通りで
ある。しかし電子レンジで処理したものは、食品が持っている生命力を
失くし、栄養価、酵素、酸素を失い、味も変わる。脂肪分は過酸化脂質に
変わる。生命力を失ったものは命の糧とならない。

15)野菜は煮て食べると、嵩張らないし、柔らかくなり、多くの量を摂取できる。
→確かに日本人の野菜摂取量は少ないと云われている。
しかし西式甲田療法で多くの難病患者の治療に貢献した甲田光雄博士が採用
していた野菜の摂り方は、5種類以上を混ぜた生野菜汁である。
その訳は生の野菜には生命力がある。ビタミンやミネラルが変質しない。
ドロドロにすり潰せば、嵩張らないし、食べやすい。
生きたものは生きたものに養われる、これが生物界の大原則である。

16)ヨーグルトや乳酸菌飲料はお腹の調子を良くしてくれる。
→ヨーグルト飲料が一般に普及してからもう60年以上経った。特に最近は
色々なメーカーが新製品を開発して、「○○に効く」と謳って、その特徴を
宣伝して、競争も激しい。あれこれ飲んでいる人も多い事と思う。

  ヨーグルトとは牛乳に乳酸菌や酵母を混ぜることで、発酵させたものを云う。
最近は牛乳を使わずに、植物性の豆乳などを使ったものも出回っている。

  そこで本当に乳酸菌飲料は腸内環境を良くしてくれるものだろうか。
主に大腸には約1千種の100兆個の細菌が生息しているという。
その内容は善玉菌が2、3割、日和見菌が6,7割、悪玉菌が1割程度で、
バランスを保ちながら、腸内環境を良好な状態にしている。
ところが腸内環境に良くない影響を及ぼすもの、甘い物、肉類ばかりを
食べていると、悪玉菌が増えてゆく。

  ところで製品基準があって、乳酸菌飲料が製品1ミリリットルあたり、1千万個
以上含まれていないといけない。そこで乳酸菌飲料メーカーは善玉菌を増やす
ことが出来ると云って、例えば乳酸菌が200ミリリットルのカップ1杯分で
は、1千万個×200ミリリットルで、20億個になる。しかし腸内の善玉菌の
数を100兆個の25%として、計算すると、25兆個生息していることになる
から、そこに20億個の善玉菌を摂取しても、その比率は0.008%にしか過ぎな
いのである。新しく乳酸菌を摂取しても、数と質の種類によって、腸内環境
をどれだけ改善してくれるか疑問符が残る。また人それぞれ食生活が異なる
し、どんな乳酸飲料がその人の体に合うかも
判らないし、菌が腸に定着しないという面もあるから、未知数なことが多い。
そもそも日本人には伝統的な味噌、醤油、粕漬け、
糠漬け類が地方毎に存在し、食されているから、伝統食を無視できない。
そもそも腸に悪い、悪玉菌を増やす甘い物、肉類の過食を止めることが
大切な筈。

17)糖尿病や高血圧などの疾患の人には運動不足解消の為に、1日1万歩の散歩が
良い。→現代医学の治療法に確たる運動療法や食事療法のマニュアルは持ち
合わせていない。これが現代医学の治療の盲点となっている。

  家庭電化、自動車の普及、農場や工場での機械化などで、現代人は体を使う
ことが少なくなった。そして運動しない人も多い。
長寿者を調査すると、皆、体をこまめに動かす生活をしている。運動不足は
肥満を招くだけでなく、血流も悪くなるし、筋肉も退化するし、内臓の働きも
低下するし、骨格も歪んでくるし、酸素不足にもなるし、神経のバランスも
崩れるなど、その弊害で加齢と共に病気の発症を招く。ただ散歩をしなさい
位の運動でどれ位効果が出るのだろうか。

  英語の比較級に例えるならば、散歩はGood、Better、Best のGoodの程度の
効果しか期待できない。やるならBestなことを実行したいものだ。西式健康法
では血流を良くするための毛管運動、骨格の歪みを矯正する金魚運動や
合掌合蹠法が有るし、古来インド発祥のヨガや中国の気功術、日本では
大正5年に創設された自彊術体操は今でも多くの人が実践して、健康維持
だけでなく、療法として成果を上げている。私は28年間、この自彊術体操を
毎朝15分間行っている。その効果は有酸素運動、必要な筋肉の維持、骨格の
矯正、血流アップ、酸アルカリの調和、自律神経の平衡、経絡の刺激し、
上下、左右、前後の3次元の方向に体をほぐしてくれる。
しかし西式健康法や自彊術体操がある事を医者達は知らない。
  

2.まとめ

1)「無知は死を招く」という。2回にわたり、17項目の間違った健康常識に
ついて、説明したが、体に良かれと思って実行していることが、逆に命を
縮めていることの無いようにしたいものだ。

2)日本人には伝統的な和食がある。これが長寿国の秘訣である。欧米の高脂肪,
高蛋白食の過食に走っている現実を反省しなくてはならない。
これでは生活習慣病は増加するばかりである。何故か、日本の現代医学の医療
体制は食事療法を取り入れないのだろうか。 

おわり


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健康へのトビラ 32号

NPO法人健康を考えるつどい が発行する機関誌 32号

法人の住所、連絡先 ↓

〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441  

FAX:0877-45-8444

今回の記事は、

1、岡崎 輝城さん 101歳 インタビュー

2、秋の美肌対策 By 豊岡 倫郎 氏

3、甲田光雄先生 「水をたくさん飲むと便が出る」

4、カルチャースクールの案内

5、話題の著書紹介 玉那覇 康高 著「半日断食」


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間違った健康常識が病気の元 By 豊岡 倫郎 氏 2022-10-29

1.人生は決断の連続

 一生の間にその節々において、いろいろ決断をするが、そのベースにある情報が間違っていると、決断を誤ってしまう事になる。こと健康管理においても間違えると、病気を招くから怖い。

2.間違った健康常識とは

 1)肉食はスタミナを付けて、活力の源である。→以前のアメリカでは誰もが信じていた時代があったが、今は違って、心臓病とガンの要因となっていることに気付いた。そのきっかけとなったのが、アメリカ政府の「マクガバン報告書」である。その後、コリン・キャンベル博士が作成した「チャイナ・スタディ」も肉食の害を警告している。

  肉の脂肪分は血管を始め、体内いたるところに沈着するし、蛋白質は血液を酸化させるし、過剰分は腸内で腐敗し、アミン、インドール、スカトール等の毒素を生む。もはや乳がん、大腸ガン、前立腺ガンなどは肉食が引き起こしていることは、定説となっている。

  2)牛乳はカルシュウムも豊富で完全栄養食である。骨を丈夫にする→体内にカルシュウムが溢れると、体の調整機能が働いて、それを逃がそうとして、逆に体から抜けてゆく。それをカルシュウムパラドックスと呼ぶ。また牛乳に含まれるカゼインを消化する酵素を日本人の85%の人は持っていない為、消化不良を起こし、蛋白質が腐敗するため、腸内環境が悪くなり、アレルギー症状が出る。牛乳の脂肪は飽和脂肪酸が多くて、血液の粘稠度を高めて、高脂血症や動脈硬化の原因となる。牛乳に含まれるIGF―1と云う成分がガン細胞を活性化させる。

 3)甘い砂糖類は疲れを取ってくれる。→確かに甘いお菓子などを食べると、15分後には胃で吸収されて、エネルギー源として、細胞に行き渡り、しかも甘いものは幸せホルモンが分泌されてきて、気分良くさせる。

 しかしその時だけである。体がだるいからと、疲れが取れるからと、常時食していると、次のように不具合が出て来る。先ず血液が酸性化して、それを中和するために骨からカルシュウムが抜けてゆき、骨粗鬆症になる。肝臓や胃腸の働きが低下するし、腸内環境が悪くなるし、体内至る所が炎症を起こす。血糖値が乱高下して、膵臓の機能が低下する。毛細血管が消滅してゆき、血液循環が悪くなる。体内でタンパク質と糖分が合成されて、終末糖化産物(AGE)となって、至る所で体内の機能障害の原因となる。中毒になる。「白砂糖の害は恐ろしい」甲田光雄博士著 人間医学社発行。には甲田先生自身の砂糖との葛藤が書かれていて参考になる。

 4)小麦製品は体に良い。→今や我々日本人の食生活に深く浸透している小麦製品、パン、うどん、ラーメン、パスタ類、ギョーザ、焼きそばなど、これが生活習慣病の原因となっているから怖い。

「小麦は食べるな!」ウイリアム・デイビス博士著、日本文芸社発行。「長生きしたけりゃ小麦は食べるな」医師本間良子著アスコム発行、「いつものパンがあなたを殺す」デイビット・パールマター博士著、三笠書房。「パンと牛乳は今すぐ辞めなさい¡医師内山葉子著、マキノ出版。

 ではこれら勇気ある医師たちの本を読むと、実際に臨床でその影響や治療成果の事実に接すると、書かずにはおられない気持ちが理解できる。小麦にはグルテンと云う成分が含まれている。これがアレルギーを起こす。腸に炎症を起こす。肥満、糖尿病、高血圧、認知症などの症例が記載されている。小麦は中毒症をつくる。

 5)お酒は百薬の長である。→皆さんがこれまでどれだけ多くの人達がお酒で道半ばで挫折したかを見聞してきた事か。今更お酒の害をここに書くまでもない。体に悪いことが解かっていても止められないのがお酒である。これはもはや中毒なのであるから、致し方ない。主な害を敢えて列挙するならば、動脈硬化となって、高血圧、脳卒中、心臓疾患を併発する。毛細血管が硬化するため、血流が悪くなる。

 6)マーガリンは植物性の油から作られているから体に良い。→確かに植物性の油を原料にしているが、その製造工程では、脂肪分子に水素原子を加えて、トランス型脂肪酸に化学変化させて、室温で固体を維持するようにさせたものである。ショートニングも同様の処理がされている。その害は発ガン性や心筋梗塞などが疑われていて、ドイツでは発売禁止、アメリカでは使用制限されている。しかし日本では何ら制限はなく、開放状態である。パン、揚げ物、お菓子類など広範囲に使用されているから、食べない方が良い。

 7)コーヒーを飲むと、体がしゃきっとする。→カフェインが入っていて、眠気覚ましになり、一瞬体がしゃんとする。以前コーヒーを一日に4杯以上飲む人はガンに罹る率が低かった、という話もあった。しかし2018年5月のアメリカ、カリフォルニア州の裁判所が下した判決では、州内で発売するコーヒーには「発ガン警告」ラベルを張ることとなった。その原因物質とは、カフェインとアクリルアミドである。胃の悪い人は胃炎を増長するから飲んではいけない。また離脱症状として、中毒となる。

 8)お腹に宿便はない。→世界で初めて大腸の内視鏡を開発して、今迄に30万人以上の患者を診察してきた、新谷弘美博士著「超健康不老長寿で生き抜こう!」弘文社発行によれば、肉食を常食している人の大腸は固くて、短く、粘膜にヒダが多発していて、宿便の残存が多いと、書かれてある。当然こんな人たちは高血圧、心臓病、糖尿病、高コレステロール症、高尿酸症を合併していると。また宿便博士の異名で有名だった甲田光雄博士の数々の著書には、患者が断食をすると、一週間ぐらいして、異様なにおいの、真っ黒な宿便がどんぶり一杯以上も排出されるという記事が沢山書いてある。そしてこの宿便を出しきると、今迄の苦しんだ病状が好転しだすという。正に宿便は万病の元である。にも拘らず現代医学の医者たちは内視鏡で覗いても、宿便なんぞないと、主張している。一説によると、腸管の内皮の粘膜に浸み込んでいる異質な成分が断食すると、突出してくるのではないかと云っている。というのは、ムラキテルミ著「腸をきれいにする奇跡の「煮あずき」KKロングセラーズ発行、によれば、断食をすると、体中の穴という穴から脂汗、目ヤニ、舌苔、耳ダレ、鼻水、そして宿便が噴き出てきたという体験談が書かれてある。因みに著者は余命3カ月と云われた肝臓ガンを治した。

 9)肌をスベスベにするにはコラーゲンを摂ると良い。→コラーゲンはタンパク質の1種で、多数のアミノ酸から構成されている。コラーゲンを口から摂取しても、体内で最小単位のアミノ酸にまでバラバラに分解されてしまう。だからコラーゲンの含まれたものを食べても、必ずコラーゲンが作られるという保証はない。体内でコラーゲンが生成されるには、アミノ酸とビタミンCと酵素が必要なのである。

 10)冷え症には腹巻や靴下をはいて、体を温めると良い。→甲田光雄博士著「冷え症は生野菜で治る」文理書院発行。によれば、根本的な改善策は冷えに負けない体質に改善することにあるという。即ち冷えになっている原因がある訳だから、それを除去しないといけない。今までの間違った食事、皮膚の過保護、運動不足、宿便、甘い物の食べ過ぎを改善して、根本対策を採らないと、解決にはならない。

 11)体の血流は心臓のポンプ作用にある。→西式健康法を創設した西勝造先生によると、心臓の収縮と拡張は体に張り巡らされてある毛細血管の吸引力によって起こり、血液が循環している。

その補助として、肺呼吸や足の筋肉のミルキング作用がある。改善策の基本は毛管運動である。

3.まとめ

 何が正しいのか見極める洞察力が大事である。また中毒から立ち直る意志力を養うことも。

 体に良いと思って実行していることが病気を招いているとは。無知は死を招く。 

おわり


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101歳の誕生日

NPO法人健康を考えるづといの会員・岡崎 輝城氏は2022年9月28日で101歳になられた。

本当は100歳の誕生日にお祝いをする筈だったがコロナで一年伸びた。

それにしても101歳とはすごい!

しかもサイパンへ通信兵として兵役も経験した人。

サイパンと言えばバンザイ岬と呼ばれる絶壁での総玉砕で知られる島。

そんな環境下で良く生き残ったものだ。この人の持つ寿命の長さのおかげに他ならない。

サイパンでアメリカ軍の捕虜になりハワイへ収監されたそうだ。

誕生祝の席でそんな人生の苦楽を話してくれた。これは記録に残すべき史実である。

フリーライターの多田さんにも来てもらって、本を書くべく情報収集の場ともなった。

面白かった???のは太平洋戦争でアメリカ軍の主要戦闘機だった「Bー29」に乗ったと言う経験談。

ハワイで病気になり本土のオハイオ州まで飛行機で運ばれた時、乗ったと言う。

日本人でB-29に乗ったのは私くらいなものじゃないかなぁ~の言葉には納得感が満載。

もうひとつ彼のすごいのは終戦後、毎年サイパンで戦没者の慰霊祭に行った事。

4~5年前まで続いたと言う。

今は少し歩行困難となり中断されているが・・・。

私もその慰霊祭に柿茶の亡き社長と同行させてもらった事がある。3回はサイパンへ行っただろうか。

そんな思い出のある岡崎さん、これからも元気で・・・とエールを送りたい。

長生きの秘訣を問われると「水をたくさん飲むこと」「西式健康法を実践する事」だった。

西式健康法を知ったのは昭和15年 坂出市で行われた西式健康法の創始者・西勝勝造先生の講演会を聞いたこと。

今でも自分の部屋に西式の健康法を実践する機械を置いてやっていると言う。

その機械も自分で造ったというから驚き。

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↑ 前列中央が岡崎さん。

これからもお元気で!


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健康への道しるべ 第159号 令和 4年 9月 30日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間 購読料:2,500円

今回の見開きページは『骨粗しょう症』。

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欧米食への危機感 By 豊岡 倫郎 氏 2022年9月29日

1.食生活の変遷と生活習慣病

今日本列島は、ガンを始めとして、高血圧、糖尿病、高脂血症、動脈硬化症、脳疾患、心臓疾患、骨粗しょう症などの生活習慣病の患者で溢れている。減少する気配は見られない。その元凶は何なのか。人生100年時代到来というスローガンに騙されてはいけない。

2.沖縄の長寿社会崩壊物語

かって沖縄県は男女とも、日本一の長寿者県として、いや世界の長寿者が多い地域として、アメリカの「TIME」誌にも取り上げられたこともあった。ところが2017年の発表では、県別の平均寿命の順位は、男性36位、女性7位にまで後退してしまった。一番大きな原因は、戦後アメリカ軍の統治下のもとで、米国型食習慣が浸透していった。当時まだ子供だった人たちが、高脂肪、高蛋白の動物食を食べて育った結果、今は高齢者となって、肥満、動脈硬化、糖尿病、高血圧、高脂血症、脳疾患、心臓疾患に侵されて、寿命を縮めてしまったのである。

そして今、沖縄の二の舞として、日本本土の方にも同じ現象が起きている。要するに欧米型食生活にどっぷりと嵌まってしまっているのである。以前沖縄には伝統的な沖縄料理が有り、また本土にも各地域毎に、伝統的な郷土料理があった。日本型食生活は何故崩壊してしまったのだろうか。

3.戦後の食生活の経緯

第二次世界大戦後、日本は極度の食糧難になって、アメリカから経済援助のもとで、小麦粉や

脱脂粉乳が輸入されて、子供たちの糧となったこともあった。また全国挙げての栄養改善運動が

行われて、パンや牛乳、肉類など欧米風の食生活が理想的であるとして、普及した面もあった。

一方都市ガスやプロパンガスが各家庭に入ると、揚げ物や炒め物が簡単に作ることが出来て、

冷蔵庫も普及していった。

更に小学校や中学校での学校給食が全国で実施されると、魚よりも、大量調達が容易で、料理

がし易い肉類がおかずに出るようになった。しかも強制的に牛乳を飲むこととなった。

また各地に食品スーパーが出来、コンビニが出来て、手軽に出来合いの加工食品、ジャンク食

品、ファーストフードが買えるようになった。いつでも、好きなものを買って食べられる環境が

出来上がった。

4.欧米食の何が悪いのか

1)肉食信仰は間違い。

肉を食べれば元気が出るとか、スタミナが付くと信じて疑わない人が多い。

体に悪い訳は沢山ある。先ず脂肪分が多く、コレステロールが血管に溜まる。血液がドロドロになり、酸欠を起こす。腸内で腐敗しやすいため、腸内環境悪くなる。腸管が硬くなり、憩室が出来て、便通が悪くなる。消化するのに6時間もかかるので、胃腸が疲弊する。脂肪を摂取すると、体内で発生した活性酸素によって、過酸化脂質に変わり、それが組織や血管の中にへばりついて、機能を低下させる。

肉には一般的にタンパク質も多く含まれている。タンパク質の過剰摂取は、体を酸性にする為、体内のカルシュウムを消耗する。余分なタンパク質は窒素酸化物となって、アンモニア、アミン、スカトールなど有毒な物質となって、それを処理するのに肝臓や腎臓などに負担をかける。

2)牛乳信仰の落とし穴とは。

牛乳は完全栄養食品だとして、成長期の子供から、カルシュウム補給の目的で、更年期以降の女性の方に、骨粗しょう症予防のために、摂取されているが、その落とし穴とは。

  • カルシュウムはマグネシュウムと一緒に摂らないと、体内に吸収されない。
  • 日本人の85%の人が遺伝的に乳糖不耐症で、2歳を過ぎるとラクターゼ酵素が分泌されなくなり、消化不良で腸内環境を悪くする。
  • カゼイン蛋白がアレルギー症状を起こす。
  • カルシュウムが体内に過剰になると、逆にカルシュウムを逃がす作用が働いて、カルシュウム不足を起こす。カルシュウムパラドックスと呼ばれている現象が起きる。スエーデンやノルウエーの酪農の盛んな国の人達は、牛乳の飲み過ぎで、骨粗しょう症になっている。
  • 不自然な妊娠牛から搾乳されることが多く、女性ホルモンが含有されているので、子供の時から飲んでいると、乳製品を食べていると、大人になって乳がんになるともいわれている。
  • 牛乳の脂肪は飽和脂肪酸が多く、また血液粘稠度が高く、高脂血症や動脈硬化の元となる。
  • 市販の牛乳を牛の赤ちゃんに飲ませたところ、4日後に死亡してしまったという実験がある。

我々が日常飲んでいる牛乳は加工処理する段階で、変質してしまって、生命維持に不適である。

  • 一番の問題点は前にも書いたが、牛乳に含まれているIGF-1と云う成分ががん細胞を活性化させるので、摂取しない方が良いのである。

3)甘いものを食べると疲れが取れるという誤解

確かに甘いものを食べると、20分後には胃で吸収されて、血液の中に入り、エネルギーとなることに嘘はない。しかしその時だけである。体がだるいからと、四六時中飴をなめたり、甘いジュースを飲んでいたら、疲れが本当にとれるだろうか。否である。そんなことしていたら、体は酸性化し、カルシュウムは抜けて、骨粗しょう症になる。胃腸や肝臓の働きは低下し、悪玉菌が増えて、腸内環境が悪くなる。昔から胃腸の悪い人に甘いものは毒だと云われているとおりである。血糖値の乱高下が起きる。勿論糖尿病を招く。

他にも毛細血管が消滅してゆくし、血液はドロドロになるって、血液循環が悪くなる。一番の問題は、体内でタンパク質と糖分が合成されて、終末糖化産物(AGE)となって、体内いたるところで、炎症を起こす。その昔、「砂糖の消費量は文化のバロメーターである」と云って、推奨していた学者がいたことを思い出した。とんでもない人がいたものだ。

4)小麦製品が体に良い

パン、うどん、ラーメン、パスタなど小麦粉を原料にした食べ物が蔓延している。これが生活習慣病を引き起こしているというから、恐ろしい。その真実に迫ると。

小麦に含まれるグルテンと云う成分があるが、腸に炎症を起こす。抗体が出来て、アレルギーが起きたり、慢性炎症が体に広がる。血糖値が直ぐ上がる。酵素の働きを阻害する。幸せ感が起きて、中毒になる。終末糖化産物を生じて、体調をどんどん悪くするし、老化を早める。

5.まとめ

1)肉、乳製品、砂糖、小麦製品は戦後急激に普及して、長い歴史の中でわずか50年であるにもかかわらず、我々の食生活の中に浸透していて、これがガンを始めとして、生活習慣病を引き起こしているという現実から、如何に阻止するかが、課題であるが、国では対策は取られていない。

2)特に肉と乳製品は、大腸ガン、乳がん、膀胱がん、婦人病の原因であることは定説である。

3)体に良いとか、美味しいとからとの理由で、毎日食しているこれらの食物が、逆に病気の原因になっているのである。日本には日本人の伝統的な食事の良さがあるから、もう一度見直すことが必要である。

おわり


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10月健康スクール予定

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健康への道しるべ 第157号 令和 4年 4月 25日発行

第157号 心と体の健康生活:令和 4年 4月 25日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間購読料:2,500円

今回の見開きページの話題は「姿勢と体貌(その1)」

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シリーズ「いのちを育む食」は今回はブロッコリー。


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ガンの新しい治療法 ガン寛解とは By 豊岡倫郎 氏 2022年8月29日

1.ガン寛解とは

 寛解とは根本的な治癒には至らないものの、病勢が進行せずに安定している状態のことをいう。

京都市の「からすま和田クリニック」の院長の和田洋巳博士は、ガンになりステージⅣと宣告された患者でも、ガンを鎮めて長生きできる治療法を開発している、これこそ最良のセカンドオピニオンではなかろうか。今回引用させていただいたのは、和田洋巳博士の著書「ガンを生き抜く最強ごはん」毎日新聞出版2019年発行。「がん劇的寛解」角川新書2022年3月発行。

2.和田洋巳博士

 1943年生まれ、京都大学名誉教授。京都大学医学部を卒業、同大学医学部付属病院で呼吸器外科教授など歴任し、退職後2011年にからすま和田クリニックを開設。京都大学に奉職中には、呼吸器外科の専門医として、2000例以上の肺がんの手術を行う。しかし手術を受けた肺がん患者の治癒率は約7割、再発率は約3割と云われている。またガンの病勢に応じて、ステージⅠからⅡ、Ⅲ、Ⅳと進行し、深刻化してゆく。そしてステージⅣになると、もはや標準ガン治療法では、治癒は望めない段階とされている。標準ガン治療法とは、手術、抗がん剤、放射線照射を指すが、かねがね和田博士はこれら治療法に限界やら疑問を感じて、別の方策を研究、模索していた。

3.余命半年の肺がん患者が3年後に現れる

 京大病院時代に余命半年と伝えていたステージⅣの肺がん男性患者が、京大退職後に別の病院の外来を担当していた時に、あの時から3年後に現れたのである。驚いて、どうしてあの肺ガンを乗り越えたのですかと、尋ねると、食事療法で治りましたと答えた。その内容はこうだった。

  • 食事は一日2食。●1日の総摂取カロリーは1600キロカロリー以下に抑える。●主食は玄米。
  • タンパク質のおもな摂取源は豆腐とする。●野菜や果物を多く摂る。●緑黄色野菜をすりつぶしたジュースを飲む。●水分を多く摂取する。という内容だった。その後2022年1月現在も健在。標準ガン治療法では考えられない生存事実を目の前にして、進むべき新たな契機のひとつとなる。

4.がん発症のメカニズム

 1)がん発症のメカニズムとは。和田洋巳博士は自ら代表理事となり、「日本がんと炎症・代謝研究会」を設立している。研究で明らかになったことは、がんは食生活などの生活習慣に起因する「炎症」から発症するということだった。

前回の健康情報にも書いたように、慢性炎症はがんの引き金になるほか、多くの生活習慣病の原因にもなっている。例えば肥満の人や糖尿病の人は、そうでない人に比べて、ガンに罹る率が高い傾向にある。

 食生活の乱れによって、血管に炎症が起こると、血管壁の肥厚が臓器の慢性炎症を引き起こす。血流が低下して、臓器の上皮細胞の過増殖が起きて、酸素不足と糖不足に陥ると、上皮細胞は自前で生き延びようとして、わずかな糖を細胞の内側はアルカリ性に、外側は酸性にして、その電位差を利用して、エネルギーを産生することで、がん細胞が誕生する。

2)がん細胞は無酸素でも特殊な解糖代謝でエネルギー源を得て、周辺環境を酸性化することって、活動成長してゆく。そして周辺環境の酸性化を維持するために、がん細胞はナトリュウム・プロトンポンフ゜という機能を使って、ナトリュウムを取り込みをして、住環境を整えている。

 更に体内には正常細胞の分裂や成長を適切にコントロールしている「mТОR」という物質があるが、ガンを発症している時に、mТОRの働きが昂進されると、がん細胞の分裂や成長も活発になる。その昂進を促進させるものは、インスリンとIGF-1(インスリン様成長因子)である。インスリンはご存知のように大食したときやインスリン抵抗性状態の時に多く分泌される。またIGF-1は肝臓で作られるホルモンであるが、乳製品に多く含まれている。これらの物質ががんを勢いづかせる。

 3)がん免疫について。人の体には40兆個の細胞で構成されていて、体内で1日に数千から1万個のがん細胞が発生していると云われている。体内の免疫システムが正常に働いていれば、異常なガン細胞は排除されて、ガンを発症することは無い。がん細胞を攻撃する役割を担っているのが、白血球に属するキラーT細胞やNK(ナチュラルキラー)細胞という免疫細胞である。何らかの理由で免疫力が低下したら、この免疫システムががん細胞に突破されて、ガンを発症する。

5.ガンが住みにくい環境を作るには

 1)治療戦略としては、●がん細胞に活動のエネルギーとなるブドウ糖を最小限に抑える。●がん細胞周辺の微細環境を酸性からアルカリ性に変える。●がん細胞促進させる物質、インスリンやIGF-1(インスリン様成長因子)を与えない。●.慢性炎症を鎮める。●がん細胞増殖のための脂肪酸を合成させない。●免疫力を高める。

 2)治療目標値としては、●尿のPHを7.5~8以上に。●CRP(C反応性蛋白)値を0.05以下に。

  • 好中球とリンパ球の比率を1.5以下に維持する。●腫瘍マーカー値を注意深く監視する。●血糖値やアルブミン値をチェックする。

6.食事の基本ルール、これをアルカリ化食と呼ぶ

1)炭水化物は精製されていない玄米などから控えめに取る。

2)塩分(ナトリュウム)の摂取は出来るだけ控える。

3)タンパク質は大豆などの植物性のものや青魚などから摂る。

4)野菜や果物やキノコ類を出来るだけ多く摂る。

5)脂質はオメガ3のえごま油、アマニ油及びオメガ9のオリーブオイル、椿油から取る。

6)牛乳、ヨーグルト、バター、チーズなどの乳製品は摂取しない。

7)牛肉、豚肉、加工肉、人工のトランス脂肪酸(マーガリン)の摂取を止める。

8)梅エキスを積極的に取る。

9)食事以外に、状況に応じて最低限の抗がん剤、丸山ワクチン、高濃度ビタミンC点滴採用する。

7.ガンを生き抜く最強ごはん

 著書「ガンを生き抜く最強ごはん」には緊急食、治療食、長寿食別に詳しく献立表が掲載されている。基本はアルカリ食である。主な食品の尿のPHに与える影響度を示す数値が書かれてある。がん治療上摂取してはいけない食品名をいくつか挙げると、白い米、パン等の精製品、肉類、乳製品、洋菓子など甘いお菓子類。ピーナツ、酒,タバコなど。特に乳製品には、がん細胞の活動活性を上げるIGF-1(インスリン様成長因子)が含まれているので、摂取しない。

8.まとめ

1)和田博士は2011年にクリニックを開設以来、4000人の患者を診てきて、その内約2000人のステージⅣの中から、3年、5年、それ以上の期間、寛解、延命した人達の実態の発表である。

2これらの食事はガンだけでなく、生活習慣病の予防、治療にも役立つのであることから考えると、

今日本に生活習慣病で苦しむ一般の人たちの原因が食事に問題が潜んでいることが読み取れる。

3)日本の医療体制には、食事療法を指導できる医師がどれだけいるだろうか。またそんな方針すら

ないのが現状の姿である。だから米国より20年遅れていると言われている。

4)牛乳を飲むな!、体に良くないぞ!、と聞くと、そんなばかな、肉を食べるな!、ケーキを食べるな!、驚いた人は人生一度でよいから、900円の「がん劇的寛解」を読まれるとよいのでは。事実は否定できない。1つの事しか知らない事は何も知らないのと同じ、と哲学者の西田幾多郎は言っている。無知は死を招く。知らぬが仏では済まされない。

おわり


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健康へのトビラ Vol.31

令和4年(2022年)8月 15日発行 Vol.31

編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい

〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441  FAX:0877-45-8444

今回の記事は、

1、朝食抜きの問題 Ⅱ

2、健康ワンポイント特集

3、肌トラブルについて By 豊岡 倫郎 氏

4、ヨーガに学ぶ心身健康法 By 倉本英雄 著

5、免許返納はいつ?

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第158号 心と体の健康生活:令和 4年 7月 25日発行

第158号 心と体の健康生活:令和 4年 7月 25日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間 購読料:2,500円

今回の見開きページは長年西式健康法を実践してきた坂出市大屋冨に住む岡崎さんの話し。

今年9月に101歳になられる。

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101年の人生の中で感動したことは、

昭和15年、当時の坂出市長が東京から西 勝造先生を呼び、約1000人を集めて講演会を行ったこと。

会場にいた医者からどんな質問がきてもすべて化学的な原理を説明し絶賛を浴びた。

西先生の話に感動し、すごい人物だと思った。

101年の人生は幸せだった。これからも元気で過ごしたいと思っている。

と、締めくくっている。


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2022年9月 スクール予定

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慢性炎症は万病の元 By 豊岡倫郎 氏 2022年7月28日

1.聞きなれない慢性炎症の恐怖

最近の研究によると、体内の至る所で慢性炎症と呼ばれている慢性的な微小な炎症が発症していて、それが生活習慣病を始めとして、アレルギー疾患、ガンの発症にも関係していると云われ出した。それがどうして発症するのか、予防法や治療法はないのだろうか。

2.慢性炎症とは

炎症には二通りあり、急性炎症では、細菌やウイルスの侵入、怪我などによって、発生すると、体内の免疫システムが作動して、異物の排除や傷ついた組織の修復が行われて、比較的短時間で回復する。典型的な症状としては、発熱、発赤、疼痛、腫脹が現れるのが
普通。

これに対して慢性炎症とは色々な原因(後述)によって、軽い炎症が何時までもくすぶり続けて、体内の至る所で組織や内臓に異常を来す。自覚症状がないのが特徴的である。そして長期化すると、発症した場所によって、機能不全に陥る。

3.慢性炎症はなぜ起きるか

1) ひとつは肥満である。食べ過ぎや運動不足で、内臓脂肪が過剰に蓄積された場合に  は、血管の内皮細胞がコレステロールや中性脂肪によって、プラークと云われる粥状隆起が出来て、内壁が狭くなると、
血管の炎症を引き起こす。即ち血管の内壁が狭くなると、白血球が狭窄部分で鬱滞し、白血球同士が反応して、炎症性サイトカインが産生される。多くの場合この現象は細動脈で起こって、毛細血管網へと広がってゆき、臓器が炎症性サイトカインによって、慢性炎症を発症してしまう。

2) 次は「腸もれ」(リーキー・ガット・シンドローム)によって、腸内で発生した毒素、細菌、消化不良のタンパク質などが、腸壁から吸収されて、血流に乗って全身の組織、臓器に慢性炎症を起こす。
なお腸内環境が悪化して、悪玉菌が増えると、腸粘膜細胞の連結を弱めて、細胞間に隙間が出来て、腸もれか起きてしまうのである。

4慢性炎症の判定指標となるCRPとは

体内に慢性炎症が起きているか否かの判定指標にはCRP(C―リアクティブ・プロテインの略、C反応性蛋白ともいう)が使われている。この数値が高いと、体内に炎症性の疾患があることになる。通常CRPの基準値は0.3mg/dl以下である。0.31~0.99mg/dlは要注意、1.0mg/dl以上は危険視とされる。

ところが最近は高感度CRPを測定する必要性が増えてきた。それは従来のCRP検査では異常なしと、判定されていた人の中に、慢性的に微小な炎症を発症しているケースがあることが解かってきた。例えばLDL悪玉コレステロール値が低くても、CRP値が高いと、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクが高いことが判明したからである。

5.慢性炎症が関与している主な疾病

1)がん

肉食や脂肪分の多い食事は慢性炎症を起こし、大腸ガン、前立腺ガン、乳がんを発症させる。慢性炎症が活性酸素を発生させて、遺伝子変異を起こし、発ガンに繋がる。更に慢性炎症は遺伝子編集酵素を活性化させて、ウイルス性肝炎、ピロリ菌感染胃炎、潰瘍性大腸炎がガン化する。なおがん治療の時は、CRP値が0.05mg/dl以下を目標としている。慢性炎症はがん発症の温床になっていると言われている。

2)動脈硬化

腸もれによって、血中に入り込んだ菌が腸内で炎症を起こすと、コレステロールやマクロファージ等の物質が集まり、粥状のこぶを作り、血流障害を引き起こす。と同時に炎症性サイトカインを産生し、慢性炎症が進む。

3)糖尿病

過食や糖分の摂り過ぎは体内で高血糖値状態が続くと、終末糖化産物(AGE)が蓄積して、血流障害を来すだけでなく、慢性炎症を発症し、筋肉、脂肪組織、肝臓でインスリン抵抗性を起こす。

4)その他の疾患

認知症、うつ病、花粉症やアトピー性皮膚炎、膠原病及び加齢にも慢性炎症が関係していて、これらの疾病を発症させる。

6.体内の慢性炎症を防ぐには

1)現代医学の盲点のひとつとなっている慢性炎症、まだ研究段階なのか、問題意識が希薄なのか医師間の医療体制の中には、慢性炎症の治療と云う言葉は聞かれない。

しかし我々が悩んでいる上述の生活習慣病が全て慢性炎症によって、発症していることを、知ったからには、医者に相談しても、納得のゆく 回答が得られるだろうか、疑問である。勿論慢性炎症を解消する薬などはない。

2)慢性炎症の原因にさかのぼって、因果の法則から対策を考えると。

●大 食で肥満して脂肪細胞を増やさない。
●糖分の過剰摂取をして、終末糖化産物の産生を増やさない。
●腸内環境を悪くする悪玉菌を増加させる動物食や油で処理した揚げ物、及びお菓子類を控える。
●宿便や便秘をしない。
●飲酒や喫煙を控える。
●ストレスを溜めない。
●適度な運動をする。
●食品添加物の多い加工食品を摂取しない。

以上の事をまとめると、常に述べているように、少食、3分づき玄米、生野菜汁、小魚や青魚、大豆製品、キノコ類、ゴマ、海藻類、緑黄色野菜、抗酸化食品、自家製漬物などの食事。および適度な運動をすることによって、血流を良くする。有酸素運動と適度の筋肉の強化。骨格の矯正。ストレス予防と解消の方策を自分なりに考え、実行する。

7.まとめ

1) 健康管理の要諦のひとつに、医者に治してもらう病気と自分で治す病気がある。日頃の生活習慣の間違い 暴飲暴食が招いた病気は自分で治すしかない。

2) 今回慢性炎症について、勉強して感じたことは、慢性炎症発症の機序は複雑で、専門用語が多く出てきて、 理解しにくいが、事の重大さは認識出来た。

3) 先日日本女子プロゴルフの試合の実況放送を見ていた。するとアナウンサーが女子トッププロ10人に 対してこんな質問をした。
「あなたの勝負飯は何ですか」と。すると10人中9人が焼き肉と答えていた。これを見て、まだうら若い25歳前後の選手たちが、これから少なくとも10数年以上過酷な選手生活を続けてゆくのに、健康で続けられるのだろうか、と不安にかられた。今の若い人達 が皆同じい考えを持っているとしたら、末恐ろしいことだ。

4) 百寿者や認知症にならない人はCRP値が高くないと言われている。

5) CRP値の測定は自治体の年1回の健康診断の項目にはない。慢性炎症は痛みがないから
深く静かに進行して、組織や臓器を改変して、機能不全に陥れる。難病もこれが関与
しているとか。

6)「参考図書」金子義保著「炎症は万病の元」中央公論新社発行

和田洋巳著「がん劇的寛解」角川新書発行

藤田長久著「体の不調は腸もれが原因」幻冬舎 ほか。

おわり


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2022年8月 スクール予定

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健康へのトビラ Vol.30

令和4(2022)年 5月 1日発行 Vol.30

編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい

〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441  FAX:0877-45-8444

今回の記事は、

1,健康エッセイ -春への扉- 朝食抜きの問題 By 甲田 光雄 先生

2,健康スクールのフラワーアレンジメント教室を尋ねました

3,健康に関する名言・格言 By 豊岡 倫郎 氏

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2022年 7 月 健康スクール予定

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脂肪肝の人が増えている By 豊岡倫郎 氏 2022年6月18日

1.脂肪肝の人が増加

いま脂肪肝の人が3000万人もいるという。どうしてこんなに増加したのだろうか。肝臓は沈黙の臓器と云われていて、病状が悪化するまで、病気に気が付かずに、手遅れになることが多い。

しかも肝腎要と云う言葉が有るように、全身に種々の影響を及ぼすから怖い病気である。

2.脂肪肝とは

肝臓の病気といえば、アルコール性の肝炎、ウイルス性のB型やC型肝炎、肝硬変や肝臓ガンを思い起こすが、あまり馴染みのない脂肪肝とはどんな病気なのだろうか。

脂肪肝とは、中性脂肪の合成が促進されることなどによって、肝臓に脂肪が過剰に溜まった状態をいう。即ち肝臓の細胞の30%以上が中性脂肪が溜まった状態で、いわぱフォアグラ状態になっている日本人が3人に1人いると云われているから怖い。その原因として、アルコール性でないものを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼ぶ。更にNAFLDには、症状が軽く、改善しやすい単純性脂肪肝(NAFL)と重傷タイプの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2種類がある。NASHは放置すると、肝硬変、肝臓がんへ進行する。NAFLがNASHに進行することも。

3.脂肪肝の原因

何故こんなに脂肪肝の人が増えてきたのだろうか。お酒の飲み過ぎが肝臓に悪いことは、常識となっているが、その原因が食べ過ぎにあることを知ってほしい。
その原因は、

■ 消費エネルギー以上に摂取エネルギーかオーバーすると、脂肪酸やブドウ糖が
中性脂肪として肝臓に蓄えられてしまう。要するに食べ過ぎ。
■ 運動不足で摂り入れたエネルギーの消費量が少ない。
■ お酒の飲み過ぎで、肝臓に脂肪が溜まりやすくなる。

4.肝臓の主な働き

口から摂取した栄養分は胃腸で消化吸収されて、門脈を通して肝臓に行き、そこでブドウ糖はグリコーゲンに、蛋白質はアミノ酸に分解され、体に適合した形の蛋白質に作り替えられる。一部の栄養素は肝臓に蓄えられていて、必要に応じて、放出される。さらに脂肪からコレステロールを作ったり、化学反応によって500種類の物質に作り替えている。腸内の消化吸収を助ける胆汁の生産も行っている。

もう一つの大きな働きは解毒である。体の外からくる有害物質、例えばアルコール、二コチン、薬物、食品添加物、体内で発生するアンモニア、その他毒素類を解毒している。余談だがコレステロールを下げる薬に肝機能が悪化する副作用が出ることがある。コレステロールは肝臓で作られているから、制御する薬が仇となるらしい。

5.肝機能の診断

肝臓は少しくらい悪くなっていても、痛くもならないし、症状が出にくいため、手遅れになり易い。一般的な検査としては、自治体や企業体で行われている年一回の健康診断の肝機能検査項目にあるAST、ALT、γ―GTの数値、これらは肝臓から血中に出ている酵素の量によって、肝機能をチェックする。

その外、超音波エコー検査、CT検査、肝生検で細胞組織を調べるなどを必要に応じて行う。

6.肝障害によって発生する症状

●体がだるい。
●すぐ疲れる。
●肩がこる。
●頭がボーっとしている。
●いつもイライラしている。
●記憶力が悪くなる。
●取り越し苦労をする。
●夏バテする。
●よく風邪を引く。
●食欲が低下する。
●吐き気がする。
●手のひらが黄色くなる。
●尿の色が番茶色。
●昼食後眠くなる。
●熟睡できない。
●便秘ぎみである。
●腹部膨満感。
●よくガスが出る。
●首や顔その他にクモの巣状血腫が出る。
●胸椎の4~8に痛みが出る。
●手足が冷える。寒がり。
●体のむくみ。

7.鈍重肝臓とは

大阪大学の医学部に在学中に自ら慢性肝炎で苦しんだ甲田光雄博士は、後に八尾市で甲田医院を開業して、多くの難病で苦しむ患者を治療して、名声を博した医師であるが、その治療体験から「鈍重肝臓」と命名して、多くの肝臓疾患の患者を治療してきた経緯を持つ。

鈍重肝臓は前述したNASHに相当するのではないかとも言われているが、その違いは肝機能の数値が基準内に入っていても、肝機能が正常に働いていない為に、病状に苦しんでいるという。

疲れやすく、記憶力が低下し、イライラし、首や肩が凝り、疲労感が付きまとうなどの症状が出る。診察しても、よく自律神経失調症、うつ病、慢性疲労症候群、ビタミン欠乏症等と間違われるという。便秘、ストレス、飲酒、食べ過ぎ、運動不足、胃腸虚弱、長期の服薬などで、肝臓がヘトヘトに弱ってしまった状態になったものを鈍重肝臓と名づけた。

8脂肪肝および鈍重肝臓の治療法

現代医学が進歩したといっても、根治させるのが難しいのが、肝臓疾患である。今回のテーマである脂肪肝についても然りである。

ここでは前出の甲田光雄著「肝臓病克服のキメテ」および「奇跡が起こる半日断食」と云う本によれば、ヘトヘトになった肝臓の疲れを取るには、断食をして、宿便を排泄させる。一方肝臓の強化のためには生野菜ジュースを摂取する。日常生活で継続的に実行することは、玄米少食、生野菜、大豆製品、ゴマ、海藻、小魚などの摂取である。避けるべき食品は肉類、脂っこい物、冷たい物、甘い物、酒類、食品添加物の多い加工食品、冷たい清涼飲料水、ビールである。肝臓の血流を良くするために、温冷浴、裸療法で静脈怒張防止する。一連の西式健康体操も行う。本には体験談も掲載。留意すべきことは以上のこれら治療法はあくまでも甲田式療法であって、現代医学の標準的な治療法と異なることを付け加えておく。いずれにしも、どんな肝臓疾患であれ、早期発見、早期治療が重要である。国民の2人に1人が肝臓が弱っているというから、日頃の生活習慣を見直さねばならない。人生100歳時代到来と、浮かれている場合じゃない。

9.まとめ

1)肝臓疾患を治す妙薬はない。だからこんなに患者数が多いのである事を直視すべきである。

2)肝臓疾患は他の臓器にも影響を及ぼす。肝臓が悪くなると、腎臓にも、膵臓にも、心臓にも、その他いろいろ影響を与える。例えば漢方では、肝の疲れは眼に現れて、目が疲れる、ぼやける、叉筋肉にも現れて、足が引きつる、肩がこる、爪ももろくなる。特筆すべきは、肝臓は膵臓の働きを制御していて、糖尿病になる人は先ず肝臓の強化を図らねばならないという説もある。

3)肝臓病で思い起こすことは、坂口安吾著「肝臓先生」という短編小説がある。映画化もされた。

小説のモデルは、佐藤精一医師で、1991年に95歳で逝去、東北大学医学部卒、静岡県伊東市で開業し、著書「あなたも肝臓病人だ」、―日本人の8割が慢性肝炎―(実日新書出版)がある。

おわり


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慢性腎臓病の人が増えている By 豊岡倫郎 氏 2022年5月30日

1.意外と知られていない慢性腎臓病

慢性腎臓病(CKDと称す)の人が日本では8人に1人が患っている国民病で、1330万人いるといわれている。腎臓の働きの悪い状態が、その原因が何であれ、3カ月以上続くと、慢性腎臓病と診断される。悪化するまで自覚症状がないため、手遅れとなる恐ろしい病気である。

2.腎臓の構造と働き

腎臓は、握り拳くらいの大きさの臓器で、体の左右に1つずつあり、糸球体と尿細管からなるネフロンがひとつの腎臓に約100万個、ふたつで約200万個で、構成されている。動脈から腎臓に流れ込んだ血液から余分な水分、塩分、老廃物を濾過して、尿として体外に排泄している。

また水分や塩分の調節し、きれいになった血液は腎臓から静脈を通じて、体内に還流される。

一日に腎臓に流れ込む血液は180リットルで、その内1.8リットルが尿として排泄されるが、血液内に戻すか、尿として捨てるかの判断は尿細管が行っている。戻す成分としては、水分、糖、ナトリュウム、カリュウム、カルシュウム、リンなどは戻して再利用される。

腎臓はこれ以外に、血液の酸とアルカリの調節、体内の水分量のコントロール,赤血球を作る造血ホルモンや血圧調整ホルモンを作り出す、ビタミンDを活性化させ、カルシュウムの吸収をよくさせるなど、多岐にわたる機能を持つ。

3.慢性腎臓病の診断基準

ひとつは、蛋白尿がでるなど腎機能に異常がある。または、腎機能を示eGFR(糸球体濾過量) が60ml/分/1.73m2未満に低下している。このいずれか、または両方に該当する状態が3カ月以上持続している場合、慢性腎臓病と診断される。

4.健康診断での腎臓機能検査

毎年5月から開始される地方自治体の健康診断表によると、血液の検査によって、クレアチニン 男は~1.20mg/dl、女は~1.00までeGFR   60.0~ml/min/1.73m2以上  が正常範囲となっている。

なおクレアチニン値とは血中に一種の老廃物が多いかどうかを、またGFRはクレアチニン値と年齢、性別から算出した腎機能の推定値のことである。

最終的な慢性腎臓病の重症度は招いた原因疾患、腎臓の機能、蛋白尿、アルブミン尿によって、ステージ1から5までに区分されいて、治療法が決められる。

5.慢性腎臓病の主な原因

慢性腎臓病とは、ひとつの病気を示すものではなく、慢性的に腎臓が障害されたり、腎臓の働きが低下している状態の総称である。慢性腎臓病の原因には、大きく分けて3つある。

1).原因その1

糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、メタボ、喫煙などの生活習慣病によって、長い時間をかけて、血管や組織が侵されているもので、特に毛細血管の劣化や動脈硬化が進行しているためにおきる。糸球体は血管の塊みたいなものだから、血管の良否が大きな原因となっている。

2).原因その2

一般的に腎臓病と称するなかには、急性腎炎、慢性腎炎、ネフローゼ、腎盂腎炎、腎臓結石、腎結核、腎腫瘍などの疾患があるが、中でも多いのが、慢性腎炎である。

3).原因その3

一般の成人は上述した様に左右の腎臓で、約200万個のネフロンがあるが、加齢と共に、60から70代になると、半分の100万個に減ってしまう。それに加えて、最近の食生活が変化して、リンの摂り過ぎが、体内のリンの血中濃度を高めて、慢性腎臓病だけでなく、色々な生活習慣病を招くという。最近出版された、東京大学医学部卒業、現在自治医学大学医学部の教授をしている黒尾誠著「腎臓が寿命を決める」幻冬舎新書によると、血中リン濃度と人間も含み動物の寿命には、相関関係があって、リン濃度の低い人は長寿命であるという。

更に著者は骨粗鬆症などで骨量が減ると、カルシュウムやリンが血中に溶け出してくるし、リンの多く含まれている加工食品、例えば食品添加物の多いハム、ソーセージ、かまぼこ、インスタント食品、レトルト食品、ファーストフードなどの多食はリン濃度が高くなり、カルシュウムと結合して、リン酸カルシュウムをつくる。さらにそれがタンパク質と結合して、コロイド状のCPPとなって、血中を移動して、血管壁に石灰化して沈着する。それが脳卒中や心臓疾患の原因にもなってしまう。また慢性炎症をも引き起こす。結局老化をも促進することになる。盲点はリンは無臭、無味で、どんな食品にどれだけ入っているか、判断が付かない事である。

その他の原因では、骨格の歪みが腎臓疾患に大きな影響を及ぼしていると、主張している医者がいる。西式甲田療法で有名な故甲田光雄博士の著書「腎臓病と甲田療法」創元社発行、によると、足の故障と腎機能の関連性を重視している。イギリスのツルーエタ博士も第二次世界大戦の時に、爆撃で足を怪我した人達は皆腎臓疾患に侵されている事に気が付いて、その後ウサギの実験で、腎臓と足の故障との関連性を解明した。

前出の著書の中で、足の故障→感冒、扁桃腺炎→腎炎・ネフローゼへと発展してゆくという。また砂糖の多い食品の過食が足首の故障の原因となっていて、腎臓病の予備軍となってゆく。足首に故障のある人が医者に勧められるままに、毎日散歩をすれば、ますます足首を悪くすることも多いというから、足首の故障を治してから運動することが肝要である。盲点は足首の故障は痛みがない場合も多く、本人が気付いていないことが多いという事。

もうひとつ、腎臓の働きは、胸椎の10番から出ている脊髄神経に支配されているから、この骨の狂いが腎臓の働きを悪くする。

更にもうひとつ、アメリカの自然食療法の父と言われたǸ・ウオーカー博士の著書「食事を正しくすれば、老化は防げる」によれば、すべての薬とアルコール飲料は、腎臓には非常に有害です。体内に入る液体として、最も有害なのは、おそらくビールでしょう。ビールは非常に速いスピードで腎臓を破壊すると、書いてある。

6.腎臓病の初期症状を見つけるには

先ずは年に一度の健康診断は欠かせないが、腎臓の働きが弱った時に現れる次のような東洋医学的に見た症状がないだろうか。、

●夕方になると、足がだるくなり、疲れる。
●腰に鈍痛が有り、嫌なだるさがある。
●朝起きた時に、顔や手が腫れぼったい。夕方になると足がむくむ。
●目がすぐ疲れる。
●朝早く起きられない。
●昼間の尿量が少ないのに、夜中に二回も、三回も小用に起きる。
●夜中にうつ伏せに寝る習慣のある。
●顔の色が黒ずんでいる。
●夜分就寝中にやけに足の裏が温かく、布団の外に出す。
●よく風邪を引き、熱を出し、のどの痛みがなかなか治らない。
●耳鳴り、難聴がある。
●靴の底のかがとの外側が減っている。
●足首が歪んだり、痛い。
●体を左右に振って、ヨタヨタ歩く。
●薄毛、若白髪である。
●目にクマがある。下瞼がふくらんでいる。
●顔が下膨れ。
●尿酸値が高い。

7.慢性腎臓病の予防と治療法

1)前出の黒尾誠著「腎臓が寿命を決める」によれば、リンの摂取量を減らし、血中リン濃度を上げないようにする。我々の食生活では体の必要量の約3倍も多く、リンを摂り過ぎている。リンには、有機リンと無機リンが有り、有機リンには肉類、魚介類、卵、乳製品、野菜、穀類などに含まれ、概してタンパク質も同時に含まれていることも多い。無機リンには食品添加物に含まれているリンで、ハム・ソーセージなどの加工肉、干物、練り物、スナック菓子、インスタント食品、レトルト食品などの加工食品、スーパーやコンビニで売られているお惣菜や弁当にも、腐敗防止剤として含まれている。無機リンは有機よりも体内への吸収率が高い。ただし大豆に含まれているリンは吸収されにくい。従って加工食品の購入を減らして、家で手作りしたものを食べることである。

2)西式甲田療法で多くの腎臓病患者を治してきたことが前出の「腎臓病と甲田療法」に書かれてあるが、それによると、足首に故障があると、腎臓の機能低下につながっていることを、多くの臨床経験から説明している。足首故障の治療法としては、毛管運動、足首に芋湿布、足首の温冷交互浴、脚絆療法、平床、金魚運動、合掌合蹠法、足先の上下運動と扇形運動がある。詳細は本に書かれてあるので参照。

食事療法としては、甘いお菓子の過食、肉や卵の偏食、加工食品の添加物、飲酒を慎む。またタンパク質、塩分、カリュウム等の摂取は、腎臓疾患の程度によって、厳しくコントロールする必要があるので、注意しないといけない。基本的には玄米、生野菜ジュース、小魚、海藻、キノコ、ゴマ、大豆製品などの少食である。血液を酸性化にしないことである。

黒い食品の黒豆、黒ゴマ、昆布を東洋医学では推奨している。そして水分は生水とビタミンCの多い柿茶をチビリ、チビリと補給する。朝食抜きの2食が良い。体の摂理は、午前中は排泄の時間帯であるから、腎臓は毒素を尿として排泄しようとしている時に、朝食を摂るのは生理に反する行為である事が実際に実験で証明されている。朝食抜きの人は腎臓が働いて、尿量も、毒素の量も多く出たのである。以上が甲田療法であるが、決め手として数日間の断食を実行して、治癒した例も掲載されている。

そもそも足の弱い人は腎臓が弱い。何故ならヘソから下の臓器や器官は足の血流によって、新陳代謝が行われているからである。特に加齢と共に太腿の内転筋が委縮してくると、泌尿器、生殖器、腎臓、副腎が弱ってくる。そこで太腿の内転筋を鍛えるスクワット体操が良いと云われる由縁である。更に毛管運動をして、毛細血管を増強すれば、下半身の血流もよくなる。

3)他にも、肥満にならない。肥満になると、足首を痛める人が多い。また腎臓についた脂肪層の膜が腹膜との間の栄養移動に支障を来し、炎症や委縮を起こす。

腎臓のミトコンドリアを元気にして、腎臓の萎縮をストップさせるには、亜鉛の多い食品や硫黄化合物の多いニンニク、玉ねぎ、ニラを摂取。さらに抗酸化食品の摂取で活性酸素の害からミトコンドリアの減少を防ぐ。有酸素運動をする。体を冷やさない。腸内環境を整えて、悪玉菌を増やさない。

4)東洋医学の経絡の理論

ご存知のように、東洋医学では、体内に気血が流れていて、それが滞ると病が発生する。体内には14種類の経絡の流れがある。そのひとつに腎経がある。その出発点は足の裏の湧泉と云うツボから踝の周りを通り、更に三陰交から膝を通り、上半身の胸に行き着く経絡であるが、その経路にある一連のツボを指圧することで、腎臓の働きを活発にする。腎経の経絡で特に有効なツボを上げると。

湧泉(ゆうせん)・・・足の指を裏の方に曲げると、窪みのできるところにある。

太谿(たいけい)・・・内踝の内側のアキレス腱との間の窪みのところにある。

三陰交(さんいんこう)・・・内踝から4横指上の頚骨の後ろきわにある。

陰谷(いんこく)・・・膝を内側に曲げると出るシワの親指側の端にある。

腎兪(じんゆ)・・・背中の腰椎の2番と3番の間のところから左右3cm離れたところにある。

8.まとめ

1)どうして私がこんな腎臓疾患になるのだろうかと、この病気になった人はつぶやく。無知ほど恐ろしいことは無い。人生最低限の健康常識は身に着けておきたいものである。

2)腎臓疾患を薬で治すのは非常に難しい。現代医学が進歩したとはいえ、今でも難治である。いま最終的な治療法である人工透析を受けている人が33万人いる。
しかし、 少食や断食、玄米食、骨格の矯正、生野菜汁、毛管運動、無添加食品、これらは現代医学では理解を得られてないが、これらの療法を実行して、快癒して、患者に感謝されている医者も存在するのである。そして快癒した患者が異口同音に発する言葉がある。その言葉とは、「何故この療法が一般の病院で実行されないのだろうか」と。医療制度は複雑である。我々にできることは、病気を治してくれる医者を探し回って、見つけ出すことしか、できないのだろうか。

おわり


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増え続ける糖尿病の人達 By 豊岡倫郎 氏 2022.4.30

1.日本は糖尿列島化

今糖尿病になる人が急増していて、40歳以上の4人に1人がなっていると云われている。糖尿病が疑われる人が1200万人、その予備軍が1100万人、合計2300万人になる。どんどん増える糖尿病に歯止めがかからないのは、何故か。100歳時代到来と浮かれている時ではない。

2.糖尿病の判定基準

毎年、5月から健康診断が開始されるが、血液を採取して、糖質検査が行われる。空腹時血糖値が99までが正常。ヘモグロビンエーワンシー (HbA1c)が5.5までが正常となっている。しかしこれ等の基準値は協会や医師によって若干異なることがある。なお血糖値は採血時の血中の血糖値を示すが、ヘモグロビンA1cは過去2~3カ月間の平均的な血中タンパク質に含まれる血糖値を現わしているので、比較的長期的な血糖値の状況が掴める。

3.糖尿病とは

糖尿病とは、食事の後や空腹時にも、一定量以上の血糖値の高い状態が続くことを言う。普通食事をすると、栄養素が消化、吸収されて血液中の血糖値が上がるが、それと同時に、膵臓からインスリンが分泌されて、その糖分を細胞が取り込んで、エネルギーとして、利用できるようにしてくれるので、血糖値は自然に下がる仕組みになっている。

インスリンは膵臓のランゲルハンス島で作られて、分泌されるが、このインスリンが正常に分泌されない場合、或は血中の糖分(ブドウ糖)を細胞内に取り込みできない場合は、糖分が血中に溢れた状態になってしまう。これが糖尿病と云われる病態である。

では何故糖尿病となるのか。糖尿病には1型と2型があり、1型というのは、自己免疫反応やウイルス感染などによって、膵臓のランゲルハンス島が破壊されて、インスリンが作られなくなるために起こる。若年で発症することが多く、治療法はインシュリン注射することになる。糖尿病全体の患者数の数パーセントといわれている。

それに対して2型は遺伝的要素もあるが、多くは生活習慣の不摂生などで起こる。中年以降に発症することが多く、全体の9割以上がこのタイプである。従ってこの稿では2型を対象にして述べる。この2型の発症には二つの原因が考えられる。ひとつは、長年の大食でだんだん膵臓が疲弊してしまい、インスリンの分泌量が減少するタイプである。もうひとつは、インスリンは分泌されているが、何らかの原因で、ブドウ糖を細胞内に取り込めないために、血中に溢れるタイプである。これをインスリン抵抗性という。尚溢れた糖は脂肪に代わり動脈硬化を招く。

4.糖尿病の初期症状とは

検診で前述の糖質検査で異常値があれば当然糖尿病の判定が下されるが、それ以外にも、次のような症状が有れば、糖尿病が疑われる。

●夜中にこむら返りがよく起きる。●ひげそり負けし、かゆい。●虫や蚊に刺されて、その痕が残る。
●頭の後ろのうなじに赤い斑点が出ている。●のどかよく渇く。●最近体が痩せてきた。●体がだるい。
●水を沢山飲み、尿がよく出る等の症状があれば、検診を受けた方が良い。

5.恐ろしいのは糖尿病の合併症

ひとつは、糖尿性の網膜症である。網膜の毛細血管に微小血管瘤が出来て、眼底出血や網膜剥離、飛蚊症の原因となる。白内障や緑内障のリスクも高くなる。

つぎは糖尿病性腎性である。腎臓に起こる病変は、腎臓の糸球体という血液の濾過装置の毛細血管がやられて、蛋白が漏れるようになる。3番目は高血糖が続くと神経細胞を傷つけて、神経線維や周りの毛細血管も傷つき、手足がピリピリするなどの知覚障害、しびれや痛みも感じなくなる知覚異常が起きる。更に進むと、自律神経失調し、立ちくらみ、発汗異常、下痢、便秘の症状が出て来る。そして動脈硬化も進み、脳梗塞、心筋梗塞、壊疽(えそ)になる。

6.糖尿病予防のキーポイント

1)大食しない。食べ過ぎが糖を体内に溢れさせる原因である。

2)急激に血糖値を上げるGI値の高い食品を摂らない。GI値とは色々な食品の食後2~3時間後の血糖値の上がり具合を数値化したもので、
この値が高いほど血糖値が直ぐ上がることを示す。

例えば砂糖や果糖類の含まれたお菓子、飲料水は最悪の食べもの。次に菓子パン類。白米、うどん、ラーメン、パスタ、イモ類が
血糖値を上げる。

3)肥満、特に内臓肥満は肥満細胞から分泌される生理活性物質の働きを弱めて、糖の代謝を低下させるだけでなく、インシュリン抵抗性
を高めて、インシュリンの働きを止めてしまう。

4)体内に溢れた糖がタンパク質と結合して、終末糖化産物(AGE)が産出される。最近ではこの物質が糖尿病の一番の難敵と云われている。
毛細血管を詰まらせるし、太い血管の動脈硬化を促進するし、AGEを産出する時に大量の活性酸素も発生させて、体内の脂肪分を
過酸化脂質に変質させる。この糖化と酸化が万病の元となっている。

7.糖尿病の治療法

現代医学の治療法では食事療法と運動療法を基本的には採用しているが、最終的にはインシュリン注射や経口薬に頼ることになる。糖尿病の人は普通の人よりも10年平均寿命が短いというが、根治の決め手がないから、病人が減らないのである。

8.もうひとつの糖尿病治療法

こんな本がある。渡辺昌著「糖尿病は薬なしで治せる」角川書店発行の新書版。著者は1941年生まれ、慶応大学医学部卒、もと国立がんセンター研究所疫学部長。著者本人が重度の糖尿病を薬なしで治した体験と治療法が書かれてある。もう一冊は森田トミオ著「糖尿病に薬はいらない」宝島新書発行。著者は1958年生まれ、出版社勤務を経て、フリージャーナリスト。渡辺正、森下敬一、甲田光雄、新田幸作の4人の医師の効果ある糖尿病の治療法を解説している。

9.まとめ

上述の二冊の本から得た結論は、少食にして、血糖値が上がらない3分つき玄米、生野菜ジュース、大豆製品、海藻、キノコなどをよく咀嚼して食すれば、食物繊維、ビタミン、ミネラルもあり、血糖値も下がる。運動は自彊術のような有酸素運動、全身の筋肉補強、骨格矯正を伴うものと、毛細血管の強化のために、西式健康法の毛管運動、裸療法がおすすめである。腸内環境も良くなり、免疫力も高まる。厳密な少食にして、体操をして、ストレスを溜めない生活を心がければ、糖尿病にはならない。治療に必要な事は、強靭な精神力で、キッパリと今までの悪習と決別することである。病気には自分で治す病気と医者に治してもらう病気とがある。異常な食へのこだわりを捨てない限り、自分で治すことは無理。これ位なら大丈夫だろうという、甘いものに、つい手を出す人には、至難の業かもしれないが、命には代えられない筈。

おわり


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食事療法による病気予防について By 豊岡倫郎 氏 2022.3.30

1.食は健康の要

体は毎日食べている食べ物によって作られている。中国には「医食同源」と云う言葉が有る、即ち「食誤れば病生じ,食正しければ病癒える、もって医食同源なり」と。食事療法の健康書を読むと、どの本にも出て来る記述がある。それは「マクガバンリポート」のことである。

2.マクガバンリポートとは

1970年代までのアメリカでは、ガン、心臓病、糖尿病等の生活習慣病が増え続け、止めることが出来ず、国民医療費は増加の一途だった。これではいかんと、当時の大統領フォード氏は上院議員のマクガバン氏を委員長として、栄養問題特別委員会が設置された。そして3000人の専門家と7年の歳月をかけて作成されたのが、5000ページに及ぶ通称「マクガバンリポート」と呼ばれている報告書である。1977年のことである。

その内容は、ガンや心臓病などの種々の慢性病は、肉食中心の誤った食生活が生み出した「食原病」であり、薬では治らないと断じ、私たちはこの事実を率直に認め、ただちに食生活を改善する必要があると。この時マクガバン氏は我々の肉食中心の食事がガン、心臓病、脳卒中、その他慢性病等の元凶だったとは、気付かなかった、我々はバカだった、あき盲だったと、涙ながらに語った話は有名である。

これを受けて、1979年、米国食品医薬品局は健康・医療・食事に関する対策を立て、実行に移した。また1990年には、米国ガン研究所は、デザイナーフーズプロジェクトと称して、ガン予防に有効な植物性食品の野菜、果物、穀類、香料等の摂取を呼びかけた。

3.その後のアメリカの食事療法の経緯

1)アメリカでは、2009年に、コーネル大学のT・コリン・キャンベル博士によって、「The China Study」、和書名「葬られた第二のマクガバン報告」翻訳者は松田麻美子女史、が出版された。その内容は 世界中の膨大な研究資料や、中国の農村地域と都市地域の大規模な疫学調査に基づく、研究成果によって、動物性蛋白質に発ガン性がある事が示されている。

しかしこの「The China Study」の和書名「葬られた第二のマクガバン報告」が示すように、一部の人には理解されたが、反動も大きかった。その訳は肉、牛乳、卵等の動物食品を断ち、植物性食品に替えることで、病気が治るという事から、食品業界、医学界、製薬業界からの嫌がらせがあった。だが多くの圧力や妨害を受けながらも、事実は事実として認められて、2011年に、キャンベル博士のこの著書は地球環境のノーベル賞と称せられるカターブァ賞に選ばれた。

2)ナチュラル・ハイジーン健康法とは

アメリカで1830年頃医師たちによって、自然と生命の法則を基にした医学理論による健康法で、世界中で知られるようになったのは、これを解説した「Fit for Life」という本が、1985年に出版された時からである。日本には2000年過ぎアメリカ在住の松田麻美子女史の著書によって知られるようになった。松田麻美子女史は翻訳だけでなく、自らも「常識破りの超健康革命」などいくつものこの方面の著書がある。

そして2013年頃からナチュラル・ハイジーンに賛同する医師や代替医療家が増加して、2017年には、医師約600人を含む900人が参加して会議が開かれている。

3)別に2013年にサンディエゴで第一回植物性食品による国際医療会議が開かれた。225名の医療関係者が出席した。更に翌年2014年の時には、400名の医師や医療関係者が世界15国から参加した。この時日本から初めて、医師の真柄俊一氏が出席した。

4)大ヒットした映画「フォークス・オーバー・ナイブス」の話

タイトルの意味は、正しい食事は手術に勝る、という意味である。2011年アメリカとカナダで公開されて、ドュメンタリ映画として、異例のヒットをした。その内容は、現代人が苦しんでいるガンや慢性疾患、心臓病、糖尿病等が動物性食品を排除することらよって、改善が可能であることを、科学的、客観的に解説している。この映画の日本版DVD「フォークス・オーバー・ナイブス、いのちを救う食卓革命」も発売されている。この映画の解説書も「フォークス・オーバー・ナイブスに学ぶ超医療革命」という表題で刊行されている。

5)ベジタリアンとビーガンについて

ベジタリアンとは肉や魚類を食べず、野菜、豆類、穀物などの植物性食品を主に食する人達の事。
またビーガンとはあらゆる動物性食品を厳格に避けて、卵、乳製品も摂らない菜食主義者の事。
アメリカでは人口の7%以上が、イギリスでは5%以上がベジタリアンだと云われている。だからこれらの国では、街中のレストランを始めとして、大学の学生食堂、飛行機の機内食でもベジタリアンの為の食事が可能となっている。

4.食は現代医療を超えた

「食は現代医療を超えた」この言葉は、前述した医師の真柄俊一氏の2015年に発行の著書の表題である。外にも「遺伝子群の働きを正常化すれば、ガンは治せる」など多数の著書がある。真柄俊一氏は新潟大学医学部卒業し、素門(そもん)八王子クリニックの院長で、食事療法と刺絡(ハリ治療の一種で、自律神経を調節して、免疫力を上げる)、及びメンタル面の指導で、遺伝子をコントロールする療法の三本柱で、がん治療を行って、効果を上げている医師である。

彼の食事療法は栄養学のアインシユタインと称されるT・コリン・キャンベル博士の前出の「葬られた第二のマクガバン報告」を読み、2014年の会議ではキャンベル博士にも会って、食事と病気の重大な関連性を再確認した。更に特筆すべきことは、ブルース・H・リプトン博士のエビジェネティクス理論に基づいたメンタル指導をしていることである。これは人々の意識を変えることによって、もって生まれた遺伝子もオンにもオフにもコントロールすることが出来て、それを療法に採り入れている。

5.ガンが増え続けている日本

人口10万人当たりの病名別の死亡者数を見ると、日本では1980年にガンが脳血管疾患を超えて、一位になってから、上昇の一途をたどっている。しかしアメリカやイギリス、フランスと比べると、これらの国は1990年をピークにして、ガンは下降線に転じているのに、日本では更に上昇し続けている。

6.まとめ

1)日本では最先端医学ばかりに目が向いていて、ガンは無論のこと、血管性の脳や心臓の疾患、糖尿病などの生活習慣病予防の為に、今こそ食事療法に国を挙げて取り組むべきではないか。

2)アジアの島国の日本は、井の中の蛙、大海を知らずで、アメリカに比べて食事療法が20年以上遅れているという。これでは生活習慣病は減らない。医療費は増大するばかりである。

3)クリントン元大統領は2度心臓発作で倒れたのを、食事療法で完治した。この記事を書いているこの日、3月29日は肉の日だ、肉を食べれば元気が出るよと、男性アナウンサーが話しているではないか。誤食によって健康を失う事がないよう的確な判断が今要求される時では。

おわり


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第156号 健康への道しるべ :令和 4年3月15日発行

第156号 心と体の健康生活:令和 4年 3月 15日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間 購読料:2,500円

今回の見開きページの話題は「蓚酸とほうれん草」

西式健康法を考案した西 勝造先生の学説によると蓚酸は蠕動運動の張力を保ち、刺激を与えるのに必要な要素のひとつであると説かれている。

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↓ 私のブログ記事も掲載してくれている。

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脳梗塞が急増している By 豊岡倫郎氏 2022-2-28 

1.脳梗塞の人が増えた

最近私の身辺で脳梗塞で倒れる人が次々と発生している。脳梗塞は脳卒中のひとつで、心臓疾患と合わせて、ガンに次ぐ、死亡原因の上位を占めている恐ろしい病気である。共に動脈硬化が進むと、発症する確率が高いと言われている。何故こんなに多いのだろうか。

2.脳梗塞とは

脳卒中(最近は脳血管障害と呼ぶ)には、脳の細い血管が破れるのが脳出血、脳の比較的太い血管が詰まるのが脳梗塞、脳血管にコブや奇形が原因で出血するのがくも膜下出血である。この中で最近とみに増えてきたのが、脳梗塞である。それも若い人にも多いと言われている。

脳梗塞には3種類ある。ひとつはラクナ脳梗塞(隠れ脳梗塞とも呼ぶ)、次はアテローム血栓性脳梗塞、3番目は心原性脳梗塞(脳塞栓症)である。ラクナ脳梗塞は脳の細い血管が詰まる。症状がないが、一時的に軽微な障害が出ることもある。放置すると、アテローム血栓性脳梗塞、や心原性脳梗塞に進行してゆくこともある。アテローム血栓性脳梗塞は脳の太い血管に血栓が出来て詰まるもの。心原性脳梗塞は心臓に出来た血栓が流れてきて、脳の血管が詰まるもの。急激に症状が起こりやすい。

これら脳梗塞の発症のベースとなっているのが動脈硬化である。動脈は全身に張り巡らされているが、この動脈がいろいろな要因で血流が悪くなり、心臓の冠動脈で詰まれば、心筋梗塞になり、脳で詰まれば、脳梗塞となる。血管に欠陥が有っては長生きできない。

3.動脈硬化はどうして起きるのか

若い時の血管は、弾力があり、ゴムのようにしなやかだが、加齢と共に、血管も老化し、硬くもろい状態に変わってゆく。加齢以外にも、血液中で増えすぎた悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が原因で動脈硬化が進行してしまう。悪玉コレステロールは、血管の壁に入り込むと血管の壁がどんどん分厚くなり、弾力性を失う。放っておくと、プラークができて、血管の内皮に入り込む、すると白血球の一種のマクロファージが血管の中に入り込み、悪玉コレステロールを食べた後に死んだ残骸や残ったコレステロールによって形成されるのが、プラークと呼ばれるコブである。そして血管が狭くなり、どんどん血液が流れにくくなってゆき、プラークが何かの刺激で破れると、傷を修復するため、血小板でかさぶたが作られる。これが血栓と呼ばれるもので、血流が完全に妨げられると、その先の組織に酸素や栄養が行き届かなくなってしまう。

また間接的に動脈硬化を引き起こす危険因子は沢山ある。それは肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、高コレステロール、喫煙、飲酒、運動不足、不整脈(心房細動)、加齢、ストレス、慢性腎臓病などである。

4.脳梗塞の症状

脳内には色々な機能があり、梗塞を起こした場所が、どこか、細い血管か、太い血管か、血栓や血流の状態などによって、様々であるが、よく発生する症状を列記する。

急に手足が動かなくなる。体に力が入らない。顔にマヒがある。食事中に箸や茶碗を落とす。真っ直ぐ歩けない。つまずきやすい。片足を引きずる。言葉が出てこない。呂律が回らない。手足がしびれる。物が見えにくい。めまいや頭痛がする。要するに運動、言語、感覚、視覚障害
が現れる。

5.診断

上記のような症状が出たら、直ぐ医者に行くことである。病院ではMRI(磁気共鳴画像法)などで脳の血管の状態を検査して、直ぐに必要な処置を施すことになる。特に発症後4時間以内の緊急処置が一番大事で、次に8時間以内ならば別の処置になり、更に48時間以内なら、次の手立てとなって、早ければ早いほど、後遺症も軽くなる。正に時間との闘いが生命を左右する。

6.脳梗塞の盲点

脳梗塞の根本原因は動脈硬化に侵されているか否か次第である。上述した様に、血圧にしろ、血糖値にしろ、コレステロールにしろ、中性脂肪にしろ、これらは全て日頃の生活習慣の悪癖から起きている。予防法も、治療法も、食を正すことに尽きる。動脈硬化はもう子供の時から始まっている。そして加齢と共に進行して行く。隠れ脳梗塞の場合は症状らしい症状が出ないが、50代では二人に1人、60代ではなんと8割以上に隠れ脳梗塞が起きているという。

閾値(いきち)という言葉がある。脳の働きは、脳細胞が5割障害を受けていても、症状が出ない事がある。ところが6割になったとたんに、重大な症状か突然出ることがある。この限界値を閾値(機能的限界)という。普段から酒は美味いし、食欲もあるし、どこも痛くも、痒くもないないと、慢心していると、病魔は深く、静かに体内で進行している。脳梗塞で倒れる様な人は定期健診を受けていれば、健診項目に注意書きされている筈である。慢心して、それを無視して、養生を怠ることも盲点となっている。危機管理意識の欠如が墓穴を掘ることになる。

もう一つの盲点は、一度脳梗塞を起こした患者は、再発しゃすく、発症後一年で10%、5年で35%、10年で50パーセントの人が再発すると云われている。また心臓疾患で冠動脈に異常があり、治療を受けている人も、いつ発作が起きてもおかしくない閾値が高い状況にある。

7.予防と治療法

上述した脳梗塞形成の機序は一般の医学書に通説として、説明されているが、これに対して異論を唱える医師がいる。真島康雄医師である。福岡県久留米市で、真島消化器クリニックの院長で、1950年生まれ、久留米大学医学部卒業。「脳梗塞・心筋梗塞・高血圧は油が原因」動脈硬化は自分で治せる、という副題が付いている本(2018年、幻冬舎発行)の著者である。

それによると、真島医師は10年間にわたり5800人以上の患者を体の8か所の血管エコー(超音波)検査を行い、独自の方法で体の総プラークの算出方法を考案して、脳梗塞や心筋梗塞の原因は食品から摂る油や脂(あぶら)の超微粒子脂肪滴が原因だとしている。プラークを溜めない、溜まったプラークを減らす「RAP食」を患者さんに摂ってもらい、治療効果を上げている。一読の価値がある。西式甲田療法でも少食、生野菜ジュース、宿便排除、毛管運動が効を奏す。

8.まとめ

1)以前こんな言葉を云った人がいた。「白い猫でも、黒い猫でも、ネズミを捕ってくれる猫が良い」と。医療行為も同じで、理論もあり、病気を治す医者の実学が患者には福音となる。

2)脳梗塞になると、血管性認知症を併発することも多いので注意が必要である。

3)今日もテレビは爆食番組を放映して浮れている。油・脂と酒と砂糖漬けになった体は薬では治らない。日本の医療関係者は食事療法を摂り入れない限り、高血圧も、糖尿病も、高脂血症も、肥満も暴飲暴食が原因で起きている病人は減らない。食事療法は採算が取れないから医者は採用しないのだろうか。それとも真の栄養学の知識不足のせいなのだろうか。

おわり


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健康スクール 場所移転のお知らせ

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健康へのトビラ Vol.29

令和4年(2022年)2月 15日発行 Vol.29

編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい

〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441  FAX:0877-45-8444

今回の記事は、

1、「西式断食法」との出会い By 甲田光雄 先生

2、坂出健康会館が閉館しました。

3、健康に関する名言・格言 By 豊岡 倫郎 氏

4、緑内障・黄斑変性症・糖尿病網膜症を自分で治す方法 By 山口 康三 先生

5、健康スクールの移転お知らせ

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柿ポリフェノールによる血管弛緩作用と血管収縮抑制作用

奈良県立医科大学法医学教室の研究グループが柿の果実から抽出した柿タンニン(柿渋)と柿の葉に含まれるポリフェノールが、強力な血管弛緩作用と血管収縮抑制作用を持つことをラットから摘出した血管において実証した。

これらの作用は動脈硬化症や高血圧症などにより内皮細胞が障害された血管においても同じ作用を示す事から降圧効果を発揮する可能性があり循環器疾患の予防・治療への応用が期待できる。

現在、柿の葉茶の病態改善効果を検証しているとの事。

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第155号 健康への道しるべ :令和 4年1月25日発行

第155号 心と体の健康生活:令和4年1月25日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間 購読料:2,500円

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巻末に七福神の紹介があった。信仰すれば7つの幸福を授かり

7つの厄災が取り除けられると言い伝えられている。

恵比寿天は清廉・正直

大黒天は有福

毘沙門天は威光

弁財天は愛嬌

布袋尊は大量

福禄寿は人望

寿老人は長寿

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弱体化していく子供の体 By 豊岡倫郎氏 2022-1-29

1.弱体化してゆく子供の体

人生100年時代になったと、楽観視している人が多いが、今の百寿者の人たちは、大正末から昭和の初めに生まれて、成長期時代の環境は、食事、乗り物、冷暖房手段などは簡素で、厳しく、体も鍛えられた。ところが今、心ある医者達からは、子供の体に異変が起きていて、子供たちの健康状態について、先行き懸念する声が上がっている。

2.子供たちに起きている憂いべき症状の数々

ある教育機関の小学生、中学生を対象にした調査によると、その症状を多い順から列挙すると、アレルギー性疾患、視力が弱い、すぐ疲れる、歯並びが悪い、腹・頭痛がある、背中がぐにゃぐにゃ、体温36度以下、首・肩コリ、虫歯、肥満などの症状である。

3.何故こんな症状が起きるのか

我々を取り巻く社会環境は、整備されて、多種多様な食べ物は溢れ、交通機関も発達して、歩くことも少なくなり、放課後友達と外で遊ぶこともなく、夜遅くまでスマホやパソコンを操作して、腹がすけば夜食を摂り、冷暖房設備が完備されて、農薬や食品添加物の入った加工食品、大気汚染の中に囲まれているという、衣食住の生活環境がすっかり、自然から乖離してしまつた。即ち飽衣飽食、運動不足、ストレス、睡眠不足などで、体は弱体化してしまった。

4.多いアレルギー性疾患

アレルギー性疾患には、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎(花粉症もその中に入る)、食物アレルギーなどがある。その中でも一番多いのがアトピー性皮膚炎で、全国に治療を受けている人が約700万人、花粉症は10人に1人が悩んでいると云われている。上述した様に子供達にも一番多いのが、アレルギー性疾患で、3人に1人いるという。

5.アレルギー性疾患発症のメカニズム

アレルギー性疾患発症のメカニズムは、どの症状の場合も、皆同じで、起こってくる場所と、その症状が違うだけである。つまり体外から入ってくる抗原(アレルゲン)となる物質、例えばダニ、カビ、花粉、そして大豆、卵、牛乳などのタンパク質が体内に入ってくると、体に備わっている抗体との間で、異物として処理しようとする反応が炎症を起こし、それぞれの場所で症状として発生する。なお抗体とは、病気の原因となる物質が体内に侵入したとき、異物として攻撃したり、体外に排除する役割を担うために作られたタンパク質のこと。

6.アレルギー性疾患の治験

何故私がアトピー性皮膚炎や花粉症になったのか、しかも通院していても、治療の決め手となる治療法が確立されていない為に、どうしたらよいのか、悩んだり、疑問を持っている人が多い。

この問題に対して、1998年に話題となったのは、八尾市の甲田医院で行われたアトピー性皮膚炎の治療の為に実施された「健康合宿」とよばれるものである。この合宿には浜松医科大学、大阪大学、兵庫医科大学、岡山県立医科大学の先生方も参画して、重傷から中等のアトピー性皮膚炎の患者20名が入院して、1996年11月から12月の2か月間、甲田医院にて、治療が進められた。その結果は好成績に終わった。

その後、この健康合宿の成果を知った人達から、もう一度健康合宿を実施してほしいとの声が上がり、1997年8月に第2回目が、17名のアトピー性皮膚炎の患者が参加して甲田医院で行われた。その結果は前回と同様に、17名全員の症状が軽快するという好成績が認められた。そしてその治験が1998年12月に行われた、第48回日本アレルギー学会総会で、報告された。

この合宿の体験集が、甲田光雄監修、すこやかな子供を育てる勉強会編、「アトピーの健康合宿に学ぶ、甲田療法の実践記録」として創元社から出版された。

アトピー性皮膚炎に対する、所謂甲田療法の主眼点は、外部からのアレルゲンと云われる抗原物質よりも、タンパク質の多いに肉,乳製品の過食で悪化した腸内環境に、発症の原因があるとするものであった。

従ってその対策としては、アレルゲンが傷ついた腸粘膜から体内に入らないようにする事に視点を置いた。これを戸締り論と称した。浜の真砂のようにアレルゲンは数々あれど、腸壁を修復し、しっかりと戸締りすれば、体内に入って行かないという理論である。

まず少食主義に切り替えて、今迄の乱れた食事によって荒れた腸粘膜の傷を治すことに主眼を置いて、少食、玄米、生野菜汁など、一連の甲田療法を実行したのである。詳細は上述の著書参照。現代の症状を消そうとするだけの医療は食を超えられないことを示したのである。

7.体の不調は腸もれ、正式にはリーキーガット症候群とは

腸もれに関する研究が進み、腸もれが体の不調の一大原因と云われている。腸もれとは、腸壁の細胞間の連結が緩んで、隙間が出来て、そこから腸内で腐敗したタンパク質の毒素や細菌などが腸壁から吸収されて、血液に混じり、全身の組織に悪い影響を与えてしまうことが解かってきた。今や日本人の70%に「腸もれ症候群」の可能性があるという。

例えば、アレルギー性疾患はもとより、慢性炎症、慢性の消化器系疾患、めまい、疲労、多動症、自閉症、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、全身痛、動脈硬化、慢性リュウマチなどの発症に係わっている可能性を指摘している。

対策は良い腸内環境を作る食事、即ち少食、3分づき玄米、生野菜汁、小魚、大豆製品、ゴマ、海藻、キノコ、根菜類中心の食事である。肉、卵、乳製品、食品添加物の多い加工食品、酒、甘いものは控える。特に蛋白質の過剰摂取で生じる窒素酸化物が元凶となっている。

8.子供の病気は親の責任

両親が健康であれば、生まれる子供も元気に生まれる筈。問題は両親が不規則な、乱れた食生活を続けていれば、「この親にして、この子あり」という諺の通り、病弱な子供が生まれるに違いない。先ず子供の為にも、自分の為にも、正しい生活習慣を身に付けねばなるまい。

食育と云う言葉が有る。食育基本法と云う法律が2005年に制定されている。その中身は、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成のために、保護者、教育関係者の役割、伝統的な食文化、生産者の環境、食の安全性などについて規定されているが、今の医療体制は食事療法に無関心で、治療に活かされていないというから、話は深刻さを増す。

9.まとめ

1)毎日テレビでは地方のグルメやスイーツの食べまくり番組を放映している。今回触れなかったが、いま小、中学生に高コレステロール、脂質異常、動脈硬化が激増しているという。

2)乱れた食生活がじわじわと体を蝕んでいる、今の子供が百歳まで生きられるのだろうか心配。

3)親は早く食の重大さに気づき、子供の食育をしないと、親も子も滅びてゆく。

おわり


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第154号 健康への道しるべ :令和 3年12月15日発行

第154号 心と体の健康生活:令和3年12月15日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

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2 ページ目に「ビタミンCの宝庫 柿の葉」が記事になっています。


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健康常識の盲点 その3 By 豊岡倫郎氏 2021-11-29

1.病気には必ず原因がある

病気に罹り、どうして私がこんな病気になったのか、と嘆き悲しむ人の姿を幾度も見てきた。病気には必ず原因がある。その原因を作り出したのは、あなた自身であることを、知らなかったでは済まされない。人生は一度きりしかないのだから。

2.姿勢の悪さが病気の原因になっているのに、自分の姿勢が悪いのを気にも留めない人が多い。骨格の歪みが病気の原因になっていることを知っている人は少ない。

徳永耕二博士の著書「難病を治す背骨療法」によると、慢性肝炎では頸椎2~5番、胸椎8~11番、腰椎2~3番に異常。難聴、耳鳴りでは頸椎1~3番、腰椎1~3番に異常。狭心症、心筋梗塞では胸椎4~9番、腰椎1~3番に異常。腎炎、ネフローゼでは腰椎1~4番に異常。膀胱炎では胸椎9~11番、腰椎3~5番に異常。胃弱では胸椎4~6番に異常。胃下垂、胃アトニ―では胸椎7~9番に異常。小腸や大腸が弱いと、胸椎7~11番に異常。糖尿病では胸椎11番に異常。生理不順では胸椎11番、腰椎2~3番に異常があることを長年の臨床体験に基づき確認している。徳永博士と同じような指摘は、元東海大学教授の棚田次雄氏の著書「背骨ポキポキ健康法」にも載っている。また「西医学健康原理実践宝典」にはフランスのアー・ルブラン博士の背骨の狂いと故障する器官の一覧表が掲載されている。

この様に一般的に内科医が担当するような病気が、骨格の歪みが影響しているケースもあるとは思っていない人が多い。

ではどうしてこのようなことが起きるのだろうか。体の中心を貫いているのは、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、さらにその下部には仙骨と尾骨があり、これらの椎骨が上から下まで積み重なって、一本の脊柱となっている。そして個々の椎骨の間からは、脊髄神経が枝分かれして、全身の臓器や器官に分布していて、脳との間で情報交換をして、生命活動を維持している。

ところが人間は二本足で立ったり、座ったりして、立ち働いている間に、背骨がどうしても前後左右にズレたり、捻じれてしまうと、各椎骨の間から出ている脊髄神経が圧迫されて、臓器や器官の働きが乱れて、病気の原因となる。

では骨格を狂わせる悪い生活習慣とは何かと云えば日常の仕事、スポーツ、パソコンやゲーム機の操作、家事や畑仕事、家での寝転んでのくつろぎの姿勢、横座り、ぺたんこ座り、椅子に座り足を組む、ハイヒールを履く等挙げられる。このような偏った姿勢を続けていると、骨格も歪み、それを支える筋肉も、引っ張られ緊張してしまう。

甲田光雄博士著「背骨のゆがみは万病のもと」という本によれば、大食、甘い物、アルコール好きの人は、足首に故障が出る。足の親指から、足首、膝、腸、肝臓、肺、扁桃腺、頭痛へと、足の故障がジグザグに、左右交互に上の方へ影響を及ぼしてゆくことを、身体故障反射伝達図で説明している。

他にも磯谷公良著「予防医学」という本によれば、股関節の左右の歪み、即ち転位が足の長さの長短の原因となって、骨盤を傾斜させてしまう。磯谷式力学療法を提案している。五味雅吉著「体は骨盤から治せ」によれば、上半身の重みは脊柱の下に位置する仙骨が支えている。骨盤は両側から仙骨を挟み込んでいる構造になっている為に、仙腸関節がズレやすい。これらの原因で骨盤が左右どちらかに傾くと、その上の脊柱もバランスをとろうとして、曲がってしまう。そして最終的に上述した様な病気を招く結果となる。

では対策はどうすれば良いかは、それぞれの著書に解決策が記載されているが、ここでは紙面の余裕がないので関連図書を一読してください。

3.体の血流は心臓のポンプ作用によって、押し出されて体内を巡っている。この件につい誰一人として、疑問を抱く人がいないのが、問題なのである。

これから寒くなると、足が冷たい、腰やお腹が冷えるといって、いろいろ対策を講じる人も多い。根本原因はその部分の血流が悪いからである。体内には血管が張り巡らされていて、それらの血管を一本につなぐと、約10万キロメートルの長さになる。その内95~99%が毛細血管である。この毛細血管が加齢と共に衰えて、減ってくるが、それを加速させる要因がある。それは運動不足、甘い物、お酒である。これらは毛細血管を硬化させたり、消滅させたりする。病院で病気の原因が毛細血管が関係していると言及されることはまず無い。

では何故今ここで毛細血管を問題視するかと言えば、いくつか理由がある。

そのひとつは、血液の循環は心臓が押し出すポンプ作用によるものではなくて、毛細血管の吸引力によるという理論がある。これは西式健康法を創設した西勝造氏の学説であるが、その証明として20数箇条を挙げている。例えば、血液は水の4~5倍の粘着力がある。毛細血管の内径は5ミクロン位の細さである。その細い血管の中を僅か30秒前後で全身を巡って心臓に戻って来る。とても拳大の心臓の四分の一の左心室が収縮することで、血液を送り出す力は、物理的に考えられない。従って健全な毛細血管の働きなしには血液は順調に循環しないのであると。

もうひとつは、毛細血管の重要な働きを認識していないことである。大阪大学教授の高倉伸幸著「ゴースト血管をつくらない33のメソッド」という本によれば、体内の37兆個の細胞に酸素と栄養を供給し、二酸化炭素と老廃物を回収するという生命の基本的な働きは、毛細管血管が行っている。もし毛細血管が硬化したり、消滅していると、ここではこれをゴ―スト血管と称しているが、ガン、免疫力、骨粗しょう症、認知症、高血圧、糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患、便秘症、アトピー性皮膚炎、薄毛、シミやシワなどに深く係わっているという。

4.骨格の矯正と血液循環の正常化対策

今回取り上げた骨格の歪み及び血流の問題解決に対して、西式健康法では、誰でも実行できる具体的な方法を提案している。それは、骨格の矯正に対しては、木枕、平床、金魚運動、合掌合蹠法を、血流や毛細血管の強化、再生には、毛管運動、裸療法、温冷浴を薦めている。また食事面でも、大食を慎み、玄米、生野菜ジュース、大豆、ゴマ、小魚、海藻類を中心とした食事によって、肥満を防止し、腸内環境を整えて、綺麗な血液が体内に流れる事で、体質が改善される。

この中で特にお薦めするのは骨盤の歪み改善には合掌合蹠法を、血流改善と毛細血管の再生には毛管運動をぜひ一度は実践してみてほしい。パソコンやスマホで検索すれば、その動作を見ることが出来る。「ナポリを見てから死ね」という格言が有るが、西式健康法がどんなものであるか、一度は読んでもらいたい。この健康法を治療に活用している医者も何人もいるし、治療に成果を上げている。何事もいくつかの事を比較することによって、最善を選べるのである。

5.まとめ

1)骨格の歪みが腰や膝の痛みばかりでなく、内臓の病気を誘発していることも多い事を認識して日頃の生活習慣を見直して、改めるべき点がないだろうか。病気を作り出しているものは何であるか、と云う事に気付くには、健康常識の盲点を知ることも必要なのである。

2)血流の悪いところに病気が宿る。いくら知識を得ても、病気を治そうという強い信念と行動力が伴わなければ、健康を得られない。

おわり


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健康常識の盲点 By 豊岡倫郎氏 2021-9-30 

1.あなたの健康常識は間違っていないか

スマホが普及して、誰でも健康に関する情報を取ることが出来るし、新聞、雑誌、テレビで健康に関する記事や放送を見聞できる。しかし健康問題に関心のない人達には、正に猫に小判である。病気になれば医者に診てもらえばよいと、楽観的な人が多い。何故私だけがこんな病気で苦しまなければならないのか?病気には必ず原因がある。無知では済まされない。

2.健康常識の盲点

1)甘いものは疲労を解消してくれる。

確かに糖分を摂ると急速に血液に吸収されて、エネルギー源となって、疲れを解消してくれるし、脳は反応して、気持ちをリラックスさせてくれるセロトニンが分泌される。しかしそれは一時的なことで終わる。むしろ常時糖分を摂取し続けると、次のような害が起きるので極力控えることである。先ず体の体液を酸性に傾けるが、それを中和するために体内の骨の中からカルシュウムを捻出させる結果、骨が脆くなる。更に血中の糖分は毛細血管を消滅させて、血液循環が悪くなる。大量の糖分は血糖値を乱高下させて、脳は混乱して、精神的にイライラや落ち着きをなくして、感情を不安定にさせる。糖分は腸の悪玉菌のエサとなって、腸内環境が悪くなる。胃腸や肝臓の働きが低下してしまうし、免疫力も低下する。中性脂肪やコレステロールを増やす。

最も怖いのは、AGE(終末糖化産物)の生成である。これは糖分がタンパク質と結びついて出来る変質した物質の事で、糖分とタンパク質の摂り過ぎで、体内でどんどん生成されて、体内の至る所に蓄積されてゆき、動脈硬化、ガン、骨粗しょう症、変形性関節症、認知症。白内障、肌のシミやシワなどの病気や老化を促進する。当然のことであるが糖分の過剰は糖尿病を発症させることは言うまでもない。

2)高脂肪、高蛋白の高カロリー食は病気に負けない元気な体を作り、スタミナが付く。

戦後欧米食が日本に普及して、今では若い人達は和食離れして、欧米崇拝主義が食生活までも変えてしまった。その結果、高脂血症、高コレテスロール、動脈硬化、高血圧症、脂肪肝、肥満、ガンが大人だけでなく、若年層や子供達にも激増している。

よく言われている言葉に、肉を食べるとスタミナが付くと。果たして本当だろうか。スタミナとは、持久力、精力を意味するが、肉を食べると、持久力が続き、元気が何時までも続くことはあり得ない。腸内環境も悪くなって、血液は汚濁し、免疫力も低下する。

油で処理したものは味覚を刺激して、若者達は焼き肉だ、トンカツだ、とりの唐揚げだ、ハンバーグだと、常食すれば健康体を作るどころか、大腸ガンや乳ガンを誘引するという。

脂肪分を摂り過ぎると、活性酸素によって過酸化脂質に変質されて、血管壁に付着したり、血管癖に浸み込んでゆき、血管を脆くしてしまい、各種生活習慣病を招くことになる。

3)牛乳は完全栄養食である。カルシュウムが豊富なので、骨を丈夫にするし、骨粗鬆症に良い。

カルシュウムパラドックスという言葉がある。一度に大量のカルシュウムが体内に入ると、ホメオスタシスという体内の恒常性維持機能が働いて、余分なカルシュウムを体外へ逃がそうとしてしまう。逆に骨がカスカスになってしまうのである。酪農の国のノルウェーやデンマークの若者に骨粗しょう症の人が多いのは、そのせいであると云われている。

そもそも日本人は小魚、海藻、野菜類、ゴマ、大豆製品の日本食からカルシュウム分を摂取していた。カルシュウムを骨に沈着させるには、体を動かして骨に負荷を与える事やビタミンD、マグネシュウム、ビタミンC、ビタミンKの摂取も欠かせない。砂糖や蛋白質の摂り過ぎは体を酸性にするからカルシュウムが逃げてしまう。コーヒーやお茶のカフェインはカルシュウムを排泄させる働きがある。肝臓や腎臓の機能が低下していると、ビタミンDが作られない、胆嚢や膵臓の働きが低下していると、脂肪分とカルシュウムが結びついて、吸収されずに便と一緒に排泄されてしまう。胃腸の粘膜に炎症があると、カルシュウムの吸収が悪い。閉経期を過ぎた女性は女性ホルモンが減って、骨の新陳代謝機能が低下しているので、骨粗しょう症になり易い。

要するに牛乳を摂取しなくても、以上のような注意点を考慮すれば、即ち日本食をきちんと食していれば、骨の異常は起きない。牛乳神話に惑わされないようにしたいものだ。

そもそも日本人の八割の人は牛乳に含まれているカゼインという蛋白を消化するラクターゼという酵素を持ち合わせていないので、アレルギー反応が起きる。或いは消化不良で下痢する。花粉症やアトピー症が増えたのも牛乳に原因があると云われている。

4)酒は百薬の長である

確かに適度な量の酒は気分をリラックスさせて、食欲を増進させる効果は否定できない。しかし20年も30年も毎晩晩酌をしていると、肝機能は低下してゆき、肝硬変になったり、アルコールからアセトアルデヒドという副産物が作られて、それを分解する時に、大量の活性酸素が発生するし、ビタミンB類、ビタミンC及び酵素類が無駄に消費される。酒の肴に動物性のものを一緒に摂ると、活性酸素によって過酸化脂質に変質して、血管に蓄積されて、動脈硬化を招く。酒を飲んだ直後は体は血管が膨張して、血流が良くなるが、その後は逆に血管が収縮する。これを繰り返していると、段々脳細胞が委縮してゆき、認知症に近づいてゆく。またアルコール分は利尿作用が働いて、尿と一緒にカルシュウムが排出されてしまし、肝臓が疲弊していると、ビタミンDが産生されないため、腸でのカルシュウムの吸収が悪くなる。お酒飲みの人に腰の悪い人が多いのはその為である。

最近はビール党も若い人に多いが、体を冷やすから、年輪を重ねるにつれて、体の変調をきたすことになる。アルコール中毒になることだけは避けたい。酒は百害の長である。

5)お腹に宿便はない

毎日排便があれば宿便なんかない。医者は肛門から内視鏡を挿入して、目で確認しているが、宿便は見当たらない。腸の粘膜は3日で剥離して入れ替わるから、宿便は残らない等がその根拠となっている。

しかし甲田式西式健康法で多くの難病患者を治療してきた甲田光雄博士の著書によると、「現代人の大半は宿便をどっさりため込んでいる。毎日快適に便通があっても宿便が溜まっている。関節リュウマチ、脳卒中や痴ほう症、アレルギーの発生にも影響している。万病のもとになっている。」と書かれてある。

実際に甲田医院に入院した人達の闘病記を読むと、生々しい宿便排泄の状況が描かれている。絶食に入る前に、スイマグという水酸化マグネシュウムの緩下剤を飲んで、腸内が空っぽになっているのに、真っ黒な悪臭を放つ宿便が何回も排泄されるという。どうも腸壁の中に浸み込んでいる老廃物が浄化されるらしい。

3.まとめ

現在日本に高血圧4000万人、糖尿病2200万人、高尿酸血症600万人、肥満3400万人、骨粗しょう症1800万人、アトピー症700万人、花粉症2000万人、脂質異常症3200万人、脂肪肝3000万人いるという。 これらの病気が間違った健康常識を抱いている人達の生活習慣によって、発症している。砂糖、肉と油、牛乳、酒、大食による宿便の害に無関心では済まされない筈。これら日本食離れの食生活からもう一度回帰する時期にあるのではなかろうか。

おわり


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第153号 健康への道しるべ :令和 3年9月15日発行

第153号 心と体の健康生活:令和3年9月15日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

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今月の編集長からのメッセージ
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肥満が招く病気の数々 By 豊岡 倫郎 氏 2021年8月30日

1.肥満の人が増えている

肥満人口は増加の一途をたどっていて、今や推計2300万人に達している。今年7月公表の文部科学省の調査では、小学6、中学3、高校3年生の肥満者がここ五年間毎年増え続けている。

2.肥満は自慢にならぬ

一昔前までは太っている人を見ると、あの人は恰幅がいいとか、押し出しがいいとか言われたものだが、今は太った経営者に対して、自分の体もコントロールできない者が、どうして部下を管理できるものかと、厳しい批判を受けている。これは何も経営者だけに限ったことではない。

3.肥満の定義

肥満を判断する基準がある。その数式は、「体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)=BMI値」である。この値が25以上を肥満者としている。なお18.5以下の人を痩せの人とする。男性では50代の人の37%が肥満のピークで、その前後の40代と60代も35%前後の人が肥満となっている。女性では、60代、70才以上の人がピークでそれぞれ28%を占めている。ある調査によると、一番死亡率の低いのは、BMI値が22から25の人だという。

4.メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドローム(メタボ)とは、BMI値が25以上で、腹囲(ウエストサイズ)が男性で85cm以上、女性で90cm以上ある場合、内臓脂肪型肥満となり、加えて脂質異常、高血糖、高血圧を二つ以上合わせ持った状態をいう。

5.体脂肪率とは

体重に占める体脂肪の割合を、体脂肪率(%)という。一般に健康的とされる体脂肪率の目安は、男性は10〜19%、女性は20〜29%で、それ以上になると、肥満という判断になる。なお肥満には、体質や生活習慣によって、脂肪の付く場所がヒップや太腿など下半身の皮下に脂肪が溜まるのが、洋ナシ型で、お腹を中心に上半身に溜まるのが、リンゴ型肥満と呼んでいる。

6.肥満の原因

社会経済が進歩し、豊かになって、自動車や家電製品などの文明の利器が普及し、日本では食事の欧米化が一般化してしまった。高脂肪、高蛋白の肉類と乳製品の高カロリー食を摂り、食事の多様化が進んだ。一方体を動かさない生活が続けば、消費エネルギーよりも、口から入る摂取エネルギーの方が多いために、余分なエネルギーが体に蓄積して、肥満を招く。これが根本的な原因である。脂肪はタンパク質や糖質よりも単位重量当たりのカロリー数が2倍と高い。

また歴史的経緯からもみても、人間の体は飢餓には強いが、飽食には弱い体質になっている。研究が進むにつれて、倹約遺伝子戸とか、肥満遺伝子と呼ばれる遺伝子の存在が判明した。日本人は太りやすい遺伝子を持っている人が多いという。

更にワシントン大学のジェフリー・ゴートン博士が発表した研究では、腸内細菌の中に、デブ菌とヤセ菌が存在し、太った人はデブ菌が多いという。便秘症や花粉症の人はデブ菌が多い可能性がある。

もう一つの理由は、中年以降の男女が肥満になるのは、40歳を過ぎると、体内のエネルギー生成システムが解糖系からミトコンドリア系主体に変わる為に肥満になる。ミトコンドリア系は解糖系の19倍のエネルギーを生成するから、大食してはいけないのである。

7.何故肥満は万病のもととなるのか

上述した様に肥満になると、脂質異常、高血糖、高血圧だけでなく、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患や糖尿病、腎臓病、ガン、胆石症、脂肪肝、痛風、睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす可能性が高くなる。

有り余った脂肪は活性酸素によって、過酸化脂質に変質して、全身の細胞、血管に浸透してゆくから、どんな病気を発症しても不思議ではない。

内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンが減る。このホルモンの働きは、動脈硬化、糖尿病、高血圧、高脂血症、メタボリックシンドロームの予防と改善である。ガンに対しても予防と退治の働きがある。

肥満の人は過食しているので、大量の食事量を処理するために、消化器官が疲弊するだけでなく、大量の糞便が常に腸内に停滞するので、活性酸素を発生させて、遺伝子を傷つける。

人間は歩行時に膝に体重の2~3倍の荷重がかかる。肥満の人は膝が痛くなるのも当然である。

膝だけでなく、足首の踝の一点で体重を受け止めてから、足の裏のアーチ状の三点で分散して支えている。踝の周りは23個の骨で構成されているが、この構造体が重い荷重で歪んでゆく。その歪みは親指の付け根から始まり、踝から膝関節へ、更に股関節に、腰椎から頸椎まで、左右の足の交互にジグザグに上体の方へ影響を及ぼす。これを西式健康法では身体故障伝達図によって説明している。太っている人は皆、自覚症状のあるなしに関係なく、足の関節に歪みがある。

9.肥満防止根本対策

答えは簡単である。大食しないことに尽きる。ところが食べる事は人生の一大楽しみであるから、凡人にはそう簡単には改善できないに違いない。その発想転換のヒントとしては。

▪人は生きた食べ物の命を戴いて、命を繋いでいるのであるから、食べ物に感謝し、
無駄喰いせず、食べ物に感謝すること。食への異常な執着心を捨てる。明日もまた
食べられるではないか。

▪大食すれば、体内のあらゆる臓器や器官にその処理するために、大きな負担を強いて
いる。この行為はイジメである。体の悲鳴に耳を傾けるやさしい気持ちを持つことで
ある。

▪すでに大食によって、病に苦しんでいる人は、強く健康を望む決意をもつて対処する
事である。

▪毎日15分、自彊術のような健康体操をすれば、自分の健康状態が把握でき、改善意欲
も湧く。

▪足首、膝、股関節、脊椎の歪みを矯正するには、西式健康法では、扇形運動、
上下運動、合掌合蹠運動、金魚運動が対策として用意されているから、コツコツ実行
するとよい。

10.まとめ

1)ひと時の「口福」に酔いしれて、無節操な牛飲馬食を繰り返せば、寿命が縮まることは、ラットや赤毛ザルなどの実験でも証明されている。

2)少食にすれば、サーチュインという長寿遺伝子が働くことによって、老化が防げる。

3))免疫力低下のもう一つの理由は、松田麻美子女史の著書「常識破りの超健康革命」によれば、「実際平均的な食事の消化に要するエネルギーは、フルマラソンで消費するエネルギー量(約1600キロカロリー)に相当する」とある。大食は体のエネルギーの無駄遣いである。

4)肥満症は基礎疾患として、コロナ過において認定されているのは位、免疫力がない。

5) 百寿者に肥満の人なんかいないという。「肥満大敵、死の用心」

おわり


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健康スクール予定 2021年8月

自彊術の佐野先生は8月9日と23日の月曜日で、一日3回の教室予定です。

① 10:00~11:30分

②13:00~14:30分

③14:30~16:00まで  ①②③それぞれ750円です。水曜日はなくなります。

③は指導者養成教室ですが、興味のある方は誰でも参加できます。祭日に重なる場合もおこないます  

山本先生、第一、第三火曜日   今まで通り 午前10時〜11時半   750円です。

↓ クリックすると大きくなります。

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酸化と糖化が病気をつくる By 豊岡 倫郎 氏 2021年7月30日

1.抗老防衰

抗老防衰という言葉が有る。秦の始皇帝は美女から口移しに美味な料理を食べていたが、不老長寿の妙薬を求めて、日本へ徐福を派遣したというが、願いもむなしく、50歳で亡くなった。死ぬ頃は白髪だらけであったという。人間だれでも生者必滅で、毎日が死に向かって行進しているようなものであるが、人には夫々の生活習慣があり、その違いから健康格差が生じている。その大きな要因が酸化と糖化である。

2酸化とは

体が酸化することを酸化ストレスと呼ぶ。これは活性酸素が過剰に発生して、体がサビついた状態のことを言う。我々は呼吸することによって、酸素を体内に摂り入れて、代謝過程において、エネルギーを作り出しているが、酸素の一部が分子構造の一個が欠けた不安定な状態になって、近くの物質と結合しょうとする酸化力の強い物質に変わる。それを活性酸素と呼んでいる。体内に入った酸素の内約2~3%が活性酸素になる。

活性酸素には、体内に入った有害物質やバイキンを殺菌したり、取り除くという重要な働きをしているが、過剰に発生しすぎると、酸化力が強いために、体に様々な有害な作用を及ぼし、病気の80%は間接的、直接的に活性酸素に起因していると云われている。

3.活性酸素が病気を導く構図とは

我々が食事から摂り入れた魚や肉などに含まれている脂質が体内の活性酸素によって、過酸化脂質に変わる。また体内に蓄積されているコレステロールや中性脂肪も過酸化脂質に変わる。この過酸化脂質は体内の臓器や細胞の中に浸透して行き、傷をつけたり、破壊したり、血管を脆くしたり、遺伝子を傷つけるなど全身にダメージを及ぼす。

活性酸素が関与する病気には、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病、肝炎、腎炎、膠原病、アトピー性皮膚炎、ガン、一般炎症、老化促進などいろいろある。

4.活性酸素の発生原因

何故活性酸素が必要量以上に過剰に発生するのだろうか。その原因となっていることを、列挙すると。紫外線を浴びる、喫煙、飲酒、大食、薬の服用、放射線を浴びる、激しい運動、電磁波を受ける、体内に炎症がある、腸内に異常発酵や宿便がある、食品添加物、農薬、殺虫剤の摂取、ストレス、睡眠不足などある。

5.活性酸素から身を守るには

体内には活性酸素を除去するSOD(スーパー・オキサイド・ディスムターゼ)という酵素が作られているが、40歳を過ぎる頃から生成量も減ってくる。上述したような活性酸素を発生させる生活態度を続けていると、SOD酵素と活性酸素との力関係のバランスが崩れて、活性酸素が優位になってしまう。

対策としては、SOD酵素以外にも、活性酸素に対抗する抗酸化物質を摂取することである。それを列挙すると。ビタミンA、C、E、緑黄食野菜、生野菜汁、ファイトケミカルと云われているフラボノイド、ポリフェノール、アントシアニン、ピコピンなどの含まれた食品がよい。食事では3分づき玄米、大豆製品、黒ゴマ、ニンジン、タマネギ、ブロッコリー、小魚、キノコ類、果物、海藻類、発酵食品の少食に徹することである。

もうひとつの対策は外部からSOD酵素を補給する方法がある。それは活性酸素の世界的な権威である丹羽靭負博士が開発したSOD様食品の摂取である。丹羽博士は高知県土佐清水市で土佐清水病院院長として、ガン、リュウマチ、アトピーなどの難病の治療に当たっている。これは薬ではなく、健康食品として誰でも入手できる。丹羽博士は多くの活性酸素に関する著書を書いているから、健康に関心のある人は一度は読まれると良い。

6.糖化とは

食事などから摂取した糖分は体内でタンパク質と結びついて、終末糖化産物(AGEエージーイー)という物質に変質してしまう。別名を糖化反応と云う。1912年にフランス人によって発見されて、発見者の名前を取って、「メイラード反応」と呼ばれている。その後研究が進み、体に様々な害をもたらすことが判ってきた。体内に過剰な糖分があると、血糖値が上がり、持続時間が長いほど、AGEの生成量も多くなって、蓄積されてゆく。

7.AGEの影響とは

体内のあらゆる器官や組織はタンパク質が主となって構成されているが、新陳代謝に必要な量以上の余分な糖分が血中に存在すると、至る所でタンパク質を変質させて、AGEが生成される。血管に沈着すれば動脈硬化に、皮膚に起きれば、皮膚の弾力性を失わせて、シワやシミを生む。

骨に入ればコラーゲン線維を損傷させる。またAGEが生成される過程で、活性酸素を発生させて、この活性酸素が糖化を促進させるというから、酸化と糖化はコインの表裏の関係になって、悪さをする。老けたくなければ甘いものを食べない事である。

もう一つ留意すべき問題は、このAGEはわれわれが日常摂取している加工食品の中に存在していることである。AGEを多く含む食品を列挙すると。バター、チーズ、マヨネーズ、高温の油で調理した、ステーキ、焼き肉、ハンバーガー、揚げ物類、鶏の唐揚げ、目玉焼き、焼き魚、トーストパン、ポテトチップスなどである。皮肉にもテレビでいつも放映中の料理ばかりではないか。

8.糖化を防止する食事法

基本は食事量を腹七分に抑える。主食は3分づき玄米、生野菜汁、小魚、大豆製品、黒ゴマ、緑黄色野菜、海藻類、キノコ類、発酵食品、果物などとする。避けるべき食品は、蛋白質の多い肉類、甘いお菓子と清涼飲料水、加工食品、スナック菓子は控える。

調理法は、焼く、炒める、揚げるから煮る、茹でる、蒸す方法に転換する。生で食べられるものは、糖化値が低く、生命力もあり、酵素も含まれているからお勧めである。

9.まとめ

1) 活性酸素がこれだけ病気発症に関与していても、医者から活性酸素がどうの
こうのと忠告を受けることは皆無である。糖化についてもまた然りである。
自分で気を付けるしかない。

2)活性酸素を発生させる五大要因は、飲酒、腸内異常発酵、ストレス、大食、
食品添加物・薬。

3) 70歳以上の人の80%は白内障になると云われている。その原因は活性酸素と
糖化による。

4)あなたは他人から実年齢よりも若く見られますか、それとも老けて見られ
ますか。その差は日頃の生活習慣による。これ位なら大丈夫
だろうという甘い考えが身から出たサビを生む。もうそろそろ酒を飲むのを
止めようか、毎日ケーキや大福もちを食べるのを止めようか。
医者から薬を貰っている方はこんな発想が湧かないものなのか。

おわり


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第152号 健康への道しるべ :令和 3年7月20日発行

第152号 心と体の健康生活:令和3年7月20日発行

■ 発行:健康への道しるべ友の会 編集 増田 桂子

■ 〒420-0962 静岡市葵区東1-14-31、Tel:054-245-8141、Fax:054-245-6142

■ 年間 購読料:2,500円

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今回のメイン記事は「ハンドパワーの不思議」
「手当て」すると言う言葉、そのまま患部に手を当てる意だが実践すると良く解かる。
筆者は心臓手術痕が良く痛むが、手を当てるとその痛みが緩和された気分になる。


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健康へのトビラ Vol.27

令和3(2021)年 7月 1日発行 Vol.27

編集・発行:NPO法人健康を考えるつどい

〒762-0011 香川県坂出市江尻町1220 TEL:0877-45-8441  FAX:0877-45-8444

今回より金沢にお住いの豊岡 倫郎氏 執筆の「健康情報」を毎号お届けします。

今回のテーマは『体の危機管理とは?』です。

豊岡倫郎氏のプロフィール

昭和13年8月生まれ。

金沢大学法文学部経済学科卒業。

定年後、金沢市内の公民館で健康問題に関心のある人たちに来ていただいて、毎月一回 健康講座を開催。

かれこれ18年間続けている。

健康法の道に入ったきっかけは、35歳の時に「甲田式西式健康法」で有名な八尾市の甲田光雄博士の診察を受け、慢性胃腸病が治った事。

その後西式健康法のみならず、自彊術、ヨガ、気功術、食事療法、運動療法など様々な健康法を体験し、またいろいろな健康法の知識を吸収して現在に至る。
自彊術は中伝の資格取得。

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色彩を健康生活に活かす By 豊岡 倫郎 氏 2021年6月30日

1.健康生活の中の色彩

健康法上見逃すことが出来ないものに色彩学がある。顔色と病気、食物の色と臓器、太陽光線と食物、服装の色と体への影響などについて、解説します。

2.顔色と病気の関係

色彩と生体は関連が深く、顔色を見れば大体どの器官が悪いかわかる。白い色は肺臓に影響するし、黒い色は腎臓、副腎に、紫色は循環器障害、呼吸困難に、青色や蒼白は胃腸に、緑色は脾臓に、黄色は肝臓に、赤は心臓に影響する。

3.病気と食べ物

上述したように顔色を見れば、どの器官が悪いかわかることになるから、顔色に合った色彩の食物を摂れば、病気が治って健康色の桜色に戻る。なお手のひらの色も大体顔色と同じ傾向があるからチェックしてみることも必要である。

例えば白い顔の人は肺が悪いから、白い大根、ネギの白い部分、とろろ芋などを摂ると良い。

顔色の黒い人は、腎臓系統が悪いから、黒ゴマ、黒豆、昆布などを摂ると良い。顔色の青い人は緑黄色野菜を摂る。顔色の黄色い人は肝臓が悪いから、黄色い食物、つまりミカン、ニンジン、レモン、カボチャなどを摂る。顔色の赤い人は心臓が悪いから、赤いトマト、赤いカブラ、赤い鮪の刺身、リンゴなどを摂る。そうすれば次第に健康色の桜色に戻ることが出来る。

4.太陽光線と野菜や果物の収穫タイミング

太陽光線を分光すると、七色に分かれる。即ち紫,藍、青、緑、黄、橙、赤で、これが人間の眼で光として認識できる可視光線領域である。因みに太陽光線にはこれ以外に、この可視光線よりも波長の短い領域に紫外線があり、逆に長い領域には赤外線がある。

そこで一日の可視光線は朝は紫から始まり、夕方には赤で終わりを迎えるが、夫々の色が一番その波長が活発な時に、野菜や果物を収穫すると、その生命力も一番活発になっている。例えば朝には紫色のナスを収穫し、昼頃には青い色の青菜やキュウリ、夕方にはトマト、カキミカン類を収穫すると、栄養成分も一番充実していて、長持ちするし、損傷も少ない。

5.色彩と性情の関係

赤色は活気、情熱、喜び、興奮の現れを現わす。深紅色は激怒、激烈を。朱色は獣的な愛情を。黄色は向上心、快活、明朗、明快、興奮を。橙色は喜びを。緑色は嫉妬を。青色や黄色は後悔、失望、失意を。紫色は温厚、優雅、従順を。黒色は憎悪、怨恨、恐怖を。灰色は謙遜、恐怖を。白色は清浄、潔白を。桜色は穏健、優雅を現わしている。

従ってこれらの性情を考慮して、これらの色素を食物で補給したり、逆に制御したりすると同時に、被服の面でも配慮することで、段々精神的にも安寧をもたらすことが出来る。

6.色彩の好みと若い女性の性格

紫色の衣類を好む娘さんは、非常に内気で、言うべきことも言えないような内気な人で、他からプレッシャーを受けると、精神状態が混乱することも起こりかねない。従って紫好みの娘さんは、時々赤い色の衣類も用いるようにして、バランスを取ることが大事である。

赤い色の衣類ばかり好きな娘さんは、非常に活発で、お転婆さんになり易いから、幼い時から余り赤い衣類ばかり着て、育てるのはよろしくない。赤好きの娘さんには、時々紫色の衣類を着せて、調和を図ることによって、あまり活発過ぎるのを抑えて、程よい性格の娘さんにすることが出来る。

7.色彩と体の部位別服装

健康を保持する上で、人体各部の服装の基礎的な色彩は.次の通り。頭部は藍色がよく、手ぬぐいや帽子も藍色に近いものが良い。咽喉部は空色が良く、肩掛け、マフラーはこの色にする。

ご婦人の洋服の襟も空色系統にする。下腹部は赤色が良く、パンツの色もこれで元気が良くなる。足部は藍色が良く、靴下は紺色が理想的である。

8.色彩と波動の関係

色彩を可視光線として目から認識するだけでなく、体全体で感ずることが出来るという。例えば目隠しをして、内部を黒色にした部屋に入っているときは、気持ちが陰鬱になるし、真っ赤にした部屋に入っているときは、明るい気持ちを抱くという。それぞれ違った感覚に陥ることが実験で証明されている。また三重苦のヘレンケラーが色の認識を皮膚から感じ取っていたと、本に記述されている。

皮膚は色を感じ取ることが出来るようである。一説によると、夫々の色から波動が発信されていて、それを肌で感じ取っているらしい。ただし誰にでもできる技ではない。現代人はもはやどっぷりと文明の利器や暴飲暴食で、体全体が鈍感になってしまっているので、普通の人では無理かもしれない。

9.皮膚の健康法

内皮は外皮に通じる、という言葉が有る。腸のきれいな人は肌がきれいである。腸がきれいということは、腸内環境が良いということを意味している。顔や手のひらに悪い徴候の色が出るような人は、先ず腸内の宿便を排除することが最優先事項であることを認識する必要がある。

10.まとめ

1)漢方には未病を治すという言葉が有る。これはまだ病気になる前段階の兆候をつかみ、対処することによって、未然に病気を防ぐという意味である。だから顔色を観察して、病気の兆候を見つけることの意義もここにある。

2)上述した様に顔色と体内臓器の疾患との関係から、顔色に合った食べ物を摂取すれば、疾病を治し、健康色の桜色になる方法を解説したが、食物だけでなく、顔色に合った色彩の衣服を着ることも、同じ意味で必要である。赤ん坊には赤い服が良く、黄疸の人には黄色の下着が良い。

温かい季節になると、家の中ではTシャツ一枚で過ごす事も多い。店にはいろんな色の物が売っているから、試しに着て過ごしてみてはどうか。

3)では何故皮膚に現れた該当疾患の色の物を食べたり、身に着けたらよいのか、疑問に思う方もおられることと思う。その訳は身体内部の臓器に、その色素が欠乏している事を示しているからである。これが「症状は即ち療法である」という根拠から生まれた療法なのである。

4)最近の大型テレビは鮮明に人の顔が大写しされる。いろんな人達の顔色だけでなく、顔のいろんな部位の状態をも観察して、健康状態を推測するのも、役に立つことがあると思う。興味がある人は、病気の予兆についての本も出版されているから読まれると良い。

おわり


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